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【名峰・雨飾山と日本海】絶景が広がる大渚山の難易度別登山コース紹介

【名峰・雨飾山と日本海】絶景が広がる大渚山の難易度別登山コース紹介

大渚山(おおなぎやま)は、長野県小谷村に位置しており、「信州百名山」に選ばれている里山です。

名峰・雨飾山の手前に位置しており、山頂からは雄大な雨飾山と日本海を一望できます。また、北アルプス北端から槍ヶ岳まで望め、東側には妙高戸隠連山の山々を眺めることのできる非常に展望に優れた山です。

登山口である湯峠からは、標高差350mほど、コースタイムにして3時間ほどで山行可能なことから、地元の学校登山も行われるような初心者の方でも挑戦しやすい山です。一方で、その立地から冬には数mにもおよぶ積雪があり、バックカントリーを楽しむ方々が集まることでも知られています。

この記事では、大渚山の基本情報や魅力、登山コースごとの特徴などを紹介しています。大渚山登山を計画している方や、小谷村周辺の観光に興味がある方はぜひ参考にしてみて下さい。

大渚山の基本情報と魅力

大渚山は、長野県小谷村にある標高1,566mの山です。西の姫川温泉と東の小谷温泉をつなぐ稜線上に位置する最高峰で、北には5kmほどの距離で雨飾山がそびえ立っています。

日本海側に位置するため、冬には豪雪となり、古くから山スキーの名所として知られていました。最近になって、頂上からの素晴らしい展望と登りやすいアプローチから登山道が整備され、無雪期にも登山者で賑わう山と変化しました。

周囲にも見所の多い山で、すぐ近くには周囲2kmほどの小さな鎌池があります。ブナ林に囲まれた神秘の池は、新緑や紅葉を映しこみ、幻想的な風景を作り出します。また、幻の滝と言われる尾丸の滝も近くにあるなど、観光スポットが多くあります。

大渚山は、1年中登山者の絶えない山ですが、冬は湯峠までの道が冬季通行止めとなります。積雪期の入山は、バックカントリーの方が中心となり、登山道のないバリエーションルートとなります。そのため、一般登山者は無雪期の6月から11月までの間が良いでしょう。

おすすめの時期は10月ごろで、雨飾高原一帯に広がる紅葉を楽しんでみてはいかがでしょうか。

山の名前 大渚山(おおなぎやま)
標高 1,566m
エリア 上信越
詳細情報 大渚山の地図・天気

魅力その①雨飾山と日本海を望む絶景

大渚山の最も大きな魅力が、雨飾山とその奥に広がる日本海を同時に眺められることでしょう。日本百名山の一つで、毎年多くの登山者が訪れる人気の雨飾山ですが、そのゴツゴツとした無骨でカッコいい山容を見るには絶好のポジションにあるのが、この大渚山です。

大渚山は雨飾山から前沢を挟んで約5kmほどの距離で、実際に眺めるとその雄大さに圧倒されるほどです。左の尾根をたどっていくと、糸魚川市の向こうの日本海まで見渡すことができます。

それだけではなく、西側の北アルプスや東側の妙高戸隠連山など、山頂からの展望は抜群です。

魅力その②一面に広がる深い森の紅葉

大渚山や雨飾山のある小谷村は、長野県と新潟県の県境あたりに位置しており、自然の多く残る地域です。中でも、姫川温泉から東側の雨飾山にのびる前沢周辺や雨飾高原、小谷温泉周辺は、森が深く紅葉が非常に美しいことでも知られています。

大渚山からは、この前沢から雨飾山にかけての広い森に広がる紅葉のグラデーションを楽しむことができます。また、登山口近くにある鎌池では紅葉した木々が水面に映し出される水鏡が非常に美しく、写真家に人気のスポットです。

魅力その③歴史ある秘境の温泉

小谷温泉は、標高900mの山奥にあり、まさに秘境の温泉といった場所に位置しています。1550年頃の川中島の合戦の際に武田信玄の家臣によって発見されたと言われています。

歴史ある小谷温泉は、自然湧出の天然温泉であり、加温や加水が一切ない源泉かけ流しの貴重な温泉です。以前は数軒の温泉旅館がありましたが、今では山田旅館一軒のみとなってしまいましたが、通年で営業しており、日帰り入浴も可能です。

無雪期には、小谷温泉奥の湯の雨飾山荘も源泉かけ流しで営業しております。日帰り入浴はやっていませんが、近くにある露天風呂は日帰り入浴可能です。

新潟県側には、県境の姫川を挟んで両県にまたがって広がる姫川温泉もあります。大渚山登山の後には、ぜひお好きな温泉に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

大渚山の難易度別おすすめ登山コース

【湯峠ピストンコース】

①湯峠登山口→80分→②東峰→15分→③大渚山→15分→④東峰→60分→⑤湯峠登山口

必要日数 日帰り登山
総コースタイム※ 2時間50分
距離 約3.3km
累積標高 約350m
難易度 ★☆☆☆☆

雪のない時期に大渚山へ登る夏道ルートで、車で湯峠まで向かえば、残りは標高差350mほどの登山となります。往復3時間ほどのコースタイムで、初心者の方でも登ることのできるコースです。とはいえ、急登や崖となっている区間もあるので注意が必要です。

登山口となる湯峠へは、新潟県糸魚川市と長野県小谷村の境にある姫川温泉から林道を進むか、長野県小谷村の小谷温泉口から山田旅館や雨飾荘を過ぎて林道を進むかです。

姫川温泉から来る道は、途中から無舗装の砂利道となるので注意が必要です。また、例年11月中旬から5月下旬までは冬季通行止めとなり、アクセスすることはできません。

湯峠には路肩に無舗装の駐車スペースがあり、15台ほどの駐車が可能です。トイレ等の施設は、ありません。

駐車場奥に、石に大渚山登山口と書かれた案内表示があり、そのわきの階段から登山道が始まります。登山道は、草木が生い茂り眺望の効かない緩やかな道が続いています。

1,365mの小ピーク手前で、木々の合間から雨飾山の岩壁が見え隠れします。ピークを超え鞍部まで下りると、その先からはいよいよ傾斜が強くなり、大渚山への登りが始まります。

やがて木々の間からひょっこりと山頂部が顔を出すと、右側が大きく崩壊した箇所となります。足を踏み外さないように注意しながらも、崩落地であるからこそ北西の糸魚川方面の深い森と雨飾山の眺望が一気に開け、素晴らしい景色が目の前に広がります。

再び木々に覆われ、眺望の効かない急登区間に入りしばらく登ります。うっそうと生い茂る登山道から、徐々に空が明るくなると一旦傾斜が落ち着きます。ここまで来れば大渚山の頂上部までは、もう一段残すのみといった感じです。

東峰への分岐手前で、右側が崩落した50mほどの急登を登ります。右側は崩れ落ちており、やや高度感を感じるポイントです。トラロープもかけられており、浮石などの不安定な足場に注意しながら慎重に進みましょう。

崩落した急登区間をクリアすると、東峰との分岐になります。分岐からは数分で着く距離なので、ぜひ寄ってみると良いでしょう。崩落部の上に位置する東峰は、周囲の眺めがよく、特に雨飾山は絶好の位置にあり、壮大な眺めを堪能できます。

東峰からは、ほぼほぼ平坦な山頂部を15分ほど歩いて大渚山山頂となります。当方からの稜線や山頂周辺は、樹木に覆われており、あまり眺望は望めません。

しかし、大渚山山頂には1階が避難小屋となっている展望台が設けられており、高い位置から360度の大展望を見渡すことができます。

大渚山のQA

大渚山に関する質問で多いのは、登山ルートや気温・積雪などに関することです。このような質問について以下QAを紹介します。

大渚山の登山レベルは?初心者でも登れる?

大渚山の登山ルートは、初心者から上級者の方まで、だれでも登ることができます。また、大渚山の登山道はよく整備されており、道迷いやルート外れの心配は少ないでしょう。ただし、急登区間やロープのある崩落地がありますので、経験者とともに時間に余裕をもって行った方が良いでしょう。

また、冬場には多雪地域であり、湯峠までの道は冬季通行止めとなります。バックカントリーで入山される方が多くいらっしゃいますが、夏道のような登山道はありませんので、上級者の方のみ入山可能となります。

大渚山の気温は?どんな服装で行けばいい?

大渚山のある小谷村の月ごとの平均最低気温と最高気温を下記の表にまとめました。真冬には最高気温が氷点下となり、夏でも25度以下と冷涼な気候です。

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高 -2.9 -1.6 2.3 8.7 15.7 19.5 23.1 24.1 20.2 14.3 7.5 0.2
最低 -8.5 -7.8 -5.1 -0.4 5.9 11.4 16.1 17.0 13.5 7.2 0.4 -6.0

夏でも天候次第では肌寒く感じる日もあるので、春や秋と同様に一枚羽織れる上着を持っていくといいでしょう。また、日中はとても高温になることもあります。熱中症対策も万全にして出かけるようにしましょう。

冬期間はしっかり冷え込みますし、長野県内でも豪雪地帯に位置しています。積雪直後などの深い時には膝上以上の積雪にもなりますので、冬期登山の際には十分な下調べと装備・経験が必要です。また、どちらの登山口までの道は積雪があり圧雪路や凍結路となりますので、こちらも注意が必要です。

大渚山から見られる山は?

大渚山の大きな魅力の一つが、その展望の良さです。間近にそびえたつ名峰・雨飾山はもちろんのこと、360度見渡す限りに憧れの山々がそびえています。

北側にあるメインの雨飾山から、西側には日本海が見え、北アルプスの北端から白馬三山、五竜岳や鹿島槍ヶ岳、そして槍ヶ岳まで望むことができます。

東側には、妙高山乙妻山、高妻山、戸隠山などの山々が広がっており、信越地方を代表する山々を見渡せる絶景スポットです。

登山口へのアクセス・各種情報

どちらの登山口へも、アクセスは車がおすすめです。冬季は、路面に積雪が合ったり凍結していることもありますので、十分にご注意ください。

湯峠登山口

登山口情報

長野県白馬村から新潟県糸魚川市へ抜ける国道148号線から、雨飾高原へ向けて長野県道114号線を進んでいきます。雨飾旅館などを過ぎ、狭い県道をさらに奥へ進んでいくと、左手の路肩に駐車スペースのある湯峠へと到着します。

駐車場は、15台ほどが駐車可能な無舗装の路肩スペースで、トイレ等の施設はありません。例年11月中旬から5月下旬までは、冬季通行止めとなるので注意が必要です。

登山口までのアクセス

新潟県糸魚川市から

糸魚川ICから車で約1時間20分

長野県安曇野市から

安曇野ICから車で約1時間45分(※下のGooglemapでは、新潟県糸魚川市から林道に入っていますが、手前の小谷温泉口の交差点を右折して行くと1時間45分程度で着きます。)

大渚山周辺のおすすめ山旅スポット

雨飾高原 露天風呂

出典:雨飾荘

雨飾荘が管理する露天風呂で、こちらも小谷温泉奥の湯が源泉かけ流しとなっています。入浴料は寸志となっており、冬季閉鎖期間外の5月から11月中旬まで入浴することができます。

大自然の中にある露天風呂で開放感たっぷりです。アメニティの類はありませんが、男女は分かれていますし、トイレもあり安心して利用できます。

大渚山や雨飾登山の後に、登山を思い出しながらゆっくりと浸かりたい露天風呂です。

山田旅館

出典:小谷温泉 山田旅館

約500年前に武田信玄の家臣が川中島の戦いの織に見つけたと言われている小谷温泉において、いまでも当時と同じく自然湧出の源泉を用いて営業している温泉旅館です。

敷地内には、元湯と新湯の2つの源泉が湧き出ており、加水や加温することなく浴槽にかけ流されているとても新鮮な温泉です。良質で効能豊かな温泉は、古くから湯治療法にも用いられてきました。

広い敷地の中に、江戸時代の建造物と言われている本館や大正時代の宮大工による新館など歴史を感じる建造物が多くあります。浴室も同じように元湯は大正ロマンを感じさせる作りで、100年以上変わらない浴槽に2mの滝となって温泉が落とされています。

また、薬師堂の建物を利用して作られた外湯は、展望露天風呂となっており、自然豊かな小谷の森や山を眺めながらゆっくりと入浴できます。大渚山や雨飾登山の際には、ぜひ立ち寄りたい秘湯の温泉宿です。

蕎麦屋蛍

小谷温泉から姫川に下りていく途中にある古民家の蕎麦屋です。店内には、オイルランプが垂らされており風情ある日本の原風景といった雰囲気で落ち着く空間になっています。

手打ちの蕎麦は、そば殻が練りこまれている「深里」とそばの実だけで練りこまれている「螢の緑」と2種類の手打ちそばが選べます。また、地元の季節の食材を使った天ぷらも人気メニューです。

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