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榛名山 / ありを先生と群馬の山

榛名山 / ありを先生と群馬の山

前回の記事はこちらです。

08 | 榛名富士からの展望

榛名富士のゴンドラ乗り場に到着した。冬でも動いているゴンドラは、9時営業開始らしく、山頂はとても静かだった。テーブルとベンチに霜が降りていて、板チョコに粉砂糖がかかったみたいで可愛かった。

休憩中、ありちゃんが五円チョコをくれて、冬の寒さでパキパキになったおみくじつき五円チョコを食べた。ジュンは紅茶を持ってきてくれていたので、それを私の熱湯入りの水筒に入れた。下山する頃にはお茶が出ているかな。

榛名富士の山頂展望台は、記憶の中よりもずっとずっと遠くまで見えてなんだか嬉しかった。すごく天気がいいから、富士山までくっきり見えた。そういえばまだお正月なので、富士山が見られたことはとても嬉しい。奥に見える浅間山はやっぱり真っ白で、ものすごい存在感だった。秩父の山も見えるし、東京の市街地まで見える。スカイツリーは結局どれかわからなかったけど、スカイツリーなんか東京に住んでればびっくりするくらいいつでも見えんだから、「まあスカイツリーはいいよ見えなくて」と言った。

浅間山とかで感動した後だと、妙義山が想像以上に近くてちっちゃくて、なんか規模がしょぼくてショックだった。難易度とは関係ないんだけどね。

ありちゃんは山の近くに住めていること、窓から山が見える景色があることがとても嬉しいらしく、群馬の山の名前をたくさん覚えたんだと張り切っていた。東京に住んでいると、住んでいる土地を愛するとかそういう感覚に触れる機会がとても減る。便利なことが正義。「駅前にミスドある?」っていうのが基準になる中で(それも偏見)生きているから、ありちゃんの土地を思う心に透き通った輝きを感じちゃう。群馬のことをたくさん知るために、資料館とか図書館とかに通っているみたい。土地と自然を愛せるありちゃんが、県民の郷土愛が強い群馬にやってきたこと。素晴らしいマッチング。らしさ、ってはまると愛すら感じるよな。

09 | 榛名の神様にお参り

みんな初詣はしたの?というトークテーマで、ジュンが「8回した〜」と言ったらリョータくんが「え、なんで?スピなの?」って言ってんの面白かった。(スピリチュアル好きなの?の意)

実際は川越の七福神巡りをしたから年始5日にして初詣の回数荒稼ぎしているだけなんだけども。私はしてなかったから今日できたらいいな、と言っていたら、神様がいっぱい祀られているところを示す看板が現れた。ジュンが「スピってくれば?」というのでお参りすることにした。お参りのこと「スピる」っていうのやめい。

「石長姫大神・榛名富士大神・保食大神・饒速日大神」って書いてあって、神様が祀られた石碑が大小4つ並んでたから、私だけ手を合わせておいた。そしたらありを先生が「ホショクダイジンか〜」とボケでもなんでもないタイミングで謎読み間違えを爆発させてて大笑いした。正しくは「うけもちのおおかみ」ね。まあ読めないけども。

山頂の神社でもお参りをした。奥まで行くと、真っ白になった谷川岳が綺麗に見えた。ありちゃんが友達に群馬に行くと言ったら、谷川岳のことを「谷様」と言われた話、好きだな。

榛名山の標高が意外と高いことにめちゃくちゃびっくりした。そうか、麓の時点で標高1000mあるのか。そりゃ寒いわけだわ。

10 | 仲良くなったなぁ

行きとは別のルートで下山して、湖の辺りを歩いて次の山へ。途中でさっきパックを入れた紅茶の水筒を開けてみたら、フルーツのいい匂いが香って嬉しかった。冬にあったかいお茶はいいですね。下山しながら、誰がブルベだイエベだ、それぞれのイメージカラーはなんだ、という話をした。ジュンが「リョータくんは緑のイメージ!」と言ったら「それさっき緑の服着てたからじゃない」と論破されていたし、「私はグレー寄りの少し暗めの白のイメージだなー!」と言いながら振り返ったら、グレー寄りの少し暗めの白のシャツを着ていて、2人してなんの説得力も得られなかった。

リョータくんが下山しながら「それにしてもまあ…仲良くなったよなぁ。こんなガワのガワの話してんだから」と言っていたのを、白だ緑だ言ってて一度聞き逃したけど、ありちゃんが「リョータくん今いいこと言ってたよ!!!」と会話を止めてくれたので、無事もう一回言わせることができた。

ありちゃんが「下山したら、以前ヒルナンデスで観た伊香保温泉い行きたいんだ、2人の時間が許すなら」と提案してくれたので、「許す!」と言った。なので途中から下山活動のことに思考を持って行かれてしまって、そうするとどうしてもお腹も空いてしまう。榛名富士を登った後、烏帽子岳とか掃部ヶ岳とか色々登りながら一周するつもりだったけど、すっかり下山活動に気を取られ、「もうそんな色々登らなくて良くない?」モードになってしまった。なので、個人的に一番の見どころである硯岩にのぼって、それ以外は湖の周りの平地を一周することになった。やっぱいつでも下山できちゃう山ではついつい楽な方に流れてしまいますね。リョータくんは嬉しそうで、ありちゃんは若干残念そうだったかな。いつでも来られるから、また行ってみておくれ。

11 | 湖畔で過ごすゆっくりな時間

セゾンドはるなのところから湖に降りられたので、そこで休憩をすることにした。ジュンが持ってきた堅揚げポテトを「今日は鯛だし味にしました。なんてったってめで鯛から!!!」と取り出したので、みんなで拍手した。鯛出汁味の堅揚げポテト美味しかったなー。3人で並んでポテチ食べてたら、リョータくんがとってもいい写真を撮ってくれて、嬉しかった。

赤城山の大沼、2月には全部凍るかな?って話をしてたら、凍った湖が見たくなって、今目の前にある湖に近づいてみたら、端っこの方は薄く氷が張っていて、めちゃくちゃテンションが上がった。上に乗るとパリパリ割れるのも楽しいし、氷の下に入った空気の玉をポワポワ動かすのも楽しい。ありちゃんが割れた氷を持ち上げたら、それが想像以上に部厚くて大きくて、ジュンとリョータくんが座っているところまで持って行って、コンクリ壁に叩きつけて割った。ほんとガラスと何も変わらない見た目に背徳感が半端なくて、おっきい氷を拾ってはコンクリに叩きつけて割って遊んだ。その後も、氷をどこまで遠くに飛ばせるか試したり、ありちゃんは自然の中から遊びを見つける天才だなと思った。ジュンは手が冷たくなっちゃうよ、とずっと私に注意をしていたけど、その後ちゃんと手が冷たくてたまらなくなってしまった。反省はしているが、後悔はしていない。

12 | 硯岩からの大展望

烏帽子岳などはスルーして、硯岩に向かった。意外と急登で、なかなか疲れた。テンション上がって誤魔化していたけどやっぱりまだ当然本調子じゃないよなと思った。硯岩に向かう道は、初めて通った道だったと思う。伐採された木がたくさん置かれている場所があって、その並べ方がなかなか芸術的で面白かったから、そんなに着目するところでもなかったように思うけど、結構4人であーだこーだ言ってた気がする。そういう、しゃべってもしゃべらなくてもいいようなことをダラダラ話せる関係なのが、嬉しいな。

私高校時代、友達とこういう話ばっかりしていた気がするんだけど、大学生になってみたらそういう話が友達とできなくなって落ち込んだのをすごく覚えている。大学生ってさ、部活とか席が近いとかで自然に仲良くなるっていうのがなくて、「この人と仲良くなりたいな」って人を自分で選んで仲良くなりにいかないといけなかったんだけど。それでファッションが近いとかで仲良くなった子達が、なんか気が合わなくて。私が「こういう話」をすると盛り上がらなくて、いつもネイルとか髪色とかの話で、超つまんなくてさ。変わったやつだなーみたいに思われてたと思うんだよね。

楽しくなくて、大学もつまんなくてさ、友達になったからって、誰とでも自分の話したいこと話せるわけじゃないんだなーって思ったんだ。みたいなこと思い出して、だから同じことに興味が湧いたりとか、同じことで笑えたりできる友達がいることが、すごく嬉しいんだぁ。

硯岩からの景色は、もう何回目かわからないけど、それでもすごく感動した。さっき登った榛名富士が正面に見えて、湖の氷が張っているところとそうじゃないところの光の反射の仕方が違くて、上から見えるとそれがくっきりわかるのが面白かった。体を乗り出して、そのまま下に落ちていけるくらい開放感がある。人生ゲームの家みたいなホテルが、上から見ると余計にそれに見えて、可愛んだ。みんなでがけに座って写真を撮ったけど、リョータくんは端っこまでは来なかった。

以前お母さんと一緒にきた時に、怖いからそこには立たないでって言われた岩の端っこがあるんだけど、「親に言われたから立てなかった」っていう記憶だけやたら残ってて、反抗の心で立つことにした。すごく気持ちよかったけど、お母さんにだめって言われたからこその登ってみたさだったなと思う。みんなハラハラした顔で私のことを見守っていた。

榛名は山歩きJPを始める前、ジュンとお気楽隊と一緒にきていたのだけど、ジュンがその時のことを思い出して「あの時はここでこうした」っていうのをたくさん語っていて、ジュンの記憶がそんなに鮮明に残っていることに驚いた。私は覚えているけど、ジュンはそういうの覚えておくの苦手だから。JPで動画にするから一度登った山は基本登らない3年間だったけど、もしかして私と一緒に登って記録が残ることで、ジュンの記憶はとても保たれているんじゃないかという仮説を考えて、私のやっている記録がとても意味のあることに思えた。本当にジュンの備忘録になっているんだなー。

13 | 下山活動

下山はあっという間。降りたところで「ロマンス亭」っていうご飯屋さんがあって、わかさぎのフライが美味しそうでみんなで吸い込まれていった。私とありちゃんは舞茸の天ぷら丼を食べた。ジュンからわかさぎを数匹もらって食べたけど、スナック菓子みたいにふわふわサクサクしていてめちゃくちゃ美味しかった。

そこからは、ほぼ反対側まで歩かないといけなかったけど、平地だから余裕だぜ。ありちゃんがトイレに寄っている間に、みんなで凍った湖に木の枝を落として遊んだ。全然割れないし、遠くまで滑っていくのがなんとも面白い。トイレから出てきた時に、私たちがいないからありちゃんが若干焦っていて、可愛かった。

ありちゃんは水筒にココアを入れてきていたんだけど、ありちゃんがそれを飲んでいたらリョータくんが「一口ちょうだい」と言ってありちゃんに「あなた同じもの持ってるでしょ。朝私が入れてあげたんだから」と言われてんのが、めちゃくちゃ可愛かったな。

平地を歩いても体は全然温まらない。ちゃんと冷えた体で、温泉を心待ちにすることができた。「わかさぎを勝手にとったら罰金20万円」って書いてある看板があって、へーと言いながら川をのぞいたら、死ぬほどワカサギがうじょうじょいて、確かに取りたくなるわ!!!と思った。あの看板めちゃくちゃ必要なんだな。

伊香保温泉の、石段の湯にはいった。ありちゃんがお店の人に温泉の歴史を聞いていて、さすがだなー。お店の人も質問してもらえてすごく嬉しそうだったし、ほんと人に愛される力のある人だよな。出てすぐのところに玉こんにゃくが売っていたので、ほかほかした体でハフハフ食べた。そのまま裏路地を探検したりしながら365段の階段を登り、山頂の神社で参拝をして帰路についた。

帰る時、遠くからきているからと私たちを送り出してくれる2人がいつも温かい。車が見えなくなるまで、2人そろって手を振ってくれる。心の優しい人たち。帰りはジュンが運転してくれた。レッドブルを飲んだのに30分爆睡をかましてしまい、申し訳なかったな。帰りの車でラジオを録りながら、今年の目標とか具体的に話した。ジュンは、私といると最強になれる、と以前言ってくれたけど、それは私も同じ。私の苦手なことを補ってくれるから、っていうそういうスキル的な面だけじゃなくて、ジュンといると私は活動的になれて、ジュンといなかったら出会えなかったような素敵な人たちとお友達になれている。人生がどんどん豊かになるよ。ありちゃんリョータくんと、これからもたくさん遊びたいな。

やっと2025年が始まった。今年もいい年になりそうだ。

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