登山道具として持ち歩くアイテムとして「小さい」というのは物によって武器になることがあります。あまりにも小さすぎて使いづらいということもあるので意味のあるコンパクトな道具の選定というのが重要になります。前編では10種類のおすすめ山アイテムを紹介しました。後編は最近購入した6種類のおすすめアイテムを紹介します。
チタン製の超コンパクトなクッカーハンドル「EPIピンチリフター」
EPIの文字が切り抜かれた、超軽量・極小サイズのチタン製のクッカーハンドルです。こんなに小さいのにも関わらずしっかりと様々なクッカーの縁を掴んで離しません。オフィシャルサイトでは600ml程度のサイズのクッカーまで対応しますと書かれていますが、僕が愛用しているトランギアのミニセットのソースパンが最大容量900mlで全く問題なく掴むことができます。
重量はスペックでは6gと記載がありますが実際に測ると5.6gでした。軽量化に勤しむのであれば、例えばトランギアのミニセットに付属されているアルミ製のミニハンドルが重さ20.1g、エバニューのチタンカップTi570FDCUPのハンドルが、僕が持っているタイプで10.8g。これらを5.6gのEPIピンチリフターに変えることで軽量化を行うことができます。
この軽量化を行うことで使いづらくなるということもなく、僕にとっては賢い軽量化だと思っています。
紫外線の量がわかる「サンカンパニーのワイルドライフジップオーゲージ」
サンカンパニーのジップオーゲージは登山中に外気温を測るために使用していました。体が寒いと感じた時に、それが外気温によるものなのか、体調の悪化からくるものなのか?というのを指標として取り入れるために気温を測ることができる道具が一つあるとリスクヘッジになります。
このジップオーゲージの裏には風の強さと外気温によって「CHILLFACTOR」いわゆる体感温度が何度なのかというのが、表を見てわかるようになっています。しかしながら風の強さを数字として理解するのは難しく、あまり使用できない状態でした。
そこで今回手に入れたのがサンカンパニーのワイルドライフジップオーゲージで、これは表面にジップオーゲージ同様、水銀不使用の温度計、さらにコンパスが付属されています。裏には紫外線指数が表示されるデカールがついていて、これがかなり山では便利なんです。
使い方は以下のように記載されています。
- 正確なUV測定を行うには、UVデカールを直射日光に30秒間当ててください。
- 中央の太陽アイコンは紫外線の照射レベルに応じて色が変わります
- デカールの周囲にあるキーを使用して、直接の紫外線照射量を決定します。
- 日焼け止めを塗ったり、肌を覆ったりする
実際に使用してみると反応がすごく早くて最初きっと驚きます。それと普段からも時々チェックすることで、日焼け止めは山だけでなく普段からも積極的に使わなきゃいけないなと思わされます。そして山の上はとても紫外線が強いことにびっくりすると思います。
熊よけスプレーを軽量化できる「TW-1000ペッパーマン」
この熊よけスプレーはドイツ製で、中身は超強力なオレオレジン・カプシカムを使用しています。説明書を見るとレバーを押すことでガス状になった唐辛子エキスが4mから6M風向きにもより異なりますが発射されクマを追い払うことができると記載されています。
以前より使用しているPOLICEMAGNUM4オンスの熊撃退スプレーも噴射成分はオレオレジン・カプシカムで、カプシカムというのは唐辛子属の学名でいわゆるカプサイシンです。この熊よけスプレーの良いところはベルトやストラップに通すことができるホルスターが付属されていて素早く取り出すことができます。
TW-1000は非常にコンパクトなので、僕は山旅のスマホポーチやボトルホルダーの外側のメッシュポケットに収納して登山をするようにしています。
- POLICEMAGNUM4オンスがホルスター抜きで163.8g
- TW-1000は70.4g
このように比較すると90gも軽量化が可能です。
- POLICEMAGNUM4オンスが内容量105mlで、噴射距離が約5m、噴射回数は約0.5秒×4回~5回(連続で約2.5秒)。
- TW-1000は内容量40mlで、噴射距離が約4〜6m、噴射回数の記載はなく、連続で約8秒。
噴射時間はTW-1000の方が長く、どちらも数秒で中身がなくなってしまうことには注意が必要です。
冷たい風から手を守る「山旅のコーデュラリップ製軽量コンパクト防風ミトン」
重量24gで、片方のミトンに備わっているポケットに左右とも収納できて8cm四方の大きさになります。非常にコンパクトになるのでファーストエイドキットの中に収納して持ち歩いています。
寒い季節の登山で手が痛くなる経験をされたことがある方は多いのではないでしょうか?体が冷えると最初に冷え出すのが足先と手先です。人間の体はよく出来ていて、命に別状がない、心臓から最も離れたところから冷える仕組みと考えていて、手先が冷えたら体をしっかり温めるようにしています。そして手先が痛くならない目的で、手から出た熱を逃がさないようにするために山旅のコーデュラリップ製軽量コンパクト防風ミトンを装着するようにしています。この素材は透湿しないので、熱をしっかりとミトン内に溜め込む力があり、これによって急激に手を温めることができます。また手首まで覆うデザインなので手先から手首までを温めることができます。
種類は2種類あって3つ指タイプとミトンタイプです。このミトンはスマホの操作がミトンをしたままでも可能なので、早朝、夕方に山の景色を撮影したいと考えた時には3つ指タイプが使いやすいです。ミトンタイプは4つの指が隣り合わせになっているので、保温力に優れていると言えます。
素材はインビスタ社コーデュラリップで、耐久性に優れ少々の雨でもシリコンコートによって水を弾きます。しかしながらシーム加工は施されていないので完全防水ではありませんがちょっとした雨であれば問題なく使用できます。
大音量で鳴らしやすいホイッスル「MIYAGENの3D WHISTLE 2g with GLOW」
今まで使っていたホイッスルはEーCALLというamazonで購入したもので重さが10gで、首にかけていると少し気になる重さがありました。そこで今回手に入れたのがMIYAGENの3DWHISTLE2gwithGLOWです。2gと軽量で、蓄光素材なので、ジッパータブに取り付けておくと便利なアイテムです。こちらは安曇野にあるレジャーズというアウトドアショップで購入しました。
こちらの製品は音量が高く、さらに呼吸が難しいような状況でも弱い呼吸でもなる設計がされています。さらに水が入り込んでも簡単に取り除け、森の中で聞き取りやすい音域と音程を考えて設計されたよく考えられているホイッスルです。
僕が持っている3つのホイッスルの音を比べるとよくわかりますが、とてもよく鳴ってくれるので自分の居場所を人やクマに伝えるのに役立っています。
マダニ取りとホイッスルが一緒になった「LITEWAYのトリンケットホイッスル」
日本の山では様々な場所にマダニ生息が報告されています。特に鹿やイノシシなどの野生動物が出没する環境に多く生息していると考えられており、登山をするならばマダニ対策としてマダニ取りは携行しておきたいです。
今回紹介するLITEWAYのトリンケットホイッスルはマダニ取りとホイッスルが合体したアイテムで、どちらも本格的な使用には少し難がありますが、持っておくと安心感のあるアイテムです。重量は5.2gで軽量、さらに蓄光素材なので、暗闇の中でもどこにあるか視認することができます。
マダニに噛まれたら大変なので、トリンケットホイッスル以外にもティックツイスターのマダニ取りをファーストエイドに加えるようにしています。なのでこちらのアイテムはキーホルダーに取り付けている予備アイテムぐらいの位置付けです。