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【絶景の八ヶ岳を望む穴場スポット!】茂来山の難易度別登山コース紹介

【絶景の八ヶ岳を望む穴場スポット!】茂来山の難易度別登山コース紹介

茂来山(もらいさん)は、長野県南佐久郡の佐久穂町と小海町にまたがり、佐久地域の人々から親しまれている山です。「信州百名山」「長野県の名峰百選」に選ばれており、四方になだらかな裾野を広げた均整のとれた美しい山容をしています。

山頂からは、ほぼ360度の展望がひらけており、佐久平の街並みや浅間山、八ヶ岳を望むことができます。中でも、千曲川を挟んで目の前にそびえる八ヶ岳連峰の景色は圧巻の光景です。

古くは雨ごい信仰の山であり、現代では茂来山という名前から縁結びの山としても知られています。また、かつて皇太子殿下が登った山であったり、巨木百選に選ばれた「とちのき・コブ太郎」や種類豊富な山野草の花々など、見所満載の登山を楽しめるでしょう。

この記事では、茂来山の基本情報や魅力、登山コースごとの特徴などを紹介しています。茂来山登山を計画している方や、南佐久郡佐久穂町や小海町の観光に興味がある方はぜひ参考にしてみて下さい。

茂来山の基本情報と魅力

茂来山は、長野県南佐久郡にある標高1718mの山です。周囲に高い山がなく、佐久地域から見ると頭一つ抜け出しており存在感があります。

茂来山という山名の由来は、千曲川を挟んでそびえたつ八ヶ岳連峰・硫黄岳の大噴火の際に、飛んできた石をもらってできた「貰い山」を由来とする伝説が残っています。古くは、雨ごい信仰の山であり、山頂には大山の祭神である石尊大権現を祀った石祠があります。近年では、「もらい」という名前から嫁(婿)をもらう縁結びの山としても知られています。

茂来山の地形は、谷が険峻であり人々が手を付けにくく、原生林に近い状態が多く残っています。また、珍しい植生が多く存在しており、日本固有の1属1種植物であるレンゲショウマやこの地域では珍しいバイカツツジやサンヨウブシが見られます。

茂来山は1年中登ることが可能ですが、冬には積雪地帯であるため十分な装備と経験が必要です。おすすめの時期は秋で、緩く穏やかな稜線を彩る種々の樹木の紅葉を楽しんでみてはいかがでしょうか。

山の名前 茂来山(もらいさん)
標高 1,718m
エリア 上信越
詳細情報 茂来山の地図・天気

魅力その①正面にそびえる八ヶ岳連峰

茂来山の魅力をご紹介する上で外せないのが、山頂から望む八ヶ岳連峰の景色です。日本一長い河川である信濃川(長野県内では千曲川と呼ばれる)が町の中心を流れる佐久穂町の西側には八ヶ岳がそびえており、東側にある茂来山はまさに展望台のような恰好で位置しています。

周囲に高い山のない茂来山では、山頂からの展望がひらけており、目の前にそびえたつ日本を代表する山岳地帯である八ヶ岳の全容を眺めることができます。特に、南八ヶ岳でも人気の赤岳、横岳、硫黄岳の3山がきれいに並んでおり、八ヶ岳を眺める穴場スポットの一つです。

また、北側に目を向けると佐久平の街並みとその向こうに威風堂々と鎮座する浅間山が、さらには西上州の山々や南アルプスなど、360度のパノラマが広がっています。

魅力その②縁結びの山

写真はイメージです

茂来山は、もともと地域の人々から雨乞い信仰の対象となっていました。そのため、山頂には石宮が祀られています。

今では、「もらいさん」という名前から「お嫁さん(お婿さん)を"もらう"山」として、縁結びの山として知られています。素敵な出会いを求めて、もしくは、素敵な人と一緒に、絶景の茂来山へ行ってみても良いかもしれませんね。

魅力その③豊かな植生

写真はトチノキのイメージです

茂来山は、豊かな森の雰囲気を持つ山でもあります。地形的に谷が峻嶮であるために、今でも一部に原生の森を持っています。そんな茂来山には、標高1700m級の山としては珍しい植生が多いことでも知られています。

森の巨人たち百選にも選ばれている栃の木・コブ太郎をはじめ、大王トチノキオオクリの木など樹齢の深い木々が育っているのも特徴的です。

また、長野県のレッドリストに登録されているレンゲショウマの群生があったり、佐久地域ではここでしか見られないバイカツツジがあったりと、植生豊かな花々が咲きます。

山頂での絶景ももちろんですが、そこに至るまでの登山道でも多くの木々や花々を見ながらの楽しい登山が期待できます。

茂来山の難易度別おすすめ登山コース

【霧久保沢ピストンコース】

①駐車場→20分→②登山口→35分→③コブ太郎→65分→④槙沢分岐→10分→⑤茂来山→10分→⑥槙沢分岐→50分→⑦コブ太郎→25分→⑧登山口→20分→⑨駐車場

必要日数 日帰り登山
総コースタイム※ 3時間55分
距離 約5.0km
累積標高 約685m
難易度 ★★☆☆☆

昭和57年に当時の皇太子陛下が登ったことで有名なコースです。もう一つの槙沢コースに比べると、やや標高差、距離ともに長いコースですが、途中にコブ太郎などの巨木もあり見所も多いコースです。

霧久保沢コースの登山口は、中部横断道佐久穂インターから十国峠へ向かう国道299号線から、山中へ林道を進んでいった先にあります。林道は途中から狭い無舗装となりますので、車種や運転に注意が必要です。駐車場は広く、約30台ほどが駐車可能な無舗装の広場があります。トイレ等の施設はありません。

駐車場からは、林道をさらに先に進むか、駐車場の脇にある登山口から林業の合間を縫うように青テープに従って進むかです。どちらを通っても20分ほどで合流し、本格的に登山が始まります。

登山道に入るとすぐに、駐車場とコブ太郎の中間点となります。沢を渡り、右斜面をトラバースするように緩やかに登っていきます。再び沢を渡ると、巨木百選に選ばれているとちの木・コブ太郎が現れます。

コブ太郎は、樹齢250年の高さ22m、幹周5.3mを越す大きな栃の木で「森の巨人たち百選」に選出されています。周囲には、デッキとベンチが設置されており、コブ太郎を見上げながら休憩することができます。

コブ太郎を過ぎると、水飲み場があり続いての巨木「大王トチノキ」が現れます。樹齢は、コブ太郎よりも古いと言われていますが、特に看板等の設置はありません。ここら辺から、原生林の北斜面の急登となります。

標高差250mほどの急登を登りきると、稜線に上がり槙沢コースとの分岐となります。分岐からは、約10分ほどのビクトリーロードを経て山頂に到着です。

山頂部は、これまでの樹林帯とは打って変わって遮るもののない360度の大展望が広がっています。真っ先に目に飛び込んでくるのは、西側の八ヶ岳連峰で、千曲川を挟んで真正面にそびえる雄大な姿が圧巻の光景です。北に佐久平の街並みとその向こうに浅間山が、東には妙義山や榛名山など、南に金峰山や南アルプスなどが広がります。

【槙沢ピストンコース】

①槙沢登山口→60分→②大クリの木→35分→③霧久保沢分岐→10分→④茂来山→10分→⑤霧久保沢分岐→30分→⑥大クリの木→50分→⑧槙沢登山口

必要日数 日帰り登山
総コースタイム※ 3時間15分
距離 約4.1km
累積標高 約600m
難易度 ★★☆☆☆

霧久保沢コースと比べると、やや距離も短く標高差も小さいため、コースタイムで40分ほど短いコースになります。ただし、茂来山らしい急登区間もありますので、霧久保沢コースと大して変わらないでしょう。

槙沢コースの登山口も、国道299号線から林道へ入り、途中から無舗装の狭い道となります。車幅や車高、往来に気を付けながら林道を奥に突き進んでいくと、林業の管理小屋のある駐車スペースに到着します。林道の路肩スペースに作られた駐車場は、約10台ほどのスペースとなっています。トイレ等の施設はありません。

登山口から林業でも使用されているであろう広めの道を進みます。谷沿いに進んでいき、やがて白樺平と呼ばれる場所へ上がる急登となります。急登を終え尾根上に上がると、「大クリの木」がある平坦な場所になります。この先には、またさらに急傾斜な上り坂が待っていますので、ここら辺で休憩とするとよいでしょう。

写真はイメージです

白樺平からは、左右に急斜面が迫る尾根上の急登区間となります。ところどころに岩場の段差があったり、左右が狭い区間や高度感を感じるような場所もあるので注意が必要です。200mほどの急登を終えると霧久保沢コースと合流し、10分ほどで登頂となります。

茂来山のQA

茂来山に関する質問で多いのは、登山ルートや気温・積雪などに関することです。このような質問について以下QAを紹介します。

茂来山の登山レベルは?初心者でも登れる?

茂来山の登山ルートは、どのルートでも初心者から上級者の方まで、だれでも登ることができます。ただし、急登区間があり思いのほか疲労をかんじることもありますので、時間には余裕をもって行った方が良いでしょう。

また、茂来山は地元でも人気の山で、登山道はよく整備されており道迷いの心配はありません。鎖場や岩場などの危険箇所もないため、安心して登山を楽しめるでしょう。

茂来山の気温は?どんな服装で行けばいい?

茂来山のある佐久穂町の月ごとの平均最低気温と最高気温を下記の表にまとめました。冬の最高気温は氷点下となり、夏でも25度近くと冷涼な気候です。

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高 -1.9 -2.3 6.1 13.2 18.2 20.6 24.0 25.5 20.5 15.2 10.5 4.8
最低 -9.5 -9.0 -6.0 -0.1 5.0 10.9 15.3 16.2 12.2 4.4 -1.2 -6.4

1日の寒暖差が激しく、脱ぎ着できる服装で対応する必要があります。夏でも日によっては冷え込む場合があるため、春や秋と同様に一枚羽織れる上着を持っていくといいでしょう。同時に、日中はとても高温になることもあります。熱中症対策も万全にして出かけるようにしましょう。

冬期間はしっかり冷え込みますし、豪雪地帯ではないものの積雪地域に位置しています。積雪直後などの深い時には膝上以上の積雪にもなりますので、冬期登山の際には十分な下調べと装備・経験が必要です。また、どちらの登山口までの道は積雪があり圧雪路や凍結路となりますので、こちらも注意が必要です。

茂来山で見られる山の花は?見ごろは?

バイカツツジ

茂来山では、晩春から初夏にかけて様々な山野草のお花を見ることができます。下の表に見ごろと一緒にまとめて紹介しますので、参考にしてみてください。

山の花 見ごろ 山の花 見ごろ
スミレ 4~5月 コンロンソウ 6月
ニリンソウ 4~5月 ワチガイソウ 6月
ヤマブキ 5月 ミヤマハコベ 6~7月
バイカツツジ 5月 レンゲショウマ 6~7月
ラショウモンカズラ 5~6月 サンヨウブシ 7~10月

登山口へのアクセス・各種情報

どちらの登山口へも、アクセスは車がおすすめです。冬季は、路面に積雪が合ったり凍結していることもありますので、十分にご注意ください。

霧久保沢登山口

登山口情報

長野県佐久穂町の中部横断道佐久穂インターから、十文字峠へ向かって国道299号線を進みます。左手に出てくる茂来山コブ太郎の看板のすぐ先の交差点に、右手に茂来山登山口を案内する看板があります。

右に曲がり、看板に従って林道に入り、途中から無舗装の林道を進むと駐車場になります。駐車場は広く、20台ほどの駐車スペースがありますが、トイレ等の施設はありません。

登山口までのアクセス

佐久穂町方面から

佐久穂ICから車で約25分(※下のGooglemapでは、駐車場までの林道が表示されませんので、登山口入口の案内看板のある交差点までの道のりを表示しています。)

槙沢登山口

登山口情報

長野県佐久穂町の中部横断道佐久穂インターから、十文字峠へ向かって国道299号線を進みます。右手に茂来山登山口を案内する看板がある交差点を右に曲がります。その後は、案内看板に従って林道を奥に奥に進んでいくと駐車場になります。

林道管理小屋の脇にある路肩スペースが駐車場になります。駐車場はそこまで広くはありませんが、10台弱ほどの駐車スペースがあります。トイレ等の施設はありません。

登山口までのアクセス

佐久穂町方面から

佐久穂ICから車で約20分

茂来山周辺のおすすめ山旅スポット

のぞみサンピア佐久

出典:のぞみサンピア佐久

茂来山のある佐久穂町周辺には、あまり温泉施設がなく、佐久平方面で比較的近い距離にある温泉施設です。浅間山を一望できる高台にあり、大きな窓で開放感たっぷりの内湯や露天風呂で景色と温泉をゆっくり楽しむことができます。日帰り入浴は、大人一人950円でタオルレンタルもあります。

他にも、食事処をはじめ、BBQやドッグラン、グランピングなど施設が充実しており、登山の後の疲れを癒したり、登山とあわせて山旅を楽しめるスパリゾートとなっています。

カレー屋 ひげめがね

出典:カレー屋 ひげめがね

元大手食品メーカーでスパイスを専門にしていたご主人のカレー屋さんで、平日の昼間でもお客さんが多く満席になるほどの人気店です。パキスタンカレーやバターチキンカレーが人気で、スパイスマスターのご主人ならではの、本格的な絶品のスパイスカレーがいただけます。

営業時間は、火・水・土の11:30~15:00と限定的ですが、それでもいつも満席になるほどの人気店です。時間が合えば、ぜひ茂来山登山とともに寄ってみてはいかがでしょうか。

potta

地元・佐久穂町のそば粉を使用したガレットが人気メニューのオシャレなカフェです。佐久穂町に移住した夫婦が古民家を改修して営んでおり、オシャレで居心地のいい空間が広がっています。

地元の食材をふんだんに使った人気のガレットやクレープのほかに、エビカレーやサルサライスなどのお食事メニューもあります。他にも、注文を受けてから豆を挽く、こだわりのコーヒーなどのドリンクメニューも豊富です。

水~土の11:00~17:00と夕方まで営業していますので、茂来山の登山帰りに寄ってみてはいかがでしょうか。

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