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北アルプス オートルートでのテント泊『MSRハバハバシールド2』をレビュー

北アルプス オートルートでのテント泊『MSRハバハバシールド2』をレビュー

ゴールデンウィークに北アルプス「オートルート」に挑戦しました。メンバーは2人で、できるだけ軽量で安心感の高いテントとしてMSRハバハバシールド2を選びました。今回は雪上でのテント泊におけるMSRハバハバシールド2をレビューします。

使用条件

2023年のゴールデンウィーク中に立山から双六小屋に向かっての縦走登山です。途中スキー滑走を交えながら移動を行います。テント泊をした時の条件は以下の通りです。

  • 雪上設営
  • 夕方より気温は氷点下(記録していないが、朝にはフロアに置いた水が薄く氷るぐらい)
  • 微風(雪ブロックや吹き溜まりを利用した効果もあり)

MSRハバハバシールド2を使って良かったと感じた点

MSRのテントはハバハバシールド2以外に前ハバシリーズの3人用「マザハバ」を使用しています。居住空間の広さや軽量な点が気に入っています。ハバハバシールド2も今回初めて使用して多くの点でよかったと感じた点があります。ポイントを踏まえて紹介をします。

設営が簡単

テントポールの先端をインナーテントの4隅にはめて、その後吊り下げていくため手早く立ち上げることができます。風が強い時でもインナーテントをペグダウンすることができるので風で飛ばされにくいメリットがあります。

インナーテントの出口とフライシートの出口は左右で同じ方向に作られているので、フライシートを方向違いで掛け違うことがありません。以前使用していたテントではインナーとフライの方向のチグハグが発生していたことがありストレスを感じていたので、非常に良いデザインだと感じました。

とにかく広い・快適な居住空間

フロア面積に対してとにかく広く感じるテントです。2人以上でテント内で過ごしているとテントの結露をしたウォールに体が接触して濡れてしまうことがあるのですが、このような心配が非常に少なかったです。

メインポールとその上部に渡す一文字のポールによって、インナーフライのウォールがかなり垂直に近く立ち上がるため、居住スペースが思いの外広いです。

MSRの雪山登山に対応した本格派テント、アクセスシリーズほどではなさそうですが、立ち上がり方は遜色ないのでは?と感じるほどで、ネオエアーを2つ折りにして座っても頭上や側面に圧迫感を感じにくかったです。

結露、ほぼ無し

気象条件や風の強さ、湿度など条件によって変わるのかもしれませんが、ベンチレーション効果が抜群で、インナーテントにはほとんど結露が付着していませんでした。フライシートにもほとんど結露がなく絶妙な位置にメッシュが使われている印象です。このデザインによってベンチレーションの効果が高いと想像できました。

ギアラックが充実

天井と短辺側のウォールにギアラックが備わっていて物置として便利です。

天井に備わったループが便利

インナーテントの天井にループが4箇所縫い付けてあります。メーカーサイトでは直接そのループにランタンなどをぶら下げる様子があります。この4箇所に細引きを通して使用することによって、ランタンや干物を吊るしたり、小物の置き場所にできました。重たいものや、片側だけに荷重がかかるのはNGです。

ギアラックと合わせると収納場所が充実しています。

前室が想像以上に使い勝手がいい

2名で利用する時には両側に前室があるので各々が前室のスペースを自由に利用できるし、出入りする際も他方を干渉せずに行えます。

テントによってはわずかなものしか置けない前室もありますが、ザック、水作り用の雪たっぷり、スコップのブレード、スキーブーツを置いて十分な余裕があります。

フライを張る一文字のポールから前室が張り出されるため前室が広いと思います。この一文字ポールは室内空間のみならず前室の空間確保にも効いているようです。

MSRハバハバシールド2を使って気になった点、気をつけたい点

メッシュから風の侵入

想像はしていましたが、フライの下部をすり抜けた冷たい風がメッシュ部分から侵入します。3シーズンモデルということだから当然だと思います。ただし、それなりの風を受けたときにのみ感じる程度です。

微風下ではインナーの内外、さらにフライの内外との気温差は十分に感じられるぐらいではあったので、3シーズンフルで使えるテントだと思います。

今回の使用環境では、眠ることができないほど寒いことはなかったです。使用している道具は以下の通りです。

  • テントマット:サーマレストのネオエアーをmont-bellの輻射熱シートで包む
  • シュラフ:シートゥサミットSP2
  • シュラフカバー:SOLエスケープライトヴィヴィ
  • 衣類を着込んで就寝

残雪期でも気温が低く風が強い場合などの条件によっては上の装備では厳しいかもしれませんし、厳冬期での使用も含めたら、MSRの4シーズンモデル「アクセスシリーズ」も検討したほうがよいと思います。

設営に面積が必要

両側にある前室を含めると、設営のためには想像以上に広いスペースが必要でした。インナーフロアの長辺側と比べ、短辺側の方が前室を含めると長いです。

  • 長辺側:約2.3m
  • 短辺側:約2.6m

このことからも設営の際のテントの向きにも気をつけたいです。

また雪上設営の場合、設営面積の確保、レベル出し、雪ブロックの積み上げに骨が折れました。無雪期でも混雑したテン場や地面がガレて制限があるテン場では面積の確保がむずかしくなることもありそうです。これはテント内部と前室の広さと便利さの代償ですね。

ペグダウンが必要となる細引きが足りていない

フライの短辺側の下端中央にペグダウンするための細挽きが付属していませんでした。細挽きを設置するループはあります。自宅での仮設営の際に気が付いたので細挽きを追加して使用しました。このポイントをペグダウンしないと風でバタついてしまいます。

長辺側にある上部のギヤラックからものが落ちてくる

ウォールに体が触れると揺れて小物が落ちてくること度々。緩いのか、角度なのか。返しがあると良さそうに感じました。

収納袋が大きい・重い

テント現物に対してかなり余裕のある大きさです。素早い収納は可能だが重量が気になります。実際に携行する際は軽量で適度な大きさのものと入れ替えて使用したいと感じました。

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