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【四国と中国地方の日本百名山】歴史ロマンに彩られた神秘の全3座を紹介

【四国と中国地方の日本百名山】歴史ロマンに彩られた神秘の全3座を紹介

四国には日本百名山に選ばれた山が2座、中国地方には1座あります。四国の2座は徳島県にある剣山(標高1,955m)と愛媛県にある石鎚山(標高1,982m)で、中国地方の日本百名山は鳥取県の大山(標高1,729m)です。

四国と中国地方にある日本百名山は、初心者でも登山可能です。登山道がしっかり整備されていて山頂付近までリフトやロープウェイを使える山もあるので気軽に登山を楽しめます。

四国と中国地方の日本百名山

四国と中国地方の日本百名山マップ
山の名前標高登山難易度登山日数登山適期
剣山(つるぎさん)1,955m★☆☆☆☆日帰り登山5月〜11月
石鎚山(いしずちさん)1,982m★★★☆☆日帰り登山5月〜10月
大山(だいせん)1,729m★★☆☆☆日帰り登山6月〜10月

四国と中国地方の山には標高が2,000mを超える山はありません。四国の石鎚山が西日本の最高峰で、続いて剣山は西日本2位の山です。

日帰り登山ができる山ばかりですが、ヒュッテや山小屋などが山頂にあるので1泊して朝日が昇る景色を見る登山も盛んです。

四国の日本百名山|剣山

四国の中国地方の日本百名山の剣山

剣山は徳島県三好市と美馬市、那賀町の間に位置しています。

剣山には古くから山岳信仰の山として崇められ、大劔神社や西島神社、剱山本宮宝蔵石神社など多くの神社が建てられています。

剣山の名前は平安時代末期に壇ノ浦の戦いで敗れた安徳天皇がひそかに逃れ、宝剣をこの地に収めたという言い伝えが由来です。また剣山にはソロモンの秘宝であるアークが眠っているのではないかという都市伝説があり、昨今ミステリースポットとしても注目を集めています。

四国の日本百名山|剣山の登山難易度

四国と中国地方の日本百名山剣山のリフト

剣山は日本百名山の中でも登りやすい山として有名です。リフトを使えば駐車場のある標高1,420mの見ノ越駅から約15分で標高1,750mの西島駅まで行くことができます。リフトを下りてから山頂までの登りはややきつい坂道ですが、30分ほどで山頂に到着します。また、リフトを使わないルートも登山道がしっかり整備されているので、初心者でも気軽に登れる日本百名山です。

四国の日本百名山|剣山の魅力

  • 四国全域が見渡せる絶景
  • 山頂からのびる美しい稜線
  • 希少動物の宝庫
  • 美しいキレンゲショウマの咲く登山道
  • 山腹に点在するパワースポット

四国の日本百名山|剣山の四国全体が見渡せる絶景

四国と中国地方の日本百名山剣山の眺望

西日本2位の高さを誇る剣山の山頂は、目の前をさえぎるものはありません。四国全体が見渡せるのではないかと錯覚するほど、美しい景色を遠くまで見渡せます。太平洋や瀬戸内海、石鎚山などが眺められ、天気がよければ遠く鳥取の大山まで眺められるのです。剣山はリフトを使えば、駐車場からわずか1時間で素晴らしい絶景を楽しめます。

また、別名太郎笈(たろうぎゅう)と呼ばれる剣山山頂からは、兄弟峰の雄大な次郎笈(標高1,930m)を眺められるでしょう。山頂周辺には二度見展望所があり、そこから次郎笈を眺めると同じ山なのに違った風情の山に見えてしまいます。

四国の日本百名山|剣山の山頂からのびる美しい稜線

四国と中国地方の日本百名山の次郎笈の稜線

剣山山頂から次郎笈には美しい稜線が伸びていて、気軽に縦走を楽しめます。剣山は山頂まで1時間で登れ、縦走は往復2時間でできるので、初心者の方が縦走デビューするのにとても条件のよい山です。

剣山から次郎笈までの稜線には360°の大パノラマが広がり、まさに空中を散歩しているかのような気分を味わえます。登り坂がきつい箇所もありますが、登山道はしっかり整備されているので初心者でも安全に次郎笈までの縦走を楽しめます。

四国の日本百名山|剣山は希少動物の宝庫

四国と中国地方の日本百名山剣山のカモシカ

剣山山系は国指定の鳥獣保護区に指定されていて、多くの野生動物が生息しています。剣山では行政が率先して野生動物の保護に取り組んでいます。

昨今、剣山ではニホンジカの個体数が増え過ぎたため、鳥獣保護区の希少動物への被害が拡大しました。そこで国や自治体は鳥獣保護区内の動植物を守るため積極的にニホンジカを管理し、剣山の希少動物の保護に努めています。その結果、剣山では登山途中にニホンカモシカやリス、ニホンザルなどの野生動物に遭遇することがあります。

また、絶滅したと思われていたツキノワグマの目撃情報などもあり、野生動物の宝庫になっています。

四国の日本百名山|剣山の美しいキレンゲショウマの咲く登山道

四国と中国地方の日本百名山剣山のキレンゲショウマ

剣山の登山道には鮮やかな黄色い花が咲くキレンゲショウマの群生が見られます。キレンゲショウマは四国の高山を中心に紀伊半島や九州に生息するアジサイ科の花で剣山では8月上旬〜中旬に見頃を迎えます。

剣山のキレンゲショウマの美しさは宮尾登美子さんの小説「天涯の花」でも描かれました。「天涯の花」ではキレンゲショウマに魅了され東京から来たカメラマンが、剱神社の巫女であるヒロインと恋に落ちるストーリーが剣山を舞台に展開します。

剣山の8月は美しいキレンゲショウマをみられる絶好のシーズンで群生地は登山道のいたるところに点在しています。また、リフトのスタッフが育てたキレンゲショウマをリフトから眺められるスポットがあり、登山客の目を楽しませてくれます。

四国の日本百名山|剣山の山腹に点在するパワースポット

四国と中国地方の日本百名山剣山の祠

剣山には安徳天皇が3種の神器の一つ、宝剣を隠したといい伝えのある剱山宝蔵石神社の磐座(いわくら)があります。また、大劔神社には御塔石と呼ばれる高さ約50mの巨石の御神体があり、縁結びにご利益があるといわれるパワースポットです。

さらに、巨石の下からは剣山御神水(つるぎさんおしきみず)と呼ばれる水が湧き出ていて、この水を飲むと病気が治り若返るというご利益があるとされています。剣山御神水は環境省指定の名水百選にも選ばれていてペットボトルなどに入れて持ち帰ることもできます。

▼剣山の登山ルートの詳細についてはこちらから

四国の日本百名山|石鎚山

四国と中国地方の日本百名山石鎚山

石鎚山は西日本の最高峰で、愛媛県西条市と九万高原町の間に位置しています。

古くから山岳修行の場として修験道により崇められてきました。石鎚山の山岳信仰は仏教伝来前から行われていて、日本の古神道の影響が色濃く残っています。

石鎚山の名前の由来は、石でできた剣のように見える山容からきています。2万年前に終わった氷河期の氷が溶けて岩が削られた結果、石鎚山の最高峰である天狗岳に象徴されるような切り立った崖が山頂付近をおおっています。

四国の日本百名山|石鎚山の登山難易度

四国と中国地方の日本百名山の石鎚山のロープウェイ

石鎚山は初心者が日帰り登山可能な山です。ロープウェイやリフトで標高1,400mまで上がれ、登山道が整備されているので初心者でも登りやすいです。

一方、登山ルートには数十メートルにおよぶ長い鎖場が4本あったり、弥山(標高1,974m)から天狗岳までは両サイドが崖になっていたりと上級者向けのスリリングなコースも存在しています。

なお、鎖場は巻道が整備されていて、迂回できるようになっています。

四国の日本百名山|石鎚山の魅力

  • 山頂から見下ろす瀬戸内海の絶景
  • 最大74mの絶壁を登る鎖場
  • 剣のように尖った山頂
  • 山肌をおおう見事な紅葉
  • 石鎚山に生息する希少な野鳥たち

四国の日本百名山|石鎚山の山頂から見下ろす瀬戸内海の絶景

四国と中国地方の日本百名山の石鎚山山頂の雲海

石鎚山は西日本最高峰であるため、山頂からは四国の山々だけでなく瀬戸内海や本州まで見渡せます。山頂からは瀬戸内海や土佐湾が眺められ、剣山や九州の山並みも望めます。さらに、日本海側にある大山を見ることもできるのです。

また、天候によっては石鎚山の山頂は雲海で包まれることがあり、幻想的な光景に遭遇することもあります。

四国の日本百名山|石鎚山の最大74mの鎖場

四国と中国地方の日本百名山石鎚山の鎖場

石鎚山の表参道ルートには試しの鎖(74m)、一の鎖(33m)、二の鎖(65m)、三の鎖(68m)の4つの鎖場があります。どの鎖場も断崖絶壁を登るため、体力と技術が必要です。鎖場には全て巻道が用意されているので、自信がない場合は迂回して山頂を目指せます。

石鎚山の鎖場は過酷な登山にチャレンジしたい方に好評です。4つの鎖場の中でも最も距離の長い試しの鎖場は、登ったあとまた鎖でおりなければならない文字通り試しの鎖場です。

四国の日本百名山|石鎚山の剣のように尖った山頂

四国と中国地方の日本百名山の石鎚山の天狗岳山頂

石鎚山の山頂は弥山と天狗岳、南尖峰(標高1,982m)の3つのピークがあります。その中でも天狗岳の山容は先端が空に伸びた剣のきっさきのような形をしていて、頂上に立つと空中を浮いているような感覚を味わえます。しかも、天狗岳の山頂は西日本の最高地点で視界をさえぎるものはなく目の前には360°の大パノラマが広がるでしょう。

さらに、天狗岳から鋭く切り立った岩稜を縦走してもう一つの最高地点の南尖峰に渡れるのです。南尖峰からも美しい景色を見られます。

四国の日本百名山|石鎚山の山肌をおおう見事な紅葉

四国と中国地方の日本百名山の石鎚山の紅葉

石鎚山は10月下旬から11月中旬に紅葉の見頃を迎えます。紅葉のシーズンの石鎚山は山全体が赤く染まり、美しい光景が広がります。山頂の天狗岳は山肌が赤く色づき幻想的な風景を見られる絶景ポイントです。

石鎚山の紅葉を見るために、10月から11月にもっとも多くの登山客が訪れます。

四国の日本百名山|石鎚山に生息する希少な野鳥たち

四国と中国地方の日本百名山の石鎚山ルリビタキ

石鎚山は野鳥の宝庫で、標高1,400mから1,700mの間には希少性の高い野鳥が多く生息しています。キツツキ科のオオアカゲラシジュウカラ科のヒガラ、ヒタキ科のルリビタキやアオルリなど高山で生息する鳥たちに出会えるでしょう

ブナでおおわれた登山道は野鳥の楽園で、鳥のさえずりを聞きながら山登りを楽しめます。石鎚山に登るなら、途中で出会う鳥たちを観察しながら山を歩くと満足度はさらに高まるでしょう。

▼石鎚山の登山ルートの詳細についてはこちらから

中国地方の日本百名山|大山

四国と中国地方の日本百名山の大山

大山は中国地方の最高峰で砂丘と並ぶ鳥取県のシンボルです。大山は裾野が左右対称に伸びている美しい山容から伯耆富士とも呼ばれています。大山は古くから信仰の山として崇められていて、地域では「大山さんのおかげ」という言葉で山の恩恵に感謝を表す風習が残っています。

大山は日本海から吹く強い風にさらされているため、森林限界が低く登山の途中から素晴らしい眺望が開けます。麓には西日本最大級のブナの原生林が広がり、紅葉のシーズンは山が見事に色づき多くの登山客でにぎわいます。

中国地方の日本百名山|大山の登山難易度

四国と中国地方の日本百名山大山の木道

大山は登山道がしっかり整備されているので、初心者でも安心して登れる山です。階段や木道が登山道の95%を占めていて、地元の小学生の遠足コースにもなっています。

また、大山の登山道と山頂には山小屋があり、売店が不定期で営業しています。売店では温かい飲み物やパンなどの軽食も売られていて山頂とは思えないほど至れり尽くせりの環境です。

大山は日本百名山に名を連ねる中でも、もっとも登山しやすい山の一つといってよいでしょう。

中国地方の日本百名山|大山の魅力

  • 山頂から見える絶景
  • 雄大な北壁
  • 整備された登山道
  • 国の天然記念物ダイセンキャラボクの群生
  • 裾野に広がる西日本最大のブナ林の紅葉

中国地方の日本百名山|大山の山頂から見える絶景

四国と中国地方の日本百名山の大山の眺望

大山は森林限界が標高1,350mで6号目から背の高い樹木がなくなるので、登山中から美しい眺望が広がります。さらに、山頂まで登ると全方位に視界が広がり、日本海の隠岐島や四国の石鎚山まで眺められるのです。大山は山頂の手前から素晴らしい景色が望めますが、山頂から眺める景色はさらに美しくまるで空中に浮かんでいるような感覚を味わえます。

中国地方の日本百名山|大山の雄大な北壁

四国と中国地方の日本百名山大山の北壁

大山の西側から見る山容は緩やかな曲線を描き、やさしい穏やかなイメージの山です。しかし、北側から望む大山は険しく荒々しい形をしています。

大山登山では6合目に差しかかると、雄大な北壁が見えるでしょう。北壁は天狗ヶ峰(標高1,710m)、剣ヶ峰(標高1,729m)、ラクダの背(標高1,517m)、弥山(標高1,709m)で構成されています。

大山は崩落の山といわれていて北壁は斜面の崩落により削られています。そのため、北壁は西側から見る大山とは異なり険しい印象を与えるのです。

中国地方の日本百名山|大山の整備された登山道

四国と中国地方の日本百名山大山の登山道

大山の登山道は整備が行き届いていて、初心者でも安心して登れる日本百名山です。大山の代表的な登山道である夏山登山コースは、階段部分が約80%で木道部分が15%で構成されていて登山道の約95%に人の手が加わっています。

中国地方の日本百名山|大山の裾野に広がる西日本最大のブナ林の紅葉

四国と中国地方の日本百名山大山の紅葉

大山の麓には西日本最大級のブナの原生林が広がっていて、秋には山全体が真っ赤に色づきます。大山の紅葉は日本屈指ともいわれこの時期に多くの登山客が訪れます。大山の登山口はブナの原生林から始まるので、山登りをしながら美しい紅葉を満喫できるでしょう。

また、大山の麓の大山寺と大山阿夫利神社下社では紅葉のライトアップが行われ夜の絶景を楽しめます。

▼大山の登山ルートの詳細についてはこちらから

四国と中国地方の日本百名山は自分のレベルに合った登山ルートを選びましょう

四国と中国地方の日本百名山は古代から信仰の山として崇められています。険しい山の環境は修験道の修行の場として使われました。

しかし、現在は登山道が整備され初心者でも日帰り登山ができるようになっています。それぞれの山には初心者向けから上級者向きの登山ルートがあるので、自分のレベルに合ったコースを選んでください。

この記事が、四国と中国地方の日本百名山にチャレンジする方の参考になればとても嬉しく思います。

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