待ちに待ったゴールデンウイークも間近!「いつかテント泊して縦走に挑戦したい。でも、山の中で寝泊まりなんて知識もないし自分にできるかな?」こんな風に思っている日帰りハイカーも多いのではないでしょうか?
まとまった休みが取れるGWは、じつはテント泊縦走するにはもってこいの時期なんです。夏山に比べ天気も安定しているうえ、気象の情報次第で休みの前半か後半かを自由に計画・変更できますしね。
そこで今回は2つのテン泊縦走プランの提案です。どうせテン泊するなら「雪上キャンプにも挑戦!」と、「百名山を2座ピークハント!」の一粒で二度おいしい縦走プランです。
今年のGWは最大で10連休。何をするかはあなた次第ですが、ステップアップに二の足を踏んでいるなら、登山の魅力がいっぱいのテント泊縦走に今こそトライするときかも。
GW登山!雪上テント泊縦走デビューは期間限定ルートで決まり|尾瀬・至仏山
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♪遥かな尾瀬 遠い空♪ 期間限定の至仏山特別ルート、今シーズンの残雪期利用期間は下記のとおりです。この期間を逃すと至仏山登山道は,、5月7日(火)~6月21日(金)まで植生保護のため閉鎖されます。
※2024年4月19日(金)~5月6日(月
※現在、例年に比べかなり雪が少ないようです。今後の天候次第では期間やルートの変更もあり得ますので、情報入手は個人の責任でお願いします。
2024シーズンの至仏山残雪期利用期間について(お知らせ) | 尾瀬保護財団
いつかはテント泊縦走、そしていつかは雪山デビューしたいと思っていたなら、GWの尾瀬・至仏山で2つ同時にチャレンジしてみることをおすすめします。幕営するテント場は至仏山荘のすぐそばですから初心者でも不安なくテン泊デビューできます。
ゴールデンウイークに尾瀬・至仏山をお勧めする理由は…
- まだまだ雪は残るが、このGWの時期は積雪期に比べ天候が落ち着いていること
- 夏山よりは装備は多くなるが積雪期よりは少なくて済む
- GW中なら天候を見ながら一日や二日ずらすなど調整が可能
一時的に閉鎖が解除されるのは、鳩待峠~至仏山~山の鼻(尾瀬ヶ原)というルート。夏山シーズンは植生を保護するため、至仏山山頂から山の鼻への下山はできません。山の鼻から至仏山へはのぼり方向のみという一方通行ルールがあるからです。
しかし雪の残るGW期間中だけはこの一方通行ルールがなくなり、鳩待峠から至仏山~尾瀬ヶ原そして鳩待峠へ戻るという周回コースが選択できるのです。もちろんこのルート、人気です。もしプランを立てたなら前日に出発し駐車場を確保してから仮眠をとるというのが賢明な選択です。
※昨シーズンまでのGW限定期間中は鳩待峠駐車場まで車の乗り入れができましたが、2024年シーズンは通年で鳩待峠駐車場への乗り入れができなくなりましたのでご注意ください。
山の名前 | 至仏山(しぶつさん) |
エリア/都道府県 | 関東/群馬県 |
山域 | 尾瀬周辺 |
標高 | 2,228m |
基本情報 | 至仏山 難易度・天気などの最新登山情報 |
GW限定ルート鳩待峠~至仏山~山の鼻~尾瀬ヶ原(尾瀬沼)~鳩待峠周回コース
GW期間限定、至仏山をめぐり山の鼻で雪上キャンプ。2日目は早朝の尾瀬ヶ原を散歩するプラン。至仏山の下山はヒップそりで!雪山登山、そり遊び、雪上キャンプとGWを楽しみ尽くす!
GW期間限定至仏山テン泊縦走登山 1日目
- 1日目 総距離 7.8Km/コースタイム 6時間16分(休憩2時間3分)
- 鳩待峠登山口→(2時間31分)→小至仏山→(38分)→至仏山→(1時間22分)→至仏山荘→(2分)→山の鼻キャンプ場
鳩待峠。すでにここで標高1,591mです。至仏山山頂までは緩やかな傾斜を600m強登ります。雪があれば安全のためアイゼンを装着します。アイゼンはできれば10本以上のものがあると安心です。
樹林帯の中を進みます。赤テープが多数巻いてあるため迷わずに進むことができます。危険な箇所等も特にありません。バックカントリーを楽しむボーダーやスキーヤーも多いためとにかく登ってて安心ですね。小至仏山へ直登すれば山頂からの眺望も素晴らしい。至仏山の後ろに越後三山が見えます。
小至仏山はトラバースする方も多いですが山頂からの眺望は大パノラマです。登山者が多いのでトレースもしっかりついていますし、積雪の状態によってはトラバース手前までツボ足でもいけそうです。
至仏山へは40分余り。山頂から巻機山、谷川連峰も。そして越後三山、平ヶ岳、会津駒ヶ岳、燧ケ岳、日光白根山、皇海山、赤城・武尊山などなど絶景が広がります。
至仏山から山の鼻に向かって下ります。歩いて下山するのもいいですが、適度に傾斜があるためヒップそりで滑って下りるのが流行っていますよ。ザックにヒップそりをぶら下げて登る人が多数見られます。
尾瀬ヶ原と燧ケ岳、奥には会津駒ヶ岳を見下ろす。この光景を見ながら下山する爽快感といったらありません。来てよかったと思える瞬間ですね。
樹林帯を抜けたら山の鼻に到着です。目の前に広がるのは広大な雪原と燧ケ岳。至仏山荘でテント場の受け付けを済ませましょう。料金は800円です。トイレもキレイなテント場、水も使い放題なのがうれしいですね。テント場は人も多いため安心感があります。
そして静寂の中、幕一枚で隔てた自然を肌で感じられ五感が研ぎ澄まされていくのがわかりますよ。
GW期間限定至仏山テント泊縦走登山 2日目
- 総距離 14.4Km/コースタイム 5時間55分(休憩1時間11分)
- 山の鼻キャンプ場→(2分)→尾瀬ロッジ→(2時間12分)→龍宮小屋→(1時間39分)→尾瀬ロッジ→(17分)→山の鼻キャンプ場→(1時間)→鳩待峠登山口
早朝の静まり返った幻想的な尾瀬ヶ原の景色を楽しんだ後、尾瀬ヶ原の雪原散歩に出発です。燧ケ岳に向かって伸びる木道。そして振り返ると至仏山に向かって伸びる木道の景色。どちらを向いてもおなじみのすばらしい景色が広がっています。これを見たら誰でも「夏の思い出」を自然に口ずさんでしまいますよね。
この時期も木道の下にはすでにミズバショウが咲き始めています。撮影に夢中になって木道から落ちないように気を付けてください。龍宮小屋からヨッピ橋を渡り尾瀬沼へ。天気が良ければ逆さ燧ケ岳が尾瀬沼に映りこむロケーション。
山の鼻に戻りテントを撤収したら鳩待峠登山口へ。鳩待峠へは緩やかな上りになります。
尾瀬第1駐車場 戸倉
この他に尾瀬第2駐車場(駐車台数 250台)、スノーパーク尾瀬戸倉(駐車台数 900台)もあります。駐車料金はすべて同じです。
※2024年シーズンは通年で鳩待峠駐車場への乗り入れができなくなりました。尾瀬第1・第2駐車場、満車の場合はスノーパーク尾瀬戸倉に駐車し乗合バスで鳩待峠へ向かうことになります。
駐車台数 | 280台 |
駐車料金 | 1,000円 |
標高 | 985m |
トイレ | 有り |
電車バス利用
- JR沼田駅⇒関越交通で尾瀬戸倉下車
戸倉~鳩待峠乗合バス (運行期間 2024年4月19日~11月4日)
片道運賃 | 大人(中学生以上)1,300円 小人(小学生以下)650円 |
GW登山テント泊縦走は奥秩父の主脈を歩く|金峰山・瑞牆山
奥秩父の主脈である2つの日本百名山を、テント泊しながら縦走するという贅沢なプランです。金峰山は標高2,599mもあって初心者には無理、ましてテント泊などなおさらというイメージがありますが、実はまったくそんなことはなく初心者でも体力さえあれば安心して楽しめる山です。
ただ登るだけでなく、岩登りや鎖場など初心者からベテランまで登山の楽しさを十分に味わえる山。瑞牆山荘では、宿泊施設のほかカフェレストランも併設されており、人気のメニューや夏にはソフトクリームなども楽しめるのでうれしい。
金峰山
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- 甲信越百名山
- 山梨百名山
- 信州百名山
- 甲府名山
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金峰山は奥秩父の主脈であり、古くから信仰の対象で蔵王権現を祀ります。山頂にそびえ、ひときわ目を引く「五丈岩」は、ヤマトタケルが岩の下に社殿を建てたと伝わる由緒ある巨岩。金峰山をご神体とする山麓の金櫻神社はパワースポットとして有名です。
山頂からの眺望は360°の絶景と瑞牆山へ続く稜線がすばらしく、さらに6月に咲き始めるシャクナゲは花の百名山に選ばれた金峰山のシンボル。アズマシャクナゲやキバナシャクナゲが可愛く咲き誇ります。
瑞牆山
- 日本百名山
- 甲信越百名山
- 山梨百名山
瑞牆山も奥秩父主脈のひとつで古くから信仰の山であります。全山が黒雲母の花崗岩で、南西部は風化や侵食の影響により独特の岩峰がそびえ、地元でコブ岩と呼ばれる景観をつくりだしています。
それゆえロッククライミングでも有名な山で、富士山や南アルプス、中央アルプスから北アルプスまでまさに絶景を楽しめる山です。真っ二つに割れた桃太郎岩、大ヤスリ岩、弘法岩や十一面岩などの奇岩が見られます。
山の名前 | 金峰山(きんぷさん) | 瑞牆山(みずがきやま) |
エリア/都道府県 | 関東/山梨県・長野県 | 関東/山梨県 |
山域 | 奥秩父 | 奥秩父 |
標高 | 2,599m | 2,230m |
基本情報 | 金峰山 難易度・天気などの最新登山情報 | 瑞牆山 難易度・天気などの最新登山情報 |
GW登山テント泊縦走 瑞牆山荘~金峰山~瑞牆山往復コース
奥秩父主脈を縦走するコースです。富士見平小屋をベースキャンプ地として金峰山を往復し、2日目に瑞牆山をハントするコースとなっています。
GW奥秩父主脈瑞牆山~金峰山テント泊縦走登山 1日目
- 距離 10.9Km/コースタイム 10時間4分(休憩2時間7分)
- 瑞牆山荘→(42分)富士見平小屋~テント幕営(55分)→富士見平小屋テント場→(38分)→鷹見岩→(10分)→大日小屋テント場→(1時間7分)→丸山→(20分)→砂払ノ頭→(57分)→五丈岩→(1分)→金峰山→(19分)→金峰山小屋→(35分)→砂払ノ頭→(14分)→丸山→(46分)→大日小屋テント場→()30分→富士見平小屋
瑞牆山荘から1時間弱で富士見平小屋に到着です。ここで幕営の手続きをし料金1,000円を支払います。まずテントを張り、渡されたビニールひもをテントに括り付けます。重い荷物はデポし身軽になったところで金峰山を目指します。
富士見平小屋からは富士山がきれいに見えます。しばらく樹林帯ですが、富士山の神々しい姿と鷹見岩からの絶景もすばらしい。
大日小屋からは急登になり岩や倒木を越えながら進みます。途中、クサリ場も3度ほど登場しますが、難しいほどではないため注意して登れば問題ありません。
大日岩から眺望の良い砂払ノ頭(千代ノ吹上)へ。特徴的な五丈岩がそびえる金峰山も見えてきます。このコースは樹林帯を抜け稜線に出れば絶景を楽しみながら歩けるのでおすすめです。
山頂に鎮座する奇岩、五丈岩。そして山頂からの大パノラマビューは八ヶ岳や南アルプス、遠くは富士山まで見ることができますよ。ピークハント後は来たルートを富士見平小屋まで戻り、静寂に包まれたテント泊を堪能しましょう。
金峰山小屋は、宿泊は完全予約制ですが食事は予約なしでもOK、きれいなトイレが利用できます。
※金峰山信仰でもっとも神聖な場所であると同時に金櫻神社が禁止しているため、五丈岩に登ることは禁止されています。五丈岩を中心にして2,500平方メートルは金櫻神社の境内(私有地)であるとのことです。
GW奥秩父主脈瑞牆山~金峰山テント泊縦走登山 2日目
- 距離5.0Km/コースタイム 5時間2分(休憩48分)
- 富士見平小屋→(1時間16分)→瑞牆山→(1時間3分)→富士見平小屋テント撤収(1時間11分)→(27分)→瑞牆山荘
2日目は瑞牆山へ向かいます。途中の巨岩が真っ二つに割れた桃太郎岩、岩をよじ登り倒木を越えながら山頂を目指します。
この岩登りも特に難しいところはありませんので、逆に楽しみながら登ることができますよ。瑞牆山山頂は、やはりここも360°の大パノラマビューを約束してくれます。もう「帰りたくない」が口からこぼれますね。わかります。
瑞牆山登山口 県営無料駐車場(瑞牆山荘)
トイレは水洗。登山ポスト有り。
駐車台数 | 100台 |
駐車料金 | 無料 |
標高 | 1,510m |
トイレ | 有り(100円) |
電車バス利用
- JR韮崎駅⇒みずがき山荘行き
まとめ
ゴールデンウイークにテント泊縦走プランいかがだったでしょうか?ちょっと遠くの山でも無理なくスケジュールが組めて、新緑が美しく気候の良い季節ということもあって、家族や友人との絆を深めることができる絶好の機会です。
ただし、行き先を選ぶことがとても重要になりますから多くの情報を入手してしっかりプランをたてましょう。あなたとあなたの大切な人にとって、思い出多く楽しいゴールデンウイークになることを祈っています。