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【信州木島平の山奥に広がる大自然】カヤの平から登る高標山の難易度別登山コース紹介

【信州木島平の山奥に広がる大自然】カヤの平から登る高標山の難易度別登山コース紹介

高標山(たかっぴょうやま)は、長野県木島平村の大自然に囲まれたカヤの平高原にあります。「信州ふるさと120山」に選ばれており、北信州の隠れた人気登山コースになっています。

志賀高原と秋山郷の間に位置する高標山の山頂からは、北信州に広がる奥山の景色を一望できます。特に、秋に広がる紅葉の景色は美しく、きらびやかな絶景スポットとなります。

また、登山口になるカヤの平高原では、キャンプやトレッキングなど大自然の中で過ごすことができます。ブナの原生林やシラカバなどの美しい樹木の中で、日常の喧騒から離れた素晴らしい体験が得られるでしょう。

この記事では、高標山の基本情報や魅力、登山コースごとの特徴などを紹介しています。高標山登山を計画している方や、木島平村周辺の観光に興味がある方はぜひ参考にしてみて下さい。

高標山の基本情報と魅力


高標山は、長野県の北部・木島平村に位置する標高1,747mの山です。自然豊かなカヤの平高原とともに人気のトレッキングエリアです。

高標山の登山口となるカヤの平高原は、標高1,500m付近に広がる比較的平らな地形となっています。高標山山頂から北・西・南の3方向は、それなりの急斜面が囲んでいるのに対して、カヤの平のある東側だけは、緩やかに高原が広がる特徴的な地形となっています。これは、山頂からも間近に見える志賀高原火山群が数十万年前に噴火した際の火砕流が堆積してできたとされています。また、高標山もこの噴火による溶岩流によって形成されたとされています。

そんなカヤの平高原から高標山には、ブナの原生林やシラカバ、ダケカンバなどが群生しており国有林として管理されています。人々の喧騒からはかけ離れた、豊かな自然を大満喫できる空間が広がっています。

高標山は、カヤの平高原までの林道が通行可能な5月~11月まで登山ができる山です。おすすめの時期は10月ごろで、深い自然の中でブナやシラカバの美しい紅葉を楽しんでみてはいかがでしょうか。

山の名前 高標山(たかっぴょうやま)
標高 1,747m
エリア 上信越
詳細情報 高標山の地図・天気

魅力その①大自然に囲まれた空間

カヤの平高原

高標山は、長野県の北信地方にある木島平村の中心から車で30~40分かけて山の中へ入っていったカヤの平高原というところに登山口があります。カヤの平高原一帯は、志賀高原と秋山郷の中間あたりに位置しており、とても山深い場所となっています。ブナの原生林やシラカバ、ダケカンバ、カラマツの森が広がり、四季折々の景色、清々しい空気と静寂が魅力的な場所です。

登山道は、踏み跡は明瞭なものの笹が生い茂っており藪漕ぎのような場面もあります。また、ツキノワグマの生息地であり、目撃情報も多くあります。大自然だからこそ気を付けなければいけないことも多くありますが、普段の登山とは雰囲気の異なり、人気の少ない静かで自然を満喫できる登山となるでしょう。

魅力その②ブナやシラカバなどの色とりどりの紅葉

秋が訪れると、カヤの平高原一帯は美しい紅葉の世界に包まれます。ブナの葉が黄色く色づき、カラマツの金色、白樺の淡いオレンジにダケカンバの赤褐色と華やかで燦然とした森へと変化します。

高標山の登山道は、歩みに合わせて色彩が変わっていくきらびやかな登山道となります。また、山頂からはカヤの平高原周辺の深い森を一望でき、美しいじゅうたんのように森が広がる光景を楽しむことができるでしょう。

魅力その③カヤの平高原周辺アクティビティ

出典:カヤの平高原キャンプ場

高標山の登山口となるカヤの平高原では、素晴らしいアウトドアアクティビティを体験できるでしょう。キャンプ場には、フォレストエリアやフィールドエリアなどの3つのキャンプエリアと木造のかわいらしいロッジにも宿泊できます。

周辺は遊歩道が整備されており、ありのままの大自然の中で樹齢300年を超すブナの原生林や、ニッコウキスゲが群生する湿原などを廻ることができます。

高標山の難易度別おすすめ登山コース

【カヤの平ピストンコース】

①カヤの平駐車場→5分→②高標山林道ゲート→15分→③高標山登山口→90分→④高標山→60分→⑤高標山登山口→15分→⑥高標山林道ゲート→5分→⑦カヤの平駐車場

必要日数 日帰り登山
総コースタイム※ 3時間10分
距離 約7.5km
累積標高 約430m
難易度 ★★☆☆☆

高標山登山の最もメジャーなコースです。7kmの距離で標高差450mほど、コースタイムにして3時間ほどですので、短すぎず長すぎないちょうどいい負荷のコースなのではないでしょうか。

登山口は、長野県下高井村の山奥にあるカヤの平高原総合案内所になります。25台ほどの駐車スペースがあり、トイレも無料で使用することができます。

ただし、多雪地域であり、カヤの平に向かう林道は冬季通行止めとなりますので、アクセス可能なのは5月~11月の間のみになります。

カヤの平高原総合案内所の駐車場から、キャンプ場の中の一本道を歩いていくと、右手に無舗装の林道となるT字路になります。ここから、右手の林道に入ると、すぐに車止めのゲートとなります。

ここから登山口までは、200mほどの下りとなります。途中には、沢のような水場もあります。林道の左右には、深い笹藪が覆っており、これから入る山の深さを物語っています。

15分ほどの林道歩きで、登山口となります。向かって左側に、うっそうとした緑をかき分けるように道が伸びています。案内看板が二つあり、片方の英語表記は「Mt.Tappyou」、もう一方は「Kohyosan」と書かれています。地元では、こうひょうさんと呼ぶこともあるようです。

登山道は、幅があり歩きやすく明瞭です。カラマツ林の中の緩やかに登っていく登山道を進みます。秋には、カラマツやシラカバの紅葉で、とても美しい登山道へと様変わりします。進んでいくにつれ大きなブナの森に変わったり、ダケカンバの群生に変化したりと、植生の変化も楽しめるでしょう。

写真はイメージです

やがて、高標林道との分岐点になります。案内看板がありますが、笹が生い茂っており分かりづらいところですので、地図などで十分に確認をして道迷いには注意しましょう。分岐の後も笹薮は続きます。登山道の踏み跡は明瞭ですので、前方の視界は悪いですが足元をよく見ながら行けば問題ないでしょう。

山頂までの中間点ほどのところに、少し湿地帯のようになっている箇所があり、ここら辺はツバメオモトやマイヅルソウの群生地となっています。開花期には、白や黄色の小さくかわいらしいお花を楽しめます。

マイヅルソウ

やがて、周囲の木々が低くなり頭上に空が広がるようになると、すぐに山頂に到着となります。山頂部は、藪が刈りはらわれており小さな祠が一つ祀られています。

ここまでの登山道とは打って変わって、山頂からは北信五岳や千曲川、高井富士とも呼ばれる高社山、空気が澄んでいる日には遠く北アルプスまで眺めることができます。また、東側には秋山郷の鳥甲山や苗場山、志賀高原の岩菅山や竜王山などの山々が並んでいます。

【高標山周回コース】

①カヤの平駐車場→5分→②高標山林道ゲート→15分→③高標山登山口→90分→④高標山→40分→⑤高標林道終点→120分→⑥高標林道→10分→⑦カヤの平駐車場

必要日数 日帰り登山
総コースタイム※ 4時間40分
距離 約11km
累積標高 約430m
難易度 ★★☆☆☆

高標山山頂近くまで伸びている林道を使って下山する周回コースです。大きく迂回するように曲がっている林道を歩くため距離が長くなり、コースタイムも長くなります。

しかし、傾斜は緩やかになり歩きやすいため、疲労感はさほど変わらないでしょう。登山口は、カヤの平駐車場をスタートとするためピストンコースと変わりません。

案内看板のある分岐点から高標林道方面の登山道へと下ります。こちらも思いのほか登山者がいるらしく、明瞭な踏み跡があります。山頂から40分ほど、分岐から10~15分ほどで高標林道へと出くわします。急傾斜や岩場などは全くありませんので、道迷いと熊にだけ注意すれば問題ありません。

高標林道は、緩やかに大回りをしながら下っていきます。特に見所もなく、延々と林道を4~5kmほど歩くと、カヤの平高原の舗装路へと戻ります。そこから、歩いて5~10分ほどでカヤの平高原総合案内所となります。

高標山のQA

高標山に関する質問で多いのは、登山ルートや気温・積雪などに関することです。このような質問について以下QAを紹介します。

高標山の登山レベルは?初心者でも登れる?

高標山の登山ルートは、初心者から上級者の方まで、だれでも登ることができます。距離、標高差ともに大きくないので、体力的には老若男女誰でも挑戦できるトレッキングコースです。ただし、夏の草木が生い茂る時期には、登山道を隠すように笹薮が繁茂します。道迷いには十分に注意したほうが良いでしょう。

また、ツキノワグマの生息域で目撃情報も多くありますので、熊鈴や撃退スプレーなど対策が必要です。 冬場には多くの積雪があり、アクセス道は冬季通行止めとなります。山スキーなどで入山される方もまれにいらっしゃいますが、基本的には冬には登山のできない山となります。

高標山の気温は?どんな服装で行けばいい?

高標山のある下高井村の月ごとの平均最低気温と最高気温を下記の表にまとめました。夏場でも平均最高気温は30度に届かず、冷涼な気候にあります。

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高 -2.8 -1.4 2.6 8.9 16 19.6 22.9 24 20.1 13.9 7.4 0.5
最低 -9.2 -8.4 -5.4 -0.5 5.9 11 15.5 16.3 12.7 6.4 -0.3 -6.5

夏でも天候次第では肌寒く感じる日もあるので、春や秋と同様に一枚羽織れる上着を持っていくといいでしょう。ただし、登山道の大半は樹林帯であり、湿気の多い蒸し暑さに見舞われる場合もあります。気温差に対応できる服装が望ましいでしょう。

春・秋は他地域と異なり冬のように寒くなります。アウターやフリースなどを持参し、防寒対策は十分に行い備えましょう。

高標山で見られる山の花は?見ごろは?

ツバメオモト

高標山やその周辺のカヤの高原では、初夏から夏にかけて様々な山野草のお花を見ることができます。特に、6月ごろのサンカヨウロードや7月のツバメオモトの群生などの人気が高く、多くの登山者が訪れます。

下の表に代表的なお花の見ごろを紹介していますので、参考にしてみてください。
山の花 見ごろ 山の花 見ごろ
ミツバツツジ 4~5月 マイヅルソウ 6月
オオカメノキ 5~6月 ツバメオモト 6~7月
エンレイソウ 5~6月 サンカヨウ 6~7月
イワナシ 5~6月 ユキザサ 6~7月
ムラサキヤシオ 5~6月 ミツバオウレン 6~7月

登山口へのアクセス・各種情報

カヤの平高原総合案内所

登山口情報

長野県下高井村と志賀高原をつなぐ国道403号線から、案内看板に従って林道に入り13kmほど進んだ先にあります。カヤの平高原総合案内所には、25台ほどの駐車場があり、トイレも使用できます。例年、11月から5月までは林道が冬季通行止めとなるためアクセスできません。

登山口までのアクセス

長野県中野市から

信州中野ICから車で約1時間20分

長野県飯山市から

豊田飯山ICから車で約1時間15分

高標山周辺のおすすめ山旅スポット

馬曲温泉 望郷の湯

出典:木島平村観光振興局

木島平村から馬曲川沿いに山間へ入っていった先にある人気の秘湯です。露天風呂からは、地域を代表する高社山や遠く北アルプスまで見渡せる絶景が広がっています。四季折々の表情を見せる景色ですが、中でも雪景色は特に美しく、東日本一の雪景色が美しい温泉にも選ばれています。休憩所や食事処もあり、登山のあとに寄りたい温泉です。

信州よませ温泉 遠見の湯

信州よませ温泉 遠見の湯は、長野県下高井郡山ノ内町にあるホテルセランにある温泉施設で、日帰り入浴も可能です。北信濃を代表する高社山(高井富士)の南東側山腹に位置しており、よませ温泉スキー場のすぐ下にあります。広く開放感たっぷりの露天風呂からは、露天風呂から北信五岳や北アルプス、千曲川が一望でき、絶景を楽しめます。高標山からの帰り道沿いにあり、寄りやすい温泉施設です。

道の駅 ファームス木島平

出典:道の駅 ファームス木島平

高標山のふもと、木島平村にある道の駅で、季節の農産物や加工品を販売しています。木島平の豊かな自然ときれいな水で育てられたお米をはじめ、信州サーモンや野菜などの特産物が人気です。

また、手作りジェラートを楽しめるカフェや木島平名物の火口そばを食べられるお食事処などの施設も併設されています。

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