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奥穂高岳の難易度別ルート紹介・北アルプス初心者〜上級者向け

奥穂高岳の難易度別ルート紹介・北アルプス初心者〜上級者向け

穂高岳連峰の主峰である奥穂高岳は日本で3番目の高さを誇り、槍ヶ岳とともに北アルプスの盟主とも呼ばれています。一度は挑戦してみたいと憧れる登山者も多いことでしょう。奥穂高岳は険しい岩稜が続き、難易度の高い上級者向けのコースが多いと言われています。

北アルプス初心者ならば一度涸沢まで登山に挑戦し、体力をチェックして奥穂高岳へ挑戦するというステップがおすすめです。涸沢〜奥穂高間のザイデングラードは非常に事故が多い場所なので心して登山をする必要があリマス。今回は奥穂高岳登山1泊2日のコースを難易度別に紹介します。

奥穂高岳の基本情報と魅力

奥穂高岳は穂高見命という神様が山頂に降臨したという伝説があり、現在でも霊峰として周辺地域住民に敬われています。1906年(明治39年)、測量官の阿部郡治が初登頂しました。百名山、新日本百名山、日本百高山、甲信越百名山、東海の百山、信州百名山といった数々の名山に選ばれており、登山をするならいつかは挑戦したいと憧れる人も多い山です。

都道府県長野県・岐阜県
山域北アルプス南部
エリア北アルプス
標高3,190m
天気・アクセスなど奥穂高岳の詳細

奥穂高岳の魅力1 四季の自然を満喫できる

奥穂高岳の最大の魅力は四季折々の豊かな自然を楽しめることです。岩肌に生える草花や高山植物が咲き乱れる6月〜8月の夏季には数多くの登山客が訪れますが、北アルプスいちと言われる美しい紅葉は混雑が予想されます。

奥穂高岳の魅力2 壮大なスケールの景色に出会える

壮大なスケールで連なる岩稜も魅力の一つ。体力的にも技術的にも困難な登山になることが多い奥穂高岳ですが、見る人を圧倒する岩壁や岩尾根の迫力に多くの登山者が魅了されています。上の写真の中心に見えるのは垂直の絶壁が連な理、急峻な痩せ尾根の難所が続くジャンダルムで、奥穂高岳をスタートにして挑戦する人を見ることができます。

奥穂高岳の魅力3 他では得ることができない達成感を味わえる

険しい岩稜帯を踏破していく達成感や登頂した時の感動が大きいことも魅力です。難所が多いと言われる奥穂高岳ですが、それを乗り越えていくという征服欲は登山者にとってはたまらない感動を味わえることでしょう。

奥穂高岳の難易度別おすすめ登山コース

奥穂高岳の魅力を満喫できる難易度別コースを紹介します。初心者からハイレベルな登山に挑戦したい人まで、奥穂高岳の魅力を十分に堪能できる登山コースです。

北アルプス初心者ならばこのルート!人気が高い上高地~涸沢~奥穂高岳コース

上高地から涸沢を経由し、奥穂高岳へ向かう登山ルートは体力に問題がなければ初心者でも挑戦しやすいコースです。

1泊目は上高地バスターミナルから涸沢ヒュッテを目指し、ヒュッテか涸沢テント場に宿泊。2日目は涸沢ヒュッテからザイテングラートに向かい、穂高岳山荘で休憩して奥穂高岳に向かいます。

1日目の上高地バスターミナルから涸沢ヒュッテまでかかる時間は約6時間、2日めの涸沢~奥穂高岳山頂~上高地バスターミナルで約10時間かかりますが、40代~50代でも多少の登山経験があれば問題なくクリアできるコースです。

必要日数1泊2日
コースタイム17時間46分
距離約36.1㎞
累積標高2,100m

ルート紹介

上高地バスターミナルから明神、徳沢、横尾までは前穂高岳や梓川などの美しい景色を見ながらハイキング気分で楽しむことができます。徳沢や横尾にはトイレや水場があるので、ゆっくり休憩することも可能です。横尾からは徐々に勾配がきつくなり、ダケカンバ林の急坂が始まると涸沢までは登坂が続きます。ダケカンバ林からは少々辛い登山になりますが、涸沢ヒュッテに到着すれば雄大な眺望を楽しみながらゆっくり休憩することも可能です。

2日目は1時間ほど歩くとザイテングラート取り付きます。ザイテングラートは岩尾根の急坂が続くコースの中で一番難易度の高い箇所です。浮石や落石にも気を付けながらしっかり歩きましょう。

ザイデングラートは遭難(下山寺の滑落が多い)ことで有名です。

ザイテングラート取り付きから穂高岳山荘までは約2時間かかります。穂高岳山荘で休憩して奥穂高岳へ向かいます。

穂高岳山荘からは鎖と梯子のある岩場が続く登山道です。小屋から登って富山側に出ると強風に煽られることもあるので体温調整に注意しましょう。穂高岳山荘から奥穂高岳までは約50分で到着します。

ルート地図

中〜上級者向け!様々な景色が楽しめる岳沢~奥穂高岳~涸沢コース

1日目は岳沢小屋から紀美子平を経由し、奥穂高山頂に到達、穂高岳山荘で1泊して2日目は涸沢小屋から横沢キャンプ場、徳沢登山口方面に下山するコースです。勾配がきつい箇所も多いですが、行きと帰りで違う様相の自然を楽しめます。

必要日数1泊2日
コースタイム12時間46分
距離27.2㎞
累積標高2,046m

ルート紹介

上高地から河童橋を渡り、比較的平坦な遊歩道から登山道に入ります。樹林帯を700mほど登ったら岳沢小屋に到着です。上高地から岳沢小屋までは3時間弱。岳沢小屋から重太郎新道を進み、ハシゴ場や急勾配のクサリ場を越えたら岳沢パノラマに到着です。

勇壮な大パノラマを楽しんだら紀美子平まで約1時間歩きます。紀美子平からは岩登りの連続になるので、紀美子平で栄養補給や水分補給を行いましょう。紀美子平から吊尾根の登りが続き、体力的にきつい登山になりますが、約1時間30分で奥穂高岳山頂に到着します。夜は穂高岳山荘でゆっくり休憩し体力を回復できたら、翌日は違うコースで下山してみましょう。涸沢岳方面に下山し、涸沢小屋で小休止。甘いものなどで栄養補給したら横尾キャンプ場を目指し、上高地に戻ります。

ルート地図

上級者以上向け!新穂高温泉から奥穂高岳を目指すコース・通称飛騨ルート(白出沢〜奥穂高は要注意ルート)

新穂高ロープウェイで新穂高温泉まで向かい、奥穂高岳登山口から荷継小屋跡を経由し、ガレ場を登って穂高岳山荘で宿泊。2日目に奥穂高岳山頂を目指すコースです。くさり場が多く難易度の高い場所が続く登山コースです。

必要日数1泊2日
コースタイム18時間
距離約23km
累積標高1,034m

ルート紹介

新穂高温泉から2時間ほど歩くと右股林道の終点、奥穂高岳登山口に着きます。樹林帯のなだらかな道を通り抜け、徐々に険しくなる白出沢の岩壁に沿った岩切道を進むと約3時間半で荷継小屋跡に到着です。ガレ沢を横切った先で白出沢に下りて重太郎橋で対岸に渡るのですが、渡渉地点ゴルジュで、さらに増水時には橋が流されることがあり事前に情報を得て登山計画を練りましょう。

さらにそこからガレ場を約3時間半登ってようやく宿泊する穂高岳山荘があらわれます。1日目はかなり体力を消耗するのでしっかり疲れを取りましょう。

穂高岳山荘からはクサリやハシゴの急登が連続します。滑落には十分気を付けましょう。穂高岳山荘から奥穂高岳までは約50分です。

ルート地図

奥穂高岳のQ&A

奥穂高岳登山についてよくある質問をまとめました。自分の登山経験で奥穂高岳登山が可能なのか、登山に必要な装備は何か、さらには安全な登山に必須の天気等の情報についての質問が多いようです。

Q.奥穂高岳登山にはどれくらいの登山経験が必要ですか?

年齢、体力、登山頻度によっても変わってきますが、少なくとも他の山で岩稜帯を歩いた経験があること、5時間以上の長時間歩行の経験があること、標高2800m以上の登山経験があることを目安にすることをおすすめします。

Q.奥穂高岳登山にはどのような装備が必要ですか?

季節や天気、日程、ルートなどによって異なりますが、必ず準備しておくべき装備はハイカットで底やつま先がしっかりした本格登山用の登山靴、ゴアテックスなど防水透湿性能のある雨具、着脱しやすく持ち運びしやすい軽さの防寒着など登山では必須とされる装備は一通り必要です。特に岩場が多いのでヘルメットの持参は怠らないようにしましょう。

Q.奥穂高岳の天気情報はどこで確認すればよいですか?

奥穂高岳の山頂の天気は非常に変わりやすく、1日のうちに15度以上気温が変化することも多々あります。天気情報アプリで1時間ごとの天気や気温変化をこまめに確認したり、奥穂高岳の休憩所や山荘がTwitterやFacebookで発信している天気情報を見逃さないようにしましょう。

各登山口の駐車場について

奥穂高岳登山の出発地点の一つである上高地はマイカー規制がされています。上高地を目指す際は、長野側からはさわんど駐車場、岐阜側からはあかんだな駐車場を利用しましょう。

さわんど駐車場

住所長野県松本市安曇沢渡
駐車場台数2,000台
営業時間市営 24時間
民間 5:00~
営業期間4月~11月(冬季は閉鎖)
料金普通車     1日700円
二輪車     1日350円
マイクロバス  1日1,400円
観光バス    1日2,800円   

さわんど駐車場〜上高地バスターミナルのシャルバス料金

大人往復2,400円/片道1,300円
小人往復1,200円/片道650円

さわんど駐車場周辺のグルメ・温泉情報

ドライブインひぐち

出典:ドライブインひぐち公式サイト

さわんどバス停のすぐそばにあるドライブイン。登山前にごはんおかわり自由な定食でエネルギーを補給したり、下山後にビールやかき揚げでほっと一息つくなど、登山者に人気のグルメスポットです。

住所長野県松本市安曇沢渡4160
営業期間4月中旬~11月中旬(冬季休業)

上高地玄関口 さわんど温泉 梓湖畔の湯

出典:上高地玄関口 さわんど温泉 梓湖畔の湯 公式サイト

さわんどバス停の近くにある梓湖畔の湯は、温泉から美しい梓川の景色を楽しむことができます。こじんまりした規模ながら設備は整っていて、下山後の疲れを癒すには最高の温泉スポットです。

住所長野県松本市安曇4159-14
営業時間10:00~18:30  最終入館18:00

あかんだな駐車場

住所岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯791-38
駐車場台数850台
営業時間24時間
営業期間4月~11月(冬季は閉鎖)
料金1日600円

あかんだな駐車場~上高地バスターミナルのシャトルバス料金

大人往復2,090円/片道1,180円
小人往復1,050円/片道590円

あかんだな駐車場周辺のグルメ・温泉情報

らーめん酒場 やどり木

出典:奥飛騨温泉郷観光協会公式サイト

あかんだな駐車場の近くにある昼やラーメン、夜は居酒屋メニューが楽しめるらーめん酒場 やどり木。昼のラーメンはホルモンラーメンなどパワフル系のメニューが多く、夜はクラフトビールが楽しめるお店で、何度も通いたくなるグルメスポットです。

住所岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯519−1
営業時間昼の部11:30~13:30/夜の部17:30~24:00

平湯温泉

出典:奥飛騨温泉郷 平湯温泉公式サイト

敷地内に上高地や新穂高温泉へ向かうバスターミナルがある平湯温泉。1日約12,000,000ℓもの豊富な湯が噴き出ていて、古くから多くの人に愛されている温泉です。日帰り温泉やお土産処、食事施設も充実しています。

住所岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯763−191
営業期間10:00~21:00(日帰り温泉)

新穂高駐車場

新穂高ロープウェイを利用する場合は新穂高駐車場を利用しましょう。盛期には駐車場が不足する場合もあるので、民間の予約制駐車場を利用することをおすすめします。

住所岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂710-58
営業時間24時間
営業期間盛期のみ開場
料金市営 1回1,200円(2泊目以降1,200円加算)
民営 1日2,000円(インターネットによる予約制駐車場)

奥穂高岳周辺のおすすめスポット

奥穂高岳周辺のおすすめスポットを紹介します。自然豊かな北アルプスエリアを楽しみましょう。

上高地

出典:上高地Official website

美しい自然の景色を存分に楽しめる上高地は亜高山帯に位置するため、高山植物や様々な昆虫を観察することができます。初夏から秋のベストシーズには多くの観光客が訪れ、気軽に高原を楽しめるスポットとして有名です。

乗鞍高原

出典:乗鞍高原公式サイト

中部山岳国立公園内に位置する乗鞍高原は日本の滝百選である三本滝をはじめ善五郎瀧や番所大滝などの雄大な滝や水芭蕉群生地が有名です。日本最大級のキャンプ場いがやレクリエーションランドでは小さな子供から大人まで自然を気軽に楽しむことができます。

湯の郷公園 足湯

出典:さわんど温泉公式サイト

上高地の入り口にある『さわんど温泉』の敷地内にある足湯は無料で利用できます。上高地に向かうバスターミナルや駐車場に近いこともあって、多くの登山客や観光客が楽しんでいる足湯です。

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