透湿性に優れているレインジャケットは汗をかくようなシーンにおいて、快適に行動することができ、さらにはレインジャケットとしてだけでなく、ウィンドブレーカーのような使い方もできるので、結果登山装備の軽量化にインパクトを及ぼすことができます。
今回紹介するRabのキネティックアルパイン2.0ジャケットは非常に高い透湿性を備え、さらにはストレッチ性によって動きやすく、アルパンエリアにおいて、高い耐久性のある安心感のあるレインジャケットです。
今回はRabのレインジャケットの中でもストレッチ性と透湿性を備えたキネティックジャケット3種類の中のキネティックアルパイン2.0ジャケットの位置づけと、キネティックアルパインがアルパンエリアで安心して使えるデザイン性、そして最後に実際に着用したレビューを紹介していきます。
3種類の中のキネティックアルパイン2.0ジャケットの位置づけ
Rabのオリジナル素材『Proflex™』を使用した、高い透湿性と、ストレッチ性を兼ね備えたキネティックジャケットには3種類のモデルがあります。
最も軽量なモデルがキネティックウルトラジャケットで、重量はMサイズで277グラムです。
続いて中間的な位置づけで汎用性に優れたモデルがキネティック2.0ジャケットで、重量はMサイズで366グラムです。
今回紹介するキネティックアルパイン2.0ジャケットはアルパインエリアでも安心して使うことができる最も耐候性と耐久性に優れたモデルで、重量はMサイズで423グラムです。
それぞれのモデルを表で比較すると、以下の通りです。
製品名 | キネティックウルトラジャケット | キネティック2.0ジャケット |
キネティックアルパイン2.0ジャケット
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価格(2024/3現在) | ¥29,700 | ¥29,700 | ¥37,400 |
耐水圧 | 10,000mm | 10,000mm |
10,000mm
フード、肩、腕、腰のサイドは20,000mm |
透湿性(/㎡-24h) | 35,000g | 35,000g |
35,000g
フード、肩、腕、腰のサイドは25,000g |
重量(Mサイズ) | 277g | 336g | 423g |
裏地 | リサイクルポリエステルバッカー | 吸水速乾ハイゲージニット |
吸水速乾ハイゲージニット
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キネティックアルパイン2.0ジャケットが、他の2つのモデルと比較して、最も異なっている点が、フード、肩、腕、腰のサイド部分に、耐水圧20,000mmの素材を使用し、激しい天候下で使用しても安心を感じさせてくれる特徴があります。
それによって透湿性は他のモデルがフード、肩、腕、腰のサイド部分も耐水圧が35,000g/㎡-24hと言う数字ですが、キネティックアルパイン2.0ジャケットは、25,000g/㎡-24hと低い数値に変わっています。
それでも最も汗をかきやすい背中や体感部分は高い透湿性を備え、雨天時に快適な登山をサポートしてくれます。
アルパインエリアで安心して使えるデザイン性
キネティックアルパイン2.0ジャケットは、アルパインエリアに特化したデザインが随所に採用されています。
フード、肩、腕、腰のサイドの耐久性の高さ
フード、肩、腕、腰のサイドには見た目からもわかるように、セラミックプリント補強が行われており、過酷でテクニカルな登山で起こりやすい、ザックや岩場との擦れに対しての摩耗や露出から保護します。触った感じもポリアミドウーブンによって滑りづらく、重量のあるザックを背負った時に摩擦によってぴったりとフィットするように感じます。
ヘルメット対応フード
3つのキネティックジャケットの中で唯一ヘルメットの上からフードをかぶることができるデザインを採用しています。フードをかぶっていない状態でも頭にしっかりとフィットするように、後頭部に設けられたドローコードで頭の周囲にフィットし、さらにフードの側面の調整を可能にするドローコードが左右に備えられています。
冷気の侵入を防ぐフィット調整
裾には左右に備えられたドローコードの先端を引っ張るだけでフィット調整を可能にし、裾からの冷気の侵入を防ぐとともに、ピタッと体にフィットさせ風のバタつきを抑えてくれます。
袖口のフィットはベルクロテープで行います。このベルクロテープの内側には、幅広の起毛素材が貼られており、ベルクロテープでフィットさせた時に、手首に気持ちよく心地よさがあります。そして手の甲側はラウンドしており他のジャケットと比べてもフィット感がとても良く感じます。これは実際に着用してみて是非感じてもらいたい優れたデザインです。
ダブルジッパーのフロント
フロントにはダブルジッパーが備えられており、小雨程度の天候時や、キネティックアルパイン2.0ウィンドブレーカーのような使い方をしている時に、フロント部分の通気性を確保するのに非常に便利です。このジッパーは耐水性の高いYKKのアクアガードジッパーで、安心感が高いのですが、少しジッパーが固いです。なので僕はジッパーワックスを塗ってファスナーの滑りを良くしています。
ジッパーの上部には起毛トリコット素材のチンガードが備えられているので、首から顎にかけてのジッパーが当たることなく肌に気持ちよくフィットしてくれます。
収納性に優れた大きなポケット
左右には手首までもゆうゆうに入れることができる大きなハンドウォーマーポケットが備えられています。このポケットは止水ジッパーで閉じることができるので、中に濡らしたくないものを収納しておくのにも便利です。
内側には左手側のみポケットが備えられており、ポケット部分に使用されている素材は非常に高いストレッチ性があるので、大きさと、この素材によってかさばるものを収納しておけます。僕の場合は厚手のグローブやゴーグルなどを収納しています。
実際にキネティックアルパイン2.0を着用したレビュー
キネティックアルパイン2.0ジャケットは、主に春のバックカントリースキーにおけるアウター、高所に行くと寒さが厳しく感じる春と秋の登山でアウターとして活用しています。僕はクライミングなどはしないのですが、耐久性をレインジャケットに求めるような3シーズンのアルパインエリアにおける登山においても安心して使用することができると思います。
実際に着用して感じるのは、とにかく蒸れづらいということと、ストレッチ性に優れているのでめちゃくちゃ動きやすいということです。
素材から感じる着心地の良さ
蒸れづらいということにおいては、汗をかきやすい登りのシーンにおいて雨が降った時に、発汗を抑えながら登山をすることができる点です。透湿性が少ないレインジャケットだと、雨には濡れないけれども汗でベースレイヤーを濡らしてしまうことが懸念されますが、このリスクを防ぐことができます。特に夏、標高が低いところで雨に降られ登山をする時にはキネティックジャケットの素晴らしさをひしひしと感じます。
動きやすい点においては、ウェアがストレッチするということの素晴らしさを様々なシーンで感じることができます。登山においては雨天時に鎖場などで岩場を登る時、また降りる時に大きく手を動かすことができ、突っ張り感がなく快適に行動することができます。
バックカントリースキーにおいては、ストックワークを快適に行え、着用している感覚が少なく行動に集中することができます。
アルパイン2.0そのジャケットが採用するデザインの良さ
厳しい環境下においてアウターに求める機能の一つに、寒さから体を守ることがあると思います。この時キネティックアルパイン2.0ジャケットのフィット感の素晴らしさを感じることが多いです。特に袖口とフード部分のフィット感は素晴らしく、ジャケットの中に冷気が入らないようにフィットさせた時に、体にピタッと吸い付くような感覚があります。
これは個人的に感じるところにストレッチする素材を使用しているからだと思います。体に強くフィットさせてもストレッチするから窮屈に感じづらく、また体を動かしても肌とウェアの摩擦がストレッチによって少なくなり、この結果によって気持ちよく感じるんじゃないかと思っています。
僕はキネティックジャケットを愛用するようになって、ストレッチするということの素晴らしさを特に登山中に感じることが多くなり、山で着用するショートパンツやロングパンツ、ウィンドブレーカーはストレッチするモデルを選ぶことが多くなったほどです。