食事も寝る場所も寝具もあり、強い雨風から守ってくれる屋根と壁がある心強い存在が山小屋です。
ただ山の中に建てられているため水の確保、汚物やゴミの処理、物資の確保、電気の維持が難しい特徴があります。このため山小屋泊をする際にはルールとマナーが設けられています。
覚えておきたい山小屋のルールとマナー
山小屋といえども多種多様です。例えば山小屋によって以下のような違いがあります。
- 水の確保が容易な山小屋
- 登山口から近いため物資の確保が容易な山小屋
- 温泉がある山小屋
- 登山者に人気があるため資本がある山小屋
このような違いによって、お風呂のある山小屋や、水が無料の山小屋など様々です。しかし基本的には、水は有料であること、ゴミを出さないこと、限られた物資しか得ることができないことなど、自由が効かないことを前提と考えるようにしましょう。
宿泊は基本的に相部屋となります。見知らぬ人同士が布団を並べて寝ることになります。
時間になったら食事を取ります。決められた時間に席について、食事をとったら就寝時間まで自由時間となります。
山小屋での一日
山小屋への到着は早すぎてもいけないし遅すぎても心配をかけてしまいます。おおよそ15時頃にチェックインを済ませ、宿泊料金を現金で支払います。カードは使えないと覚えておきましょう。
寝る場所を指定されるため、場所を確認し、山小屋に乾燥室が設けられている場合は濡れたものを乾燥室に持って行きましょう。
夕食までの時間は自由時間となります。素泊まり&自炊を予約時に選ぶことができるので、これを選んだ場合は自炊スペースで食事をとることになります。差額はおおよそ3000円程度です。
夕食時間はおおよそ18時頃で、時間になったら決められた場所に座り食事を取ります。
食事を済ませたら消灯時間まで自由時間となります。
消灯時間はおおよそ20~21時で、他の人の迷惑にならないように静かに過ごし、寝床につきます。
朝食時間は5時頃からです。早く出発したい場合は朝食をお弁当にしてもらうこともできます。身支度を済ませて山小屋を後にします。
山小屋泊をする時の持ち物
山小屋泊をする時の持ち物は、基本は日帰り登山と同様と覚えておくと良いでしょう。しかしより快適に泊まる一工夫というのもあるので、おすすめの道具と一緒に山小屋泊をする時の持ち物を紹介します。
まずは日帰り登山の必要最低限の持ち物をリストアップしてみましょう。
- ①ファーストエイド
- ②レインウェア
- ③水筒
- ④タオル
- ⑤ヘッドライト
- ⑥行動食
- ⑦サングラス
- ⑧日焼け止め
- ⑨防寒着
- ⑩手袋
- ⑪帽子
これに加えて山小屋泊の場合はどのような道具が必要なのかをリストアップしてみましょう。
- ⑫耳栓
- ⑬アイマスク
- ⑭濡れタオル(汗拭きシート)
- ⑮着替え(パジャマ)
- ⑯シーツ(インナーシュラフ)
- ⑰モバイル充電器
- ⑱歯ブラシ
- ⑲梅干しなどの酸味のある食材
- ⑳ゼリー飲料
- ㉑防寒対策アイテム
これらは、山小屋泊で必ずなくてはいけない道具というより、山小屋泊をより快適に過ごすことができる道具として位置づけられます。
⑫耳栓は、他人のいびき対策のために持っておきたいアイテムです。⑬アイマスクは途中トイレに出かける人がいた場合に、眠りを妨げられないようにすることができます。
⑭濡れタオルは少ない枚数だけでも、山小屋に到着した時に体をさっぱりさせることができます。⑮着替えは、汗の匂いやべたつきを軽減して快適に山小屋で生活することができます。
⑯シーツは、山小屋の布団の清潔感に抵抗感がある人には、気にせず就寝することができるアイテムです。
⑰モバイル充電器は、日帰りよりも長い時間山の中で過ごすことになるので、スマートフォンを使って現在地を確認することが多い人には重要な装備のひとつといえるでしょう。
⑱歯ブラシは、口の中を清潔に保つために持っていきましょう。
⑲梅干しなどの酸味のある食材や、⑳ゼリー飲料は、特に初めて山小屋に挑戦する人にお勧めします。思った以上に疲れて食欲がわかない時のバックアップになります。
㉑防寒対策アイテムは、日帰り登山で持ち歩く⑨防寒着、⑩手袋をより保温力に優れたものに変えるなどで対処します。星空を眺めたり、日の出を待つときに役立ちます。
⑤ヘッドライトは、皆が寝静まっている時にトイレに行くことを想定して、 赤色ライトが点灯できるモデルを選択しましょう。赤色の光は散乱しづらく、また目に優しいために、寝ている人に眩しい思いをさせずに視界を確保することができます。
山小屋泊のもう一つの楽しみ
山小屋泊でのルールや過ごし方、重要な装備が分かったら、早速山小屋泊を楽しみに出かけてみましょう。山小屋は山域に応じても異なるし、 山小屋の主人の個性が反映されるため、楽しみ方も山小屋の数分、存在します。
山小屋の中での出会いもまた思い出深い時間となることでしょう。