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【初心者必見】歴史ある奥社とブナの森を満喫する小菅山の難易度別登山コース紹介

【初心者必見】歴史ある奥社とブナの森を満喫する小菅山の難易度別登山コース紹介

小菅山(こすげやま)は、長野県飯山市にある里山です。戸隠・飯綱と並ぶ北信三大修験霊場として知られています。

登山道の途中には、約1400年も前に建立したと言われている小菅神社奥社があり、修験道の山岳信仰などの多くの歴史を感じることができる山です。

この記事では、小菅山の基本情報や魅力、登山コースごとの特徴などを紹介しています。小菅山登山を計画している方や、興味がある方はぜひ参考にしてみて下さい。

小菅山の基本情報と魅力

小菅山の標高は、1020mと里山や低山と言われる部類に入ります。しかし、修験道の山であり、急こう配で荒々しい面もあります。小菅神社奥社へと登っていく参道は、杉並木や信仰・伝説の岩、観音などの見所が満載です。

中腹には、約1400年前に修験道の開祖・役小角によって創立したとされている小菅神社奥社があります。これより上に行くと美しいブナの森が広がっており、四季折々の風景を楽しめます。

小菅山は1年中登ることが可能ですが、冬には積雪があり十分な装備と経験が必要です。特に飯山市は、長野県の中でも豪雪地帯と言われる地域で、冬の間には深い積雪に閉ざされています。おすすめの時期は秋で、ブナの森の紅葉は一面に広がる黄金の世界で、何とも形容しがたい圧巻の景色を楽しめます。

山の名前 小菅山(こすげやま)
標高 1,020m
エリア 甲信越
詳細情報 小菅山の地図・天気

魅力その①四季のうつろいが美しいブナの森

小菅山の山頂から続く緩やかで広い稜線には、ブナの森が広がっています。中でも樹齢360年の「森の歌姫 森香」と呼ばれるブナの巨木には、圧倒されるほどの存在感があります。

ブナの森は、四季折々の表情の変化を楽しめる森として人気で、この小菅山の森も「女神の森」と呼ばれ親しまれています。

おすすめの時期はいくつもありますが、ブナの芽が出始める春や新緑の初夏には、清々しく明るい森の中に降り注ぐ木漏れ日の中を歩き爽快感があります。

最もおすすめの時期は、秋の紅葉です。ブナの紅葉は、黄葉が基本で中には紅葉に近いものもあります。ブナの森の紅葉は、山一面が赤みがかった黄金色になり、その中を歩けば黄金の巨木に包み込まれる異世界に来たかのようで、人生で一度は見たい絶景のうちの一つです。

また、冬のブナの森は、雪に閉ざされた雰囲気の中で雪景色や樹氷が美しくおすすめです。

魅力その②歴史感じる小菅神社奥社

小菅山の中腹に位置する小菅神社の歴史は古く、約1400年前に修験道の開祖である役小角が八か所の神を祀ったことから始まったとされています。

戦国時代には、上杉謙信が武田信玄との戦いの前に戦勝を祈願したとされています。川中島の戦いの後には、敗退した上杉方が小菅山に隠れたとも言われており、参道にある隠れ岩はまさに上杉謙信が隠れていた岩だと言われています。

小菅山の登山口である参道入り口から小菅神社奥社まで、杉並木や石段、数々のゆかりの岩に観音堂など、登山道沿いの見所が満載です。特に奥社本殿は、1500年ころに建立された建物と言われており、国の重要文化財に指定されており一見の価値があります。

魅力その③桜や菜の花に映える北竜湖

小菅山のふもとには、浅間山の火山活動の影響で形成されたとされている自然の湖・北竜湖があります。上空から見るとハートの形をしており、観光客にも人気のスポットです。

小菅山登山中にも、場所によっては見下ろした際に水面がきれいに映えています。特に、初夏の時期には湖の周囲に黄色い菜の花が咲き誇っており、より一層北竜湖がきれいに見えます。

また、周回コースで北竜湖に寄った際には、北竜湖越しに歩いてきた尾根や稜線、小菅山がきれいに見えます。湖畔でゆっくりと休憩しながら回想に浸るのも優雅で貴重な時間となるでしょう。

小菅山の難易度別おすすめ登山コース

重要文化財・小菅神社奥社から行く小菅山ピストンコース

①小菅山登山口→60分→②小菅神社奥社→35分→③頂上分岐→5分→④山頂→5分→⑤頂上分岐→25分→⑥小菅神社奥社→50分→⑦小菅山登山口

必要日数 日帰り登山
総コースタイム※ 3時間00分
距離 約4.5km
累積標高 約550m
難易度 ★☆☆☆☆

小菅山登山は、神社や寺院、史跡の多い落ち着いた雰囲気の飯山市小菅地区から始まります。小菅神社の杉並木に続く参道の始まり、菩薩院の手前に無料駐車場があります。

駐車場は、無舗装の砂利敷きで10台ほどの駐車スペースがあります。トイレや休憩所などの施設はありません。登山者用ではなく、小菅地区の観光客も含めた駐車場ですので、地元の方の迷惑にならないように注意しましょう。

駐車場からは、立派なイトザクラの横を通って進む一本道を大鳥居に向けて登っていきます。大鳥居をくぐって石段の参道に入ると、樹齢300年以上の立派な杉並木が続いています。

参道には、神馬の鐙の跡が残る「鐙石」、上杉謙信が隠れた「隠れ石」、弘法大師が座った「御座石」などの名がつく岩が並んでいます。県の天然記念物にも指定されている800mも真っすぐに続く杉並木を抜けて山道に入ると、いよいよ登山らしくなっていきます。

道も狭く、傾斜も急になりながら、舟石や大岩を過ぎていくと、恋愛成就の愛染明王を祀った祠のある愛染岩に到着です。さらにしばらく行くと、弘法大師が筆を投げて対岸の岩壁に梵字を書いたとされている不動岩が現れます。

少し登ると、下の分岐と言われるT字路に突き当たります。右は急斜面の奥社参道、左は緩斜面の奥社迂回路になり、どちらを行っても上の分岐で合流し時間もさほど変わりません。

右ルートには、鏡石と呼ばれる6~7mの岩場やちょっとした鎖場があります。鎖場の少し上に小菅神社奥社があります。左ルートから行っても、上の分岐から行けますので、寄ってみると良いでしょう。

小菅神社奥社は、約1400年前に修験道の開祖、役小角によって創立したと言われている歴史ある神社です。岩を背にした立派な本殿は、1500年~1550年の建立とされており、国の重要文化財に指定されています。

小菅神社奥社から少し上がると、水路のある少し平坦な場所に出ます。しばらく行くと右手に「森香」と呼ばれているブナの大木があり、女神の森と呼ばれるブナの美しい森が始まります。ブナの森は、新緑、紅葉、冬景色、どれをとっても四季折々の趣ある気持ちのいい空間が広がっています。

頂上分岐からは、200mほど約5分で頂上に到着します。残念ながら展望はありませんので、三角点だけチェックしておきましょう。

北竜湖まで足を延ばす小菅山周回コース

①小菅山登山口→60分→②小菅神社奥社→35分→③頂上分岐→5分→④山頂→60分→⑤林道分岐→20分→⑥北竜湖→25分→⑦小菅山登山口

必要日数 日帰り登山
総コースタイム※ 3時間25分
距離 約7.5km
累積標高 約690m
難易度 ★☆☆☆☆

小菅神社登山口から、杉並木、奥社を通って山頂に到着したあと、余裕があるのであれば北竜湖方面へ周回してみても良いでしょう。

山頂から、美しいブナ林の広く緩やかな稜線を下っていきます。途中、見晴らし台への分岐がありますが、樹木が生い茂っていてあまり見通しは利きません。

急坂や階段をスリップに注意しながら下っていくと、杉林を経て林道に出合います。林道からは、案内通り行けば、20分ほどで北竜湖に到着します。

北竜湖は、火山活動によってできた天然の湖で、四季折々の表情を見せています。特に、春の桜と初夏の菜の花が湖に映り込む景色は絶景で多くの写真家が訪れています。

北竜湖からは、林道を通って25分ほどで駐車場に帰ってきます。

小菅山のQA

小菅山に関する質問で多いのは、登山ルートや気温・積雪などに関することです。このような質問について以下QAを紹介します。

小菅山の登山レベルは?初心者でも登れる?

小菅山の登山ルートは、小菅山ピストンコース、北竜湖周回コースどちらでも初心者の方も十分に登ることができます。標高差550mほどで、コースタイムを目安にゆっくり休みながらのんびりとした山行でも十分に頂上まで行けます。

また、登山道自体はよく整備されており道迷いの心配もありませんし、岩場・鎖場は通らなくても迂回路がありますので初心者の方や登山デビューの方でも問題なく登れるでしょう。

小菅山の気温は?どんな服装で行けばいい?

小菅山のある飯山市の月ごとの平均最低気温と最高気温を下記の表にまとめました。冬の最高気温は1桁ですが、夏は30℃を超えてきます。また、同じ月でも最高と最低が10℃ほどの差があり、寒暖差の激しい地域です。

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高 2.5 3.6 8.0 16.1 22.5 25.6 29.1 30.6 26.0 19.7 13.0 5.9
最低 -6.2 -6.3 -2.7 3.3 9.4 15.1 19.7 20.4 16.1 9.1 2.6 -2.5

夏は非常に暑くなります、熱中症予防をきちんとするようにしましょう。7,8月を除けば、日によっては冷え込む場合があるので春や秋でも上着を持っていくといいでしょう。

冬期間はしっかり冷え込みますし、長野県内でも豪雪地域に位置しています。冬山登山の十分な経験と装備のうえ、入山するようにしましょう。

小菅山で見られる山の花は?見ごろは?

シャガ

小菅山では晩春から初夏にかけて様々な山野草のお花を見ることができます。参道の杉並木や上部のブナの森とあわせて、足元のお花にも目を向けてみてください。下の表に見ごろと一緒にまとめて紹介しますので、参考にしてみてください。

山の花 見ごろ 山の花 見ごろ
フクジュソウ 3月 菜の花 4,5月
カタクリ 3,4月 シャガ 5,6月
ミスミソウ 3,4月 ギンリョウソウ 6月
イトザクラ 4月 ダイモンジソウ 7~10月
イカリソウ 4,5月

登山口へのアクセス・各種情報

北竜湖の登山口へのアクセスは車がおすすめです。公共交通機関利用の場合には、長電バスの野沢線を利用することも可能です。

小菅神社参道入り口

登山口情報

長野県飯山市街地から北へ向かい、千曲川の右岸側、野沢温泉村の手前に小菅地区があります。細い田舎道を進んでいくと、飛鳥時代の仁王門が正面にあるY字路になります。右手に進んでいくと、菩薩院の手前が無料駐車場です。

駐車場は、無舗装の砂利敷で10数台の駐車スペースがあります。トイレや休憩所などの施設はありません。

登山者駐車場ではなく、小菅神社奥社をはじめ小菅地区の神社や寺院、史跡などの観光も含めた総合駐車場になります。地元の方の迷惑にならないように注意しましょう。

登山口までのアクセス

飯山市方面から

豊田飯山ICより車で約25分

飯山駅から

長電バス「野沢線」に乗車し、22停留所先の「針田」で下車、そこから徒歩で約25分

北竜湖・小菅山登山口

登山口情報

北竜湖を起点とした小菅山登山の場合には、北竜湖畔の駐車場を利用するのが便利です。駐車場は、きれいに整備されており20台ほど停められるスペースがあります。トイレやカフェなども併設されており、登山の前後にもゆっくり観光するのがおすすめです。

登山口までのアクセス

飯山市方面から

豊田飯山ICから車で約25分

飯山駅から

長電バス「野沢線」に乗車し、26停留所先の「北竜湖入口」で下車、そこから徒歩で約20分

小菅山周辺のおすすめ山旅スポット

野沢温泉共同浴場

出典:野沢温泉観光協会

小菅地区からすぐのところに長野県内でも有数の温泉地・野沢温泉村があります。野沢温泉村には、地域住民の方々が共同で維持管理をしている「外湯」が13か所あり、観光客も無料で名湯を楽しむことができます。

野沢温泉観光案内所やお土産屋さんなどで、外湯巡りの集印帳が売られており、村内各所にある27か所で集めることができます。

外湯だけでも13か所もあり、全部めぐるのには時間がかかります。ぜひ、伝統ある温泉街に宿泊して、登山の後の疲れを癒してはいかがでしょうか。

道の駅 花の駅 千曲川

小菅山のある長野県飯山市の千曲川沿いにある道の駅です。飯山市の千曲川沿いに咲き乱れる菜の花は有名で、この道の駅は菜の花をはじめ季節の花や緑がいききとして心が満たされる空間となっています。

道の駅内の「cafe 里わ」では、飯山で採れた新鮮な野菜やお米などの地産地消のメニューをいただくことができます。「みゆきポークのロースかつ」や「里わカレー」が人気です。

また、直売所では新鮮な野菜をはじめ地の物が売られています。ここでしか買えないようなものもあるので、ぜひ覗いてみてはいかがでしょうか。

浅葉野庵

出典:浅葉野庵

小菅山のふもと、小菅地区にある茶処「浅葉野庵」は、休憩に甘味をいただけるだけでなく、信州の本格的なお蕎麦もいただけます。特にお蕎麦の評判は高く、てんぷらそばがとても人気です。

小菅神社奥社の参道入り口からすぐにあり、古い神社や史跡に囲まれた落ち着いた雰囲気の中で、きれいに手入れされたお庭を眺めながら休憩してみてはいかがでしょうか。

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