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日本から最も近い異国の地、韓国。実は登山やロッククライミングがとても盛んな国なのです。
日本のように3,000mを超える高山はない韓国ですが、地形は非常に独特で、日本とはまた違った登山体験ができます。
韓国旅行といえば、ショッピングにグルメにと街中で過ごすことが多いと思いますが、少し足を伸ばして韓国でも日帰り登山に挑戦してみるのはいかがでしょうか？
今回はソウル市内から1時間ほどで行くことができる北漢山（プカンサン）についてご紹介します！行き方やルートを詳しく解説しますので、登山初心者の方もぜひ検討してみてくださいね。
北漢山ってどんな山？
北漢山（プカンサン）とは、ソウル特別市の北側に位置する標高836mの山のこと。
北漢山一帯は国立公園に指定されており、花崗岩でできたダイナミックな地形と緑豊かな自然で、訪れる人々を楽しませてくれます。気軽な日帰りハイキングから周回コースまでいくつもの登山コースがあり、地元民だけではなく世界中の観光客にも愛されるスポットといえるでしょう。
大人気の韓国ドラマ「愛の不時着」で、主人公が北朝鮮をのぞむために登った山としても有名になりました。
週末は多くの登山客で賑わい、特に秋の紅葉シーズンが人気です。
ソウルに来たら北漢山に登るべき３つの理由
北漢山はただの自然豊かなハイキングコースではありません！ソウルにきたらぜひ登ってほしいといえる、北漢山の3つの魅力をご紹介します。
山頂からは360度の大パノラマが見える！
北漢山の最大の魅力は、山頂から見える360度の絶景です。山頂付近は巨大な花崗岩になっており、視界を遮るものがありません。足元には高層ビルが立ち並ぶソウル中心地が輝いて見えます。
しかもこの巨石の上にたつと、まるで天空に浮いているかのような感覚にもなります。
この景色は、北漢山ならではのものではないでしょうか。
ソウル中心地から公共交通機関でアクセス◎
魅力の2つめは、ソウルの中心地から地下鉄やバスで簡単にアクセスできることです。
しかもソウル市内からであれば移動にかかる時間はたった1時間！早朝にホテルを出発すれば、お昼過ぎには下山し、午後はソウル市内で買い物や観光を楽しむことができます。滞在日数が短い人にもおすすめです。
ここだけでもいく価値あり！？建物も景色も美しいスターバックス
北漢山を訪れるのは、登山客だけではありません。ふもとにできたスターバックスは3階建の美しい建物で、北漢山を目前に望むことができます。地域の特性を生かした「行くべきスタバ」と言えるでしょう。
天井の高い店内席からは窓越しに北漢山が見えますし、広々としたテラス席では、自然の風を感じながら一息つくこともできます。
世界でこの店舗だけの限定メニューやグッズも豊富で、わざわざここを目的地に訪れる人も多く、週末は大混雑します。
登山ルートとアクセス方法
それでは、公共交通機関によるアクセス方法と、登山ルートをご紹介していきます。
登山ルート紹介
日帰り登山コースとして定番な登山口は２つ。
１つは、地下鉄・北漢山牛耳（プカンサンウイ）駅から徒歩1時間でつく「白雲台案内所」。タクシーを利用すれば15分ほど。山の東側になります。この登山口から山頂である白雲台（ペグンデ）を目指すコースが、白雲台路線とよばれます。
＜白雲台路線＞
片道：1.9km
所要時間：約1時間30分程度（登り）
白雲台案内所：640, 173-gil,Sayang-ro, Gangbuk-gu,Seoul
コースの最後はかなりスリリングな岩登りになります。
２つめは、バス停・北漢山城（プッカンサンソン)から徒歩15分のところにある北漢山案内所経由で、西大門を通っていく西側の登山口です。この登山口から白雲台を目指すコースが、北漢山城路線とよばれます。
＜北漢山城路線＞
片道：3.4km
所要時間：約2時間45分（登り）
北漢山案内所：215, Bogungmun-ro, Seongbuk-gu, Seoul
コースの後半からは急な登り坂になっているため、かなり体力を消耗します。
おすすめルート
おすすめは、白雲台路線で山頂を目指し、北漢山城路線で下山することです。
その理由は２つ。
１つめは、北漢山城路線の登りがかなりキツイこと。下りの方が体力を消耗しないでしょう。
2つめは、大人気のスターバックスが北漢山城側にあることです。下山後にコーヒーを楽しむなら、こちら側に降りるとよいでしょう。
アクセス
地下鉄やバスが発達しているので、いくつかの行き方があります。現地でNaverアプリをインストールすると乗り換え案内が検索できるのでおすすめ。
ここではソウル駅からの行き方の一つをご紹介します。
＜行きの下車駅＞
地下鉄 北漢山牛耳（プカンサンウイ）
例）1号線ソウルヨク駅［1号線］→ 新設洞（シンソルトン）駅→［UI-Sinseol］に電車乗り換え→ 北漢山牛耳（プカンサンウイ）駅
＜帰りの乗車駅＞
No.バス704 北漢山城（プッカンサンソン)
例）No.704に乗車、ソウル駅下車
実際に登ってみた！登山レポ
4月の週末にソロ登山に行った時の様子をレポートします。
白雲台案内所からスタート！8時ごろでしたが、大型観光バスがたくさんとまっていました。
ここが最後のトイレです。
また案内所で日本語の地図を無料でもらえますので、立ち寄ってみましょう。
序盤は爽やかな森の中を進みます。すでに岩がゴロゴロ。
樹林帯を抜けると......ちょっと腰が引けてしまうくらい長い階段が！
距離は長いですが、ステップは細かくゴムですべりにくい作りなので、意外と苦しまずに登ることができました。
避難小屋が見えたら、あと少しです！避難小屋の前には広い休憩スペースがあり、テーブルと椅子があるのでここで昼をとっている人もいました。
視界が開けて、ソウル中心地の街並みが見えてきました！コースも徐々に岩登りになります。景色がいいだけに高度感があり、しかも風が強く緊張が走ります。
手すりはしっかりついていますが道幅がかなり狭く、すれ違いの待ち時間が長くなることも。
強引に通ろうとする登山者もいなくはないので、しっかり手すりを握りしてめて通過しましょう。
山頂付近はこのように巨大なひとつの花崗岩になっています。高層ビルと緑が織り混ざった景色は、息を呑む美しさ。まさに絶景です。
柵がないのに、撮影のためにギリギリまでいく人もいて、ヒヤヒヤ......。
展望台には韓国の国旗が！
ここからは360度のパノラマビューをながめることができます。
しかし撮影スポットになっているため、撮影待ちの人々で長蛇の列。写真をゆっくり撮りたいのであれば、早出がおすすめです。
北漢山城への下山ルートは、序盤からかなり急な階段が待っています。これを登ってくるのは体力を消耗しそうなので、やはりこちらのルートは下山がおすすめ。
30分もしないうちに、ふたたび樹林帯になるためソウル中心地の街並みや白雲台の巨石とはお別れです。
北漢山城案内所付近に下山。振り返ると猛々しい北漢山がみえます。
アウトドアショップが立ち並び、このままショッピングを楽しむことも可能。ここから歩いて10分ほどのところにご紹介したスターバックスがあります。
安全登山のためのアドバイス
気軽にアクセスできる低山とはいえ、油断は禁物。旅先で思わぬトラブルをおこさないようにしたいものです。北漢山を安全に楽しむための3つのアドバイスをご紹介しますので、参考にしてくださいね。
ソールのしっかりした登山靴でいく
もし北漢山に登るのであれば、グリップ力がある登山靴をもっていくことを強くお勧めします。山頂付近の岩登りの際、底がフラットなスニーカーだと滑ってしまい危険です。ステップも十分ではないので、岩場でしっかりブレーキがかかる靴でいきましょう。
道は整備されているのでローカットでも問題ありません。
混雑を避けるため早朝着をめざす
快適な登山のためには、なるべく早く現地に到着するようにしましょう。おすすめは8時前です。山頂付近は一方通行の狭い道を、譲り合って登ったり、降りたりします。また、山頂の韓国国旗と一緒に撮影するポイントでは長蛇の列ができます。早めに登山を開始しましょう。
十分な水分を持参
途中に売店はありません。低山なので、4月下旬でもかなり汗をかきます。十分な水分を持参しましょう。
北漢山Q＆A
ここからは、北漢山の登山を検討している人にむけて、疑問にお答えしていきます。
ソロ登山OK？ツアーで行くべき？
ソロ登山も可能です。地下鉄やバスでのアクセスも良いので、ツアーに参加しなくても問題なく楽しむことができます。ただし、韓国はあまりソロ登山の文化がないのか、一人で登っている人はあまりみかけませんでした。
登山初心者でも登れますか？
しっかりとした装備があれば難しいスキルが必要な山ではありません。地図を確認しながら登れば、迷うこともないでしょう。ただし、特に山頂付近では高度感を感じる岩の登りがあるため、「少しでも怖いと感じたら引き返す」くらいの気持ちでいきましょう。
子どもでも登れますか？
子どもにはあまりおすすめできません。山頂付近の岩場の下りは大人でも緊張します。また、山頂は風が強く、天候によっては子どもは危険を感じるでしょう。実際、私が登った時も子どもと登山経験が少ないであろうお年寄りは見かけませんでした。
途中にトイレはありますか？
今回ご紹介したコースは、いずれの登山口にも公共トイレがあります。しかし、トレッキングコース中にはトイレはありません。登山開始前にトイレはすませるようにしましょう。
下山後は、韓国アウトドアブランドでお買い物！
韓国は登山が盛んな国なので、国産アウトドアブランドもたくさん生まれています。
日本でも知名度があるのは「Black yak」でしょう。「The North Face」からもホワイトレーベルという韓国限定ラインが発売されています。欧米系のアウトドアブランドに比べて日本人の体型にもあいやすく、価格も比較的手頃です。
日本未発売のブランドもたくさんありますので、下山後はアウトドアショップめぐりを楽しむのもよいでしょう。
初めての海外トレッキングとしても最適！
北漢山の魅力をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか？
海外トレッキングときくと難しいイメージがあるかもしれませんが、公共交通機関でのアクセスがよくコースタイムも短い北漢山は、海外トレッキングデビューの山としてもぴったり！実際、多くの日本人をみかけました（4月）。
下山後の美しいスターバックスでの美味しいコーヒーや、韓国限定のアウトドアブランドのショッピングなど、登山前後のお楽しみも充実しているので、ぜひ韓国旅行のプランのひとつとして検討してみてくださいね。
