2026年の新作として、Rab(ラブ)から注目の軽量ザック「サイクロン XP 40(Cyclone XP 40)」が登場いたしました。ウィメンズモデルにおいては「サイクロン XP 38 ND」として展開されています。
3万円台前半という購入しやすい価格でありながら、軽量性と抜群の背負い心地を両立し、見た目もスマートに仕上がっています。さらに、他のザックとは一線を画す完全防水仕様や、機能性に優れた背面デザインなどを備えており、2026年の登山シーンにおいて注目の的となるアイテムです。
今回は、この「サイクロン XP 40」の優れた特徴や、実際の背負い心地の良さについて詳しくご紹介いたします。テント泊登山や小屋泊登山に向けた軽量ザックをお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
Rabの「Muon 40」と何が違うのか?

Rabのザックといえば、2025年に登場した「Muon 40」が記憶に新しいところですが、このモデルとの最大の違いは「汗抜けの良さ」と「ザック本体が完全防水仕様であること」にあります。
重量面では、Muon 40が895gであるのに対し、新しいサイクロン XP 40は890gと、ほとんど大差はありません。


では、どちらを選べば良いのでしょうか?ショルダーハーネスに厚みがあり、ザックの荷重が背中にぴったりと密着する作りの「Muon 40」は、ベースウェイト15kg程度で2泊以上の長期縦走登山を行うようなシーンにおすすめです。 一方、「サイクロン XP 40」は、ベースウェイト10kg程度で行動する1泊のテント泊登山から小屋泊登山において、背中を涼しく快適に保ちながら行動できるザック、という印象を受けます。


また、Muon 40が税込36,300円であるのに対し、サイクロン XP 40は税込33,000円と、機能性に反して良心的な価格設定となっている点も見逃せません。
特徴的な背面デザインによる抜群の汗抜け
このクラスの軽量ザックの多くはフレームレスモデルを採用していますが、Rabのサイクロン XP 40は、湾曲したフレームが背面に「ロの字型」に配置されています。

これにより、ザックと背中の間にしっかりとした空間を確保しつつ、内部の装備類をしっかりと固定して快適な背負い心地を実現しています。パッキングに不慣れな初心者の方でも、ザックの形が崩れにくく扱いやすいデザインに仕上がっているのが特徴です。


通常、背面に隙間を設けた湾曲型のザックは、荷物を入れた状態で自立しにくいことが多いのですが、サイクロン XP 40は底面がU字型になっており、不安定ながらも荷物を入れた状態で自立してくれると思いきや、やっぱり倒れてしまいます。


背中に接触する背面パネルには、大きな穴を備えたメッシュ生地が採用されています。細かく編み込まれたこの素材はストレッチ性も備えており、汗抜けが良く乾きが早いだけでなく、背中の形状に合わせてぴったりとフィットする心地よい感触を得ることができます。
優れたフィット感と背負い心地
Rabのザックの多くに採用されているシームレス構造のメッシュ生地により、背中からショルダーハーネス、そして肩から肩甲骨にかけて吸い付くようなフィット感があります。ショルダースタビライザーを調整することで、様々な肩の形状に沿わせることが可能です。

肩甲骨の上部から肩の前面にかけては、柔らかなオレンジ色のクッション素材が配置されています。この部分は幅を持たせた設計になっているため、荷重がかかっても肩に食い込むことがありません。
これにより、行動中に体が左右に振られてもザックの荷重でバランスを崩しにくく、ファストハイキングのような少し早歩きの登山などでも快適に行動できます。


ウエストベルトもショルダーハーネスと同様にシームレスにデザインされており、柔らかなクッション素材によって腰回りを優しく包み込む仕上がりです。ただし、ザックのボトム部分を体にしっかりと引き寄せる構造については、Muon 40の方に軍配が上がるように感じられました。
本体が完全防水仕様になったことでの軽量化メリット
サイクロン XPシリーズには、今回ご紹介している「40」というサイズ以外に「30」のサイズも展開されています。どちらもレディースモデルがあり、それぞれ「38 ND」と「28 ND」となります。


これらすべてのモデルにフレームが搭載されており、背面のメッシュ構造も備わっています。さらに、本体生地はすべて防水仕様となっており、シームテープ処理によって内部への水の浸入をしっかりと防ぎます。上部はロールトップ型のため、雨の浸入を防ぐと同時に、荷物が少ない時にはトップからコンプレッション(圧縮)をかけられる合理的なデザインです。

通常、ダウンシュラフやダウンウェア、着替えなど濡らしたくないものはドライバッグに入れる必要がありますが、ザックそのものが防水仕様であるため、これらのドライバッグを省くことができます。注意点としては、結露で濡れたテントを収納する際、テントの収納袋を防水仕様のものにすることで、他のドライバッグを省くことが可能になります。
また、当然ながらレインカバーを携行する必要もなくなるため、ザックが防水仕様になることで結果として200gほどの軽量化を実現できます。このあたりのパッキングの考え方は好みが分かれるところですので、個人のスタイルに合わせて検討してみてください。
扱いやすく考え抜かれたポケット群

ザックのフロント部分には、レインウェアやウィンドブレーカーなど、素早く取り出したいものを収納しておくのに便利なフロントポケットが備わっています。 このフロントポケットは背中から一番離れた位置にあるため、重いものを入れてしまうと荷重が後傾し、不安定な登山になってしまいます。そのため、軽量なものだけを収納するよう心がける必要がありますが、非常に便利なポケットです。


このポケット部分には非常に丈夫なリップストップナイロンが使用されており、岩や木の枝に擦れても破れる心配が少なくなっています。

同じ丈夫な素材を用いたサイドポケットは、テントポールやトレッキングポール、またボトルなどを収納するのに適しています。Muon 40のサイドポケットは非常に大きく作られており、ボトルを収納しておくと落下してしまいそうで少し不安がありましたが、サイクロン XP 40は縦型のスリムなポケット構造になっており、その心配がありません。
ただし、このサイドポケットへのアクセスは、背負ったまま物の出し入れをするのが難しく、一度ザックを肩から下ろして取り出す必要がある点が少し気になりました。 また、Muon 40ではスタンドコージー(保温ケース)に入れたアルファ米などを、そのままサイドポケットに収納して行動食として食べることができましたが、ポケットがスリムになったことでそれが難しくなっています。



ウエストベルトに備わったポケットは、非常に高いストレッチ性を備えたメッシュ素材です。ジッパー付きで、小物や行動食、出たゴミなどを収納しておくのにとても重宝します。

ショルダーハーネスの右側には、深型のメッシュポケットが備わっています。ここにはソフトフラスクなどを入れておくようなデザインになっており、500mlのペットボトルを収納するのにも便利です。

ただ、一般的な500mlのペットボトルを収納すると、ボトルの直径によって胸のあたりに少し干渉を感じることがあります。私はそれが少し気になってしまうため、「山旅」の長方形ペットボトルを使用するようにしています。まるでこのボトルのためにデザインされたかのようなポケットで、個人的にはとても嬉しく感じています。

左側のショルダーハーネスにはジッパー付きのポケットが備わっており、スマートフォンをしっかりと固定して収納することができます。

トップに配置されたU字型のジッパーポケットには、ハイドレーションを収納することができます。このハイドレーションポケットに、凍らせたプラティパスのソフトボトルを入れておくと背中がひんやりと涼しいため、夏の登山には特におすすめの使い方です。
まとめ
Rabの「サイクロン XP 40」は、テント泊や小屋泊をより快適にしてくれる、非常に完成度の高いザックです。独自の背面構造による優れた汗抜けとフィット感、そして完全防水によるパッキングの簡略化など、登山者の負担を軽減する工夫が随所に凝らされています。
同クラスのザックと比較しても手に取りやすい価格帯でありながら、耐久性や細部の使い勝手にも妥協がありません。快適な背負い心地を求める方にとって、有力な選択肢となるのではないでしょうか。
なお、今回ご紹介したモデルよりもひと回りコンパクトな容量の「サイクロン XP 30」につきましても、また別の記事にて詳しくご紹介する予定です。ぜひそちらも楽しみにお待ちください。

