苗場山の紅葉登山-小金色に輝く大湿原-10/5のレポート
新潟県湯沢町と津南町、長野県栄村の境に百名山の苗場山はあります。2,000mを超える山頂に広大な高層湿原がある珍しい山。そこには多くの池塘が点在、7月中旬からは様々な高山植物が咲き誇ります。9月下旬以降の湿原の草黄葉も素晴らしく、最高の秋の思い出として深く胸に刻まれることでしょう。
山頂へは新潟県、長野県側からいくつかのコースがあり、都心部からアクセス容易な越後湯沢駅や湯沢IC利用でかぐらスキー場は和田小屋へ、そこから山頂目指す「祓川コース」がメジャールートですが、今回ご紹介は秋山郷からの「小赤沢登山コース」。この選択は「苗場山への最短ルート」という利点がありますが、それだけではない魅力があります。
■山域:上信越高原国立公園
■所在地:新潟県湯沢町・津南町長野県栄村
■標高:小赤沢三合目登山口 駐車場 1,292m・苗場山 2,145m
■紅葉の見頃:9月下旬~10月中旬
■レポート:2021年10月5日
小赤沢登山コース起点 小赤沢三合目登山口
60台ほどの駐車スペースにはトイレも有り、深夜早朝着でも困ることはありません。ここから苗場山へは約3.5時間、標高差850m程となります。
小赤沢三合目登山口 駐車場
https://goo.gl/maps/9EKTsfAAuguhzxuD9
この日10月5日、ベースから山頂にかけては紅葉始めといった感じでしょうか、麓から深い秋色に染まるのは10月中旬以降ですね。
いくつか急登の鎖場がありますが、登山道としては標準的な難易度で小学生低学年でも少々のサポートで問題ありません。
紅葉樹林帯から笹に植生が変われば、頂上の高層湿原まであと少し。
苗場山の高層湿原へ
苗場山は太古の火山活動の噴出物により9合目から山頂までは平らな地形が続いています。約700haの広大な高層湿原には約3000箇所の池塘(湿原の泥炭層にできる池沼)が。麓は紅葉始めでしたが山頂の草黄葉はピークでした。
景色一変の山頂、可愛らしい秋色の丘陵がお出迎え。この景色を容易に見れるのは小赤沢登山コースからのアクセスならでは。祓川コースでは少々遠く、見ずに引き返す方も多いのです。
設備の充実した苗場山頂ヒュッテ。その周辺の開放的なレストスペースはずっとそこにいたくなります。
苗場山頂ヒュッテ
https://goo.gl/maps/Wx2v7ByyBgHbp5S76
優しくそよぐ秋風、金色の草紅葉の中で熱々カップヌードル、最高の時間ですね。
何度見ても可愛いお山が帰路のお見送り。
下山後のお楽しみ「小赤沢温泉 楽養館」
秘湯の趣と最高の泉質。小赤沢登山ルートの魅力は楽養館があるからと言っても過言ではありません。これだけの濃い温泉もなかなかないでしょう、白いタオルは赤く染まるのでご注意を。登山後の癒しはぜひこちらへ、食堂では郷土料理の提供も有りますよ。
小赤沢温泉 楽養館
https://goo.gl/maps/RBrXkoaMajnja9AJ9
■住所:〒949-8321 長野県下水内郡栄村堺18210
■営業時間:9時30分~18時30分
■定休日:水曜日
■℡:025-767-2297 ■sakae-akiyamago.com
麗しの白駒池からのニュウの紅葉-10/10のレポート
白駒の池は長野県南佐久郡佐久穂町と小海町との境にあり、標高2,100m以上では日本最大の天然湖。駐車場から歩いて15分程度と楽ちんアクセスながら、雪残る5月から晩秋まで高山の季節の移り変わりを見ることができます。紅葉の頃はコメツガやシラビソの針葉樹林と湖畔のナナカマドやカエデの赤、ダケカンバの黄色の見事な対比を湖面に写します。ここは北八ヶ岳登山の玄関口の一つでもあります。
白駒池から1時間ほどでピークのお山、ニュウはぜひセットで。苔の絨毯の原生林を行った先の山頂は荒々しい岩峰でゾクゾクの高度感、富士山まで見渡せる大展望、下れば高見石小屋と高見石展望台の絶景と映え萌え必至なエリアですよ。
■山域:北八ヶ岳
■所在地:長野県南佐久郡佐久穂町・小海町
■標高:白駒の池2,115m・ニュウ(乳)2,352 m
■紅葉の見頃:9月下旬~10月上旬
■レポート:2021年10月10日
週末は深夜2時までに駐車場、できれば前泊。
レポは白駒池の紅葉ピークを若干過ぎた10月10日、深夜3時の駐車場は残すとこ数台とほぼ満車、夜明頃には入れない車が駐車場入り口から長い列、至近の車でも数時間以上空き待ちでしょう。路上駐車の取り締まり厳しく路肩駐車は無理です。縦走・小屋伯・テン伯のベースなので日をまたがって駐車も多く日曜朝は特に厳しい状況。なので遅くても深夜2時頃まで、できれば前日から駐車場に入るのが確実です。到着が早朝になるなら他行きましょう。
標高2.115mの駐車場の夜は9月末なら10度以下の冷え込みもありえます、♯3以上のシェラフ・防寒着もお忘れなく。
白駒池駐車場
https://goo.gl/maps/tM9YR74553aD59cM7
駐車場から白駒の池周辺
15分ほど歩けば麗しの湖畔に。秋晴れのこの日は透明感と深い青に吸い込まれそう。
青苔荘 テント場
なんとも清々しい場所に青苔荘 テント場があります。
https://goo.gl/maps/a3BHs4d68qKwjajR7
敷き詰められた緑の絨毯の趣、白駒池周辺は、日本蘚苔類学会から「日本の貴重なコケの森」に選定された美しい森です。
白駒池からのニュウへ
池を離れニュウへ向かいます。白駒湿原を抜けると登りとなります。
ニュウの頂き、標高2352mへ
ここからの360度の見晴らしは凄いです。岩稜トップまで行けばかなりの高度感にわくわくです。
眼下に絶景、朝ごはんは熱々カレーヌードル、最高の時間ですね。
南南西に天狗岳と硫黄岳を望めます。
歩いてきた白駒池の向こうに、北横岳や蓼科山ですがこの日は雲隠れ。
ニュウから中山展望台へ
苔むした岩塊ごろごろの樹林帯を行き中山展望台へ(標高2496m)へ。
中山展望台から高見石小屋、白駒の池
中山展望台はニュウより標高は高く、その名の通り展望は抜群!の筈ですがこの日は生憎のガス。
ランプと星空で知られる高見石小屋。長野は魅力的な山小屋が多くて良いですね。
高見石小屋
https://goo.gl/maps/exHygJPd6nT7xVMv9
浅間山荘から前掛山の紅葉登山-黄金の輝きを堪能-10/23のレポート
浅間山は、長野県北佐久郡軽井沢町と群馬県吾妻郡嬬恋村との境にある安山岩質の標高2,568メートル (m)の成層火山。山体は円錐形でカルデラも形成されており、活発な活火山として知られます。
今回のご紹介は「浅間山荘-浅間山(前掛山) 往復コース」。車坂峠からのルートでは浅間山全体像を見渡すことができ、それはそれは素晴らしい絶景ですが「草滑り」「Jバンド」の激下り・登りが避けられません。前掛け山と合わせ大きく二つのピークはわりとシンドイ。浅間山荘からなら徐々に標高を上げ麓の秋色に染まる広葉樹、カラマツの黄金の輝きと多彩な秋を楽しめます。
前掛山(2524m)は今日現在は噴火警戒レベル1で登山者が登頂可とされてますが、噴火警戒レベルが2以上に引き上げられると立ち入り禁止になります。登山前には十分な情報収集が必要ですのでご注意ください。
■山域:浅間山系
■所在地:群馬県吾妻郡嬬恋村; 長野県北佐久郡軽井沢町・御代田町
■標高:浅間山荘の駐車場 1,410m・前掛山 2,524m
■紅葉の見頃:9月下旬~10月中旬
■レポート:2021年10月23日
浅間山荘駐車場からアプローチ
浅間山荘の駐車場(写真撮りわすれました(+_+))はトイレ至近の山荘本館前の駐車場(1台500円、前夜泊の場合1000円)と一段下に広い無料の駐車場(7時00分~18時00分のみ利用可能)があり満車の心配はありません。
浅間山荘駐車場
https://goo.gl/maps/4DmWmS21PBoMD8BR7
下の方の広葉樹はまだ緑色、このあたりの紅葉ピークは10月下旬ですが、その頃は上の黄葉は終わります。
右手にトーミの頭、左手に牙山が見えるあたりからカラマツが黄色に染まり始め、外輪山の荒々しい山肌とのコントラストが見事です。この日、2021年10月23日は前夜に降雪がありました。
硫⻩の匂い漂う火山館手前の谷。赤い川が流れ活火山であることを感じる地獄谷と呼ばれる場所です。
火山館でレストタイム
火山館で休憩です。飲料水(無料)の補給ができ清潔なバイオトイレが200円。テラスにテーブルと椅子があります。丸太で組んだ2階の下は太い鉄筋の屈強な建物、ここは噴火の際はシェルターとなります。
火山館
https://goo.gl/maps/dbd226gFNaLSdLt8A
カラマツは徐々に低くなってゆき低木の疎林となります。
右手にドーンと浅間山本体が現れます。秋と冬の狭間の輝き、ほんと一期一会の素晴らしい日。
前掛山、冬山の世界へ
カラマツも小さな草のようになり、ここから前掛山登山、冬山の世界となりました。
ここは地球だろうか?どんな言葉ならここを巧く表現できるのだろうか?
新雪の中での昼食、お約束の熱々カップヌードル byHEXAR、最高の時間ですね。
荒涼とした砂と岩の世界を進みます。天空に繋がるような前掛山山頂へのビクトリーロード。
外輪山とカルデラ地形を一望。⻑い時をかけ作り出された火山の造形美と黄金に輝くカラマツ、時間を忘れ見とれてしまう美しさです。
下山後のお楽しみ「小天狗温泉 浅間山荘」
天狗が浸かったから赤くなったという伝説のある温泉。鉄分を多く含み体の芯まで温まります。