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シュラフ
2023.04.11
登山のテント泊-快適に寝るためのシュラフとマットの種類と選び方

登山のテント泊-快適に寝るためのシュラフとマットの種類と選び方

テント泊の装備に数えられるテントとシュラフとマットですが、テントが家だとすれば、シュラフとマットはベッドと布団に位置付けられます。

テント泊登山におけるシュラフについて

シュラフは寝袋のことで、英語でスリーピングバッグ、ドイツ語でシュラフと呼ばれています。シュラフには封筒型とマミー型の2種類の形状があり、登山ではコンパクトで軽量なボディラインに沿ったマミー型のシュラフがスタンダードとされています。

テント泊をする時のシュラフの選び方にはいくつかの方法があります。

シュラフに力を入れているメーカーで選ぶ

登山用のシュラフに力を入れているメーカーは限られており、以下のメーカーが知られています。

  • モンベル(EN)
  • ナンガ(EN)
  • シートゥーサミット(EN)
  • イスカ
  • Rab
  • マウンテンイクイップメント(EN)
  • ウエスタンマウンテニアリング
  • NEMO(EN)
  • キュムラス
  • OMM

※(EN)はヨーロピアンノームと呼ばれているシュラフの使用温度を測る統一規格です。メーカー別でシュラフを比べた時にどちらの方が暖かいかを判断しやすいように設けられた第三者機関です。

いずれのメーカーも、保温性に優れたダウン、暖かく就寝できるように設計されたデザインを採用しています。

温度域でシュラフを選ぶ

登山用シュラフには適用温度というものがあります。使用する山の最低温度に適応しているのか確認して選ぶようにしましょう。例えば標高3,000m級の北アルプスの真夏の平均的な最低気温が稜線で3~5°cなので、シュラフの快適使用温度域と照らし合わせて、そのシュラフがオーバースペックなのか、温度域が足りないのかをチェックしましょう。

シュラフで寝る時にダウンパンツやダウンジャケットを着用する場合は、快適使用温度域が実際の山の気温よりも低くても、寒くならずに寝ることができます。このように創意工夫することで登山装備の軽量化を行うことができます。

中綿の種類で選ぶ

登山用シュラフに使用されている中綿には、ダウンと化繊綿があります。ダウンは軽量で保温力が高く、収納もコンパクトですが、濡れてしまうと保温力が落ちてしまいます。また化繊綿と比較すると高価です。

対して化繊綿はメンテナンスが楽で、濡れてもある程度保温力を維持します。しかし同じ適用温度のダウンシュラフと比較すると重くてコンパクト性能も劣ります。

現在はダウンが濡れても保温力が失われないように、ダウンそのものに撥水加工が施された「撥水ダウン」の採用や、ダウンを包みこんでいる素材に撥水加工を施しているなどで、濡れからダウンを守るモデルが続々登場しています。

テント泊登山におけるマットについて

テント泊で体を暖かく保ち、質の良い睡眠を得るためにシュラフに注目される方が多いですが、テントマットもまたシュラフと同様に体を温めるために大変重要な役割を果たします。

テント泊をする時のマットの選び方もシュラフと同様に学んでおきましょう。

テントマットに力を入れているメーカーで選ぶ

登山用のマットに力を入れているメーカーは限られており、これらのメーカーのマットを使用することで質の高い睡眠を得ることができます。以下のメーカーは登山者にも人気のあるメーカーです。

  • サーマレスト
  • NEMO
  • イスカ
  • シートゥーサミット
  • Rab
  • ビッグアグネス
  • EXPED
  • クライミット
  • 山旅

上で紹介したメーカーは、長年テントマットを作り続けているものから、新たにテントマット業界に息吹を注ぎ込んだものまで様々ですが、それぞれに特徴あるテントマットをリリースしています。

マットの種類と特徴で選ぶ

マットの種類には3種類あります。

※横スクロールで表がスクロールできます。
種類保温性厚み軽量性収納性耐久性
エアマット★★★★★★★★★★★★
インフレータブルマット★★★★★★★
クローズドセルマット★★★★★★★★

エアマットはその名の通り空気を入れて膨らませるタイプのマットです。軽くてコンパクト性に優れますが、価格が高く破けてしまうと空気が抜けて使い物にならなくなってしまいます。

インフレータブルマットはマットの中に軽量なスポンジが内蔵されており、マットが入っている分、エアマットと比較するとかさばりと重さが生じてしまいますが、空気が抜けても使用し続けることができます。

クローズドセルマット(フォームマット)は、請求された発泡ウレタンなどでできているため広げるだけですぐ使用することができ、空気などは一切入っていないため破けて寝心地が悪くなるということもありません。軽いモデルも多くあり、価格が安いのも特徴です。難点があるといえば嵩張ること、地面からの冷え防止に限界があることです。

厚みと寝心地で選ぶ

テントマットの厚みがあることで、テント場にある砂利や硬い石で、体が痛くなるようなことを避けることができます。また寝返りを打った時に、肩が地面に当たりづらく快適に寝ることが可能になります。

エアマットは寝ていてふわふわした寝心地があり、インフレータブルマットはエアーマットと比較すると、少し固めの作りで、クローズドセルマットは最も硬さがあります。いづれも寝心地の好みで良し悪しが別れます。

R値で選ぶ

テントマットにはR値と呼ばれる数値情報がスペック表に書かれていることがあります。これは断熱性を表す数値で、R値が高いほど地面からの冷気が伝わりにくく、断熱性能が高いマットになります。R値は足し算が可能で、例えば、R値1.0の銀マットと2.3のエアーマットを足して、3.3のマットとして使うことができます。

R値が2~5で3シーズンで暖かな季節の登山用、6以上で雪山登山用ぐらいで考えておきましょう。

重量で選ぶ

最も軽量なタイプで200g程度のテントマットがあり、その多くがエアマットです。軽量なので使用している素材が15~20デニールと薄く、その分耐久性が劣ります。ゴツゴツしたテント場では破れる心配があることも念頭に置く必要があります。

通常のテントマットで400g程度と考えると、約200gの軽量化が行えるので、テントマットの重量を落とすことは、装備全体の重量を落とすインパクトがあります。

長さで選ぶ

テントマットにはサイズ展開があり、スモールサイズは長さが短く、頭からお尻までをカバーするモデルもあります。お尻から足先は登山ザックなどを敷いて寝るなどで、装備の軽量化を行うことができます。

登山のテント泊で快適に寝るためのおさらい

ここまで説明してきたように、外気温から体を守るためにシュラフがあり、地面からの冷気によって体を温めるためにマットがあります。

シュラフに保温力があっても、マットのスペックが低ければ、地面からの冷えを感じて寒く感じるし、逆も然りです。登山のテント泊で快適に寝るためには、シュラフとマットの2つの道具をしっかりと準備する必要があります。

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