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登山における虫刺され対策・刺される・噛まれることを前提に考えるべき必須アイテム

登山における虫刺され対策・刺される・噛まれることを前提に考えるべき必須アイテム

登山で虫が近寄ってこないように、また虫に刺されたり噛まれないようにするための代表的なアイテムに虫除けスプレーがあります。しかし登山中は虫除けスプレーをしていても虫に刺される・噛まれることを想定して、必要なアイテムというものを揃えておくべきです。

今回は山の中で虫に刺されてしまったときになくては困る必須アイテムを紹介します。いずれも非常に軽量でコンパクトなもので、虫に刺された時に必ず「あってよかった!」と思えるものなので、ぜひ皆さん必ず持ち歩くようにしてください。

山の中にいる人間に害を及ぼす代表的な虫

山の中にいる人間に害を及ぼす代表的な虫を挙げ出してみました。

  • 蚊:刺されると痒い
  • ブヨ:刺されると大きく腫れて強いかゆみと痛みが続く
  • マダニ:様々な感染症を引き起こす恐れがある(年々増加傾向)
  • 蜂:激しい痛みと、アレルギー反応による危険を引き起こす恐れがある
  • アブ:刺されると集中力がなくなるほど非常に痛い

このように見てみると痒み・痛みという直ぐに起こる自覚症状と、アレルギーや感染症など重症化する可能性のある症状に分けることができます。

前者の痒みや痛みは、悪化のサイクルを抑えるために必要な薬での対処を行い、後者の重症化する可能性のある症状においては、その原因のもととなる物体を取り除くためのアイテムと薬を併用するようにしています。

非常に怖いマダニ向け対処

マダニは鹿やイノシシなどの野生動物が出没する環境に多く生息していると言われており、まさしく登山をするような環境で遭遇する可能性が高いと言えます。

マダニが怖いのは吸血されてもほとんど気が付かない点です。そして皮膚にしっかりと口器を突き刺し長時間吸血する特徴があり、無理に引き抜くとマダニの一部が皮膚内に残ってしまい、それがきっかけで日本紅斑熱(にほんこうはんねつ)やライム病、SFTSなど、マダニによって媒介される感染症を引き起こす可能性があります。いづれも最悪の場合死に至ります。

だから登山中にマダニの口器が皮膚に突き刺されている時、指やピンセットなどで抜くことは絶対にしてはいけません。そこで登場するのがマダニ取りに特化した「TickTwister」です。

TickTwisterは3種類の大きさが1セットになったもので、大2g、中1g、小0.6g、全部合わせても3.6gと非常に軽量なアイテムです。そして使い方も簡単でマダニと肌の隙間に差し込んで、くるくる回してマダニを除去することができます。ピンセットだと強く引っ張らないと抜くことができないので非常に不安になります。

この商品以外にもカラビナとセットになったアイテムがあります。こちらの方が素早くTickTwisterを取り出すことができるということ、また公園や森林が多い場所へ犬の散歩に出かける時に一緒に持ち歩きやすく便利です。

死の危険もある蜂向け対処

蜂に刺されるとハチの毒液によって鋭い痛みが出て、15分以内には刺されたところが赤く腫れあがり、熱を持ってかゆくなります。刺された直後は元気そうでも、1時間くらい経ってから吐き気や腹痛、じんましん、息苦しさなどの全身症状が出る場合があるので、登山中であれば下山することが懸命です。

そしてもう一つ怖いのがアナフィラキシーショックです。日本でのアナフィラキシーによる死亡は年間約50名で、その中でもハチ刺傷は最多と報告されており非常に怖いです。これはとくに2回目以降刺された時に過剰に体が反応してしまい呼吸困難に陥る症状が代表的です。

僕の中では蜂はクマと一緒で、焦って手で振り払ったり、走り回ることで周囲の鉢を刺激し集中的に攻撃されることがあるので、慌てず騒がずゆっくりとその場から離れることが大事です。

刺されてしまったら刺された場所に蜂の針が残っていないか確認します。もし針が残っていたらピンセットで抜きます。この時あると便利なのがビクトリノックスのクラシックです。

その後僕の場合はポイズンリムーバーで毒を吸引します。できるだけ刺された直後に使うのが有効的だと思うので、ここまでの対処は焦らずできるだけ早く行います。ちなみに医学的にはポイズンリムーバーの効能は実証されていませんので、有効性においては個人差があると思います。僕はブヨに刺された時に使用したことで、使用しない時と比べて痒みが少なく効果を感じたので使っています。

その後患部を綺麗な水で洗浄して傷口を清潔にします。傷口を洗う時はプラティパスにペットボトルの蓋の中央に小さな穴を開けたものをセットして、強い水圧で洗浄します。ポイズンリムーバーから水での洗浄は様々な虫刺されで応用するように心がけています。

最後に痒みを抑制する抗ヒスタミン剤、炎症を抑制するステロイド剤を塗布します。僕の場合は蜂に刺された時に効果的と薬剤師の人に紹介された「ジフェンヒドラミン塩酸塩」が成分として入っているムヒアルファEXを塗布しています。

痒みが生じたら3つの成分で悪化のサイクルを抑える

ブヨやヌカカは猛烈な痒み、アブは痛みの後の痒み症状が特徴です。登山中刺されると集中力が落ちてしまうので、素早いセルフケアが重要です。個人差があるので必須の対処とは言えませんがポイズンリムーバーでの毒の吸引、その後水で患部を洗い、薬を塗布します。

この時痒いという症状には抗ヒスタミン薬が有効で、痒みがひどいと、患部をかき壊してしまう可能性があり、これには抗生物質が有効です。そしてかき壊してしまうことで生じる化膿、患部の広がりにはステロイド薬が有効と理解しており、この3つの成分を理解して悪化サイクルを抑えるようにしています。

僕の場合は抗ヒスタミン薬にはムヒアルファEXを使っています。痒みを抑えるための有効成分が含有されていて、僕にとっては非常に効き目があります。

化膿止めを目的とした抗生物質にはテラマイシンを使っています。ステロイド薬にはリンデロンVSを使っています。OTC医薬品の中では最も強いストロングに分類され、塗るとかゆみを抑えることもできます。

ムヒアルファEXもテラマイシンもリンデロンVSも薬局で手に入れることができるOTC医薬品ですが、使用してはいけない傷、部位、人によっては合う合わないがあるので必ず使用上の注意を読むようにしてください。

虫除けスプレーに関しては以前紹介させていただいた「最強虫除け対策」「虫除けの正しい使い方」を是非チェックしてみてください。

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