地図から山の地形や状況を読み解くことを読図と言います。
読図を習得することで遭難事故を防ぐことができる以外にも、これからどのような登山道が続くのか、登山計画やペース配分を考えるのに役立ちます。
登山における読図の必要性
さまざまな地図アプリで現在地の把握ができるようになりましたが、地図を確認して、危険箇所を把握し、ルートを間違えず、目的地により安全に到着するためには読図が必要です。
まだ行ったことがない登山道であればなおさらで、この後の登山道が緩斜面なのか急斜面なのかで、休憩中にアイゼンを装着したり、ペース配分を調整したり、気持ちを整えるのにも読図は役立ちます。
読図ができるようになると、登山道情報が少ない山や、登山道がなくなる雪山、登山者が少ない登山道が不明瞭な場所に遭遇した際、心を落ち着かせて安心安全に行動することができます。
読図の魅力は安心安全に登山を行うだけでなく、行動範囲を広げ、アクティビティの幅を広げることになり、無事目的地にたどり着いたときの達成感も通常の登山とは大きな違いがあります。
読図に重要な地形図
読図に必ず必要なのが地形図です。山と高原地図が5万分の一の縮尺なのに対し、国土地理院が発行する地図は25,000分の一の縮尺です。
25,000分の一の地図は等高線を読むことができるので、読図を行う時にはこの地図を使用します。対して5万分の一の地図は広域の情報を把握するのに役立ちます。
25,000分の一の地図はさまざまな方法で入手することができます。以下は25,000分の一の地図の入手方法です。
国土地理院地図
地図の範囲を自由に選べ、印刷も可能です。最新版を入手することができます。
一般財団法人-日本地図センター
1/25000の地図を閲覧し見たい場所を定めたらカートに入れるボタンを押して地図を購入することができます。価格は3色:各356円 多色:各435円と定められており、印刷することができない環境で紙地図を持ち歩きたい場合はおすすめです。
https://net.jmc.or.jp/map/gsi/25k.html
TrailNote for Mac
パソコンにインストールするタイプのMac専用ソフトです。TrailNoteは1/25000の地形図をB5からA3サイズまで印刷することができ、地図の上にルート線や磁北線、緯度・経度線を追加して登山用の地形図を作成することができます。
https://www.trail-note.net/download/
カシミール3D for Windows
パソコンにインストールするタイプのWindows専用ソフトです。カシミール3Dは1/25000の地形図を印刷することができ、地図の上にルート線や磁北線、緯度・経度線を追加して登山用の地形図を作成することができます。有料で様々な地図が販売されており、幅広い使い方が可能なアプリです。
ジオグラフィカ
スマホのGPS機能を使って1/25000の地図の上に作成したルートを表示したり、行動中の奇跡を記録したり、改めて同じ場所に来ることが出来るようにポイントを保存することができます。バックカントリースキー、渓流釣り、きのこ狩りなどを楽しむ人たちに愛用されているスマホアプリです。
読図の基本となる見方からスタートしよう
読図をする上ではさまざまな知識が必要になりますが、山の地形を推測することができる基本の見方を紹介します。
以下の地図は情報が少ない場所をランダムで選びました.
赤い線が尾根で、等高線が高いところから低いところに向かって凸型になっていることがわかります。
青い線が沢地形で、等高線が低いところから高いところに向かって凸型になっていることがわかります。
等高線は間隔が狭いほど傾斜角度がきつく、広いと緩斜面となります。
等高線が最も高いところ同士を結んだ中心ポイントが鞍部となります。
左上の645mの標高から、少し降って、その後緩やかに665mの標高へと上り、その後は比較的急斜面で落ち込んだ後、また緩やかに右側の723mの標高の山に登といった景色がこの地図からわかります。