生瀬富士は日本三名瀑のひとつ茨城県は奥久慈大子・袋田の滝の北側にあって、尾根道から滝を俯瞰できる山。
山頂に出れば、筑波山や那須連峰・日光の山々が見渡抜せる抜群の眺望を得ることができます。
紅葉に彩られた袋田の滝と、茨城のジャンダルムと呼ばれるやせ尾根の岩稜から見る全方位パノラマの絶景。
この秋はスリリングな茨城のジャンダルムで、奥穂高気分を味わってみませんか?
生瀬富士とはどんな山?その魅力とは?
標高406mの低山でありながら、山頂に立てばおよそ低山であるとは思えないような眺望を得られることで知られます。
また2021年3月28日に一部開通した、常陸国(ひたちのくに)ロングトレイルのコースにも組み込まれている今注目の山なのです。
山の名前 | 生瀬富士 |
エリア/都道府県 | 関東/茨城県 |
標高 | 406m |
詳細情報 | 生瀬富士の地図・天気 てんくら |
魅力①目を疑う眺望~茨城のジャンダルム
北に延びるやせ尾根の岩稜の先には茨城のジャンダルムがそびえます。そこに立ってみればその景色はまさに全方位。
眼下に大子の街並み、視線を上げれば筑波山、那須連峰、そして日光の山々が見渡せる。
まさかここが、わずか406mの山かと疑わずにいられないすばらしい景色が広がります。
魅力②常陸国(ひたちのくに)ロングトレイル
旧名称・県北ロングトレイルは茨城県の県北地域、日立市、常陸太田市、常陸大宮市、大子町、高萩市、北茨城市の5市1町をつなぐ総距離320Kmという壮大な計画。
県北地域の起伏に富んだ地形を生かし、豊かな自然環境などの多様な地域資源をハイキング道などでつないでいます。
2021年に一部ルートが開通後、徐々にルートは伸びており、2023年8月現在は105Kmが整備済み。2023年中に110Kmまで整備する予定になっています。
また、2023年10月13日に「ヨルダントレイル」とのパートナーシップ協定を締結。相互プロモーションや情報交換などをしていくとのことです。
2023年10月1日より、常陸国ロングトレイル✕YAMAPデジタルバッジキャンペーンが始まっています。
常陸国ロングトレイル×YAMAPデジタルバッジキャンペーン
魅力③日本三名瀑|袋田の滝
その昔、西行法師がこの地を訪れた際に「この滝は四季に一度ずつ来てみなければ真の風趣は味わえない」と、この滝を絶賛したという説。
または、滝川が四段に岩肌を落ちることから「四度の滝」と名付けられたという二つの説をもち、江戸時代は水戸藩の領地内。あの水戸黄門・徳川光圀も訪れたとのことです。
華厳の滝、那智の滝とともに日本三大名瀑のひとつに挙げられるほどの名瀑。日本の名勝、日本の滝百選にも選定されている。
なお冬は滝が凍る「氷瀑」が有名で、氷壁を登る人もあらわれます。
この名瀑を尾根道から見ることができるのはここ生瀬富士だけです。
魅力④リンゴ狩り
樹の上で完熟させ収穫する「樹上完熟」が特徴の奥久慈りんご。大子町には約40か所のりんご園があり「リンゴ狩り体験」や、さまざまな品種の試食を楽しむことができます。
奥久慈リンゴは流通に乗らず市場に出回らないため現地でしか味わうことができません。もぎたての完熟りんごをぜひ味わってください。
生瀬富士への難易度別ルートをご紹介
①生瀬富士~立神山|周回
*このコースは滝本町営第一無料駐車場(または第二無料駐車場)を利用します。
登山口 | 生瀬富士登山口 |
最適日数 | 日帰り |
行動時間 | 3時間5分 |
距離 | 5.9Km |
累積標高 | のぼり598m くだり602m |
難易度/体力 | ★★☆☆☆/★★★☆☆ |
コースタイム
- 滝本町営第一駐車場 10:25→11:06 生瀬富士 のぼりタイム 41分
- 生瀬富士 11:17→11:17 茨城のジャンダルム 11:28→11:28 生瀬富士 11:44→11:45 立神山 11:54→12:44 生瀬滝 12:51→13:10袋田の滝 13:15→13:30 滝本町営第一駐車場 くだりタイム 1時間25分
コース詳細
町営第一駐車場の反対側に登山口入口の看板があります。ここを入りましょう。
はじめは住宅地内の舗装路を進みますが、そこを過ぎれば登山道らしくなります。
気持ちのいいなだらかな登りが続きますが、山頂に近づくにつれ傾斜がきつくなってきます。
岩場の急登になりますが、鎖&ロープが張られていたり岩自体も凹凸があって比較的登りやすい岩場と思います。
岩場を登りきれば山頂に到着です。日光連山、高原山、那須連峰、そして筑波山までの眺望が。
ロープがかけられた大きな岩を越え、北へ100mほどのところにあるのは茨城のジャンダルム。
両側が切れ落ちたゴツゴツした岩稜をゆっくり進めば、ケルンのような岩の塊があります。さぁ、ここに立って全方位の景色を存分に楽しみましょう。
南側のピークに戻ると下りを示すロープが張られていますので、このロープに沿って下っていきます。
かなり長い急な坂ですから注意しましょう。登り返してピークに出れば立神山。眺望はありませんが三等三角点が設置されてます。
アップダウンの後またしても急降下しますが、尾根道から眼下に袋田の滝が見える「滝のぞき」のスポットがあります。下から見上げればわかりますが、断崖絶壁ですからくれぐれも注意してください。
渡渉地点に出ます。ここは袋田の滝の上流になるところですが、両岸に長靴がおいてありますので借りて渡ることもできます。
水量が多いときは無理をせず遠回りになってしまいますが迂回しましょう。
袋田の滝へは、一度月居山を200mほど登り返してから長い階段を降りることになります。
滝の下に出れば袋田の滝と、見上げれば滝を上からのぞいた地点が見えます。
滝を間近で見るにはトンネルを通って観瀑台に出ます。圧倒的な迫力とマイナスイオンを全身に浴びましょう。
なお、観瀑台へはトンネル通行料(300円)がかかります。
②月待の滝~生瀬富士|大子アルプス縦走(C-1~C-11)
*このコースは宮川コミュニティセンター駐車場」(無料)を利用します。
登山口 | 月待の滝(C-01)登山口 |
下山口 | 生瀬富士登山口 |
最適日数 | 日帰り |
行動時間 | 6時間18分(休憩1時間23分) |
距離 | 8.2Km |
累積標高 | のぼり824m くだり834m |
難易度/体力 | ★★☆☆☆/★★★☆☆ |
コースタイム
- 宮川コミュニティセンター駐車場 8:33→9:22 三角点『釜田』9:28→12:44 三角点『赤坂』12:52→13:24 生瀬富士 のぼりタイム 4時間37分
- 生瀬富士 14:16→14:51 生瀬富士登山口 くだりタイム 35分
コース詳細
C-01月待の滝からのスタートです。
ひと登りして大子の町を見下ろしC-02三角点『釜田』、ここから生瀬富士まで5.1Kmです。
一旦林道に出たりしながらC-04~C-05をスルー、C-06はアップルライン分岐です。C-07、C-08ここまでかなりのアップダウンを繰り返します。
ニリンソウの群生地などを過ぎ開けた場所に出れば、日光連山、高原山、那須連峰まで見ることができます。低山でありながらも茨城の山特有の高度感は抜群です。
C-09三角点『赤坂』を過ぎC-10~C-11へ。ここまで来れば生瀬富士まであと200mです。
ロープが掛かるゴツゴツした岩肌の急登を登れば生瀬富士山頂です。北に延びる茨城のジャンダルムからの眺望を堪能しましょう。
下山は約35分、生瀬富士登山口です。
*この①・②のコースは小さなアップダウンが繰り返されるため体力を消耗します。
特に夏場は気温が高く(最近では最高気温39℃前後)高山のように気温は下がりません。低山だからと軽視せず相応の準備をして山行を楽しみましょう。
登山口・駐車場へのアクセスと各種情報
袋田の滝まで約1Kmにある町営の無料駐車場です。
なお滝に近い駐車場は有料(300円~500円)ですが、買い物をすれば無料の駐車場もあります。
袋田滝本町営第一無料駐車場
袋田滝本町営第二無料駐車場
マイカーでアクセス
- 東北道「矢板IC」から約1時間20分
- 東北道「宇都宮IC」から約1時間35分
- 常磐道「那珂IC」から約50分
電車・バスでアクセス
- JR水郡線袋田駅からバス⇒約10分⇒滝本下車⇒徒歩で約10分
宮川コミュニティセンター駐車場
*大子アルプス、月待の滝(C-01)登山口はこの駐車場を利用します。
マイカーでアクセス
- 東北道「矢板IC」から約1時間
- 東北道「宇都宮IC」から約1時間15分
- 常磐道「那珂IC」から約1時間
電車・バスでアクセス
- JR水郡線「下野宮駅」から嵯峨草橋下車⇒徒歩7分⇒月待の滝
生瀬富士のQ&A
東京から日帰りで紅葉登山をしたいと考えています。11月18日でも紅葉が楽しめる山を紹介してください。
茨城県の生瀬富士(袋田の滝の近くにある低山)をお勧めします。
極低山ですが、紅葉の中の袋田の滝を真上から展望できます。錦秋の中の四段の滝は圧巻です。
また2023大子来人~ダイゴライト~は、2023年10月1日~2024年1月31日まで開催され袋田の滝周辺がライトアップされます。
生瀬富士周辺の山旅スポット
袋田の滝
言わずと知れた日本三大名瀑。初夏の新緑、夏には豪快な水しぶき、秋は紅葉を身にまとい、冬は氷瀑と季節ごとに表情を変えるまさに「四度の滝」。
高さ120m、幅73mの大きさを誇る袋田の滝は生瀬滝とともに、平成27年3月に国の名勝に指定され同10月には恋人の聖地にも選定されました。
営業時間 | 8:00~18:00(5月から10月) 8:00~17:0(11月) 9:00~17:00(12月から4月) |
営業期間 | 年中無休 |
観瀑施設 利用料金 | 大人300円 小人150円 |
月待の滝
久慈川の支流、大生瀬川がつくりだす高さ17m・幅12mの滝は、滝の裏側に入ることができることから「裏見の滝」「くぐり滝」などとも呼ばれます。
普段はふた筋の夫婦滝。水量が増すと子滝があらわれ親子滝となる珍しい形状のため、古くから安産・子育て・開運を祈る二十三夜講(二十三夜の月の出を待って婦女子が集う)の場とされました。
このような理由から月待の滝と呼ばれ胎内観音が祀られています。
隣接のもみじ苑は、滝を眺めながらおいしいそばが食べられるおすすめのスポットです。
奥久慈大子りんご狩り
樹になったまま完熟させる「樹上完熟」で栽培するのが大きな特徴。完熟前に収穫されたものよりみずみずしく甘みたっぷり。
9月から11月、各農家が徹底管理し完熟りんごを収穫する時期。園内でもぎとったりんごは食べ放題なので品種ごとに食べ比べも楽しい。
期間 | 9月中旬~11月下旬 |
料金 | 大人(中学生以上)500円 小人(3歳~小学生)400円 |
時間 | 制限なし(農園により多少変わります) |
もぎとり・直売 | 1kgあたり600円(農園により多少変わります) |
口コミ評価の高い仲野りんご園
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りんご狩り/奥久慈大子の仲野りんご園 (apple-nakano.com)
奥久慈りんごを使ったアップルパイは絶品。各農園や菓子店が独自に工夫を重ねたアップルパイを販売しています。
茨城おみやげ大賞金賞受賞のアップルパイが人気 藤田観光りんご園
▼詳細はこちらから
藤田観光りんご園 – 藤田観光りんご園 (applefujita-llc.com)
大子温泉 やみぞホテル
営業時間 | 11:00~15:00(最終受付は14:00) |
入浴料金 | 11:00~15:00 大人600円 小人400円 9月~1月はりんご風呂 11:00~15:00 大人800円 小人500円 |
久慈川の清流と奥久慈の自然に包まれて、ゆったりくつろげる公共の温泉宿.。
季節ごとに趣向をこらした温泉は好評で、特に大子の秋を満喫できるりんご風呂は人気です。