登山で必ず必要な装備に数えられるのがザック(リュック・バックパック)です。登山ザックは容量毎でデザインが異なるため種類がとても多い登山装備のひとつです。今回は日帰り登山、山小屋泊登山、テント泊登山に適した容量のザックの中でも人気モデルを一挙公開します。登山ザックの選び方を学んで快適な登山を楽しみましょう。
登山シーンに適した登山ザック容量
登山ザックは容量が大きいと荷物と重量が増えるため背負った時に体の負担を感じづらいように設計されています。ハイキングや日帰り登山などで使用する容量の少ないザックとはデザインも特徴も大きく異なるため選び方も変わります。
まずは自分がどのような登山をしたいのかを考えて最適な登山ザックの容量を定めましょう。以下は登山シーン別のザック容量の目安です。
- ハイキング…10~15ℓ
- 日帰り登山…20~29ℓ
- 小屋泊登山…30~39ℓ
- テント泊登山…40以上
ザックの容量は持っていく荷物によって異なります。例えばお昼ご飯を食べずに行動食だけで済ます登山者と、固形燃料と500mlほどの小さなクッカーでお湯を沸かしてカップラーメンを食べる登山者と、ガスストーブを使って山の上で料理を楽しむ登山者とでは装備重量が異なることがわかります。
登山ザックの選び方
登山ザックの選び方は以下の流れで行います。
- 容量を選ぶ
- サイズを選ぶ
- ザック重量で選ぶ(荷重方法が異なる)
- ザックの機能で選ぶ(フレームやサイズ調整)
- 好みのデザインで選ぶ(ポケット配置や素材)
- フィット感を確認する
いづれも実際にお店に訪れてザックの中にある程度重い荷物を入れて背負って選ぶようにしましょう。何も入っていないザックを背負ってフィット感を確認することはできません。実際の登山にできるだけ近い状態で確認することが重要です。
登山ザックの選び方の詳しい情報は以下の記事で紹介しています。
登山ザック容量別人気モデル-ハイキング編
ハイキングとは標高500m以下の高低差が少ない登山道を歩くこととされています。途中で簡単な軽食を済ませながら短い距離を歩く想定で、登山ザックの容量は10〜15ℓ前後で十分でしょう。
【18ℓ】オスプレー『ハイクライト18』
暑い季節のハイキングでも快適に登山ができるように背中とザックの間にメッシュパネルで空間を設けたハイキング用ザックです。トレッキングポールのアタッチメント、ザックの内部に設けられたハイドレーションスリーブなど小さい容量ながらもかゆいところに手が届く使いやすいデザインに仕上がっています。
モデル名 | ハイクライト18 |
容量(l) | 18 |
重量(kg) | 0.68 |
背面調整 | なし |
レインカバー | 内蔵 |
フレーム | なし |
【13ℓ】ドイター『スピードライト13』
軽量でシンプルなハイキング用ザックです。普段使いをする時にはウエストストラップを取り外す事ができます。ショルダーハーネスにサングラスホルダーが備え付けられていたり、ザック上部には小物の収納に便利なファスナーポケットなどドイターらしいデザインを楽しめるザックです。
モデル名 | スピードライト13 |
容量(l) | 13 |
重量(kg) | 0.3 |
背面調整 | なし |
レインカバー | なし |
フレーム | なし |
【15ℓ】ブラックダイヤモンド『パーシュート15』
ブラックダイヤモンドが得意とするトレイルランニングバックから着想を得た他にはないデザインを踏襲したザックです。ザックを背負ったまま様々なことができるように備えられたポケットは、ボトルやスマホ、行動食などすべてをショルダーハーネスに収納することができます。
モデル名 | パーシュート15 |
容量(l) | 15 |
重量(kg) | 0.76 |
背面調整 | なし |
レインカバー | なし |
フレーム | なし |
【15ℓ】アークテリクス『エアリオス15』
登山用ザックとトレイルランニング用ザックのいいとこどりで背負いポーチもポケットへのアクセスにも優れた大注目のザックです。軽量なリップストップの素材は耐久性に優れ、背面パネルには透湿性に優れた素材を使用し背中に汗が溜まりづらいように作られています。
モデル名 | エアリオス15 |
容量(l) | 15 |
重量(kg) | 0.58 |
背面調整 | なし |
レインカバー | なし |
フレーム | あり |
登山ザック容量別人気モデル-日帰り登山編
日帰り登山で登る山の標高は様々ですが、ハイキングと比較すると累積標高が高いため防寒着やレインウェアなどが必須装備に加えられます。また眺めの良い頂上へ向かうならばランチタイムも楽しみたいと考える方も多いでしょう。このようなことを想定すると登山ザックの容量は20〜29ℓぐらいがちょうど良い大きさです。
【26ℓ】オスプレー『ストラトス26』
クラッシックなデザインながら弓形の背面デザインで抜群の通気性がある夏山登山にも使いやすい日帰り登山用ザックです。初心者にも使いやすいポケットの配置や、コンプレッションストラップなど考えられたザックでオスプレーの中でも人気のモデルです。
モデル名 | ストラトス26 |
容量(l) | 26 |
重量(kg) | 1.26 |
背面調整 | 可能 |
レインカバー | 内蔵 |
フレーム | あり |
【27ℓ】ドイター『フューチュラ27』
背中とザックの間にメッシュパネルで空間を設けた日帰り登山用ザックです。肩幅やショルダーアングルに応じて柔軟に変形するショルダーストラップシステムが設けられ、軽量で剛性の高いスチール製の内臓フレームによる背負い心地の良さは秀逸です。使いやすいポケットの配置や小物などを整理して収納できるオーガナイザーはドイターのザックの素晴らしさを体感することができます。
モデル名 | フューチュラ 27 |
容量(l) | 27 |
重量(kg) | 1.33 |
背面調整 | なし |
レインカバー | 内蔵 |
フレーム | あり |
【24ℓ】グレゴリー『ナノ24』
シンプルなデザインで登山から普段使いまでできる日帰り登山向けザックです。ハイドレーションスリーブには小型のノートパソコンを収納することもでき二役兼用です。両サイドとトップに設けられたストレッチ性ポケットにはボトルやウインドブレーカーなどをしまっておくのに便利で使い心地にも優れています。
モデル名 | ナノ24 |
容量(l) | 24 |
重量(kg) | 0.59 |
背面調整 | なし |
レインカバー | なし |
フレーム | なし |
【22ℓ】ブラックダイヤモンド『ディスタンス22』
トレイルランニング用ザックのデザインを取り入れた日帰り登山に使いやすいザックです。背面から側面にかけて一体化されたストレッチメッシュによって歩きながらザックが揺れづらくデザインされています。雨が降ってもメインコンパートメントの中に入れたものが濡れづらい素材と構造を取り入れた他のメーカーには見ることができないブラックダイヤモンドらしいザックに仕上がっています。
モデル名 | ディスタンス |
容量(l) | 22 |
重量(kg) | 0.41 |
背面調整 | なし |
レインカバー | なし |
フレーム | なし |
【28ℓ】パタゴニア『アルトヴィア・パック』
メインの気質から荷物を取り出しやすいように、ドローコードを引くとスナップポケットと雨蓋が自動的に閉じるデザインが特徴です。ストレッチ性に優れた大きなサイズのフロントポケットにはレインジャケットやウインドブレーカーなどを入れておくことができます。
モデル名 | アルトヴィア・パック |
容量(l) | 28 |
重量(kg) | 0.797 |
背面調整 | なし |
レインカバー | 内蔵 |
フレーム | あり |
【25ℓ】マウンテンハードウェア『スクランブラー25』
ザックの裏側にはTPUコーティングを施し400デニールのナイロンリップストップ素材で仕上げた耐久性と耐水性に優れたザックです。雨や水に濡れ、ヤブ漕ぎを強いられるようなタフなシーンでの使用に適したザックです。
モデル名 | スクランブラー25 |
容量(l) | 25 |
重量(kg) | 0.848 |
背面調整 | なし |
レインカバー | なし |
フレーム | あり |
登山ザック容量別人気モデル-小屋泊登山編
日帰り登山と違うのは山の中で宿泊するということです。小屋で食事をすることができるか否かで持ち歩く装備が大きく異なるし、季節によって防寒着の容量も大きく変わります。また標高が高い事が想定できるので日帰り登山よりも耐候性に優れたレインウェアを準備する必要があります。このようなことを想定すると登山ザックの容量は30〜39ℓぐらいあると安心です。
【38ℓ】オスプレー『ケストレル38』
耐久性と軽量性を両立させたオスプレーの中ではスタンダードな小屋泊登山向けのザックです。背中に汗がたまらないように設けられたバックパネルやクローズドセルマットを取り付けることができるストラップなど使い心地に優れたザックです。
モデル名 | ケストレル38 |
容量(l) | S/M=36、L/XL=38 |
重量(kg) | S/M=1.84kg、L/XL=1.92kg |
背面調整 | 可能 |
レインカバー | 内蔵 |
フレーム | あり |
【30ℓ】グレゴリー『ズール30』
フリーフロートサスペンションと名付けられた背面システムは嵩の高いメッシュで体にフィットしながら通気性能に優れています。腰回りからヒップベルトが一体化している独自のデザインを採用しており、背負い心地に優れたザックです。フロントポケットの収納のしやすさやショルダーベルトに取り付けられたサングラス用のバンジーコードなど随所にグレゴリーのこだわりを見ることができます。
モデル名 | ズール30 |
容量(l) | S/M=28、L/XL=30 |
重量(kg) | S/M=1.38kg、L/XL=1.42kg |
背面調整 | 可能 |
レインカバー | 内蔵 |
フレーム | あり |
登山ザック容量別人気モデル-テント泊登山編
衣食住全てを持ち歩く必要があるテント泊登山では多くの登山装備を準備する必要があります。最も重く嵩張るテント、次にシュラフ、食事やクッカーなど必要な装備は多岐に渡ります。しかしながら昨今では非常に軽量なテント泊装備がリリースされているので、ファストパッキングと呼ばれる軽量な装備を充実させることで40ℓ前後のザックでもテント泊が可能です。多くの登山者が利用しているテント泊登山用ザックは腰荷重が可能な50〜60ℓです。
【64ℓ】オスプレー『アンリミテッドアンチグラビティ64』
登山ザック史上最高級モデルに位置づけられる最新テクノロジーを惜しげもなく投入したザックです。背面に設けられた3Dメッシュの抜群のクッション性と、ポリカーボネイト製のフレームシートのしなやかさ、背面長を素早く調整することができるカムロック式調整機構など様々な点において今までにない背負い心地を体感させてくれるテント泊登山用ザックです。
モデル名 | アンリミテッドアンチグラビティ64 |
容量(l) | S/M=64、L/XL=64 |
重量(kg) | S/M=2.20kg、l/xl=2.22kg |
背面調整 | 可能 |
レインカバー | 内蔵 |
フレーム | あり |
【45+12ℓ】ドイター『グラビティエクスペディション45+』
無駄を削ぎ落とした軽量で背負い心地を損なわないフレーム入りのテント泊用ザックです。トップライトの高さを伸ばすことでメイン気室の容量を12ℓ増やすことができ、さらにトップリッドやフレームを取り外すことができるカスタマイズの柔軟性にも優れています。トップリッドと内蔵フレームを取り外すとさらに150gの軽量化ができます。
モデル名 | グラビティ エクスペディション 45+ |
容量(l) | 45+12 |
重量(kg) | 0.95 |
背面調整 | なし |
レインカバー | なし |
フレーム | あり |
【40+】カリマー『リッジ40プラスミディアム』
腰荷重に優れたランバーパッドとインナーパネルを備えたテント泊登山向けの容量を無理なく収納できるザックです。空気の循環が行われるように背骨に沿って風が抜けていくデザインを採用しています。荷物の取り出しやすさなど工夫を凝らしたザックです。
モデル名 | リッジ 40プラス ミディアム |
容量(l) | 40+ |
重量(kg) | 1.53 |
背面調整 | なし |
レインカバー | 内蔵 |
フレーム | あり |
【45ℓ】ザ・ノース・フェイス『テルス45』
通気性とフィット感に力を入れて開発された小屋泊からテント泊まで使用できるザックです。内部へのアクセスが可能な縦型ジッパーや、両サイドに設けられた大型の収納ポケットなど登山をしながらの物の出し入れがしやすいポケットの配置と容量が最適化され、初心者にも扱いやすいザックに仕上がっています。
モデル名 | テルス45 |
容量(l) | WM/42、M/43、L/47 |
重量(kg) | WM/約1,570g、M/約1,650g、L/約1,770g |
背面調整 | なし |
レインカバー | 内蔵 |
フレーム | あり |
【45ℓ】アークテリクス『エアリオス45』
軽量化した登山装備で長期縦走することをを目的に開発されたテント泊登山向けのザックです。上部から荷物の出し入れ以外にサイドの大型ファスナーからもアクセスすることができるなど使い心地の良さと充実した収納機能を取り入れたアークテリクスらしいデザインに仕上がっています。大きな荷物を収納してもしっかりとコンプレッションすることができるストラップはフロント部分に設けられています。またザックを降ろさずに水筒やスマートフォンなどを取り扱えるのも特徴です。
モデル名 | エアリオス45 |
容量(l) | 45 |
重量(kg) | 1.09 |
背面調整 | なし |
レインカバー | なし |
フレーム | あり |