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【日帰り登山】信州の鎌倉で歴史を感じる独鈷山!初心者におすすめの難易度別ルート紹介

【日帰り登山】信州の鎌倉で歴史を感じる独鈷山!初心者におすすめの難易度別ルート紹介

独鈷山(とっこさん)は、長野県上田市にある標高1266mの信州百名山、シニア100山、日本百低山です。低山ではありますが、なだらかな山が多い長野県東信地区にありながらも荒々しく急峻な山容となっています。

登山口の標高はいずれも700mほどであり、時間にして2時間ほどで登ることができます。どの登山道もよく整備されており、初心者でも比較的簡単に登ることができます。

今回はそんな独鈷山のおすすめコースを3つ紹介します。

独鈷山の基本情報と魅力

独鈷山の独鈷とは、密教の仏具のことであり、山容が似ていることが由来です。また、弘法大師がこの独鈷を埋めたという伝説から名づけられたという説もあります。

古くから信仰の山であり、山域には祠やお堂など多くの歴史を感じるものが残されています。眼下に広がる塩田平の景色や、美しい自然、そして歴史を感じることができる山です。

登山は、1年を通して登ることができます。独鈷山のある上田市塩田平は、年間を通して降水量が非常に少ない地域であり、晴天率が高く天気には期待できます。

ただし、急斜面があること、バリエーションルートもあること、岩壁があることなど危険要素はあるので注意が必要です。また、冬には降雪がある地域ですので十分な経験と装備が必要です。

独鈷山のおすすめ時期は、秋ごろで紅葉はもちろんですが、黄金色に光る塩田平の稲穂が一面に広がっている光景は圧巻です。

基本情報

山の名前 独鈷山(とっこさん)
標高 1,266m
エリア 甲信越
詳細情報 独鈷山の地図・天気

魅力①塩田平を見渡す眺望

山頂は南北に切り開きがあり、眺望が開けています。眼下には、信州の鎌倉とも言われる塩田平が広がっています。この塩田平は、全国的にも雨量が少ない地域で多くのため池があり、山頂からこのため池がキラキラと輝いて見えます。

また、遠くに目を移せば、東信地区を代表する浅間山から根子岳、南には八ヶ岳や美ヶ原、北に妙高戸隠などの山々が広がっています。

魅力②歴史を感じる神社仏閣

信州の鎌倉と言われるくらいですので、この塩田平には多くの神社や仏閣があります。

登山口の中禅寺薬師堂や塩野神社、武田信玄ゆかりの生島足島神社や善光寺に向く北向観音、未完成の完成の塔がある前山寺など。

独鈷山登山と一緒に、信州の鎌倉の神社仏閣巡りもおすすめです。

魅力③バラエティに富んだ登山道

独鈷山登山の一番の魅力は、そのバラエティに富んだ登山道にあります。主な登山コースは3コースあり、それぞれ趣が異なります。

ひのきや杉林の緩斜面から、沢沿いや滝、九十九折の急傾斜や鎖場、岩場まで一つの登山道でも様々な登山を楽しめます。また、鉄城山や雨首といった岩場につながるバリエーションルートもあり上級者でも満足できるでしょう。

独鈷山の難易度別おすすめ登山コース

独鈷山は、バラエティに富んだ登山道も魅力の一つ。今回は独鈷山登山のおすすめコースを3つ紹介します。

【初心者におすすめ】南斜面を行く宮沢ピストンコース

①独鈷山登山口(宮沢コース)→90分→②山頂→75分→③独鈷山登山口(宮沢コース)

必要日数 日帰り登山
総コースタイム 2時間45分
距離 約3.5km
累積標高 約576m
難易度 ★☆☆☆☆

上田から鹿教湯温泉へと向かう国道から右へ曲がります。春は千本桜で人気の独鈷山麓ひまわり畑から先へ行き、獣除けのゲート手前のスペースに駐車できます。

独鈷山麓ひまわり畑から

ゲートを開けて林道を進んでいくとすぐに登山口となります。ここからは、沢を見ながら緩斜面をゆっくり登っていきます。

登山道には、十二支の置物が入った祠が置かれており目印になります。「未」を過ぎて少し行くと沢と離れ、急斜面の始まりです。

九十九折の急斜面は幅が狭く、落ち葉が敷き詰められているような状況では、足を滑らせて滑落しないように注意が必要です。

急登を終え斜面が緩やかになると、沢山湖コースとの分岐となり稜線です。ここからは広い稜線を進み、5分ほどで山頂に到着です。

【沢と季節のお花を楽しむ】西前山ピストンコース

①登山口→10分→②不動滝→40分→③胸突き八丁の急坂→30分→④だるま岩→20分→⑤山頂→80分→⑥登山口

必要日数 日帰り登山
総コースタイム 3時間00分
距離 約3.9km
累積標高 約663m
難易度 ★☆☆☆☆
中禅寺

中禅寺の先、虚空蔵堂の脇に5~10台ほどの駐車スペースがあります。動物除けのフェンスを開けて進むと、「頂上まで100分」の標識があります。ここから10分ごとに標識が出てきますので、参考にするとよいでしょう。

沢沿いに10分ほど進むと、「頂上まで90分」の標識と不動滝が現れます。不動滝は、沢に大岩が詰まっており、落差は小さく水量も多くはありません。

4月~5月ごろには登山道の木陰に、アズマイチゲミスミソウがきれいに咲いています。また、カラマツ林の床にはフクジュソウの群生地もあります。

アズマイチゲ

ひのきや杉の林の中の緩斜面を登っていくと、「頂上まで50分」の標識あたりから胸突き八丁の急坂が始まります。ところどころ大岩があるつづら折りの急斜面を登っていきます。

尾根から分かれてトラバースすると「頂上まで30分」の標識があります。ロープを頼りに急坂を再び上がっていくと「奇岩だるま岩」があります。ここからは眺望が開けており、一息入れるにはちょうど良いです。

あとは狭い稜線上を進み、沢山湖や宮沢コースと合流すれば、数分で頂上に到着です。

【バラエティ豊かな登山道を楽しむ】西前山から沢山湖周回コース

①登山口→100分(西前山コース)→②山頂→120分→③沢山湖登山口→30分→④中禅寺

必要日数 日帰り登山
総コースタイム 3時間50分
距離 約7.9km
累積標高 約820m
難易度 ★★☆☆☆

西前山コースに余裕がある方は、沢山湖コースを下りて周回するのはいかがでしょうか。

山頂から眺めの稜線歩きで西に向かいます。300mほど歩くと、大岩の横を巻いて見晴らしのいい小ピークに到着です。

小ピークからは瘦せていて細い稜線を下りていくので滑落に注意が必要です。ところどころ大岩が出現し、その間を通って下っていきます。急斜面のトラバースも何か所かあるので注意してください。

左側に沢が出てきたら間もなく登山口です。このコースは北斜面なので薄暗く湿気っぽいですが、その分沢には緑色のコケがきれいに生えていて雰囲気があります。

写真は独鈷山ではありません

また、登山道の脇にはマタタビの実が落ちていたり、ミスミソウが咲いていることもあります。ゆっくりと自然を楽しみながらの下山をおすすめします。

ミスミソウ

橋のたもとの登山口に出たら、道路を右(東)に進んでいくと30分ほどで西前山コースの登山口付近、中禅寺に到着です。

独鈷山のQA

独鈷山の登山コースのレベルは?初心者でも登れる?

独鈷山の標高は1,266mで、登山口は700mほどです。そのため、どのコースでも500~700mほどの標高差で、コースタイムで90~150分となっています。1日あれば、初心者の方でもゆっくりと楽しんで登ることができるでしょう。

地図上での破線、つまりバリエーションルートも存在します。雨首や鉄城山といったコースで、垂直に近い岩壁もあります。上級者の方はチャレンジしてみても良いでしょう。

独鈷山ではどんな花や植物が見れる?

コースによって異なる花を楽しむことができます。宮沢コースでは、登山口でひまわりや桜がきれいです。特に千本桜は知る人ぞ知る隠れた桜の名所です。

西前山コースでは、ミスミソウアズマイチゲ、そしてフクジュソウの群生地があります。沢山湖コースでは、北斜面のため日が入りにくく湿気っぽい雰囲気ですが、沢沿いの岩や石には苔が生えて趣のある雰囲気になっています。珍しいところでは、マタタビの実が落ちていたりもします。

フクジュソウ

このように、独鈷山は急峻な荒々しい山容でありながらも、種類豊富な植物を楽しむことができます。

独鈷山の読み方と名前の由来は?

独鈷山は「とっこさん」と読みます。

独鈷は、両端に突起のある金属製の棒です。密教では、悪魔を退治する道具として使用しています。独鈷山の山容は、この独鈷に似ていることから名前が付けられたという説があります。

また、弘法大師がこの山に独鈷を埋めたという説もあります。弘法大師は、日本に密教を広めた僧侶で、この山を修行の場所として整備するために埋めたという伝説もあります。

どちらの説が正しいかはわかりませんが、独鈷山の名前は、密教と深い関係にあり、古くから信仰の山として地域の人々に親しまれてきました。

登山口へのアクセス・各種情報

独鈷山の登山口へのアクセスは、車がおすすめです。本数が少なく時間に縛られてしまいますが、バスと上田電鉄別所線を合わせて利用しても良いでしょう。

独鈷山登山口(宮沢コース)

登山口情報

上田市から鹿教湯温泉・松本方面へ向かう国道254号線から、北側の宮沢地区へ入っていきます。独鈷山麓ひまわり畑を目指していくと、看板がありさらに上へ登っていきます。

林道を進んでいくと、獣除けのゲートがありますのでその路肩スペースに駐車できます。おおよそ10台ほどのスペースがありますが、トイレなどの施設はありません。

バスでアクセスする場合には、千曲バスが運行する鹿教湯線の宮沢というバス停が近いです。登山口までは、500mほどおよそ10分の距離です。ただし、本数は少ないのであらかじめ到着時間等を計画しておく必要があります。

登山口までのアクセス

上田市側から車で

上田菅平ICから登山口まで車で約40分

上田駅から公共交通機関

千曲バス運行の鹿教湯線で1時間ほど

西前山登山口(虚空蔵堂)

登山口情報

上田市内から南の塩田平を通り、虚空蔵堂へ向かいます。登山口手前に獣除けゲートがあり、この手前が駐車スペースです。斜面で5台ほどの小さなスペースですので、手前の「塩田の郷マレットゴルフ場」の駐車場にも駐車可能です。

こちらもトイレ等の施設はありません。事前に駅やコンビニ等で済ませておくことをおすすめします。

公共交通機関でアクセスする場合には、上田電鉄別所線で下之郷駅まで行き、そこから上田バス運行の信州上田レイライン線で「中禅寺バス停」まで行きます。中禅寺からは登山口まで500mほど、歩いて5分程度です。

登山口までのアクセス

上田市側から車で

上田菅平ICから登山口まで車で約30分

上田駅から公共交通機関

上田電鉄別所線と上田バス運行の信州上田レイライン線で1時間ほど

上田電鉄別所線「下之郷駅」から上田バス信州上田レイライン線に乗り換えて、「中禅寺バス停」まで約20分です。下のリンクを参考にしてください。

上田市の公共交通機関(鉄道・バス)の時刻表・路線図

独鈷山周辺のおすすめ山旅スポット

別所温泉 あいそめの湯

出典:別所温泉観光協会 あいそめの湯

別所温泉は、上田から見ると塩田平の奥に位置し、およそ1400年もの歴史を誇る日本有数の温泉地です。あいそめの湯は、その別所温泉観光協会が管理する日帰り入浴施設です。

大人500円で入浴することができ、大浴場に加えて露天風呂もあります。さらに500円で岩盤浴もすることができ、設備が充実しています。

別所温泉にはこの他3つの共同浴場「石湯」「大師湯」「大湯」があり、それぞれ200円で入浴できます。独鈷山登山のあと、温泉で疲れを癒しながらの散策してみてはいかがでしょうか。

前山寺

出典:前山寺

独鈷山のふもとに位置し、すぐ近くに登山口の中禅寺があります。ここには「未完成の完成の塔」と言われる国の重要文化財「前山寺三重塔」があり、戦国の武将に支えられた信仰と建築のおりなす造形美が残っています。

また、「花の寺」とも呼ばれる前山寺は豊かな自然に取り囲まれており、春には藤の花、秋には紅葉が美しく、多くの観光客が訪れる名所です。境内では参拝客に人気の胡桃おはぎが販売されており、鬼胡桃のたれに塩田産のもち米で作られたおはぎは絶品です。

西前山コースで独鈷山に登られた方は、ぜひ寄ってみてください。

古民家カフェいちえん荘

古民家カフェいちえん荘は、西前山登山口の中禅寺から1.5kmほど、歩いておおよそ15分程度の距離にあります。古民家を改装した店内は、木のぬくもりが感じられる落ち着いた雰囲気で、まったりとした時間を過ごすことができます。

前日までに要予約ですが、ランチでは地のものを使ったお膳をいただくことができます。このお膳ではおよそ10品ほどの料理が並んでいます。最後にはコーヒー付きのデザートまで出てきます。

どのお料理もやさしい味でおいしいと評判ですので、時間の都合が合えば、ぜひ予約して行ってみてください。

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