登山の道具は山歩きを快適にするためのものなので、登山帰宅後に登山道具とウェアのメンテナンスを毎日行うようにルール化することで、次回の登山を気持ちよく快適に楽しむことができます。
登山道具メンテナンスの目的
登山終了後に早いメンテナンスを行うことで、破損箇所や劣化の確認になり、登山中の不安材料を取り除くことができます。また破損箇所を見つけた時に、どんなタイミングで破損したかということが早いメンテナンスで分かるようになります。
登山道具のメンテナンスは難しいことはなく、基本は汚れ落とし乾燥させることで終了します。
泥汚れは素材の劣化を早め、濡れはカビの原因、加水分解を促進してしまいます。だから簡単でも都度メンテナンスをすることが登山道具の寿命を延ばすことになります。
登山靴のメンテナンス
登山靴のメンテナンスをしないとどんなことが起きてしまうか、まずは考えてみましょう。
- 加水分解によるソール剥がれ
- 湿気やカビによる防水性の低下
- 湿気によって靴下が濡れてしまう
- 臭いの原因
- 登山靴の寿命が短くなる
このような結果になってしまうことを考えると、毎日のメンテナンスが重要であることが分かると思います。
下山後はちょっと汚れを落としておくと帰宅後の作業が楽になります。多くの人が利用する下山口には靴洗い場があることが多いので、ありがたく使わせてもらいましょう。
登山靴がゴアテックスを使用した防水性のあるタイプであればアッパーに撥水性を施しているので、スポンジやブラシでアッパーやシューレース周りの泥汚れを落とし、しっかりと乾かします。
インソールは外して臭いの原因となる汚れを落としましょう。アウトソールは泥汚れを落とし、ソールの剥がれと減りをチェックします。
最後にファブリック素材の登山靴であれば撥水スプレーをかけ、レーザー素材であれば防水ワックスクリームなどを塗って撥水性を甦らせます。これで登山靴のメンテナンスは終了です。
ザックのメンテナンス
ザックのメンテナンスをしないとどんなことが起きてしまうか、まずは考えてみましょう。
- 汗による嫌な匂いがと取れなくなる
- 汗によって塩が吹いて見た目が悪くなる
- 雨に濡れて保水して重くなる
- ジッパーが噛んで使えなくなる
- ザックの寿命が短くなる
このような結果になってしまうことを考えると、毎日のメンテナンスが重要であることが分かると思います。
自宅に帰ったら、ベランダや庭などで中身を全部出しましょう。登山中に虫などが入っていることがあるので部屋の中で荷物を出すのは控えたほうがベターです。
細かなごみや砂埃などを叩いた後に、濡れたスポンジで汚れたボトム部分や、汗汚れが気になる背面とショルダーストラップの内側をよく拭きましょう。その後は風通しの良い場所でよく乾燥させます。
乾燥させた後はストラップやジッパーなどの開閉を行い問題ないか確認をしておきましょう。ジッパーの開閉がスムーズでない場合は、モンベルのスムーススライダーやレオニスのファスナーすべりを塗っておきましょう。これはレインジャケットなどのジッパーにも塗っておくことで、非常に使い心地が良くなります。
たくさんの汗をかいた場合は中性洗剤を使ってバスタブにつけ置き&押し洗いをして、洗剤残りがないようによくすすいだ後に乾燥させます。
乾いた後に撥水スプレーをしてザックのメンテナンスは終了です。
レインウェアのメンテナンス
レインウェアのメンテナンスをしないとどんなことが起きてしまうか、まずは考えてみましょう。
- 表面の生地が雨で保水し重くなる
- 透湿性が劣ってレインウェアを着用すると汗をかく
- ペッパーが噛んでしまいレインウェアの着用にストレスを感じる
- レインウェアの寿命が短くなる
このような結果になってしまうことを考えると、毎日のメンテナンスが重要であることが分かると思います。
防水透湿と呼ばれる機能は、外側からの雨を弾き、雨よりも細かな分子である体から出る湿度を外に排出する役割があります。これによってレインウェアを着用していても体が熱くなりすぎず、発汗を抑制してしっかりと雨を弾いてくれます。
この機能を損なわないようにメンテナンスが重要になります。
レインウェアに雨に付着している汚れや、登山中の埃などが付着することで、透湿する細かな穴を塞いでしまうと同時に撥水性能を損ないます。だからしっかりと専用の洗剤を使って汚れを落とすことが重要です。
またレインウェアについた洗濯表示タグに従いましょう。
汚れを落とすだけで撥水性能が蘇ることもありますが、撥水性が落ちている場合は専用の撥水剤を使ってメンテナンスをします。
陰干しで乾燥させた後、乾燥機を使って撥水性を甦らせましょう。これでレインウェアのメンテナンスは終了です。
登山ウェアのメンテナンス
ベースレイヤーやミドルレイヤーなどは普通の衣類と同様に洗濯をすれば良いと思いがちですが、気をつける点が2つあります。
1つはテクニカルなウェアなので、洗濯表示タグに従うことです。例えば乾燥機を使うと縮んでしまい、高価なウェアだったのに一発で使い物にならなくなるということがないようにしましょう。
2つ目は柔軟剤や香り成分が入った洗剤の使用は避けることです。透湿性、吸水性、吸湿性といった素材が持つ特徴を活かすために、洗剤に入っている余計な成分が付着し、機能が損なわれないように注意する必要があります。そのためできればアウトドア用洗剤を使用して、撥水性能があるウェアにおいては撥水剤を定期的に使用しましょう。
登山ギアのメンテナンス
登山ギアには様々なものがあります。ここでは代表的な登山ギアのメンテナンスについて紹介します。
ガスストーブ
着火機能がついているものは、汚れの付着や濡れによって着火しない場合があります。これはライターも同様なので、メンテナンス時に確認をするようにしましょう。
ヘッドライト
ヘッドライト使用時にライトが消えてしまっては大変危険です。充電式のものは充電をフルにして、そうでないものは電池の残量をチェックし、レンズ面をきれいにしましょう。
トレッキングポール
トレッキングポールの形状にもよりますが、接続部分が最も壊れやすい部分なので、泥汚れや濡れをとり乾燥させた後に保管するようにしましょう。
まとめ
毎日行うメンテナンスなので最低限の説明でしたが、シーズン終了後などはしばらく登山道具を使用しなくなるためより念入りにメンテナンスをするようにしましょう。素材にあった専用洗剤を見極めて風通しの良い場所にしまっておきましょう。