ポーラテックのパワーグリッドは、レイヤリングの基本となるベースレイヤーの1つで、登山やトレイルランニングなどのハードなアクティビティで肌をドライに保つ、ユニークな構造を持った素材です。今回はこのポーラテックのパワーグリットを使用したAnswer4のジップアップジャケットをレビューしながら、パワーグリッドの特徴と種類を紹介します。
ポーラテック パワーグリッドを活用した登山シーン
ポーラテックの パワーグリッドは登山のレイヤリングで主にベースレイヤーで活躍します。種類によって通気性と保温力が異なるため、汗をかきやすいアクティビティであるか、どのような環境であるかで種類を選ぶようにすると快適な登山を楽しむことができます。
ポーラテック パワーグリッドの特徴
- 凹凸構造のそれぞれの面積、形状で保温力が異なる
- 凹部分で通気を行う
- 凸部分で汗を吸い上げ保温を行う
- 吸い上げた汗は二重ニット構造によって表側に移す
おすすめのレイヤリング方法
- 肌寒い季節のトレイルランニングのベースレイヤー(薄手タイプの パワーグリッド)
- 秋山登山におけるベースレイヤー(薄手タイプの パワーグリッド)
- 雪山登山におけるベースレイヤー(中厚手タイプの パワーグリッド)
- バックカントリースキーのベースレイヤー(薄手タイプの パワーグリッド)
ポーラテックのパワーグリッドの特徴
ポーラテックテックのパワーグリッドはベースレイヤーとして開発された生地の1つで、肌に触れる側に凹凸があり、グリッド構造を成しています。この構造によって発汗が伴うトレイルランニングでも肌をドライに保つことができます。その仕組みについて2つのポイントで紹介します。
ポイント1:汗を吸い上げ蒸発させる仕組み
凸部分で肌についた汗を吸収し拡散させ、凹部分で拡散蒸発させるので、乾いていく際に濡れた生地が直接肌に触れていないために、気化熱が奪われづらい特徴があります。
ポイント2:通気と保温のバランスを保つ仕組み
凸部分は起毛をしたフリース素材で、肌に直接触れても着用ストレスがなく、ほどよい保温性能を備えてます。一方で凹部分はメッシュ素材で通気性に優れ、こもった熱を外に排出します。表面と裏面とで異なる編み糸を用いた二重ニット構造になっていて、内側にはタッチポイントと呼ばれる肌と点接触する部分が多数設けられています。
ポーラテックのパワーグリッドの種類
ポーラテックのパワーグリッドには上で紹介した凹凸構造のそれぞれの面積、形状で種類があります。通気性に重きを置いたパワーグリッド、保温能力に重きを置いたパワーグリッドというように凹凸部分を見ることで、その差を確認することができます。
通気性に重きを置いたパワーグリットは1㎡あたり生地の重量は軽く、逆に保温能力が高いパワーグリットは重くなります。最も通気性の高い軽量なパワーグリッドの生地重量が125g/㎡、次に139g/㎡、240g/㎡というように違いがあります。
Answer4のジップアップジャケットからみるポーラテックパワーグリッドの良さ
今回紹介するAnswer4のジップアップジャケットはトレイルランニングのベースレイヤーとして最も快適だと思われる139g/㎡(生地重量)のパワーグリッドを使用したジャケットタイプのベースレイヤーです。重量はMサイズで236gです。
ジャケットタイプのフリースの中でも圧倒的な軽さは、グリッド構造で生地が軽量化されたことに起因します。
秋から冬にかけて気温が15度を下回るような肌寒いと感じる季節でのトレイルランニングで、パワーグリッドを採用したAnswer4のジップアップジャケットをベースレイヤーとして着用すると、風のない場所に止まって休憩をしているとポカポカとし、走って風に当たれば涼しく快適で、汗で濡れてもひんやりとしない、とにかく不思議なジャケットです。
パワーグリッドは二重構造で、一重構造の生地と比べて、30%以上多くの水分を肌表面から除去することができます。
ベースレイヤーと言われるとTシャツやロングスリーブ、プルオーバータイプが一般的ですが、Answer4のジップアップジャケットは、パワーグリッドによる通気性を享受しながら、より体温調整が容易に行えるジャケットタイプに落とし込んだベースレイヤーです。
風がなく陽気な樹林帯を登山しているときは、冬でも暑く感じるときがあり、風がないことでウェア内の空気の循環が起こりづらく発汗してしまいます。このときジャケットタイプのベースレイヤであることの良さを痛感します。
ダブルジッパーなので上からも下からもジッパーを開閉して、ダイレクトに熱の排出と、外気の取り入れが可能で自分でこの調整を容易に行えます。また背中側の丈は長めに作られているので、しゃがむ、ハイクアップするなどの行動時に背中側がめくり上がりづらい構造を成しています。
ジッパーの内側は直接金具が肌に当たらないように作られています。また採用しているジッパーはYKKの中でも非常に軽く滑りが良いものを使っています。
フード部分はパワーグリッドの凹凸部分を合わせるような二重構造になっていて保温力が高く、フードを被るとバラクラバのように顔全体を覆い隠し、強く冷たい風に叩かれるようなシーンで首回りをしっかりと保温してくれます。
サムホールがあることもポイントで、皮膚の薄い手首を温めることは、心臓に向かう血液を温めることになるので、体全体を温めることにつながります。パワーグリッドはストレッチ性にも優れているので、暑くなれば腕まくりをして行動できます。
ポーラテック パワーグリッドを使用した登山ウェア
ここからはポーラテックパワーグリッドを使用したおすすめの登山ウェアを紹介します。
パタゴニア キャプリーン・サーマルウェイト・ジップネック
トレイルランナーに人気が高いプルオーバータイプのベースレイヤーです。シンプルな構造と通気性に優れたパワーグリッドを採用しているためハードなアクティビティで快適性を保ちます。重量は176g(Mサイズ)です。
マウンテンハードウェア ポーラテックパワーグリッドフルジップ フーディ
番手の高いパワーグリッドを採用した保温力に重きを置いたミドルレイヤーとして使いやすいフーディーです。乾きが早く軽量なフリースを探している方におすすめです。重量は440g(Mサイズ)です。