今回で6代目となるサロモンのスピードクロスは、サロモンのトレイルランニングシューズカテゴリーの中でランナーからの支持が高いシューズとして知られています。他のトレイルランニングシューズと比較して驚くのはフィット感とグリップ力です。この最新のシステムを搭載した2022年の秋に新発売されたスピードクロス6を履いてファストハイクを楽しんできたのでレビューをしていきます。
スピードクロスのデザインの歴史
サロモンは1994年にアドベンチャー7のような丈夫なハイキングシューズ(これも斬新なデザインでかなりかっこいい)を発売しましたが、当時のものと今のシューズを比較すると、例えば XA P のような登山者のニーズを満たす軽量で足さばきがしやすい新しいシューズの開発をし続けていることが分かります。
スピードクロスについても数字で見えやすい軽量化を筆頭にグリップ力とフィット感を向上させ、スピードクロスという名に恥じない軽快な動きを可能にしたシューズにアップデートされています。
※横スクロールで表がスクロールできます。モデル名 | スピードクロス 6 | スピードクロス 5 |
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重量(27㎝) | 298g | 320g |
ドロップ | 10mm(かかと32/前足部22) | 10mm(かかと35/前足部25) |
ミッドソール | EnergyCell™+ | EnergyCell™+ |
アウトソール | Contagrip® TA | Contagrip® TA |
レーシングシステム | SensiFit™ | SensiFit™ |
スピードクロスのおすすめポイント
- 足先から足首までクイックレースによって瞬時に包み込むように足にフィットさせることができる
- 小石や砂などがシューズの中に入りづらいアッパー構造で行動に集中できる
- ドロップ形状と高反発のミッドソールによって体を前に前にと運んでくれるようなサポートがある
- 雨に濡れた滑りやすい登山道や凸凹な岩場など、深くて鋭いラグで優れたグリップ力を発揮する
スピードクロスの気になるポイント
- ラグが深いことによる岩場上での引っかかりや、泥土などの付着
- アッパーの柔らかな生地に枝などが刺さったりしないか
スピードクロスの製品概要
ブランド | サロモン |
商品名 | スピードクロス6 GORE-TEX |
商品説明 | Salomon のルーツに忠実なトレイルの定番 SPEEDCROSS 6。軽量化を追求しつつさらにパワーアップしたこのバージョンは、優れたグリップが地面をしっかり捉え、泥落ちもスムーズです。防水性と通気性に優れた GORE-TEX メンブレンは濡れた地面やぬかるみに最適。アッパーも新デザインですが、SPEEDCROSS の従来の快適さはそのままです。 |
価格 | ¥20,900 |
重量 | 片足328g(27cm) 片足298g(ゴアテックス無し) |
ドロップ | 10mm |
管理人の評価レビュー
総合評価 | ★★★★☆ |
快適性 | ★★★★★ |
軽量性 | ★★★★☆ |
安定性 | ★★★★★ |
クッション性 | ★★★★★ |
価格 | ★★★★☆ |
スピードクロスの詳細レビュー
耐久性とフィット感を合わせ持ったアッパー
トレイルランニングシューズで最も重視しているのが足へのフィット感です。シューズの中に空間ができてしまうことで足ブレが生じ、長い距離を行動していると疲れが生じます。また足の蒸れによって靴擦れが起きやすくなってしまいます。
そのために重要なのがシューレースをつま先から足首にかけて均等にフィットさせることなのですが、サロモンのSensiFit™とクイックレースによって、これを容易に行うことができます。
僕はこの容易で素晴らしいフィット感が生まれるサロモンのクイックレースが好きで、登山、ファストハイク、トレイルランニングでサロモンのシューズを愛用していますが、今回のスピードクロス6は特にフィット感が素晴らしく、足の一部になるような感覚です。
さらにアッパーのトップ部分には、通気性に優れたメッシュ素材で覆い、細かな砂や砂利などが足の中に入りづらく、内側からはしっかりと湿気を逃してくれ足を快適な状態に保つ作りです。
足裏が疲れづらい高反発なミッドソール
長距離の登山、足裏を酷使するファストハイクは、登山終わりに大きな疲労の蓄積で足がむくみやすく、ふくらはぎもパンパンになります。
今回は1泊2日のファストハイクで、累積標高が2000m強のハードな山行でしたが、足の疲れがほとんどないことに驚きました。
実は行動中にその予感はあって、『疲れがたまりづらく、前に押し出してくれるようなクッション性能と反発力の高さが凄い』という感想を持ちながら行動をしていたのですが、スピードクロス5から採用されたEnergyCell™+が存在として大きいと思います。
とにかく滑らないグリップ力
ラグの深さによるグリップ力はマッドな地形で力を発揮すると考えていましたが、実際その通りで、濡れた根っこや土の上でもギュッと地面をつかむような感触は大きな安心感を得ることができました。ラグの高さがスピードクロス5に比べ低く、ラグパターンを減らすことで泥詰まりを軽減しています。
ラグが深いことによる岩場での足運びは大変スムーズで、Yの字のラグ形状で足裏の引っ掛かりが全く無く、よく考えられた形状なのだと感心しました。
また泥がラグにへばりつくような事がなく足を運んでる最中に泥を素早く落とす構造で、足裏にへばりつく土の重さを感じることがありませんでした。
足をしっかりと保護した構造
つま先から踵にかけて足を保護する作りは安心感が高く、トレイルランニングシューズ初心者の人でも安心して履くことができる仕上がりだと思います。
シューズに使用されているリップストップ生地による耐久性も高く、裂けや摩擦に耐えられるように補強されています。これらはペットボトルなどの再生材料から作られており環境にも配慮されています。
サイズ展開とゴアテックスの有無で選べるシューズ
サイズは通常とワイドサイズの2つのバージョンで様々な足型の人がフィットする展開です。
またゴアテックスありなしを選ぶことができます。僕はスピードクロス6を履いて1泊2日以上のファストハイクや縦走登山を楽しみたいのでゴアテックス入りを選びました。
日帰りのトレイルランニングや、足が濡れても特に気にせず乾きやすいトレイルランニングシューズを選びたい人にはゴアテックスなしを選ぶことができます。価格差は税抜きで3000円で、ゴアテックス入りで2万900円(税込)、ゴアテックスなしで1万7600円(税込)です。これからの秋山シーズン、トレイルランニングはもちろん、ファストハイク、スピードハイクにもおすすめの一足です