登山においてテント選びは、山行の快適さや安全性を大きく左右する重要な要素です。特に日本アルプスのような本格的なフィールドでは、急な天候変化や長時間の行動などに対応できる装備が求められます。
そんな中、「軽さ」と「価格」のバランスは、テント選びで多くの登山者が重視するテーマです。荷物を少しでも軽くしたいけれど、予算も抑えたい――その両方を叶えるモデルの選択こそが、登山をさらに自由で楽しくしてくれます。
本記事では、1,300g以下の軽量テント全48モデルの中から"安い順"に厳選したトップ10を紹介します。この「安い×軽い」のバランスに注目するランキングを作ることで、「初めて山岳テントを購入したい」「出費は抑えたいが軽量化も妥協したくない」といった方に、新たな選択肢を提示できればと考えています。
登山用テントの価格が安くなる理由

登山の快適さや安全性を大きく左右する登山テントですが、メーカーが価格を抑えられるのには訳があります。それは一概に品質を落としているわけではなく、設計の工夫やメーカーの努力など様々な理由からです。
なぜ安くなっているのかを把握することで、ご自身の登山スタイルには必要ない部分でコストカットされてるベストチョイスなテントを探しましょう!
- シンプルな設計
パーツ数や構造を簡略化することで、製造コストを抑えやすくなります。ポールの本数を減らしたり、ベンチレーション機能を絞るなどの工夫が見られます。 - 素材のコストダウン
高価なハイスペック素材(超軽量ナイロンや高強度アルミ合金など)は避け、やや重め・厚めの一般的な素材やコストパフォーマンス重視の生地が使われることがあります。 - 最小限の付属品
グラウンドシート、追加ペグ、ストームガード…などの付属品が省略されていることが多いです。 - 大量生産・流通コストの圧縮
大手メーカーや自社ブランドが海外工場で大量生産し、販路も絞ってコストを下げているケースがよくあります。 - 限定されたサイズや仕様
より汎用的なサイズ・カラーだけをラインナップすることで、生産面でもコスト削減が図られています。
安いテントを選ぶ際の注意点

登山用テントの価格が安くなる理由を見たところで、次はそこから考えられる注意点について見ていきます。特に、登山において安いからと言って安全性を損なうようなことはあってはなりません。ご自身のスタイルをよくよく考えたうえで、選びましょう!
- 耐久性・耐候性のチェック
安価な素材やシンプルな作りは、長期使用や強風・長雨などの厳しい条件下で傷みやすい場合があります。耐水圧や縫い目のシーリング処理、フライシートの強度などを確認しましょう。 - 居住性や快適性
通気性や前室スペース、室内高、出入口の使い勝手など、一泊でもストレスの少ない快適性を確保した設計かどうかに注意が必要です。 - 実際の重量・収納サイズ
「軽さ」をうたっていても、その中で最安モデルはやや重め・かさばる傾向があります。自分の山行スタイルや装備量とバランスを見極めて選びましょう。 - 想定する山行フィールドと用途の合致
夏の低山・無積雪期には十分でも、標高が高い場所や悪天候時は上位モデルのほうが安心です。自分の行動範囲と想定天候に合った製品選びが大事です。
登山用テントの選び方・概要

- 重量
軽量化が重視され、1人用は1,300g以下が主流。軽くなるほど値段が高くなる傾向。また、耐久性や耐候性に注意が必要です。 - サイズ・居住性
1人用はコンパクトでソロ向き、2人用は荷物分担や広さ重視におすすめです。前室があると装備の収納や雨天時に便利。天井が高いと快適性は向上します。 - テント構造
- ダブルウォール:防水性・通気性に優れ、結露も抑制。ただし設営はやや手間です。
- シングルウォール:軽量・設営が簡単だが、結露しやすく前室が無いことが多いです。 - 自立式と非自立式
- 自立式:どこでも設営しやすいがやや重め。
- 非自立式:超軽量だが、地形やスペースの制約を受けやすくなります。 - 設営方式
- 吊り下げ式:設営しやすいが風にやや弱い。
- スリーブ式:設営しにくいが、居住空間は広い(やや上級者向け)。 - 素材・耐水性
登山用は主に軽量ナイロン製。国内登山なら耐水圧1,500~2,000mmが安心。耐水性が高いと結露しやすいので、通気性の工夫も重要。
登山用軽量テント48モデルから選ぶ格安テントTOP10!
メーカー名 | ネイチャーハイク | ビッグスカイ | ゼインアーツ | アラタ | ヘリテイジ | ファイントラック | アライテント | アラタ | ビッグスカイ | モンベル |
プロダクト名 | Cloud Up 1 | ビッグ・スカイ・ウィスプ1P | YAR-1 | LIGHT WINGS 1 JPN DAC NFL | クロスオーバードーム f <2G> | カミナモノポール1 | トレックライズ | AX-75 | ビッグスカイ・ソウル・テント | ステラリッジ テント1 |
最小重量 | 1,033g | 665g | 860g | 1,010g | 540g | 770g | 1,250g | 880g | 1,071g | 1,140g |
価格(税込) | ¥16,990 | ¥37,800 | ¥37,800 | ¥39,600 | ¥49,280 | ¥49,500 | ¥50,600 | ¥51,150 | ¥52,900 | ¥52,900 |
ウォール | ダブルウォール | ダブルウォール | ダブルウォール | ダブルウォール | シングルウォール | シングルウォール | ダブルウォール | ダブルウォール | ダブルウォール | ダブルウォール |
非自立or自立 | 自立 | 非自立 | 自立 | 自立 | 自立 | 非自立 | 自立 | 自立 | 自立 | 自立 |
インナー | 高密度B3ナイロンガーゼ20D、シルナイロン20D | No-see-umメッシュネット | 7Dナイロンリップストップ | 10D透湿リップストップナイロン | - | - | 28dnリップストップナイロン | 10D breathable nylon | メッシュ・ネット・インナー | 10デニール高強力ポリエステル |
フライ | 20Dシルナイロン耐水厚PU4000mm | SuprSil™-ULファブリック | 15Dナイロンリップストップ・シリコーン & PU加工 | 15Dリップストップナイロン(シリコンコーティング) | 10dnナイロン高強度ミニリップストップ・透湿防水PUコーティング | 30d66ナイロンリップストップPU | 30dnリップストップナイロンPUコーティング | 15D ripstop nylon with silicone coating | SuprSil)™-ULファブリック | 20デニール・バリスティック®ナイロン |
ボトム | 不明 | ノンスリップ、シームテープファブリック | 20Dナイロンリップストップ・シリコーン& PU加工 | 20Dリップストップナイロン(シリコンコーティング) | 10dnナイロン高強度ミニリップストップ・透湿防水PUコーティング | 30d66ナイロンリップストップPU | 40dnナイロンタフタPUコーティング | 15D ripstop nylon silicone coated (PU1500) | ナイロン・フロア | 30デニール・バリスティックナイロン |
サイズ | 110×230cm | 90×230cm | 90×210cm | 105 x 205cm | 75×200cm | 80×205cm | 80×205cm | 75 x 200cm | 92×215cm | 70×210cm |
高さ | 100cm | 120cm | 95cm | 95cm | 95cm | 100cm | 100cm | 93cm | 99cm | 105cm |
入り口 | 短辺 | 長辺 | 長辺 | 長辺 | 短辺 | 長辺 | 長辺 | 長辺 | 短辺 | 短辺 |
備考 | シェルター | 小柄な人用 | 本体(¥35,200)、別売りフライ(¥17,700) |
軽量で設営が簡単な1人用テントです。ダブルウォール構造や自立式で防水性・耐久性にも優れ、初心者でも扱いやすい設計となっています。
最大の魅力は価格の安さで、1万5,000円強と他の有名ブランドに比べ半額以下で購入可能です。安さの理由は、中国メーカーによる大量生産やシンプルな構造でコストを抑えている点にあると考えられます。それでも必要十分な性能と付属品が揃っており、コスパ重視・初めてのテント泊にも最適なモデルと言えるでしょう。
最小重量 | 1,033g |
価格(税込) | ¥16,990 |
ウォール | ダブルウォール |
非自立or自立 | 自立 |
インナー | 高密度B3ナイロンガーゼ20D、シルナイロン20D |
フライ | 20Dシルナイロン耐水厚PU4000mm |
ボトム | 不明 |
サイズ | 110×230cm |
高さ | 100cm |
入り口 | 短辺 |
備考 |
重量約670gと超軽量の1人用テントで、トレッキングポールを活用する設営スタイルが特徴です。前室が広く、フルクローズ仕様なので虫の侵入も防げ、夏場にも快適。設営も非常に簡単で、UL志向の登山者に人気です。
安さの理由は、シングルウォールが中心のシンプルな設計や、ポール別売りで必要最小限の付属品、極薄生地など徹底した軽量・ミニマル構造によるコストカットが挙げられます。そのため価格は4万円以下と手頃で、コスパに優れた選択肢です。
最小重量 | 665g |
価格(税込) | ¥37,800 |
ウォール | ダブルウォール |
非自立or自立 | 非自立 |
インナー | No-see-umメッシュネット |
フライ | SuprSil™-ULファブリック |
ボトム | ノンスリップ、シームテープファブリック |
サイズ | 90×230cm |
高さ | 120cm |
入り口 | 長辺 |
備考 |
日本の山岳環境に特化した1人用の超軽量ダブルウォールテントです。最小重量860gと驚異的な軽さを実現しながら、耐風性・居住性・設営のしやすさもバランス良く設計されています。Xフレーム構造による安定性や十分な前室スペースも魅力です。
価格は37,800円(税込)と国産上位モデルと比べ非常にリーズナブルで、オンライン限定販売や構造・素材(15Dフライ、20Dボトムなど)の最適化によりコストカットが図られているためだと考えられます。日本メーカーによる日本のためのコスパ抜群の最先端ULテントです。
最小重量 | 860g |
価格(税込) | ¥37,800 |
ウォール | ダブルウォール |
非自立or自立 | 自立 |
インナー | 7Dナイロンリップストップ |
フライ | 15Dナイロンリップストップ・シリコーン & PU加工 |
ボトム | 20Dナイロンリップストップ・シリコーン& PU加工 |
サイズ | 90×210cm |
高さ | 95cm |
入り口 | 長辺 |
備考 |
最小重量約1,010gと超軽量でありながら、優れた耐久性と快適性を備えた1人用ダブルウォールテントです。日本の登山ニーズに合わせて開発され、設営や撤収が簡単な自立式構造、バックルームへ直接アクセスできる専用ドア、拡張された後室による高い利便性が特徴です。
価格は39,600円と抑えめで、理由は大量生産元のMOBI GARDENとのコラボによる製造コスト削減や、販路を限定しメーカー直販体制を強めている点が挙げられます。
最小重量 | 1,010g |
価格(税込) | ¥39,600 |
ウォール | ダブルウォール |
非自立or自立 | 自立 |
インナー | 10D透湿リップストップナイロン |
フライ | 15Dリップストップナイロン(シリコンコーティング) |
ボトム | 20Dリップストップナイロン(シリコンコーティング) |
サイズ | 105 x 205cm |
高さ | 95cm |
入り口 | 長辺 |
備考 |
【5位】 ¥49,280 『ヘリテイジ クロスオーバードーム f <2G>』

重量わずか約540gの超軽量一人用ドーム型ツェルトです。高強度かつ超薄手の10デニール日本製ナイロン素材を全面に採用し、防水透湿性と通気性を実現。自立式構造で設営も簡単、パネル自体が通気性を持つため結露も軽減されています。
安さの理由は、シングルウォール構造とシンプルな設計、そして日本国内製造ながらも必要最低限の装備に絞りパーツ数を徹底的に削減している点にあります。価格は約5万円で、UL志向の登山者におすすめです。
最小重量770gという超軽量性とコンパクト性を両立したソロ用シングルウォールテントです。シンプルなモノポール(1本ポール)非自立式で、前室付きながらも非常に広く快適な室内空間を確保。高品質なナイロンや止水ジッパーを使用し、軽量ながらオールシーズン対応の強度と機能性を持っています。
価格49,500円と軽量山岳テントとしては手頃で、安さの理由はシングルウォール構造と部材点数削減による合理的設計、国内自社生産で品質を保ちつつも販路を限定してコスト圧縮を実現している点にあると考えられます。
最小重量 | 770g |
価格(税込) | ¥49,500 |
ウォール | シングルウォール |
非自立or自立 | 非自立 |
インナー | - |
フライ | 30d66ナイロンリップストップPU |
ボトム | 30d66ナイロンリップストップPU |
サイズ | 80×205cm |
高さ | 100cm |
入り口 | 長辺 |
備考 |
シンプルなドーム型構造で設営が簡単、軽量・コンパクトながら広い前室と高い居住性を備えた日本製の定番山岳テントです。ダブルウォール構造としっかりとした縫製、防水加工など、信頼性の高さも特徴的です。
価格は約5万円と品質を考えれば手頃で、安さの理由は日本国内製造を続けつつ、設計・素材を厳選し装備をミニマルにすることで必要十分な機能性に絞り、過剰な付加価値を排除しているためです。初心者でも扱いやすく、コスパ重視の方におすすめです。
メーカー名 | アライテント |
プロダクト名 | トレックライズ |
最小重量 | 1250g |
価格(税込) | ¥50,600 |
ウォール | ダブルウォール |
非自立or自立 | 自立 |
インナー | 28dnリップストップナイロン |
フライ | 30dnリップストップナイロンPUコーティング |
ボトム | 40dnナイロンタフタPUコーティング |
サイズ | 80×205cm |
高さ | 100cm |
入り口 | 長辺 |
備考 |
最小重量約880gと超軽量な1人用ダブルウォール山岳テントで、小柄な方や軽量志向の登山者に最適なコンパクトモデルです。全長200cm×幅75cm×高さ93cmと効率的な設計で、DAC Feathlite NFL 8.7ポール採用による強度と軽さ、室内外グラウンドシート付属など充実装備。また、濃いグレー色生地でプライバシー保護も高めています。
安さの理由は、コンパクトサイズであり軽量でシンプルな設計やパーツ構成、製造・販路の最適化を徹底している点が挙げられます。
メーカー名 | アラタ |
プロダクト名 | AX-75 |
最小重量 | 880g |
価格(税込) | ¥51,150 |
ウォール | ダブルウォール |
非自立or自立 | 自立 |
インナー | 10D breathable nylon |
フライ | 15D ripstop nylon with silicone coating |
ボトム | 15D ripstop nylon silicone coated (PU1500) |
サイズ | 75 x 200cm |
高さ | 93cm |
入り口 | 長辺 |
備考 | 小柄な人用 |
X型にクロスした2本ポールを採用することで高い耐風性と簡単な自立設営を両立した、1人用のダブルウォール山岳テントです。重量は約1,070g前後と軽量ながら、バスタブ型の深いインナーや広めのフロア、前室付きで快適な居住性があります。悪天候時でも安心でき、フライのアレンジで風通しを調節できる点や、ペグダウンが最小限で済む点も特長的です。
安さの理由はシンプルな設計と自社独自素材の採用、大量生産によるコスト抑制、必要最低限の機能に絞っている点にあるでしょう。
最小重量 | 1071g |
価格(税込) | ¥52,900 |
ウォール | ダブルウォール |
非自立or自立 | 自立 |
インナー | メッシュ・ネット・インナー |
フライ | SuprSil-ULファブリック |
ボトム | ナイロン・フロア |
サイズ | 92×215cm |
高さ | 99cm |
入り口 | 短辺 |
備考 |
長年多くの登山者に支持されてきた国産定番の軽量山岳テントです。吊り下げ式の設営で誰でも素早く設置でき、ダブルウォール構造で結露しにくく、風雨に強い高耐久性素材と丈夫なポールを採用しています。最小重量は1,140gと十分軽量ながら、快適性と頑丈さを両立しています。
価格は約52,900円とまだまだ手頃な部類で、モンベルならではの流通量の多さやシンプル設計、合理的なパーツ構成によりコストが抑えられているため、性能と価格のバランスに優れたテントです。
最小重量 | 1140g |
価格(税込) | ¥52,900 |
ウォール | ダブルウォール |
非自立or自立 | 自立 |
インナー | 10デニール高強力ポリエステル |
フライ | 20デニール・バリスティック®ナイロン |
ボトム | 30デニール・バリスティックナイロン |
サイズ | 70×210cm |
高さ | 105cm |
入り口 | 短辺 |
備考 | 本体(¥35,200)、別売りフライ(¥17,700) |