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初めてのロゲイニング大会で一応入賞した話

初めてのロゲイニング大会で一応入賞した話

10月の日曜日、ロゲイニング大会に出場しました。前回の記事はこちら

04 | 草津の街並みを走る

冬寄りの秋を感じる風が冷たく吹く中、出場者全員で記念撮影をして、競技スタート。特に3時間の部の方にはファミリー参加やグループ参加が多く、スタートしてものんびりと「さあどこに行こうか」といった感じのゆるさでとてもいいなと思った。家族とかでできたら最高に楽しいと思うんだよな。

スタートしてから分かれ道を右側に行く人たちは、きっとダムの方に行くのだろうと言うことが理解できた。私たちは、いったん街中のポイントを取りながら、山岳エリアに近づいていく。空は天高く秋晴れで、冷たい風が日差しを中和してくれる感じ。超心地いい。

早速一つ目のチェックポイントを見つけた。温泉の泉みたいなところだ。チェックポイントの説明書の画角を確認し、同じ角度でジュンを入れて写真を撮る。メンバーが全員一緒にいることを確認するため、撮影者以外の全員を写真に収めなければいけないルールだ。私たちは2人で出場しているため、どちらかが必ず被写体になればいい。

写真と同じ場所を見つけると興奮するし、何より草津の街並み、そもそものチェックポイントが見応えがあってとても面白い。秋晴れの日曜日の草津、歩道も車道もとんでもなく混雑していたが、その中を観光とは別目的で巡っているのが「私たち何やってんだー」って気持ちになってとても愉快。もちろん、これ自体が観光になるのだけどね。

その後も、足湯や湯畑の湯枠、五重塔など、草津ならではのチェックポイントをガシガシ周った。私は3度目の出場ということもあり、地図の細かいところが見られるようになっていたので、ジュンをリードしながらチェックポイントを探し出していった。草津ロゲニングの地図は、温泉がキーアイコンになっているところが、ならではで面白い。「ここに温泉があるから、もう少し先のはず…」と温泉マークを頼りに地図を見た。

登山ではYAMAPを使っているため、私が紙の地図を見る機会はロゲイニングくらい。毎回、地図に描いてあるものが現実世界に反映されていることに驚く。いや、逆なんだけど。現実世界にあるものを地図に落とし込んでいるだけなんだけど、ずっと地図を中心に見てどこにいくか決めているから、「ここでもう少し歩いたら右側に道が見えるはず…」と言ってると本当に道が出現するのが、まるでRPGのダンジョンの中にいるような気持ちになる。「ここ道右に曲がってるけど合ってるかな?」と地図を確認すると、本当にその通りに描いてある。当たり前のことなんだけど、紙の上と目の前の現実とのリンクにすごく感動する。

1つ目のチェックポイントをゲットした瞬間から、ジュンは目をまんまるに輝かせて「楽しい〜〜〜〜〜!!!!!」と言った。だよねだよね。わかってもらえて嬉しい。

当初予定していた街エリアをあらかたとり時間を見たらたった20分しか経過していなくて、まだまだ楽しめるんだとうれしかった。

05 | 芳ヶ平へ

山岳エリアに近づくにつれて、人が減ってきて、誰ともすれ違わなくなってきた。ファミリーが多かったし、これもしかして、そっちに行く人少ないんじゃないか。これは特別な高得点が狙えるぞ、とジュンとワクワクした。

私たちが出場していたのは、5時間女子クラス。3時間と5時間がある中で、5時間の方がガチなのは言うまでもなく、×女子となるとかなりコア。同じクラスの出場者は、私たちを含めて3組だけだった。

これは女子3組の中での優勝は必須、つーか総合優勝とかあれば入れてもらいたいのにねー?もし圧倒的に優勝したらさ、壇上で山歩きJPの宣伝しようよ。なんて山岳エリアに行くことの希少価値に浮かれ、そんな会話をしていた。

山岳エリアに向かう道は、こぼれそうなほどの秋の道だった。黄色く色づいた葉に囲まれているだけでなく、すでに落ち葉で足元が埋め尽くされていて、歩くとシャクシャクとあの独特の音がした。自分の足音をASMRのように聞きながら、いつの間にこんなに秋になったんだと驚く。昨日まで30度とか言ってたけどね。

秋に気持ちよくなりすぎたジュンは、「やっぱ秋も好きだな、夏が一番好きだから、秋は2番目だな。好きな季節が連続で来るから嬉しい時期が長く続いてとてもいいな」と独り言のように好きな季節ランキングを発表してさらにご機嫌になっていた。セルフでご機嫌になれる人、とても良い。

少しずつ登りになっていったけど、普段やってる登山に比べたら傾斜だし、何よりトレラン装備のため帰りは走れるし、という心の余裕でどこまでもいけそうな気持ちだった。

ところどころで川が流れていて、その川が硫黄でとても濁っており、全てが温泉の色で秘境に来たような感じだった。川の水に触りたかったけど、そんな時間がないのでどんどん先に進む。

前回の登山で1時間半に1度休憩を取れば疲れないというロジックを学んでいたので、きっちり1時間半の11時半にたちどまって休憩をした。休憩をしながら地図を開き、今ここら辺だろう、とか、何時までにここにいけたらいいね、などの作戦会議ができるところも、タイムロスがない感じがしてとても良かった。

登っていて誤算だったのが、山岳エリアのチェックポイントまで、一つ一つがなかなか遠いこと。普段そこまで時間を意識して登山することがないし、コースタイムはYAMAPに乗っているので、今回出した目計算での所要時間よりもかなり時間がかかった。ただだからこそ、唯一の目印にしているチェックポイントが現れると何倍も嬉しい気持ちになった。

標高が上がってくると、「芳が平」と名のつく理由がわかる場所にでた。広い広い笹平と、その奥に見える黄金のダケカンバ?の林。ところどころ色づいた赤やオレンジが、絵に描きたくなるような、これこそまさに秋の景色。雲が一つもなく、常に注がれる太陽の光と吹く風が心地よく抜けて、天に溶けてしまいそうなほど心地が良い。

ジュンが言っていたが、「この場所の存在を知らなかったし、自分で調べてこの山に行こう、というふうにはならなかったと思うから、こうやって訪れるきっかけになって嬉しい」と言っていて、なるほどと思う視点だった。引かれたレールの上を歩くことで自分の世界が広がることってとてもあるよね。

この場所が素晴らしすぎて、絶対にこの場所が今大会の目玉であると勝手に確信し、このエリアをチョイスし訪れいていることに幸せを感じた。「大会運営の人、こんなふうに楽しんでもらえてたら絶対喜ぶよ!!!」と2人で話した。

奥に噴煙が湧き出る山があって、そこが草津白根だと知った。紅葉の中の白い煙がとてもとてもかっこよくて、「このままあそこに行きたい!!!」と言った。いつか必ずいくぞ。

ロゲイニングの参加者だけでなく、登山客が本当に少なくて、こんな場所を独り占めできていることになおさら嬉しくなった。2度目の休憩でジュンにもらって食べた、生紅葉まんじゅうがとてもとてもおいしかった。

06 | ゴールへ向かう

下山は走った。走ればあっという間かと思ったがそんなこともなかったので、思ったより遠くに来ていたことを知った。下山できたのは14時ごろで、結果的に制限時間の中のほとんどの時間を山の中にいたことになり、私たちらしくていいなと思った。

ただ当初予定していたゴンドラ乗車などは時間がなくなってしまったため、近場の街エリアを回って8分の時間を残して会場に戻った。湧き出る水が全て温泉だから、大足湯エリア見たいな河原があって、山を走ってきたので休みたい気持ちがとてもあったが、もちろんそんな時間はない。

草津に来ることで、高校時代の記憶が蘇って懐かしくエモい気持ちになるのかなと思っていたが、普通に今日が濃厚に楽しすぎているため、全く思い出に浸る暇もなく楽しいの上書き保存がされた。

ゴールして、得点計算する。私たちの得点は890点。これは結構すごいんじゃないの?と他のチームの得点を確認してびっくり。なんとビリだった。ガーン。

1位のチームなんて、500点くらい差がついていて、どういうことかと記録を見たら、ゴンドラを上手に使っていた。やはり今回はゴンドラを使うのが肝だったか。

もう1チームもゴンドラを使っていて、もちろんどちらも山には行っていない。てか、今大会で山岳エリアに行ったのは、私たちと、大優勝したダントツトップの方2組だけだったんだそうだ。運営の方が「今回山岳エリアを追加していたので、ここを楽しんでくれて嬉しい」と言っていた。私たちが予想していた通りだった。

ビリだけど3位なので、表彰はされる。私たちは壇上にあげられ、表彰状と景品をもらって記念撮影をした。大人になって賞状をもらうことってあんまりないから、すごく嬉しい。悔しがっていたジュンも、賞状をもらって笑顔になっていた。

景品の中に、「草津ロゲイニング大会 女子3位」と渋い字で書かれた立派な桶があって、どっちがこれを持って帰るか相談したが、結局これは帰り道に寄ったジュンの実家でジュンの父さんにあげた。

記録を確認すると5時間で20kmも走っていたことがわかった。かなり疲れて足も痛かったが、それ以上にお昼返上だったため腹ペコで、とにかくラーメンを食べよう!とやっているラーメン屋を求めて結局前橋まで下道で急いで行った。こんなに汗をかいているのに、草津に来て温泉に入らずに帰る人前代未聞なんじゃないか、とは思った。

こうして、私たちの初めてのロゲイニング大会は幕を閉じた。

大変悔しい結果で終わってしまったので、FBを散々した後、リベンジを果たすべく12月の大会に申し込みをした。

ジュンを家まで届けたあと疲れて眠すぎて、駐車場の近くまできたのに路駐して寝ていたら、警察に職質を受けた。下山後にも人生初の経験し、今日1日を締めくくる。何してんねん。

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