長野、富山、新潟の三県にまたがる白馬岳は、北アルプスでも多くの登山者を魅了する人気の山です。山頂からの展望は美しく、また日本三大雪渓のひとつに数えらえれる大雪渓が人気です。高山植物もたくさんの種類が楽しめるのが魅力です。今回は白馬岳の3つの難易度別登山ルートと、アクセス、駐車場情報を紹介します。
白馬岳の基本情報と魅力
白馬岳は標高2932mで北アルプス北部に位置し、長野県、富山県、新潟の三県にまたがっています。北アルプスでも多くの登山客を集める人気の山です。
白馬大雪渓は日本三大雪渓のひとつに数えられ、大雪渓を通るコースは毎年たくさんの登山客が訪れます。山頂からの展望は素晴らしく、北アルプスや南アルプス、八ヶ岳などの山々を一望することができます。また白馬岳は高山植物が豊富なエリアで、様々な種類の高山植物を楽しめます。
6月から9月が夏山登山のシーズンです。
山の名前 | 白馬岳(しろうまだけ) |
標高 | 2932m |
都道府県 | 富山県、長野県、新潟県 |
エリア | 北アルプス |
詳細情報 | 白馬岳の詳細 |
魅力その①山頂の展望
標高2932mの白馬岳山頂からは360度の眺望が楽しめます。北アルプスや南アルプスの山々、八ヶ岳や富士山などが一望できます。頂上からの眺めは山岳小説で有名な作家新田次郎の小説『強力伝』にも描かれています。
魅力その②大雪渓
白馬岳の白馬大雪渓は日本三大雪渓のひとつで、全長2㎞、標高差600mある広大な雪渓です。この大雪渓の雄大さに惹かれて多くの登山者が訪れます。
魅力その③高山植物
白馬岳は高山植物が非常に豊富なエリアで、「花の百名山」にも選出されています。ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイ、ミヤマオダマキ、ハクサンイチゲなど、様々な高山植物を楽しむことができます。
高山植物の見頃は7月から8月にかけてです。
白馬岳のおすすめ登山コース
【大雪渓と眺望が魅力】猿倉~白馬岳~栂池自然園縦走コース
1日目
猿倉1時間10分→白馬尻小屋→4時間30分→村営頂上宿舎→20分→白馬山荘
2日目
白馬山荘→15分→白馬岳→40分→三国境→50分→小蓮華山→1時間20分→白馬大池山荘→1時間20分→天狗原→50分→栂池自然園
必要日数 | 一泊二日 |
総コースタイム | 11時間15分 |
休憩時間目安 | 4時間 |
距離 | 14.7km |
累積標高 | 1914m |
難易度 | ★★★☆☆ |
多くの登山客が登る人気のコースなので、夏のシーズンには登山道が混雑することがあります。時間に余裕を持って出発しましょう。
白馬大雪渓を通過するときはアイゼンが必要です。JR白馬駅でもレンタルできます。
猿倉登山口
猿倉登山口は標高1230mの地点にあり、約100台分の無料駐車場が利用できます。トイレ、自動販売機、登山ポストも用意されています。水場もあるので、水筒に水を補給することもできます。
登山コース紹介
1日目
登り始めてしばらくは樹林帯が続きます。林道に出たら白馬尻方面に向かいます。約1時間で白馬尻小屋に着きます。水場もあり、休憩にちょうどいい場所です。
しばらく登ると目印のケルンがあり、大雪渓入り口です。ここでアイゼンを装着します。アイゼンはJR白馬駅でもレンタルすることができます。雪渓上に描かれた赤い線に沿って歩きます。落石が多い場所なので、上方に注意してください。
急斜面を登ると葱平です。避難小屋まで登って休憩するのがいいでしょう。
ここから先はお花畑の中を歩きます。シナノキンバイやミヤマキンポウゲなど様々な高山植物を見ることができます。
稜線を20分ほど歩くと宿泊地の白馬山荘があります。
2日目
白馬山荘を出発するとすぐに白馬岳山頂に出ます。
ここからの展望は絶景で、有名な山岳小説家新田次郎の『強力伝』にも描かれています。山頂は広く、大展望を思う存分楽しめます。北アルプスや南アルプス、八ヶ岳や富士山などの姿を見ることができます。
山頂から白馬大池方面に向かいます。三国境で朝日岳方面に向かう道と分岐します。三国境は新潟県、富山県、長野県の三県の境界になっている場所です。
小蓮華山山頂を超えると、白馬大池まで1時間20分ほどです。白馬大池でも様々な高山植物を目にすることができます。
乗鞍岳を超えて天狗原を通るとあとは50分ほどで栂池ロープウェイの自然園駅に着きます。ここからロープウェイとゴンドラリフトを乗り継いで栂池高原登山口に到着です。
猿倉登山口から白馬岳に登るコースについては、本サイト内のこちらの記事もご参照ください。
【高山植物を楽しめる初心者向けのコース】栂池~白馬岳ピストンコース
1日目
栂池自然園→1時間10分→天狗原→1時間50分→白馬大池山荘→1時間50分→小蓮華山→30分→三国境→1時間→白馬岳→10分→白馬山荘
2日目
白馬山荘→15分→白馬岳→40分→三国境→50分→小蓮華山→1時間20分→白馬大池山荘→1時間20分→天狗原→50分→栂池自然園
必要日数 | 一泊二日 |
総コースタイム | 11時間45分 |
休憩時間目安 | 4時間 |
距離 | 18.7km |
累積標高 | 1645m |
難易度 | ★★☆☆☆ |
このコースは大雪渓を通らないため、初心者でも安心のコースです。
栂池高原登山口
栂池高原登山口は標高820mの地点にあり、約400台分の大きな駐車場が整備されています。トイレや自動販売機もあり、登山届けも出すことができます。まずはここからゴンドラリフトとロープウェイを乗り継いで、栂池自然園駅に向かいます。
登山コース紹介
栂池自然園駅を出て、森林の中を歩いていきます。湿原に入ると、そこが天狗原です。木道を歩いていきます。
ハイマツの林に入ると、ほどなく乗鞍岳山頂に出ます。山頂から白馬大池を望むことができます。山頂から白馬大池方面に向かいます。
白馬大池に着くと、ハクサンコザクラやチングルマなど、様々な高山植物を見ることができます。白馬大池を出た後は稜線を歩いていきます。稜線からの展望を楽しむことができます。
小蓮華山を越えて30分ほどで三国境に着きます。新潟県、富山県、長野県の三県の境界になっている場所です。三国境から、白馬岳山頂方面に向かいます。稜線を進むと白馬岳山頂に着きます。
ここからの眺めは絶景です。360度の大展望が広がり、北アルプスや南アルプス、八ヶ岳などの山々を目にすることができます。
白馬岳山頂から10分で白馬山荘に到着です。
【日帰り登山で白馬岳を満喫】蓮華温泉~白馬岳ピストンコース
蓮華温泉→1時間40分→天狗の庭→1時間20分→白馬大池山荘→1時間50分→小蓮華山→30分→三国境→1時間→白馬岳→40分→三国境→50分→小蓮華山→1時間20分→白馬大池山荘→1時間→天狗の庭→1時間10分→蓮華温泉
必要日数 | 日帰り |
総コースタイム | 11時間20分 |
休憩時間目安 | 2時間 |
距離 | 18.7km |
累積標高 | 1794m |
難易度 | ★★★☆☆ |
このコースは日帰りで行くことができますが、一泊二日の行程に比べて行動時間が長くなるので注意が必要です。時間に余裕を持って早朝に出発しましょう。
蓮華温泉登山口
蓮華温泉登山口は標高1470mの地点にあり、約70台分の無料駐車場があります。トイレ、登山ポストも用意されており、蓮華温泉ロッジ内で飲用水も利用できます。蓮華温泉には野天風呂もあります。
登山コース紹介
登山口を出て、白馬大池方面に向かって進みます。天狗の庭は休憩にちょうどいいポイントです。
樹林帯を出ると白馬大池山荘です。白馬大池周辺ではハクサンコザクラやチングルマなどの様々な高山植物を見ることができます。ここから先は、「栂池~白馬岳ピストンコース」と同じです。
白馬大池を出た後は展望のよい稜線を歩いていきます。小蓮華山を越えて30分ほどで三国境に着きます。ここは新潟県、富山県、長野県の三県の境界になっています。
三国境から、白馬岳山頂方面に向かいます。稜線を進むと白馬岳山頂に着きます。
山頂からの眺めは絶景です。北アルプスや南アルプスの山々、八ヶ岳などの姿を見ることができます。360度の大展望を存分に楽しんでください。
白馬岳のQA
白馬岳の登山シーズンはいつ?
夏山登山のシーズンは6月から9月です。高山植物は梅雨明けからが見ごろです。
白馬岳の天気、気温は?
6月は天候が比較的安定しています。7月は雨の多い日が多い傾向にあります。7月下旬以降は晴れることが多いですが、夕立も多いので注意が必要です。9月は秋晴れの日もありますが、秋雨前線の影響で雨の日も多くなります。
夏山登山のシーズンである6月から9月にかけての白馬岳山頂付近の気温は以下のとおりです。夏であっても防寒着の準備が必要です。
月 | 最高気温(℃) | 最低気温(℃) |
6月 | 22.9 | -3.1 |
7月 | 24.8 | 10.2 |
8月 | 24.4 | 5.7 |
9月 | 19.8 | 4.2 |
白馬岳の名前の由来は?
白馬岳は「はくばだけ」ではなく「しろうまだけ」と読みます。
山名は長野県側に馬の形をした雪形が見えることに由来します。苗代の時期の目安になるので、苗代馬(なえしろうま)と呼ばれるようになりました。その苗代馬(なえしろうま)が代馬(しろうま)、白馬(しろうま)と転じて現在の呼び方になったのです。
ただし、白馬駅、白馬村や白馬八方尾根スキー場などの白馬がつくスキー場は「はくば」と読みます。
登山口へのアクセス・各種情報
各登山口とも駐車場が整備されているので、車でアクセスできます。また、各登山口へJRの駅からバスでアクセスすることもできます。
猿倉登山口
登山口情報
約100台停めることのできる無料駐車場があります。トイレ、自動販売機、登山ポストも利用できます。
登山口までのアクセス
バス:JR大糸線白馬駅からアルピコ交通バスで猿倉バス停で下車。
車:上信越道長野ICから約60㎞で猿倉駐車場へ。
栂池高原登山口
登山口情報
約400台停めることのできる駐車場があります。一日500円。その他、第2駐車場(150台)、第3駐車場(300台)があります。こちらは無料です。トイレ、自動販売機が利用でき、登山届もここで出すことができます。
栂池高原から栂池自然園までゴンドラリフトとロープウェイを乗り継いで行き、栂池自然園から登り始めます。
登山口までのアクセス
バス:JR大糸線白馬駅からアルピコ交通バスで栂池高原バス停下車。またはJR長野駅からアルピコ交通の特急バスで栂池高原バス停下車。
車:上信越道長野ICから約60㎞で栂池高原駐車場へ。
蓮華温泉登山口
登山口情報
白馬岳蓮華温泉ロッジ前に70台入る無料の駐車場があります。トイレ、登山ポストが用意されており、ロッジ内で飲用水が利用できます。
登山口までのアクセス
バス:JR大糸線平岩駅から糸魚川バスで蓮華温泉バス停下車。
車:上信越道長野ICから約101㎞で蓮華温泉駐車場へ。
白馬岳周辺のおすすめ山旅スポット
蓮華温泉
この土地を治めていた上杉謙信が発見したと言われる人気の温泉です。白馬岳蓮華温泉ロッジには内湯と野天風呂があります。野天風呂は源泉の違う4つの風呂があり、男女混浴です。
利用時間:内湯、野天風呂ともに、9:00~17:00
大出の吊り橋
姫川にかかる吊り橋やかやぶき屋根の民家、背後に広がる北アルプスの風景が美しい人気スポットです。無料の駐車場が利用できます。入場料などはありません。
道の駅白馬
白馬の特産物、農産物や工芸品を販売しています。レストランでは手打ちが自慢の「そば定食」や白馬村で飼育されているSPF豚「はくばの豚」を使ったメニューを楽しめます。
利用時間
売店:9:00~18:00
レストラン:11:00~18:00
定休日:火曜日