登山やトレイルランニングを楽しんでいる人たちに欠かせないポーラテックのフリースと化繊の種類を徹底的に紹介します。ポーラテックを採用したおすすめアイテムもたっぷりと紹介します。

目次

ポーラテックとは

ポーラテックの生地

ポーラテックとはフリースや化繊中綿の素材メーカーです。ポーラテック社の素材は機能別で様々な種類が存在し、それらは登山やトレイルランニングはもちろん、キャンプなどのアウトドアシーンに快適な着心地を提供します。

種類は多岐に渡り、登山ではベースレイヤー、ミドルレイヤー、アウターと様々なレイヤリングに活用できます。

ポーラテック社がフリースを生み出すまでの歴史

ポーラテックを語る上で切っても切り離せないファブリックはフリースです。今では誰もが違和感なく言葉にするフリースはポーラテック社が生み出した素材です。

ポーラテック社は19世紀、モールデンミルズ社という名で兵士の制服や、女性服向けの素材を主力製品としており、戦後にはカーテンやソファ、ベッドなどの生地が生産量の4分の3を占めるという歴史をもちます。1950年代に入ると、ファッション界でフェイクファーが大流行し、ポリエステルを起毛させた商品製造で大いに潤いました。しかしながら1970年に入ると起毛ポリエステルの需要も頭打ちになってしまいます。

ポーラテックとパタゴニア

ポーラテックとイヴォン

そんな中、パタゴニアの創設者イヴォン・シュイナードがモールデン素材工場を訪ねてきました。

当時パタゴニアを立ち上げたばかりのイヴォンはクライマー達に好評を得ていたイギリス製のラグビーシャツなどを輸入販売をしていました。

この時期の登山界ではコットンやウール・ダウンといった天然素材に依存していた。イヴォンは、水に濡れてもすぐ乾く化学繊維に着目し、漁師たちの日常着『化繊セーター』こそが山でのベストレイヤーなのでは?と考えていたといいます。

1976年のある日、イヴォンの妻マリンダがフェイクファーコートに使われているモールデンミルズ社の素材を偶然発見し、これでセータを作り、幾度となくフィールドテストを行ったといいます。

毛玉になりやすくゴワゴワと嵩張る、見た目も悪いなどの多くの問題を抱えつつも、優れた保温効果と速乾機能の実感を得て、イヴォンはこれこそが新時代のアルパインウェアに取り入れられるべきだと確信したといいます。

フリースの誕生

ポーラテックのフリース

それまでアウトドア業界とは縁もないモールデンミルズ社。イヴォンが訪ねて来たときは「この若者は毛布の生地を使ってなにをしようというのだろうか?」とびっくりしたといいます。

このころはまだ、フリースという言葉は一般的でなく、イヴォンの思いつきによって革命がなされることは誰も知る由もなかった。しかしモールデンミルズ社3代目社長のアーレンは彼の申し入れを快く受け入れ、ポリエステル・バンディング(フェルトの化繊版ともいえるようなファブリック)を開発し、パタゴニアは、この素材でシンプルなプルオーバーを作り販売したところ、大好評を博し、パタゴニア社の主力商品となりました。

これをきっかけに、さらに開発をすすめ、更にソフトな肌触りで、ハードな使用にも毛玉になりづらく、両面起毛のポリエステル・フリースが誕生しました。

ポーラテック クラッシック

まるでシンチラ(ビロード)のような艶やかな肌触りから、シンセティックのシンチラ=シンチラと名付けられた。日本でもシンチラという名でパタゴニアというブランドを知ったという人も多いのではないかと思います。

もしこのシンチラフリースが特許申請されていたら?それを両社は敢えてしなかったことで、アメリカからヨーロッパまで広くアウトドアブランドが、このフリース素材を使い、アウトドアのレイヤリングに革命を起こしていくことになります。

90年代に入ると人気カジュアルブランドがフリース素材を大々的に使用し、爆発的なブームとなり、モールデンミルズ社はこれを機会にフリースをポーラテックと名付けます。この時点でポーラテック100、200、300、そして防風性を持つWind Proというラインナップを取り揃え、アルパインからカジュアルまでの汎用性を持たせました。

ポーラテックのフリース・化繊の種類

ポーラテックの生地

ここまでの説明でポーラテックがフリースメーカーとして有名なことは分かったと思います。しかし着目すべきはフリース以外のファブリックなんです。

現在ポーラテック社が生産するファブリックは550種類以上にのぼります。ポーラテックにはアウトドアウェア以外に、ミリタリーウェア、ワークウェア向けと大きく3つのターゲットカテゴリーが存在し、技術的にお互いが作用しあってよりよいモノづくりが成り立っています。

更に機能と用途でレイヤリングにおける3カテゴリーに分かれており、それぞれのカテゴリの概要を紹介します。

※横スクロールで表がスクロールできます。
レイヤリングカテゴリー名素材の種類
ベースレイヤーネクスト・トゥ・スキン・パワードライ
・パワーストレッチ
・パワーグリッド
ミドルレイヤーインシュレーション・クラシック
・サーマルプロ
・ハイロフト
・アルファ
アウターウェザープロテクション・ウィンドプロ
・パワーシールド
・ネオシェル

ポーラテックのベースレイヤー『ネクスト・トゥ・スキン』

ポーラテック ベースレイヤー

ポーラテック ネクスト・トゥ・スキンはレイヤリングの基本になるベースレイヤーです。特徴は肌に直接触れていても着用ストレスがなく、着心地を重視しています。

ネクスト・トゥ・スキンには3種類のファブリックが存在します。

  • ポーラテック・パワードライ
  • ポーラテック・パワーストレッチ
  • ポーラテック・パワーグリッド

構造上の特徴はシリーズ共通で、表面と裏面とで異なる編み糸を用いた二重ニット構造になっています。この内側にはタッチポイントと呼ばれる肌と点接触する部分が多数設けられ、皮膚から汗を吸い上げます。 毛細管現象を活用した編み地は、汗を外へ外へと急速に拡散して大気へと蒸発させます。

これによって一般的な一重構造のファブリックと比べ、少なくとも30%以上多くの水分を肌表面から除去することができます。

アウトドアではベースレイヤーをどう選ぶかで活動時の快適性や安全性が大きく変わります。土台となるベースレイヤーがきちんと機能していなければ、ミドルレイヤーもアウターレイヤーも本来のポテンシャルを発揮できないからです。その点、この3種類のファブリックは登山者のニーズにしっかりと応えてくれます。

ポーラテックのミドルレイヤー『インシュレーション』

ポーラテック インシュレーション

レイヤリングの中間層に当たるインシュレーション素材。その中核を担うのがポリエステル・フリースです。フリースは裏表両面を起毛させることでロフトを持たせ、高い通気性を確保しながら保温する素材です。

インシュレーションには4種類のファブリックが存在します。

  • ポーラテック・クラシック
  • ポーラテック・サーマルプロ
  • ポーラテック・ハイロフト
  • ポーラテック・アルファ

1985年に世界で初めてこのフリース素材を開発したのがポーラテック社ですが、現在同社はこのスタンダードフリースをポーラテック・クラシックと呼称しています。

クラシックシリーズは目付(単位面積あたりの重量)の違いによって、クラシック・マイクロ、クラシック100、200、300に分類されます。 一方、フリースの表面にポリエステルベロア、ボア、シャーリングなどのさまざまなテクスチャー加工を施したのがポーラテック・サーマルプロシリーズです。

最大の特徴はルックスや質感が独特で、個性豊かなウェアが作れることにあります。 また保温性に優れ、アウターとしても使いやすい特徴があります。

なかでも保温性に優れているのがポーラテック・サーマルプロ、ポーラテック・ハイロフトと呼ばれるもので、これは毛皮のような長い毛足を持ちます。クラッシク・フリースより重量あたりの温かさが20%も高いので厳冬期のアクティビティで人気があります。

ポーラテックのアウター『ウェザープロテクション』

ポーラテック ウェザープロテクション

防風、防水といったプロテクション機能をもつ、アウター向け素材。ポーラテック社では1993年以来、20年に渡って技術の向上に取り組んできました。その代表がポーラテック・ウィンドブロックです。

ウェザープロテクションには2種類のファブリックが存在します。

  • ポーラテック・ウインドプロ
  • ポーラテック・パワーシールド
  • ポーラテック・ネオシェル

これは両面フリースのベース生地に湿気を通過させながらも防風・防水性能を備えたポリウレタンベースのバリア薄膜を挟み込んでいます。

一方メンブレンを使わず防風性能を向上させたフリースがあり、それがポーラテック・ウインドプロで、編み糸を非常に高密度に編み込むことによって表面を滑らかで目の詰まった構造にし、風の侵入をシャットアウトするもの。従来のフリースの4倍の防風性能を誇るスーパーフリースです。

ポーラテック・パワーシールドは一般にソフトシェルと呼ばれるタイプの素材で、表面には丈夫で滑らかな織物を、裏地に肌あたりのよいベロアを、そしてその中間に多孔皮膜をサンドイッチすることで風雨をブロックしています。

最悪な天候から身を守りつつも、しなやかでよく伸び、透湿性にも優れるファブリックです。 一般的な防水透湿素材の製品の基本は、極薄のメンブレンを表地と裏地の間にサンドイッチしたり、裏面に接着したりするものが多くみられます。

このメンブレンには無数の小さな孔が空いている為に、水滴は通さないが、水蒸気は通すので、防水しながらも透湿性は確保されるという仕組みとなっています。

ポーラテック・ネオシェルは基本的には同様なのですが、決定的な違いはネオシェル・メンブレンには通気性があるということです。 他社メンブレンの多くは孔から空気が自由に出入りしているわけではなく、実際にはメンブレンを油脂や皮脂汚れから防ぐために表面にポリウレタン系のコーティングがされていることが多く、物理的な孔はあいていません。

しかしコーティング膜は新水性だから内部の湿気をジワジワと吸収し、それを湿度の低い方(ウェアの外側)へと吐き出して気化してくれます。この構造の最大の弱点は、衣服の内と外に湿度の差がなければ機能しないということで、ウェアを着用したままある程度運動をし、体温が上昇して汗をかき、内部の湿度が外より高くならないと湿気が出ていきません。

これを解決したのがメンブレンに通気性を持たせるというもので、99.9%防風性を持ち、ほんのわずか空気が行き来するようにチューニングされたのがポーラテック・ネオシェルです。

ポーラテックの10種類の素材とおすすめアイテム

上記で説明したようにポーラテックは3つのカテゴリで大別でき、そのカテゴリの中に様々な素材が存在します。以下ではアウトドアアクティビティで活用しやすい10種類のポーラテック素材を紹介します。おすすめのアイテムもチェックしてみましょう。

素早い吸湿拡散性能でボディを常にドライに保つ『ポーラテック・パワードライ』

ポーラテック パワードライ

酷暑の中でのハードなアクティビティにはもちろん、厳冬期に汗冷えを防止するためにも効果的なファブリックです。ハイキングから高所登山、トレイルランニングやファストハイクに至るあらゆるアクティビティのベースレイヤーに使えます。

肌着のような表面が滑らかなものだけでなく、グリッドフリースのように片面が起毛されたテクニカルなものとバリエーションは豊富です。グリッドフリースは凹凸があり、効果的に汗を吸い上げつつ、保温力と通気性に優れた特徴をもちます。

ポーラテック・パワードライのおすすめアイテム

ミレー モルフォ ジップ ロングスリーブ

首回りを保護する高めの衿が備わり、ハーフジップなので体温調整が容易なロングスリーブタイプのベースレイヤーです。

Black Diamond コエフィシエントフリースフーディー

クライミングヘルメットにフィットするフードを備えたミドルレイヤータイプのジャケットです。体にフィットし優れたストレッチで動きを妨げません。

4方向に伸び大きなムーブにも追従『ポーラテック・パワーストレッチ』

ポーラテック パワーストレッチ

素材にPU原料を利用し、ニッティングを変えて機械的にストレッチさせるなどして4方向への大きな伸びを確保します。静止時は身体を包み込むようにフィットし、運動時は身体の動きに追従するため、着用ストレスを感じません。トレイルランニングやクライミングなど大きな動作が強いられるアクティビティでは着用感に差が出ます。

パワーストレッチ・プロというタグが付く素材については、表面素材にポリエステルではなく、ナイロンを使い、耐久性を向上させた製品となっています。

ポーラテック・パワーストレッチのおすすめアイテム

Houdini パワーフディ

Houdiniのフラッフシップフリースとして知られる、着心地の良いミドルレイヤーです。肉厚なのだけれども動きを妨げない気持ちの良い伸びのあるフリースです。

アークテリクス カイヤナイト AR フーディ

暖かくで動きやすく、湿気をコントロールするミドルレイヤーです。スキー、登山、冬のハイキングにおすすめです。

軽量化と多機能性の両立『ポーラテック・パワーグリッド』

ポーラテック パワーグリッド

ポーラテックパワーグリッドは、ポーラテックのベース生地テクノロジーの性能をさらに高めるために開発されました。特許取得済みのグリッド構造により、保温性と圧縮性を高めながら、生地を軽量化することが可能になりました。

このグリッド構造が、湿気を吸収、拡散、蒸発させるタッチポイントを創りだし、吸汗性と通気性を高めています。難熱性と吸汗性を必要とするアクティビティに非常に相性のよい素材といえます。

ポーラテック・パワーグリッドのおすすめアイテム

パタゴニア キャプリーンサーマルウェイト

キャプリーン・サーマルウェイトはポーラテック・パワーグリッドの中でも最も薄い番手を使用しているため、通気性に優れており、トレイルラニングなどのハードな運動に適したベースレイヤーです。

両面起毛のフリースはアウトドアの大定番『ポーラテック・クラシック』

ポーラテック クラッシック

極細ポリエステル繊維をパイル状に編み、表面と裏面を起毛させたのがポーラテック・フリースの基本型。

単体で着た場合には適度な通気性と保温性を、シェルウェアの下に着た場合には優れた保温性を発揮するため、非常に着回しが効きます。

現在は防風メンブレンを備えない両面起毛のオーソドックスなタイプのみをクラシック・シリーズと呼び、表面にテクスチャー加工をしたものや防風メンブレンをサンドイッチしたものとは明確に区別しています。

ポーラテック・クラシックのおすすめアイテム

シンチラ・パンツ

重さはパンツ単体で405gです。肉厚な素材で風が吹いても足が冷たくなりづらく、ストレッチするので突っ張る感じが全くない気持ちの良いリラックスパンツです。

パタゴニア・オフィシャルサイト

最新技術が投入された『ポーラテック・サーマルプロ』

ポーラテック サーマルプロ

ニット調からフェイクファー調に至るまで多種多様なテクスチャーが用意され、現在のポーラテック・フリースを代表するラインとなっています。

視覚的なインパクトだけでなく、技術的にも様々な試みがなされているのも特徴。デザイナーやブランドの個性を反映させやすいので、各メーカーではセーターやジャケット、パンツからアクセサリーなどに採用されています。

軽量コンパクト・抜群の保温性『ポーラテック・ハイロフト』

ポーラテック ハイロフト

ポーラテックハイロフトは、フリーステクノロジーの機能特性、デザイン用途をさらに広げ、高めるために開発されました。

驚くほどソフトで軽くフワッとしたハイロフトファイバー技術により、少スペースでもコンパクトな収納が可能です。ハイロフトテクノロジーによって生み出された大きな空気層は、従来のどのフリースよりも軽量かつ高い保温性を実現します。

ポーラテック・ハイロフトのおすすめアイテム

マウンテンハードウェア ポーラテックハイロフトジャケット

起毛のポーラテック・ハイロフトをベースに、袖と体幹のサイド部分など汗をかきやすく擦れやすい箇所には起毛を抑えたStretch素材を採用し、擦れによる毛羽立ちを抑え通気を確保した行動着の快適性を向上させたミドルレイヤーです。

米国特殊部隊が必要としたかつてないテクノロジー『ポーラテック・アルファ』

ポーラテック アルファ

ポーラテックアルファは米国特殊部隊の戦闘服用の高機能インシュレーション素材として開発されました。

このインシュレーション素材は、最新テクノロジーにより、あらゆるアクティビティにおいて衣服内温度の調整が可能です。

この通気調整に優れた最先端技術によって、活動中のウエアの着脱が不要になりました。主な用途としては柔軟な温度調整を必要とするアクティビティで快適性を維持します。

ポーラテック・アルファのおすすめアイテム

Rabアルファフラッシュ

化繊中綿のメリットである濡れへの強さが最大限に活かされたジャケットで、保温しながら常に体をドライに保つ働きを担うミドルレイヤーです。

メンブレンを使わず防風性を確保したスーパーフリース『ポーラテック・ウィンドプロ』

ポーラテック ウインドプロ

高密度に編み上げた表面構造によって、従来のフリースの欠点だった風による冷えを大きく軽減します。アウターウェアとしても中間着としても使いやすく守備範囲が広い特徴があります。

ポーラテック・ウィンドプロのおすすめアイテム

デサント ポーラテックウィンドプロジャケット

胸肩部分はバックパック使用を想定して、耐久はっ水素材のEPICを組み合わせています。ファスナー付き胸ポケットとハンドウォーマーポケットで行動中の使用に適したジャケットです。

アウター用途に人気の高いメンブレン入りフリース『ポーラテック・ウィンドブロック』

ポーラテック ウインドブロック

ベース生地に防風メンブレンを貼り込んだフリースは1993年に初登場します。その当時ではPEFフリースなどと呼ばれていました。単体でアウターとして使うことができ、街着としても人気が高いです。

98%の風をブロックする最新ソフトシェル『ポーラテック・パワーシールド』

ポーラテック パワーシールド

多孔質メンブレンをサンドイッチすることで、風を98%ブロックします。残る2%の風がファブリック内で循環し、湿気の拡散効果を高めます。

圧倒的なムレの少なさを誇る『ポーラテック・ネオシェル』

ポーラテック ネオシェル

特殊構造によって従来型のメンブレンと異なり通気性を確保している。そのため外気温や湿度に関係なく内部の湿気を放出し、快適なアクティビティを確保してくれる。

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