標高を100m上げると0.6度気温が下がると言われています。1000mの山の上では自分が住む町(標高0mと過程)よりも6度低いことになります。街では桜が咲く春でも、山の上はスキーができる積雪量があるなど、大きな違いがあることを理解する必要があります。
登山適期を知ることの重要性
山に残雪があるか、ないかで登山難易度が大きく異なり、持ち歩く装備も変わることから、初春の登山(5~6月)と晩秋〜初冬(10~11月)にかけての季節の登山は特に注意が必要です。
山の上の春夏秋冬
平野部では3ヶ月区切りで春夏秋冬を数えますが、山の上では季節の始まりと期間に大きな違いがあります。
上の表を見ると高山では春夏秋冬の期間に大きな違いがあることが分かります。
- 冬は11月〜5月の約7ヶ月
- 春は一瞬(6月は冬と春の境目)
- 夏は6月〜8月の約2か月
- 秋は9月〜10月の約2か月
春夏秋冬で様変わりする山の上の様子(高山を例に説明)
高山では10月末から11月にかけて雪が積もり、5月から6月にかけて徐々に雪が溶け始めます。富士山の初冠雪が9月上旬です。この時期の登山を雪山登山等と呼びます。スキーを楽しむ人にとってはワクワクする時期となります。
6月頃に徐々に雪が溶け始め7月頭には高山植物の見頃を迎えます。富士山の山開きは例年7月1日と10日となっています。この頃はまだ富士山には雪が残っています。この時期の登山を残雪期登山と呼びます。山小屋などに確認をして登山道の状況や水場の状況などを確認することが重要な時期です。
7月から9月が登山適期で2000m後半の標高をもつ山は、平野部の猛暑から逃れ涼しい気候で登山を楽しむことができます。(7月始め2000m前後の山ではエリアに寄ってアブの大量発生があります。)この時期の登山を夏山登山と呼びます。
8月と9月は1年間の中で最も雨の多い季節で、登山計画を立てたけれども、雨に寄って登山の実行が難しくなることも多々あります。エリアを大きく変更することで雨から逃れることもできるので、この時期の計画は2、3種類、エリアに変化をつけてプランを準備しておくことをおすすめします。
9月から10月にかけては紅葉登山の最盛期となります。9月の初めには草紅葉が始まり、10月初めには見頃を迎え、たくさんの登山者で山が混み合います。特に東北エリアは紅葉が美しいことで有名な山が多くあります。
また冬になると登山ができなくなると考える人たちが多く、1年を締めくくる登山として位置づける人が多いため、紅葉が有名な山では登山道で渋滞をすることがあります。
登山適期を考える上での注意点
上で説明したのは、あくまでも一例で、例えば7月には群馬や東北一帯ではアブの大量発生により登山適期とは言えません。
積雪量は日本海側は多く、雪質も異なり冬山登山の楽しみ方やリスクは場所によって様変わりします。北海道の山は別格で雪の量と質が異なります。
すべてがマニュアル通りにならないのが日本の山です。