毎年2月に雲取山へ雪景色を楽しみにいくことが恒例行事になっています。東京で一番高い山「雲取山」は標高2,017メートルの奥秩父山塊の一部で、奥多摩駅から瑞牆山までの約70キロを縦走すると通る山でもあるのですが、この縦走をいつか達成してみたいと密かに思っています。
2月に雲取山に行くときはテントを背負って、多くは奥多摩小屋のテン場に泊まるのですが、行動が止まった時の防寒着として厚手のダウンジャケットが欲しかったんです。ただし厚手といっても、2月の山の中でしか使えないようなオバースペックのものではなく、できれば1年中、寒いと予想される山にも持ち歩きたいと思ったので、暖かさと軽さとコンパクト性を兼ね備えたダウンジャケットを探して行きついたのがRabのインフィニティージャケットです。
Rabインフィニティージャケットのフィルパワー
Rabのインフィニティジャケットのフィルパワーは850FPです。フィルパワーは羽毛1オンスあたり、膨らむ容量を立方インチで示したもので、850FPの場合は1オンスの羽毛が850立方インチの体積に膨らむことを表しています。
じゃあ、何故フィルパワーが高いと暖かいと言われているのか?同じダウン容量でも体積が膨らむことで、羽毛間に細かな沢山の空洞ができて、空気を多く蓄えることができるんです。そうするとデッドエアーが出来るので暖かく保つことができるというわけです。
ダウンジャケットの見極め方
デッドエアーを簡単に説明すると魔法瓶の外側に断熱層があり、それによって中の液体が冷めないようにするのと同じ考え方です。
ダウンはこの「膨らむ」という特性から、膨らむ率が高ければ暖かくもあり、コンパクトにも収納でき、軽くもなる。だから重量があるダウンがイコール暖かいとは限らないんです。フィルパワーが高ければデッドエアーの体積が増えるので保温性に優れていると言えます。
高品質という言葉がダウン製品に使われることがあると思うんですが、これはフィルパワー以外にも、羽毛の汚れ、埃、臭いなどの品質基準が設けられているようで、高品質の羽毛=フィルパワーが高いというのは誤りのようです。ダウン製品を見極める際に知っておくと便利です。
※参考サイト:Japan Textile Products Quality and Technology Center
Rabインフィニティージャケットの柔らかさの秘密
Rabのインフィニティジャケットに使用されている生地はPertexQuantum®GLで、7Dという非常に薄い生地を採用しています。Pertexの特徴は、ナイロン素材の高密度織物で、薄く、軽量で、更に耐水性と通気性に優れています。薄いからといって軟な生地ではなく、引き裂き強度も高いというのが特徴です。
Pertexには「QUANTUM」(カンタム)シリーズ、寝袋などに使用される「MICROLIGHT」(マイクロライト)、「CLASSIC」(クラシック)などが有名で目にしたことも多いと思います。
QUANTUM」(カンタム)シリーズは、パーテックスの中でも最も軽量性に優れた素材として知られていて、20デニール以下の素材が中心で、その軽量性と通気性からダウン製品に最適な素材かと思います。しなやかで光沢のある表情が特徴で、非常にコンパクトにすることも可能です。
Rabインフィニティージャケットの特徴
ダウンが偏らないように、前面の縫製は正方形に細かく作られています。
後見頃は長方形となっており、通気性と軽量性を叶えた作りとなっており、裾がテールで前に屈んでも、めくり上がって熱が逃げないような作りとなっています。
収納は別で収納袋が付いているんですが、アウトドアに出かけると小さな袋がどこかへいってしまうなんていうのはザラで、「あれどこいった?」なんて探している間に身体が冷えてくるなんていうのもばからしく、袖口に収納しています。
袖口に収納することで、おおよそペットボトルほどの大きさになります。
Rabはイギリスのメーカーです。イギリスって日本と同様に1年の中に四季があって、雨も一年を通して多いんです。更に1日の中にも四季があると言われるように、夜と昼の寒暖差が激しいんです。そんな環境で作られたメーカーだけあって、日本人の求めるものにマッチしているようにも感じています。