登山やトレイルランニング中に靴紐をしっかりと結んでいるのに解けてしまうということはよくあることです。このよくあることを放置しておくと山の中で転倒する可能性が高まってしまうので大変危険です。
だからこそ、ほどけない靴紐の結び方を覚えておくことは重要です。
この記事では
- 靴紐がほどけてしまう理由と登山靴の履き方
- ほどけにくい靴紐の紹介
- 最後におすすめの靴紐の結び方
を紹介します。
靴紐がほどけてしまう理由と登山靴の履き方
登山靴がほどけてしまう理由の1つに、間違った登山靴の履き方をしてしまっていることが挙げられます。
靴紐を結んだ後に歩いているとブカブカ(足にしっかりとフィットしていない状態)してしまい、靴紐が登山靴のアイレットから外れてしまったり、フィットしていないために徐々に靴紐が緩んでしまいます。
そのため、正しい登山靴の履き方を覚えることが靴紐がほどけない一歩につながり、重要です。
ステップ①:靴紐を緩めて足を入れる
まずは靴紐のつま先の方まで靴紐を緩めます。
ステップ②:踵を合わせる
その後に登山靴の中に足を入れて、つま先を少し持ち上げ、踵をトントンと地面に突いて、自分の踵と登山靴の踵を合わせます。足首の角度は90°と覚えておきましょう。
ステップ③:登山靴の先から足首に均等にフィットさせる
地面からつま先を浮かした状態で、足の先から足にフィットするように靴紐を引っ張って締めていきます。この時も足首の角度は90°に保っておきましょう。
フィットさせる具合については、強く締め上げて『足が痛い』と思ったら少し緩めてあげるくらいが、ちょうど良いフィット感に近いので、それを目安に調整をしてみましょう。
足首に向かって同じことを繰り返して行くのですが、この時に1つ下の交差した部分を抑えながら、締めた靴紐が緩まないように締め上げていくのがポイントです。1回手を離してしまうと登山靴によってはは締めたところが緩んでしまうことがあります。
ステップ④:足首周辺をしっかり締める
足首まで靴紐を締め上げたら、ローカットの登山靴であればこの時点で靴紐を結んでいくのですが、ミドルカットやハイカットの登山靴の場合は、足首周りについたアイレットに靴紐を引っ掛けた後に靴紐を結んでいきます。
アイレットに靴紐を引っ掛ける時は、しっかりと足首にフィットさせるように締めることが重要です。またアイレットの下から上に靴紐をかけるのではなく、上から下にかけるようにすることで、摩擦力が増し緩みにくくなります。
ステップ⑤:ほどけづらい結び方で完成させる
最後に多くの方が蝶々結びをして完成させるのですが、これだと靴ひもがほどけてしまいがちなので、2重(蝶々)結び、ベルルッティ結び、イアンノットの3種類の結び方から、最も結びやすい結び方を選んで完成させましょう。
ほどけにくい靴紐
靴紐は形状によって大きく3種類に分けることができます。
靴紐①:平紐
まず1つ目は平紐です。この靴紐はほどけにくいのですが、摩擦に弱く耐久性が低いので登山靴ではあまり使用されない靴紐です。トレイルランニング用のシューズでは平紐が多く使用されています。
靴紐②:丸紐
2つ目は丸紐です。丸紐は強度に優れているので登山靴用の靴紐として多様されています。難点としてはほどけやすいことが挙げられます。
靴紐③:楕円形紐
3つ目は平紐と丸紐の中間の特性を持った楕円形状の靴紐です。丸紐ほど耐久性は低いですが、結んだ時の接点が多いため、ほどけづらい特徴を持っています。登山靴のアイレットの形状によって使用できるかどうか確認して購入するようにしましょう。
まとめると以下の表のようになります。
種類 | 耐久性 | ほどけづらさ |
平紐 | × | 〇 |
楕円形紐 | △ | △ |
丸紐 | 〇 | × |
ほどけづらい靴紐の結び方3種
ほどけづらい靴紐の結び方を3種類紹介します。いづれも覚えてしまえば非常に簡単に結べ、靴紐がほどけるストレスから解放されます。
以下の動画で3種類の靴紐の結び方を説明しています。
2重(蝶々)結び
この結び方は、蝶々結びの延長線上にある結び方なので覚えやすく簡単です。
ステップ①
2重結びは普通の蝶々結びの過程で、輪っかを2重に回します。
ステップ②
2重に回したらあとは普通に蝶々結びをして完成です。出来上がりは通常の蝶々結びが縦に1本の結び目なのに対し、2重結びは結び目が2つできます。
ベルルッティ結び
この結び方は2重(蝶々)結びと同様に、結び目が2つできます。
ステップ①
まずは蝶々結びをする時の最初と同じように、右の紐を左の紐に1回くぐらせ、もう1度くぐらせます。
ステップ②
その後蝶々結びと同じように左の紐(この時点で右側にある紐)で輪っかを作り、もう1本の紐を上から巻き、輪っかを作りながらくぐらせます。このまま締めたら蝶々結びです。
ステップ③
ベルルッティはくぐらせた後、紐を締めずにくぐらせた側の紐をもう一方の紐の上から巻いて、そのまま下の輪にくぐらせて締めて完成させます。
イアンノット
この結び方は、最初は慣れないのでじっくり写真や動画を見て対処する必要がありますが、覚えてしまえば1瞬で完成させることができる靴紐の結び方です。
ステップ①
まずは蝶々結びをする時の最初と同じように、右の紐を左の紐に1回くぐらせます。
ステップ②
続いて親指と人差し指で靴紐を挟んで受け手を作ります。
ステップ③
その後左手は下から、右手は上から親指と人差し指を使って靴紐に輪を作ります。この時両手とも同じ方向から回すと最後に結ぶことができないので注意しましょう。
ステップ④
最後にお互いの輪の中に靴紐を通して完成です。
よりほどけないように結んだ後の施し
紹介した3つの結び方は全て中心に結び目があります。
この結び目を左右からしっかり締めてあげることで、よりいっそうほどけないようにすることができます。結び方の動画すべてに対応しているのでぜひ確認してください。