カテゴリーから探す

山のモノ Wear / Gears

山のコト Experiences

駒津峰|甲斐駒ヶ岳へもうひと踏ん張りする峰!難易度別ルート情報

駒津峰|甲斐駒ヶ岳へもうひと踏ん張りする峰!難易度別ルート情報

駒津峰(標高2752m)は、甲斐駒ヶ岳6合目。巨峰・甲斐駒ヶ岳を望み、圧倒される大きさを体験はずです。ハイマツ帯が低く、北アルプスや中央アルプスも望め、富士山もよく見えます。

甲斐駒ヶ岳が誕生する前に、駒津峰の先に古い山があったと考えられています。駒津峰にある「おこげ」の岩や地層によって、それが裏付けられているのです。

今回は情報が多くない、駒津峰を詳しく説明しましょう。安全に甲斐駒ヶ岳を登り終えたいですものね。駒津峰は「甲斐駒ヶ岳へ行く」「断念する」の判断が非常に重要になってくる地点です。駒津峰の情報が少ないので、もっと情報があるといいんですけど。

山の名前駒津峰(こまつみね)
標高2752m
エリア南アルプス / 赤石山脈の北部 (長野県伊那市/山梨県北杜市)
詳細情報駒津峰の地図・天気

駒津峰(甲斐駒ヶ岳6合目)の基本情報と3つの魅力

魅力その1) 巨峰甲斐駒ヶ岳があらわる、豪快な景色

南アルプス林道バスからも、甲斐駒ヶ岳が悠然と見えます!実際により間近の駒津峰から見上げると、圧倒される大きさ。恰幅がよく、山の威厳をひしひしと感じるはずです。甲斐駒ヶ岳はパワースポットと言われてますが、登る前からひるむほどに甲斐駒ヶ岳のパワーが届きます。駒津峰の登りは、甲斐駒ヶ岳のエネルギーを全身に浴びるでしょう。白銀に光る甲斐駒ヶ岳の山頂付近の色合いは、駒津峰に育つ自然にもよく映えています。新緑の初夏にも、紅葉の秋にも、積雪の冬にも、いつでも何度でも甲斐駒ヶ岳に来たくなるはずです。

魅力その2) 駒津峰からも日本アルプスのパノラマビュー!

駒津峰 甲斐駒ヶ岳6合目 甲斐駒ヶ岳行と仙水峠行のルートに分かれる

ハイマツ帯が膝ぐらいまでの高さのため、緑の雲の上を歩いているような気分に。遠望は青々とした中央アルプスがよく見えます。北アルプスも望める標高です。登るたびに、富士山が徐々によく見えてくるのも楽しみのひとつ。前方にそびえる甲斐駒ヶ岳の壮大な迫力に圧倒されますが、周りの景色もなかなかのもの。通過してきた散策路を振り返って見ると双児山が形よく見えて、その後ろに仙丈ケ岳(標高3033m)も現れてきます。甲斐駒ヶ岳に登頂する前から、帰路の景色が楽しみになるでしょう。

魅力その3) 甲斐駒ヶ岳と駒津峰がドッキングした太古を探求

甲斐駒ヶ岳が地下から登り上がる前の時代、駒津峰の先にも古い古い時代の山があったはず。きっと消えた、そう思えませんか?甲斐駒ヶ岳の出現した時、駒津峰はぶつかり合って残った地点と言われています。そのため、駒津峰は甲斐駒ヶ岳の熱で、土や岩が高熱によって燃やされました。岩はこってりローストされたようで、今では赤茶けた色になって稜線に残っています。尾根は痩せて、岩がどことなく力なく見えるのは駒津峰が燃えた名残。ランドマークの六方石がその代表です。

地層で区分けをすると、歩いてきた「北沢峠‐双児山‐駒津峰」は「北岳層」の最北端部になります。この地層は泥岩が主体の地層です。そして、六方石のあたりから「甲斐駒ヶ岳花崗岩」に。双児山は大きめの里山のように落ち着いたたたずまいでした。真ん中の駒津峰が甲斐駒ヶ岳の出現に影響を受けて、科学的な反応をした土壌や岩があることを認識できるでしょう。

駒津峰(甲斐駒ヶ岳6合目)を経由する登山ルートの難易度

登山路の難度は初心者のテクニックで歩けるルート。道が穏やかな絶景ポイントを歩いていると、「登ってよかった!」と心から言いたくなるはずです。甲斐駒ヶ岳エリアの森林限界が2,800mぐらいなので、ハイマツ帯がぐっと低くなり見晴らしがよくなります。
ここでは、難易度はAクラスでも、救助要請がちょくちょくある駒津峰について、詳しくご説明しますね。エスケープルートとして念頭に入れておきましょう。

【双児山→駒津峰】難易度はAとCクラス - 中級者レベルの頭脳で制覇しよう♪

甲斐駒ヶ岳(2,967m)と駒津峰(2,752m)

登りだけを切り取れば、なんてことはない楽勝の登山ルートなので、安心して歩けるのです。地方にある低山のような難度ですから。しかし、疲労の蓄積を計算して歩かないと、復路は本当に疲労困憊してしまう危険性があります。駒津峰を歩きこなすためには、体力計算が必要でしょう。

双児山山頂→駒津峰(甲斐駒ヶ岳6合目)の地図とルート情報

時間:46分距離:0.8km登り:155m下り:62m
行動予定05:00 北沢峠
07:13 双児山 07:23
08:09 駒津峰 08:19
09:42 甲斐駒ケ岳 10:12
11:31 駒津峰 11:41
12:17 双児山 (ランチ)12:47
13:59 北沢峠

難度はAとCクラス!ルート状態はどうなってる?(ヤマレコ グレーディングより)

双児山の山頂から甲斐駒ヶ岳へ向かうとき、樹林帯が少しあり、すぐにハイマツ帯が一面に広がって見晴らしがよくなります。双児山(標高2649m)の山頂からは、難度そのものはAクラスで比較的歩きやすい。目前に迫る駒津峰(標高2752m)は、往路の中間地点。双児山の山頂から約1時間で到着です。この写真のあたりは、一旦下って登りかえすため「!そうだった!登り返しがあると忘れてた!」と登山者が心するポイントでもあります。

駒津峰(2,752m)ハイマツ帯が続く

晴れは安全ですが、雨や強風の日は少し心配になる登山路。足元を見ることが多いエリアですが、ふと顔を上げるとすべてが絶景!帰路の景色がとても楽しみなルートです。

駒津峰山頂 パノラマビューの眺めが圧巻

時間:25分  距離:500m 登り:30m  下り:40m


頂上から先は「痩せ尾根」になり、難易度がCの登山ルートに。古い地層と甲斐駒ヶ岳がドッキングした部分ですので、岩が多くなって荒れ気味に。ストックを片付けての上り下りになります。

大昔に焦げた岩。地層がぶつかった名残

経験や体力によって足の置き場もさまざま。自分が登り下りしやすいように、足の置き場を考える必要がある難易度です。移動距離がたった500mで、起伏も少ないのに25分かかるのは、岩の登り下りにその都度時間がかかるということです。

甲斐駒ヶ岳8合目の六ほ

鎖場は2ケ所。ここ数年に鎖が取り付けられたようです。下りにはなくても大丈夫な感じで、使うに戸惑い気味にも。しかし、登りにあると非常に便利な鎖です。

六方岩で駒津峰エリアが終了。この先が、いよいよ甲斐駒ヶ岳になります。この先の甲斐駒ヶ岳へのルートは、甲斐駒ヶ岳のページへどうぞ!

以下は、駒津峰から帰路につくルートのひとつ、仙水峠方面への説明です。

【駒津峰→仙水峠】難度はBクラス - 自分のペースで降りる登山ルート

「駒津峰(甲斐駒ヶ岳6合目)→仙水峠」の地図とルート情報

時間:1時間10分距離:1.0km登り:0m下り:459m
行動予定08:00 北沢峠
10:13 双児山 10:23
11:09 駒津峰 11:19
12:29 仙水峠 12:49
13:09 仙水小屋 13:39
14:02 長衛小屋 14:12
14:25 北沢峠

難度はBクラス!でも、ルートの状態はどうなってる?(ヤマレコ グレーディングより)

下りは約1時間。足元をじっくり見る必要があるので、あまり景色を味わえないのが正直なところ。樹林帯の雰囲気も非常に良く、原生林の雰囲気が満喫できる場ではあります。すれ違うにはさほど苦労はしないルートで、ルートの状態は石があったり土だったりランダムに散在しています。

甲斐駒ヶ岳とならぶ摩利支天(2,820m)

自分が下りやすい方法で足場を探しながらの下りです。下る方向への視界は良好で、かなり急な斜面を下る印象を持つはず。しかし、足場は自分で選べるので、見た目よりも無理ではなく、初心者のテクニックで充分に下れます。気が抜けないので、しっかり止まって心をやすめたいですよね。

仙水峠
仙水峠からは仙丈ケ岳(3,033,m)が見える

ピンクテープのマークがあるので、歩く安全なルートはわかりやすい。何処でも好きに歩けそうな印象があるが、指定の場所を必ず歩きます。浮石や状態の悪い石はほぼ点検してあるようです。しかし、すべてが安全とは限らないので、自分の眼で確かめて慎重に歩きましょう。

駒津峰のQ&A

Q1. 駒津峰に野生動物はいますか?

特別天然記念物 ライチョウのつがい - 手前オス、奥メス

A1. 駒津峰の山頂付近で、神の鳥「ライチョウ」と出会いがあるかもしれないです。南アルプスの北部にはライチョウが生息しています。標高2,700m以上でお目見えするようです。甲斐駒ヶ岳では、ハイマツの中で子育てをしており、ヒナは夏からお目見えします。甲斐駒ヶ岳山頂付近では、砂浴びもしているようです。専門家が見れば駒津峰の周辺にもシカ道があるらしいですが、駒津峰や双児山にはおいしい食べ物が少ないようで、登山中に見かけるほどはいないようです。小動物はいるはずですが、人から離れてそっと様子を眺めてるでしょう。

Q2. 甲斐駒ヶ岳の登頂成功率を教えてください。

A2. 統計は出てないようです。富士山(標高3776m)は初心者の登頂成功率が50%経験者で70%と言われているのはご存じの方も多いでしょう。8合目(標高3250m)でのリタイアが多いとのことです。甲斐駒ヶ岳は標高2997mですので、もう少し確率は高いには違いありません。天候も大きく関係するので、登りやすい日は確率が高いでしょう。

ありきたりな返答しかできませんが、宿泊をしてゆったりとしたスケジュールですと、より成功率が上がります。仮に山小屋を予約できなくても、南アルプス林道バスのバス停近くで宿泊するだけでも、かなり肉体的負担は減るのではないでしょうか。

途中で撤退するのは悪くありませんよ??むしろ非常に有能です。体調不良者がいるのに登ろうとする登山者は、やがて山岳救助隊のお世話になる第一候補生です。チーム全員で引き返しましょう。

Q3. 岩場の登山はどのようなコツが必要ですか?

A3. 上級者や山岳ガイドさんに、一度は習うとよいでしょう。私自身は登り方が半信半疑だったので、日帰りツアーに参加したことがあります。ガイドさんが登山の基礎をおしえてくださいました。1日で急に上達しました。その日のうちにレベルアップできるので、インターネットを見て悩んでいるより、山で教わった方がとても分かりやすいです。私の体に合った方法を教えてくださいました。

『イチイチ感激して「あっ鳥☆」「風だ♪」「水の音がするう!」と登山道でハシャぐと、他人が落ちるから黙ってろ』とも教わりました(汗)。だから中級者さんは静かに登るのね。ガイドさんは、終わってもヘラヘラ笑ってる私が不思議らしく「ごめんなさい、ウエートレスなんです。笑ってるのが仕事です。明日も明後日もイケますよ☆」とお伝えしたら、納得してくださいました(笑)。

山小屋と避難小屋の基本情報|甲斐駒ヶ岳

甲斐駒ヶ岳には5つの山小屋(避難小屋)があります。山小屋で宿泊するメリットは、人が少ない甲斐駒ヶ岳を堪能できること。始発の早朝から、数台のバスで一気に登山者が訪れます。少し前に出発すれば、人のいない甲斐駒ヶ岳が堪能できます。

  • 六合石室小屋 鋸岳(南アルプス最難関)
  • 七丈小屋 黒戸尾根(日本三大急登)
  • 長衛小屋 北沢峠
  • 仙水小屋 長衛小屋の先
  • こもれび山荘 北沢峠

ここでは、駒津峰を経由する場合に関係する山小屋「長衛小屋」と「仙水小屋」の2つを紹介します。

仙水小屋 |見つけるとホッとする、ゴーロ帯のオアシス

仙水小屋〒396-0403 山梨県南アルプス市芦安芦倉
歩行時間北沢峠から40分 / 仙水峠から30分
宿泊人数約20名 / テント場11張
宿泊期間6月中旬~10月下旬ごろ(要予約)
その他設備WC / 水

北沢峠から仙水峠への中間地点にあります。日帰り登山や高山病が心配な場合は、仙水小屋に宿泊するのが一番。標高2130mにある仙水小屋は、一般人が高山に適応していくために、最適な高度なのが嬉しいです。

長衛小屋 |人気のテント場と充実設備の山小屋

どこの山小屋も常連やファンが多くいますが、ここ長衛小屋も登山者に愛され続けています。ソロ用テントが200張できるテント場はかなり人気。北沢峠に到着したら、テントを張ってから登山に行きます。

長衛小屋〒400-0241 山梨県南アルプス市芦安芦倉字野呂川入1685
歩行時間北沢峠から10分 / 仙水小屋から30分
宿泊人数約27名 / テント場200張
宿泊期間6月中旬〜11月上旬(要予約)
その他設備WC / 水 / 乾燥コーナー / 談話室 / 売店

駒津峰のまとめ

甲斐駒ヶ岳登頂の重要拠点である駒津峰についてまとめました。

双児山側の登山路と甲斐駒ヶ岳川の登山路がガラリとかわります。駒津峰は他の山と違って、極端に違うので不思議かもしれません。2種類の山を登ってるように感じるでしょう。

南アルプスの眺め、とくに甲斐駒ヶ岳を望むには最高の駒津峰です。道のりは短くはありませんが、景色を満喫して甲斐駒ヶ岳の登山を楽しんでくださいね。

Topics

注目記事

Ranking

週間ランキング

Contents

山旅旅のコンテンツ

カテゴリーから探す

SNS

オンラインショップ

Online Shop Yamatabitabi

山旅旅がセレクトする、軽量で使い勝手がいい、普段使いもできるアウトドア用品を扱うオンラインショップです。