ポーラテックのアルファはインサレーション(化繊中綿素材)です。登山ではアクティブインサレーションに使用される素材として知られており、主にミドルレイヤーで活躍します。今回はこのポーラテックのアルファを使用したミレー ALPHA LIGHT SWEATを紹介しながら、ポーラテックのアルファの特徴と種類を紹介します。
ポーラテック アルファを活用した登山シーン
ポーラテックのアルファは化繊インサレーションのため、登山のレイヤリングでは主にミドルレイヤーとアウターで活躍します。種類によって活用シーンが異なります。
ポーラテックアルファの特徴
- 起毛素材が多ければ保温力に優れ、少ないことで通気性に優れる
- 疎水性に優れ汗に濡れる、また蒸れても保温力を失いづらい(疎水性とは水と混じりにくい性質)
- メッシュ構造によるストレッチがあり動きを妨げない
おすすめのレイヤリング方法
- 登山における防寒着(起毛素材の量によって季節を考える)
- 秋山登山におけるミドルレイヤー(薄手タイプのアルファ)
- 雪山登山におけるミドルレイヤー(中厚手タイプのアルファ)
- バックカントリースキーのミドルレイヤー(中厚手~薄手タイプのアルファ)
ポーラテックのアルファの特徴
ポーラテックのアルファは、アメリカ特殊部隊の戦闘服用に使われるインサレーション素材として開発された歴史を持ちます。保温性・通気性・防水性に優れた特徴をもつインサレーションで、着心地は、軽くストレッチ性があり、行動着として最適なインサレーションとして人気のある素材です。その仕組みについてポイントを紹介します。
ポイント1:通気とストレッチを両立させたメッシュ構造
アルファは細かく編み込まれたメッシュ生地をベースに、起毛した化繊がデッドエアを確保する構造です。このメッシュ部分が伸び縮みをするので動きを妨げません。
ポイント2:軽くて濡れに強い
毛足の長いフリースのような生地なのですが濡れても保水せず渇きも早く、汗をかいても保温力が失われません。通気性が確保されたメッシュ構造なので素材そのものが非常に軽いのが特徴です。
ポーラテックのアルファの種類
ポーラテックのアルファには上で紹介したように、細かく編み込まれたメッシュ生地の糸の太さ、このメッシュ生地に縫いこまれた起毛素材の量によって種類が存在します。起毛素材が多ければ保温力に優れ、少ないことで通気性に優れ軽くなります。
最も通気性の高い軽量なアルファの生地重量が51g/㎡、次に64g/㎡、88g/㎡、98g/㎡というように違いがあります。
またポーラテックのアルファを表地も裏地もつけずにそのまま使った状態だと「アルファダイレクト」という名前に変わります。アルファダイレクトは素早く汗を吸い、乾かす特性が活かされ、生地が少ないために通気性にも優れています。
逆にアルファダイレクトは素材を閉じ込めないために「中」綿とはならず、保温力は落ちます。
ミレーALPHA LIGHT SWEATからみるポーラテックアルファの良さ
ミレーのALPHA LIGHT SWEATはアルファダイレクトではなく、表地に蒸れを外に放出し乾きの早いメッシュ素材と、裏地に柔らかな肌触りの素材でアルファを挟んだ三層構造です。
非常に軽量でスウェットのような肌触りで、冬の登山では登り始めの寒い時に着用して行動を開始し、暑くなったらジッパーを開けて体温調整が可能なジャケットです。
汗をかいても乾きが早く、ストレッチ性があるため動きを妨げないミドルレイヤーで、3シーズンの登山では保温着として活用することができる、ポーラテックアルファの良い部分を引き出したジャケットです。
小屋の中でリラックスする時やテント泊用のパジャマのような使い方にもおすすめで、汎用性に優れた化繊ジャケットです。
化繊中綿と聞くと保温着というイメージが強いのですが、ポーラテックのアルファは、保温性・通気性・防水性に優れた特徴をもつインサレーションなので、季節に応じて使い分けることができます。
ポーラテック アルファを使用した登山ウェア
ここからはポーラテック アルファを使用したおすすめの登山ウェアを紹介します。
Rabアルファフラッシュ
ポーラテックのアルファダイレクトを使用した通気性に優れたジャケットです。非常にシンプルな構造で、軽量なジャケットに仕上がっています。雪山登山などでミドルレイヤーとして使いやすく、様々なアクティビティで活用できます。重量は273g です。
ノローナ フォルケティン アルファ120
ポーラテックアルファ120を採用したフード付きジャケットです。汗をかきやすく、可動域が多い肩下から脇下、腕下に伸縮性の高いポーラテックのパワーグリッドを施し、行動中は動きやすく、熱がこもりにくいインサレーションに仕上げています。