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軽量性と背負い心地を両立させた新型登山用ザック『Rab-Muon(ミュオン)40』

軽量性と背負い心地を両立させた新型登山用ザック『Rab-Muon(ミュオン)40』

登山装備の軽量化を行い、ベースウェイトで5〜7kg、バックウェイトで10kg前後の装備で登山に出かけることが多いです。ザックの容量は40L前後が理想で、重量は1kg前後のものを探していました。出会ったのが今回紹介するRabのMuon40です。

※他サイトでミュオンと説明されていますが正しくはムオンです

今回はRabのMuon40を購入した理由をスペックとともに紹介し、北アルプスの長期縦走登山で実際に使用した際の気に入ったポイント、改善してほしいポイントをレビューしていきます。

RabのMuon40を購入した理由をスペックとともに紹介

今回僕が探していたテント泊登山用のザックを説明するまえに、僕の装備内容について簡単に紹介します。
テント泊登山装備ベースウェイト
7〜8月:4.5kg
9〜10月:5〜6kg

パックウェウト
1泊:食料500g+水2kg=2.5kg
2泊以上:食料1kg〜+水2kg=3kg〜
食事の楽しみ方によってはクッカーやお酒の量が変わって+1〜1.5kg

このように考えると1泊想定で最低7kg、2泊想定で最大でも装備重量が11kg、4泊5日の長期縦走登山では13kgほどでした。この時のザック重量は1kgで換算しています。今回ザックの変更をしようと考えたのは、今まで使っていたザックが容量45リッターで重量が約1kg。そしてメインコンパートメントは毎回空間があり、もっと容量を減らして軽いものにしたいと思いました。

このザックに出会うまでは少量生産のため6〜7万円前後と非常に価格が高いガレージブランドものや、ザック重量1kg以下となるとウエストベルトが簡易的なもので、肩荷重メインになってしまうことが懸念されるモデルや、背中が涼しくなさそうなデザインだったりして、手が伸びませんでした。

RabのMuon40のスペックは

  • 重量:895g
  • 容量:40L
  • 背面長:48cm
  • 価格:¥33,000(税込)

重量は実際に測ってみたら960gでした。Rabには毎回驚かされますがスペックに対して非常に価格が安く、他のサックと比較しても購入しやすい設定です。

容量はスペック上40Lとなってますが、フロントポケットのメッシュパネルが高いストレッチ性を備えているのでウェア類を詰めて持ち運ぶことを考えると容量以上に収納できる印象です。

Muon40の他にMuon40NDというモデルがありこちらは背面長が43cmで、背の低い男性や女性に使えるモデルです。

このザックはトップ部分がコンプレッションを兼ね備えたロールトップで、装備容量が少なくともザックの中に空間ができづらく、それによって荷物がザックの中で揺れずに安定した歩行が可能です。

コンプレッションはサイドにも備えられておりトップ左右で調整が可能です。

素材はSpectra®Ripstop100デニールCodura®ナイロンです。

Spectraという生地は耐久性がありながらも軽いというコンセプトのもと開発された素材で、見た目のデザインもカッコよく個人的にすごく気に入っています。また長期縦走登山で使用した感想として汚れがつきづらいと思いました。汚れがついても洗い流しやすい素材です。

ボトム部分は汚れがついても目立ちにくい濃いグレーが採用されていて、このグレーに合わせたストレッチメッシュがフロントポケットとサイドポケットに採用されています。ザック容量のを紹介部分で少し触れましたが、ストレッチメッシュは非常に高いストレッチする素材でありながらも耐久性にも優れており、何度も木や岩などに擦ることがありましたが僕の場合は破けてしまうようなことがありませんでした。素材の耐久性を保証するものではありませんが、個人的な感想として安心して使えるザックです。

ショルダーハーネスとウエストベルトには通気性と汗の乾きに優れたハニカム構造のパットが採用されています。クッション性に優れているだけでなくザックを背負っていて暑く感じることなく快適に行動することができます。

ショルダーハーネスとウエストベルトについては素材だけでなく、構造にも特徴があります。まず1つにショルダーハーネスが肩を包み込むように一体型構造で、これによって肩周りの荷重分散がなされています。

そしてロードリフターによって重心を体に近づけることができるので背負い心地は抜群というか、ザックと体が一体化するような感覚です。

ウエストベルトも非常にユニークな構造で、ザック本体側のサイドポケットの素材とウエストベルトのストラップが連結しています。これによってウエストベルトをベルトを閉めるとザックが体に近づき、骨盤の側面から包み込むようにフィットします。

さらに取り外し可能なフレームが背面パネルに内蔵されています。フレームありで1kg以下のザックというのは数えるほどしかなく、フレームがあるというのはとても重要です。いくら軽い装備重量でもフレームがないとザックが縦に横にブレやすく、重い荷物であればあるほどザックの重量に体が持っていかれやすく、結果疲れやすくなってしまいます。

このフレームと、肩と腰のフィット構造によって、体とザックが一体化せずにザックだけが揺れているといったようなことがほとんどなく、疲れづらい登山が可能なんです

ウエストベルトにはポケットはなく、ショルダーハーネスには左右全く同じ形大きさのポケットが備わっています。このポケットに使用されている素材もフロントポケットに使用されている素材と同等で、ストレッチに優れ、例えばスマートフォンを入れて固定します。個人的にはこの場所にポケットがあるのはあまり好みではなく、この点については後ほど北アルプスの長期縦走登山で実際に使用した際の感想とともに紹介します。

北アルプスの長期縦走登山で実際に使用した際の気に入ったポイント、改善してほしいポイントをレビュー

ここまでスペックとともに使い心地、そして背負い心地について紹介してきましたが、実際に使用して気に入ったポイントと改善して欲しいポイントをレビューしていきます。

Rab-Muon(ムオン)40の気に入ったポイント

フィット感の高さ

今まで使っていたザックと比較して体へのフィット感というのがほんと素晴らしいです。ショルダーハーネス、ウエストベルトは背負った時に大げさでなく隙間がほとんど生まれないようなフィット調整をすることができ、シンプルなストラップ調整でザックの重さを体側に引き寄せることができます。

4泊5日という長い縦走登山でしたが、最後までザックの背負い心地に悩むことなく快適に山歩きを楽しむことができました。このザックは背面長の長さ調整はできないのですが、ウエストベルトが非常に幅が広いので、それによって様々な背面長に合うようにデザインされているように思います。

シンプルながらも道具の出し入れが容易

メインのポケットの中には3リットル対応ハイドレーションスリーブ、貴重品などをしまっておくのに便利なジッパー付きメッシュポケットが内部に備わっています。ここには行動中にはあまり使わないものを収納しておき、追加で行動食や水を出す以外はほとんど開けることがありません。

行動中に使用したいものは、背中部分に設けられたジッパー付きポケットと、フロントポケット、サイドポケット、またショルダーに取り付けられたポケットに収納しておくことができます。ジッパー付きポケットはザックを下ろして休憩する時に使うだろう、日焼け止めや、山小屋で何かを購入する時のように財布を収納しておくことができます。

フロントポケットにはレインウェア、ウインドブレーカー、ミドルレイヤーなどをパッカブルせずそのまま突っ込むように収納しておけます。

サイドポケットはザックを背負ったままでも手で掴みやすいデザインで、行動食用に準備しておいたスタンドコジーに入れたアルファ米や水筒を収納しておけます。

ショルダーに取り付けられたポケットにはスマホ、行動食など収納しておきます。

このように登山中によく使用するもの、使用しないものをカテゴリー分けしてザックに収納することができ、また登山中に使用するものの中でも、ザックを下ろさずとも使用したいもの、というように分割して整理整頓することができるのもこのザックの魅力です。

またボトム部分にはストラップが取り付けられているので、クローズドセルマットを固定させておくことができます。

トレッキングポールの固定が容易

トレッキングポールの固定はフロントポケットの上部、体の前面に固定できるような施しがなされています。長期縦走登山をしているととにかく様々な登山道があり、素早くトレッキングポールをザックに固定させることができるのは登山をしていてありがたいと思うことが多かったです。

これから岩場が多い登山道であるというタイミングで休憩をして、トレッキングポールを素早くザックに固定させることができたり、稜線に出て長い歩きが始まるというタイミングで、トレッキングポールを使い始めたりするのに一切ストレスを感じることがなかったです。

Rab-Muon(ムオン)40の改善してほしいポイント

ショルダーハーネスのポケットデザインと容量

ショルダーハーネスのポケットです。僕は700mlの水筒を使用しています。それとは別に自家製栄養ドリンクを小さなペットボトルに入れて、エネルギー補給を行っています。これらを収納するのにショルダーハーネスに取り付けられた縦型ジッパーだと入れづらく、取り出しづらいです。今回はサイドポケットに収納して行動しましたが、何度かザックから落下させてしまいストレスを感じました。

ショルダーハーネスに取り付けられたポケットはトレイルランニングザックをインスパイアしたデザインのように見受けられますが、僕にとっては使いづらいと感じることが多かったです。

チェストストラップのデザイン

チェストストラップはフックを引っ掛けることで体にフィットさせることができます。このデザインであることでフィット感を高めているのはわかるのですが、グローブをした状態でフックを引っ掛けづらかったり、素早くチェストストラップを固定させることができないと感じました。もっとシンプルでよくあるストラップの方が個人的には好みです。

Muon40とは別にMuon50あり

今回僕が使用したのはMuon40ですが、10Lの容量が増えたMuon50もあります。こちらはアマ蓋付きであること、上部がロールトップ型ではなく巾着のようにストラップで開閉させるタイプです。どちらも使い心地はほとんど一緒で、容量が多い人はMuon50というセレクトも可能です。

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