石鎚山登山-初心者も楽しめる難易度別ルート

古くから信仰の山として親しまれてきた石鎚山。車での登山に便利な土小屋コース、表参道としてロープウェイも利用できる成就社コースがよく知られているが、堂ヶ森からの縦走や、面河渓からのコースなど個性豊かなコースもある。今回は石鎚山の日帰り登山、初心者でも楽しめる登山コースを紹介する。

石鎚山の概要・気温について

石鎚山は西日本最高峰で標高1,982m。四国山地西部に位置し、気温は最も低い月で1月の-12.4度を記録する。最も気温が高い月は7月で最高気温は22.5度と過ごしやすい気候だ。

山域石鎚山脈
都道府県愛媛県
標高1,982m

※横スクロールで表がスクロールできます。

123456789101112
最高気温-4.8-3.21.63.212.918.522.52218.512.572
最低気温-12.4-11.5-8.5-4.10.76.110.810.36.80.2-5.2-10.2

石鎚山の難易度別おすすめ登山コース

白山以西の最高峰(1982m)としても、また日本百名山、日本七大霊山などの名にも恥じない歴史と自然の豊かさに触れようと、四季を通して多くの登山者が入山できる石鎚山。ロープウェイを利用する初心者向け登山コースや、鎖場など岩が露出したクライミングが楽しい登山コース、周辺の山々と一緒に楽しむ登山と様々だ。今回は代表的でおすすめの4つの登山コースを難易度別で紹介する。

日帰り登山におすすめ土小屋から目指す石鎚山

①土小屋駐車場→②石鎚神社頂上山荘→③天狗岳

必要日数日帰り登山
総コースタイム※2時間25分
距離約4.6km
累積標高約736m
難易度★★☆☆☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定

面河から土小屋までの延長18kmを石鎚スカイライン(1970年9月開通、現在は無料)によって結ばれて以来、石鎚山、岩黒山、筒上山などの登山基地に位置する土小屋は広い駐車場と宿泊施設もあり、春から秋にかけての土・日曜はハイカーでにぎわっている。

土小屋からは松山営林署小屋横より山道に入り、ゆるやかな稜線上を5分ほど歩いて「鶴ノ子ノ頭」の北側のブナ林と雑木の中をトラバースする。標高1560m付近の鞍部で南面に移り、ササのスロープの中整備されたゆるやかな登りが続く。土小屋より約45分の標高1640mあたりの稜線に一番近いところに平地があり、休憩場所に適している。南面は明るく、左方には筒上山、中央には右の椿山へ続く稜線と、その中腹のスカイラインを走る車が見渡せる。やがて再度稜線を北側に越え、ブナ、ムシカリ、カエデ、ミツバツツジ、ナナカマドなどの雑木を見ながら稜線通しに快適な歩きが続く。東陵基部の広場は大樹の下で蔭風を受けて、休憩場所に最適である(土小屋より約1時間5分)。

石鎚山登山道

最近東陵登りで石鎚南尖峰に突き上げる登山者が増えて踏み跡もしっかりしているが、必ず経験者同伴で通ること。縦走路は石鎚北面をゆるやかに二の鎖小屋まで登るが、ルンゼを4本横切るので、いずれも雪解け時、梅雨時、荒天時などの落石には、十分注意してほしい。これらは5月上旬まで雪渓として残るが、軽装の登山者には肝を冷やす思いだ。二の鎖小屋下で、西条側の表参道と合流(土小屋より約1時間40分)して、木製の急な階段を登った所が二の鎖小屋前で、すぐ上に長さ49mの大鉄鎖がある。少人数の時を選んで挑戦するのもよいが、無理は禁物。

石鎚山登山 鎖場

捲道(鉄板造りの桟道あり)を利用することもできる。冬期には一番危険なところで、ピッケル、アイゼンの世界であり、最も慎重に登高しなければならない。途中イワカガミやダイコンソウ、そして5、6月は各雑木の花ざかりである。中でも頂上周辺に5月下旬に咲くイシヅチザクラは素晴らしい。最後の桟道を通過すると、まもなく南面が開けて、面河本谷が眼下に広がり、頂上山荘の横を経て、弥山に到着する(土小屋より約2時間15分)。

石鎚山登山 眺望

晴天であれば展望は思いのままで、運が良ければ、剣山、三嶺、そして太平洋をも見ることができる。余力のある人は短い鎖を使って少し下り、やせ尾根を注意深く、ゆるやかな登りを15分で白山以西の最高峰天狗岳(1982m)へ立つことができる。東北東の方向に端麗な隆起準平原をみせてくれているのが、瓶ヶ森だ。石鎚頂上周辺はドウダンをはじめ、紅葉の種類も多く、色づきは10月上旬で、時には霧氷のついた紅葉も見ることができる。マイカー組は同じコースを引き返すが、他に裏参道面河コースを通る場合。4時間あれば面河バス停に到着できる。表参道成就コースは2時間35分でロープウェイ山頂成就駅に到着する。アプローチの交通便は後者の方が便数も多い。弥山では7月1日より10日間、石鎚大祭行事が行われる。昔から継承されてきた神事の中でも3体(智・仁・勇)の御神像を靴の本社から頂上社(弥山)に奉還される祭事が最大の呼び物。現在も初日だけは女人禁制。

成就を経て石鎚山頂へ

①石鎚登山ロープウェイ 山頂成就駅→②石鎚神社成就社神門→③試しの鎖 (上り)→④一ノ鎖→⑤石鎚神社 奥宮 頂上社

必要日数日帰り登山
総コースタイム※5時間4分
距離約8.4km
累積標高約1,073m
難易度★★★☆☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定
ロープウェイ 石鎚登山

ロープウェイと石鎚スカイラインの開通によって、長い歴史をもった表参道の今宮道も黒川道も登山者がほとんど利用しなくなり、代わってロープウェイ下谷口が石鎚登山の表玄関になっている。ロープウェイは標高1300mまで8分で一気に上がり、ゆるやかな道を25分歩いて1400mの石鎚神社成就社に到着する。もうひとつのコースとして、西之川バス停から30mほど先の石段を山側へ登るコースがある。一部廃屋になった数軒の家の前を通りながら石垣の途中を急に右に折れるのだが、間違って直進し岩原に行ってしまう登山者がいるので注意したい。

石鎚神社

右折道を行けば、杉林の中にしっかりとした登山道が続く。50分ほどで急坂になるが、杉林の中のジグザグを20分も登れば歩きやすい傾斜になる。小川程度のルンゼを渡って小さい尾根を登る頃には、ロープウェイの音が聞こえてくる。しばらくしてロープウェイから成就へ向かう道と合流し、数分で成就社に到着する。成就社には石鎚神社の拝殿・表篭所が建ち、近くにはいくつかの旅館がある。入山届を出して出発しよう。

試し鎖と捲道との分岐点

成就社から石鎚本峰に向かうには、南向きの山門を抜けゆるやかな下り(八丁坂、約1km)を歩く。20分もすると八丁坂鞍部に着く。ここは西之川から刀掛を経由して八丁へ、天柱石へ、またはツナノ平上部を経て土小屋など多くのコースの要所である。屋根付前面開放の休憩所もある。あたりはブナをはじめ多くの雑木に恵まれ、四季それぞれに美しい。八丁から20分ほどで急坂になり、道は大きくジグザグする。間伐材の階段を上って20分ほど登ると、試し鎖と捲道との分岐点に差しかかる。体力と時間に余裕があれば直登して試し鎖に取り組み、岩峰前社森に立つと展望は満点だ。

一の鎖の岩場

下りも鎖を利用して反対側に降り立つと、一軒茶屋がある。一般道は、前社森の東側を捲いてこの茶屋に到着する。きついのはここまでで、ゆるやかになった登山道を15分も行けば石鎚正面よちかしとうげが見え、前面が開ける。少し下ったところが夜明峠だ。この後、一の鎖の岩場に差しかかる。鎖は27m、迂回路は90mある。石鎚山の鎖はどこも2本あって、左側が上り、右側が下りである。付近は緑のササ原と褐色の木肌を見せるダケカンバの木立が美しい。夜明峠から二の鎖元まではおよそ30分。キャンプ指定地を通過したらまもなく土小屋コースと合流する。鳥居をくぐり間伐材の階段を上れば二の鎖小屋である。二ノ鎖65m、三ノ鎖67m、鎖に挑戦する場合は体調を十分考えて判断すること。毎年数件の事故が発生している。30分の迂回路も桟道あり階段ありで大変だが、最後の正念場だ。イワカガミ、ユキワリソウ、ミヤマダイコンソウなどに出会える。そして弥山の頂上では360度の眺望に満足することだろう。

静かな展望の良い道を楽しむ面河から行く石鎚山

①保井野登山口→②二ノ森→③石鎚山

必要日数日帰り登山、1泊2日登山
総コースタイム※9時間52分
距離約18.5km
累積標高約2,116m
難易度★★★☆☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定

石鎚山系で一番西に位置するのが、標高1689mの堂ヶ森である。静かな展望の良い道を二ノ森から石鎚山へと縦走するのは、登山者の羨望コースである。

保井野登山口

堂ヶ森の肩から少し下った平坦な場所は、古くからのテント指定地である。平地を約600m歩き、25分ほど上がると五代の分れに差しかかる。眼下に面河鉄砲谷が、遠くには石鎚スカイライン、筒上山などが望かしらめる。稜線沿いに直登すると15分でクラセの頭に着き、少し下ったところで縦走路と合流、15分も歩けば二ノ森(1929m)に到着する。進行方向に石鎚山が、左手には西ノ冠岳の岩峰がそびえる。稜線を挟んで高瀑渓谷、南側に面河本谷があり、10月中旬には紅葉が美しい。日帰りの時でも、ここまで来れば展望に満足できる。急坂を下り、稜線を南へ北へと変わりながら1時間ほど歩くと西冠のコルに出る。古くは高瀑渓谷への下り口であったが、西側からの大崩落があって以来、熟達者(危険箇所回)でないと危険な道になった。小休止後、西ノ冠岳直下のルンゼを慎重に渡り、稜線に一番近いところに踏跡があるので、そちらに進めば西ノ冠岳だ。

鎚山の姿

コルのあたりからササで足元がもたつくので気を付けよう。ほとんど平坦な道で、石鎚山の姿がぐっと近づく。わずかなモミ林を抜けたら面河道と合流、面河乗越へ出て西稜をトラバースすると、三の鎖横で表参道と合流する。桟道を慎重に登り、頂上山荘の横を登れば石鎚山頂弥山に到着する。頂上からは太平洋が見えたり、冬の好条件の時には大山の頭が見えることもある。また天狗岳周辺の稜線はブロッケン現象に会える期待感で何度もワクワクする場所だ。熟達者は南尖峰から東稜を下りると、5月下旬、アケボノツツジ、シャクナゲなど予想を超える出会いがある。弥山から三ノ鎖、二ノ鎖と迂回路を利用して下りるが、初夏ともなれば、ミヤマダイコンソウイワカガミユキワリソウなど、第一、第二ルンゼあたりではシコクフウロ、ナンゴククガイソウ、レイジンソウ、ミツガワソウなど高山植物が咲き乱れている。

歴史を探訪する面河コースを使った石鎚山南面

①面河山岳博物館→②亀腹→③愛媛大学山岳会石鎚避難小屋→④石鎚神社 奥宮 頂上社

必要日数日帰り登山、1泊2日登山
総コースタイム※8時間
距離約18.6km
累積標高約1,991m
難易度★★☆☆☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定

石鎚山は昔から山岳信仰の対象とされてきたが、表参道を西条側とすると、古くから裏参道とされてきたのが面河コースである。石鎚スカイライン開通以来、面河コースの利用者は減少したが、新緑から紅葉の時期まで、静かな自然との対話を求めて、落ち着いた山歩きができる。

亀腹岩

面河(関門)でバスを降りると、近くに面河山岳博物館がある。石鎚山に関する資料が豊富にあるので、時間に余裕があればぜひ立ち寄りたい。博物館下の探勝路を歩いて行くと、猿飛谷との出合から山容一変し、高さ80mの安山岩の岩壁が川に迫り、岩と原始林、深渕の渓谷美が始まる。関門と呼ばれるのはこの地形からである岩畳の上を歩き、下に猿飛や八巻き岩の奇勝を見ながらやがて通天橋のふもとで車道に出る。10分ほど歩けば亀腹岩で、車の場合はここまで入ることも可能。岩壁は高さ70m、名前の通り広い腹のような岩肌を見せている。清流が岩床を走り、恰好の休憩所である。

鶴ノ瀬橋を渡って樹林の中を行くと、右側に第一野営場がある。道は渓谷沿いに上り、上流に進むにつれて菜渓、紅葉河原、面河第二野営場、下熊渕などの景勝が観賞できる。上熊測を過ぎると、間もなく鳥居のある面河登山口だ。ここから頂上までおよそ4時間である。県警登山届箱があるので、記入して出発しよう。最初は階段状の急坂である。約20分で第一の休憩所鷹室に着く。ウラジロモミ、ヒメシャラ、トチ等の原生林の中を登っきりがさこていくと、1時間ほどで霧ヶ迫(サコ=谷)の水場(標高約1200m)に着く。岩礫の間を潜り抜けてきた水は、夏は冷たく、冬は温かい。そのため天気の変わり目などに霧が発生しやすく、この名が付いたと思われる。この後、少しジグザグの登りが続き、標高1350mの尾根に出ると、最初に石鎚南面の勇姿を見ることができる。

愛大石鎚小屋前

1525mの面河山の捲道を登りきると、ブナ林とダケカンバの続くゆるやかな登山道もササに覆われて足元に注意しなければならない。やがて南尖峰に突き上げる中沢が右手に見えるころ、愛大石鎚小屋前に着く。これからは木陰がなくなるが、7月下旬頃からシコクフウロ、オタカラコウなどの夏の花が見られる。崩壊地では高捲ルートを慎重に通過して、ルンゼを横切り、続いてササの斜面を行くと、シコクシラベの原生林の中に冷たい湧き水がある。よほど日照りが続かない限りは利用できる。20分ほどで面河乗越に到着。

天狗岳

三角点にこだわるなら、二ノ森の方へ少し引き返し、右手の稜線にササを漕いで上れば踏跡があり、左へ登れば三角点に会える。乗越からは西稜を横切り、三ノ鎖下で表参道と合流する。桟道(鉄板橋)を登りきると、先ほどまで歩いてきた面河道を下に、西に西ノ冠岳二ノ森、堂ヶ森の連山を見ながら、30mほどで石鎚山頂(弥山)である。最高峰天狗岳(1982m)は、短い鎖を下りてやせ尾根を15分ほど東方になる。

周辺の登山者におすすめの山旅スポット

面河山岳博物館

石鎚山系には1,000種を越える植物が記録されており、面河渓や石鎚山が最初の発見地となった植物が30種以上もある。森林の垂直分布と合わせて一部を写真で紹介している。非常に希少なニホンカモシカやモモンガ、ヤマネの他に、博物館周辺でも見ることのできるイノシシ、ムササビ、アナグマ、タヌキなどの剥製をジオラマで展示。石鎚山とその周辺の土台である三波川変成岩類、標高1,500mの土小屋から見つかる植物化石、面河渓の白く美しい花崗岩、天狗岳を形づくる荒々しい凝灰岩などについて、岩石・化石標本を展示し、石鎚山の生い立ちを紹介。

土小屋terrace

土小屋terrace

西日本最高峰「石鎚山」の土小屋登山口で長年利用されてきた売店・食堂をリニューアルした土小屋terrace。久万高原の杉材をふんだんに使い窓から柔らかな光が差し込む開放感のある店内には、mont-bell friend shopとして登山に対応したギア、土小屋限定モンベルコラボグッズなど見どころ。

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