シートゥサミットのスパークシリーズはスパーク7C、スパーク-1C、スパーク-9C、スパーク-18Cの4モデル展開です。2024年から製品名とラインナップが一新され、製品名から各シュラフのロワーリミットが分かり、使用時期に合わせて商品選びが容易になりました。今回紹介するのは、コンフォート温度が-2℃の高い保温力が特徴のシートゥサミットスパーク-9℃です。
今回はこれからテント泊登山に挑戦しようと考えている方に向けて、テント泊登山向けシュラフの選び方を簡単に紹介し、その中でシートゥサミットのスパーク-9Cの位置付け、スペックとデザインを人気が高いモンベルのシュラフと比較をしながら紹介していきます。
テント泊登山向けシュラフの選び方を簡単に紹介

テント泊登山向けシュラフを選ぶ時は単純に重量、温度域といった情報だけで選ぶのではなく、登山装備全体におけるシュラフの位置づけを考え、2泊以上の場合はシュラフに使用されている素材を確認する必要があります。
シュラフで就寝した際の「快適性」は人それぞれ異なります。寒がりな体質であるか否か、寝相の良さ悪さなど、自分にとって快適なシュラフが何であるかを考える必要があり、誰かが持っているから、自分も同じものを買っておけば問題ないという簡単なものではありません。
ただし難しく考える必要はなく、
- テント泊を盛んに行う季節がいつなのかを決定
- テント場の標高を定め
- 就寝時の最低気温を確認し
- テントの内外気温差を把握
その後、シュラフのコンフォート温度と上記で把握した気温を照らし合わせ、購入するシュラフを定めます。より詳しく選び方を紹介した記事がありますので、一緒にご確認ください。
そして今回紹介するシートゥサミットのスパーク-9Cはコンフォート温度=摂氏-2度なので残雪期の登山や、秋の登山で保温力のある安心できるシュラフです。
シートゥサミットのスパーク-9Cの位置付け

シートゥサミットのシュラフの中では最上位シリーズに位置付けられるスパークシリーズは、2024年からスパーク7C、スパーク-1C、スパーク-9C、スパーク-18Cの4モデルに整理されました。以下の表は各モデルのスペックを整理したものです。
ちなみにシュラフはコンフォート温度で選ぶ必要があるので、個人的には商品名にコンフォート温度を使用してもらった方が分かりやすいのに!と思いました。季節や標高など以下のように使用シーンを整理することができます。
- スパーク7C:夏山登山限定で活用(北アルプスなどの高所でも使える)、また雪山登山のインナーシュラフとしても活用、中低山であれば3シーズンで幅広く活用
- スパーク-1C:3シーズンの登山で幅広く活用(北アルプスなどの高所でも使える)
- スパーク-9C:初春、晩秋から中低山の雪山登山で活用(初春、晩秋は北アルプスなどの高所でも使える)
- スパーク-18C:厳冬期における登山・BCスキーなどで活用
シートゥサミットのスパーク-9Cのスペックとデザイン
種類とスペック

シートゥサミットのスパーク-9Cにはレギュラーとロングモデルがあり
- レギュラー=幅77.5×長さ196cm
- ロング=幅82.5×長さ211cm
適合身長は
- レギュラー=最大185cm
- ロング=最大198cm
となっています。
重量は
- レギュラー=730g
- ロング=786g
ダウン重量は
- レギュラー=480g
- ロング=540g
その他スペックは
- 温度域:コンフォート温度=摂氏-2度/リミット温度=摂氏-9度(ヨーロピアンノーム)
- 中綿:850+プレミアムグースウルトラドライダウン(RDS認証)
- シェル&ライニング素材:撥水10デニールナイロン製
- 価格(税込):¥79,090
とにかく濡れに強い

このシュラフの特徴は1つに濡れに強い点が挙げられます。
中綿は撥水トリートメントされた850+フィルパワーのウルトラドライプレミアムグースダウンを使用しているので、体から出た湿気、山の中で生じる湿気で保温性が落ちづらいことが挙げられます。


またシェルとライニングは極薄の撥水加工が施されているので、テントの結露、シュラフに付着する結露がダウンまで到達しづらい特徴があります。
さらにさらにテントの内壁に直接触れることが多いシュラフのフードおよびフットボックスには防水透湿素材を使用しているので、安心して就寝することができます。
このような素材とデザインによって長期縦走登山でも1日目、2日目、3日目と保温力が落ちづらく安心です。
保温力に対して軽量
レギュラーサイズで730gは他のシュラフと比較してもかなり軽量です。以下の表は同コンフォート温度を備えたシュラフの重量比較です。
ブランド | モデル名 | コンフォート温度 | 重量 | 価格(税込) |
シートゥサミット | スパーク マイナス-9℃ | 摂氏-2度 | 730g | ¥79,090 |
モンベル | ドライ シームレス ダウンハガー900 #1 | 摂氏-3度 | 847g | ¥80,000 |
モンベル | シームレス ダウンハガー800 #1 | 摂氏-3度 | 866g | ¥51,150 |
Rab | ミシックウルトラ 360 | 摂氏-2度 | 645g | ¥110,000 |
このように見てみると価格においても重量においてもバランスに優れたシュラフであることがよくわかります。
使いやすく軽さと保温力を高めたデザイン

シルエットはマミーシェイプでジッパーの長さは通常の3/4にして軽量化を行っています。シュラフ全体でバッフル構造が採用され、ダウンのフワフワとした嵩高で体を包み込むような気持ち良さがあります。

上半身は縦型バッフル構造でダウンの偏りを防いでいます。これは就寝中横を向いた時に、ダウンが横にずれることを防ぎますが、その分どうしても使用するシェル素材が多くなるため、下半身には横型バッフルを配置し、背中全体も横型バッフルになっています。

積み込まれるような寝心地の良さと保温力は、首もとの冷気の浸入を抑えるフロントドラフトカラーと冷気浸入を防ぐドラフトチューブをジッパー沿いに装備していることが大きな要因で、体の熱を閉じ込める意味でも非常に暖かく就寝することができます。

フードはリニューアルされて大きく変わった箇所の一つで、フードが深めにデザインされ、調整するためのコードの厚みが絶妙で、しっかりと頭と顔周りを温めてくれます。
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