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富士山頂の測候所から、大気汚染物質の広がりの謎にせまる

富士山頂の測候所から、大気汚染物質の広がりの謎にせまる

皆さんにとって富士山とは『登山を楽しむ山』『他の山の頂上から眺める山』というのが一般的だろうか?今回紹介するのは全く違う側面の富士山を紹介するとともに、日本の大気を守ることにつながる活動を紹介したい。


天上の研究所 旧富士山測候所(富士山頂 剣が峰)


私たち早稲田大学創造理工学部大河内研究室では、富士山頂にある旧富士山測候所(現在の名称は富士山特別地域気象観測所)を夏季に借用し、地球規模での大気汚染物質の動きを研究しています。これまでに中国大陸から空気が富士山頂に運ばれてくると、酸性物質・重金属・発がん性を引き起こす有害な有機物など、様々な大気汚染物質の濃度が高くなることが分かりました。また、国立環境研究所による二酸化炭素の通年観測により、偏西風が強まる冬から春には、ハワイのマウナロで観測されている二酸化炭素濃度よりも明らかに高くなり、日本の大気汚染は大陸の影響を強く受けていることが明らかになっています。こういった事象からも高度が高く、東アジアの大気の状態を精密に測定できるうってつけの場所に位置する富士山は、地球大気環境を見守る「目」として重要なのです。

富士山測候所は全体に老朽化しており、修繕が必要です


富士山頂で大気環境観測を行うには旧富士山測候所が不可欠ですが、老朽化のため修復が必要な状態です。補修を行えば未来、約50年は使用できると見積もることができます。またハードの面だけではなく、富士山測候所を有効活用するためには運営費用(毎年2000万円以上)の資金が必要となるのが現状です。大気化学や高所医学の研究者が中心となってNPO法人『富士山測候所を活用する会』を設立し、民間財団などに申請して運用費用を捻出してきましたが、今年度は運営費のめどが立っていないという危機的な状況にあります。

老朽化が進んでおり、雨漏りがします(修繕前)
雨漏りを防ぐための塗装による修繕作業後

その為、各研究者は自前で研究費を獲得して研究を行ってきていますが、昨今の科学研究費削減のなかで、継続的に研究費を獲得することが困難になってきています。これまで大口助成していただいた財団には連続して申請することができない現状があり、国にも陳情してきていますが、趣旨はご理解いただけるものの、資金面での援助をいただくことはできていません。

そこで皆様に、旧富士山測候所の窮状を知っていただきたく、NPOとして、個別研究者として、クラウドファンディングに挑戦しています。旧富士山測候所は日本が世界に誇るべき財産であり、来年度、活用できなかったら気象庁によりいずれ取り壊されてしまうことになります。旧富士山測候所を国民に開かれた「天上の研究所」とすべく、是非とも皆様のご理解を賜り、ご支援をお願いできないでしょうか?

認定NPO法人 富士山測候所を活用する会
http://npo.fuji3776.net/help.html


支援をしたい、協力したいという方は以下のサイトより

富士山頂の測候所から、大気汚染物質の広がりの謎にせまる!
https://academist-cf.com/projects/?id=54

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