光城山(ひかるじょうやま)は、長野県安曇野市にある北アルプスを一望できる低山です。桜の名所でもあり、毎日のように登る地元の方やこの景色を見るために訪れる県外の方で人気の山です。
標高差が少なく、駅から徒歩で周回することもできるため、初心者の方にもおすすめの山です。今回は光城山のおすすめコースを紹介します。
光城山の基本情報と魅力
光城山の標高は911mと低山で、地元ではいわゆる里山と呼ばれる裏山感覚の山です。
安曇野市だけでなく、全国各地の里山には多くの山城の址が存在しています。この光城山も、かつては光氏が城を構えていた山城の址です。ここでは狼煙をあげる役目があったと思われ、その名残で山頂には「古峯神社」があります。
光城山は一年中季節を問わず登れる山ですが、冬には積雪箇所もあるので注意が必要です。また、現在は通行止めですが、山頂まで車で行くこともできます。
4月には「登り龍」に例えられる山頂へ向かう桜並木が見れます。残雪の北アルプスの眺望と桜のコラボレーションが見られるこの時期は特におすすめです。
山の名前 | 光城山(ひかるじょうやま) |
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標高 | 911m |
エリア | 甲信越 |
詳細情報 | 光城山の地図・天気 |
魅力その①北アルプスの大展望
光城山の魅力は何といっても北アルプスの大展望。
安曇野市の平野を挟んで向かい側に北アルプスが連なっているので、常念岳や燕岳を中心に乗鞍から白馬方面まで北アルプスを一望することができます。
近すぎず遠すぎずのほどよい距離感にあるため、これぞまさに北アルプスを眺めるための展望台といった絶景が広がっています。
魅力その②約2千本もの桜が連なるSNS映えの山
桜の時期になると、大正天皇の即位を記念して植えられた約2000本ものソメイヨシノが、登山口から頂上まで咲き乱れています。
光城山の標高では雪は残っていませんが、正面にそびえる北アルプスはまだまだ残雪が残っている時期です。ピンク色の桜が額縁となり、その枠から見える残雪の北アルプスが絵画のように美しく見えます。
お花見登山をしながら、北アルプスと桜のコントラストでSNS映え写真が狙えるでしょう。
魅力その③ライトアップの中で夜桜登山
桜の時期には、登山口から登山道周辺を安曇野市がライトアップしています。
眺望は望めませんが、光が少なく空が暗いので、コントラストがはっきりして夜桜をよりきれいに見ることができます。
光城山の難易度別おすすめ登山コース
光城山は、登山道が整備されており標高差も300mほどと気軽に登ることができます。今回は、アルプスの大展望を楽しめる3つのコースを紹介します。
【初心者でも安心】標高差少なめ光城山ピストン「さくらコース」
必要日数 | 日帰り登山 |
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総コースタイム※ | 1時間45分 |
距離 | 約1.9km |
累積標高 | 約307m |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
①光城山登山口→30分→②中間点ベンチ→30分→③光城山山頂→20分→④中間点ベンチ→25分→⑤光城山登山口
光城山登山口には、バイオトイレのある広い駐車場があります。40台ほど駐車できますが、桜の季節などは非常に混むので注意が必要です。
また、JR篠ノ井線の田沢駅からも徒歩で約30分ほどと公共交通機関での登山も可能です。
駐車場からジグザグの登山道を登ります。登山道はよく整備されており、道も広く登りやすいです。途中何カ所か分岐がありますが、どちらへ行ってもすぐに合流します。
第一ベンチを過ぎて、桜の木に付けられた番号札で500本目くらいの場所が中間点です。中間点ベンチがあり、振り返ると桜の木と北アルプス、安曇野がきれいに見えます。
さらに進むと第三ベンチがあり、その先でアカマツコースの分岐があります。そのまま進めば桜並木やドウダンツツジ、フクジュソウの群生地などがあります。アカマツコースの方は、やや急斜面ですが展望のよいコースです。どちらに進んでもすぐに合流します。
合流点からは、急な階段とその右に歩道が現れ、その上に休憩舎とトイレがあります。城跡の大堀切を超えると左右に道が分かれ、どちらから進んでもすぐに山頂です。
登りはゆっくりなだらかに、光城山周回コース
必要日数 | 日帰り登山 |
総コースタイム※ | 1時間55分 |
距離 | 約2.9km |
累積標高 | 約324m |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
①光城山登山口→35分→②中間点の標識→35分→③光城山山頂→20分→④中間点ベンチ→25分→⑤光城山登山口
光城山登山口からは「さくらコース」ともう一本「北回りコース」が伸びています。こちらのコースは斜面を大きくジグザグに歩くので、比較的なだらかでゆっくり登ることができます。
この周回コースはどちらから回っても大差ありません。ただ、時計回りの方が登りも比較的緩やかで、下りでは正面に北アルプスを眺めながらゆっくり下ることができるのでおすすめです。
光城山の登山口から「さくら池」の方に進んでいくと北回りコースの始まりです。
丸太の階段を進んでいくと、大きくジグザグにアカシヤやケヤキの斜面を登っていきます。
しばらく行くと中間点の標識が現れます。さらに進むと二手に分かれますが、どちらを行ってもすぐに合流します。その後、切り開きの斜面を斜めに横切るように登っていくと、「山頂15分」の標識に出ます。
その後は、切り開きの眺望の良い道を歩きながら、左手にあずまや、右手に150mほど進んで山頂です。
山頂からは「さくらコース」の標識に従って桜並木を下っていくと、光城山登山口の駐車場に戻ります。
【360度の大パノラマ】光城山から長峰山ピストンコース
必要日数 | 日帰り登山 |
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総コースタイム※ | 3時間40分 |
距離 | 約7.4km |
累積標高 | 約531m |
難易度 | ★★☆☆☆ |
①光城山登山口→30分→②中間点ベンチ→30分→③光城山山頂→40分→④烏帽子峰→10分→⑤天平の森→10分→⑥長峰山山頂→10分→⑦天平の森→10分→⑧烏帽子峰→30分→⑨北回りコース分岐→25分→⑩中間点の標識→25分→⑪光城山登山口
こちらのコースは、光城山登山口から光城山まで登り、烏帽子峰を経由して長峰山まで足を延ばすコースです。長峰山山頂には休憩展望台があり、360°の大パノラマを楽しむことができます。
光城山の山頂からは起伏の少ない稜線歩きとなります。片道約1時間の道のりで、林道と登山道を歩いていきます。
山頂からは「天平の森・長峰山」の標識に従って進みます。すぐに北回りコースとの分岐があり、レンゲツツジを通り抜けると林道に出ます。
林道やその脇に設置された歩道を歩いていくと、子ノ神分岐があります。ここから登山道に入り、石祠を過ぎ、再び林道に合流します。少し行くと920mの烏帽子峰です。
10分ほどで、「長峰山森林交流体験センター 天平の森」に到着です。ここには、北アルプスの眺望に包まれたキャンプ場や展望風呂、天文台などがあります。日帰り入浴もできるので、登山と併せて楽しむこともできます。
天平の森を過ぎると、10分ほどで長峰山山頂です。休憩所を兼ねた立派な展望台があり、360度の大パノラマを楽しむことができます。
光城山のQA
光城山に関する質問で多いのは、桜の時期やお花見に関する情報についてです。詳しく解説していきます。
光城山の桜の見ごろはいつ?
例年の見ごろ時期は4月中旬から4月下旬です。この2週間程度、19:00~23:00登山道沿いのライトアップがあります。
ちなみに、2022年は04/15~04/18頃満開、2023年は04/09~04/14頃満開でした。
光城山周辺の駐車場は?
光城山周辺には2か所の駐車場があります。後程紹介する「光城山登山口駐車場」、林道を進み山頂付近にある「山頂駐車場」です。ただし、山頂駐車場は令和6年4月まで、復旧工事のため通行止めになっています。
駐車場が一つしかなく、非常に混雑することが予想されるので、お花見シーズンには公共交通機関を利用すると良いでしょう。
光城山への公共交通機関でのアクセスは?
JR篠ノ井線の田沢駅から約2.5km徒歩で30分ほどでアクセス可能です。松本駅や長野駅周辺での観光とあわせて訪れることも可能です。
冬季の光城山の積雪状況は?
安曇野や松本は、実はそれほど雪が多い地域ではありませんので、光城山も常に積雪があるわけではありません。
ですが、平地で降雪があった際には数日から数週間は雪が残ります。また、日陰の斜面には凍結箇所が残りますので、軽アイゼンは必携です。
登山口へのアクセス・各種情報
光城山へのアクセスは、混雑期でなければ自動車が便利です。4月や紅葉の時期など、混雑期には満車になる可能性が高いため、JR篠ノ井線を利用して田沢駅から歩くのが良いでしょう。
光城山登山口
登山口情報
登山口の標高は約603mで、40台ほどが停められる未舗装の大きな駐車場があります。
バイオトイレが設置されており、一年中利用することができます。なお、山頂などのトイレは、冬季閉鎖となります。
また、登山口には登山ポストが設置されています。
登山口までのアクセス
安曇野ICから自動車
田沢駅から徒歩
光城山周辺のおすすめ山旅スポット
豊科温泉 湯多里 山の神
光城山登山口から車で約10分ほどの位置にある天然温泉。大自然の中で山を眺めながら入る露天風呂が、非常に気持ちいいです。
泉質は、ナトリウム炭酸水素塩泉で肌がすべすべになる「美人の湯」と言われています。
売店では、アイスクリームやお菓子をはじめ、地元のとれたて野菜市コーナーがあります。安曇野のきれいな空気と澄んだ水で育った野菜をお土産にしてはいかがでしょうか。
SOBA&CAFE sanpo
光城山登山口から車で約10分ほどの位置にある、わんこと一緒に楽しめる蕎麦カフェです。
農家のオーナーが経営しており、自家栽培の蕎麦やお米などを使っています。手打ちのおいしい蕎麦はもちろんですが、おにぎりやカレー、またガレットなどのデザートもとても人気です。
おしゃれな店内席のほか、北アルプスを望むテラス席や小さなドッグランも併設されていたりと、わんちゃんにもうれしいお店です。
おやきの店 うしこし
光城山登山口から自動車で10分程度、JR田沢駅から歩いても10分程度です。昔ながらの石焼おやきを、長年手作りし続けているお店です。
定番の切り干し大根やあんこ、野沢菜だけでなく、チーズや激辛といった変わり種もあります。
朝9:30から営業していて、売り切れ次第終了なので、光城山登山の前に寄って行動食代わりにしても良いかもしれませんね。