登山において、道具選びは単なる準備ではなく、山での時間をいかに安全で快適に過ごすかという「知恵」の積み重ねです。特に2026年は、画期的な新素材の登場や、既存の道具の弱点を補う独創的なアイデアによって、私たちの山行スタイルはさらなる進化を遂げようとしています。
「過酷な状況下でも確実に火を得るにはどうすればよいか」 「長時間の歩行による疲労を最小限に抑えることはできないか」
こうした登山の本質的な課題に対し、私自身が実際にフィールドで試し、確かな手応えを感じた5つのアイテムを厳選しました。革新的なバックパックから、日常の歩きを見直す一足、そして小さな火種を守るためのケースまで。

派手さはありませんが、どれも現場での実利を最優先に考え抜かれた道具ばかりです。これからの山歩きをより深く、軽やかなものにするためのヒントとして、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
確実に火を作る山旅「防水ライターケース」
登山におけるライター選び:電子式とフリント式の決定的な違い

登山において火器の信頼性は、時に生死を分ける重要な要素となります。一般的にライターには電子式とフリント式がありますが、標高が高くなると気圧の影響で電子式は着火しなくなるため、登山では火打ち石の原理で火花を飛ばすフリント式が推奨されています。しかし、フリント式にも弱点があります。それはヤスリや石が水に濡れると火がつかなくなる点です。大雨の中での行動や、渓流釣り、沢登りといったシーンでは、メインと予備の両方が濡れて使い物にならなくなるリスクがあり、そのためライターの防水対策は極めて重要です。
なぜ「Bicライター」がハイカーに支持されるのか

こうした過酷な環境下で信頼されているのが、1945年創業のフランス企業、Bic(ビック)社のライターです。Bicのライターは、安価で手に入れやすいだけでなく、軽量で強靭なデルリン樹脂を採用し、燃料には寒さに強いイソブタンガスを使用しています。一般的なライターに使用されているブタンガスに比べて低温下でも気化しやすいため、まさに登山に適したスペックを備えています。さらに特筆すべきはその燃費効率です。最も軽量な「ミニ(12g/1450回)」は1回あたり約0.008g、「スリム(14g/1800回)」は約0.0077g、そして「レギュラー(22g/3000回)」は約0.0073gとなっており、レギュラーサイズが最も効率的に火を運べる計算になります。
火種を守る最終回答、山旅「防水ライターケース」


このたび、山旅ではこのBicのレギュラーサイズがシンデレラフィットする専用の防水ケースの販売を開始しました。レギュラーだけでなく、スリムやミニも収納可能なこのケースは、フリント式ライター最大の弱点である「水濡れ」を完全にシャットアウトしま
非常時の備えとしてマッチやファイヤースターターもありますが、やはり操作性に優れるのはライターです。使い慣れた道具をいかなる状況でも確実に機能させること。この防水ケースは、山における火種確保のリスクを最小限に抑えるための道具で、必ず使用するようにしています。
新しステムと素材が特徴のマウンテンハードウェア「Alakazam(アラカザム)」
経年劣化に強い新素材「アルーラ」の価値

僕はマウンテンハードウェア「Alakazam(アラカザム)」で、はじめて「ALUULA(アルーラ)」という素材を採用したザックを使ったのですが、岩場での擦れに強く、保水もしないため、レインカバーを省略できるという実利があり、更に非常に軽量でしなやか。また長年の使用による剥離の心配がほぼない接着剤を使わない独自の構造を備えています。
フレーム付きでMLサイズで860グラム。また新しい構造と動きを備えたヒップベルトがこのザックの最大の特徴といえます。
自然な歩行を助ける「ゲイトキーパー」ヒップベルト


背負い心地に関しては、新機構の「GAIT KEEPER(ゲイトキーパー)」が重要な役割を果たしています。 ヒップベルトが体の動きに合わせて上下に動くため、大きな段差で足を上げた際にも、ザックが不自然に揺れたり動きを妨げたりすることが非常に少ないんです。
固定式のベルトに比べて腰周りの動きがとても不思議な感覚で、歩いて行ってバランスを崩しづらく、しっかりと足を上げることができる勾配のある登山道で違いを実感できるザックです。これによって長時間の歩行でも疲れにくく、内蔵されたV字型フレームと相まって、パッキングの技術に左右されすぎず、安定した背負い心地を維持してくれます。
現場での使い勝手を優先した設計

背負ったまま片手で荷物を圧縮できるコンプレッション機能や、見た目以上の収納力を持つ大型ポケット、背負った状態でアクセスしやすいサイドポケットなどテント泊、小屋泊登山にお勧めのザックです。
気になる方は是非別の動画で詳しく紹介しているので確認してみてください。
軽さと寝心地の良さを両立した枕 NEMO「フィッロ エリート」
安定性を考慮した3Dバッフル構造

このピローは、単に空気を溜めるだけの袋状の構造とは異なります。内部に「3インチのIビーム構造」という3Dバッフルを採用しており、膨らませた際に頭の形に沿いやすい自然な形状を維持します。これにより、エアピロー特有の不安定な揺れや沈み込みが抑えられ、首から頭部にかけてを適切に支える仕組みになっています。
インサレーションと素材による質感の調整


エアピローは軽量である反面、クッション性が硬く感じられることがありますが、フィッロエリートは素材の組み合わせでその課題に対応しています。


肌に触れるカバーには、柔らかなジャージー素材を使用。内部には、100%リサイクル素材から作られた「Zerofiber™(ゼロファイバー)」インサレーション(中綿)が封入されています。この薄い中綿の層が、エアセルとカバーの間に介在することで、空気の反発を適度に和らげてくれます。
フィールドでの実用性を高める設計
実際の使用シーンを想定し、細かなパーツにも機能性が持続するように設計されています。


ツイスト&ロックバルブ:人間工学に基づいたデザインのバルブにより、少ない呼気で素早くセットアップができ、撤収時の排気もスムーズに行えます。
一体型スタッフサック:収納袋がカバーと一体化しているため、パッキング時に袋を紛失するリスクがありません。収納時は手のひらに収まるサイズまでコンパクトになります。
衛生面の配慮:カバーは取り外して自宅の洗濯機で洗うことが可能です。山での使用に伴う汚れを落とし、清潔な状態を保ちやすくなっています。
多用途に使えるコンパクトな道具


約85gという軽さとコンパクトな収納サイズは、登山のパッキングを圧迫しません。その携帯性の高さから、テント泊だけでなく、長距離移動の際の首のサポートや腰当てとしても活用できます。とにかく軽量化!そして着替えも持っていきたい!と言うときの選択肢では山旅のダイニーマ製リバーシブルピローを使い、寝心地優先で山小屋泊、車中泊、キャンプ、旅行などではNEMO「フィッロ エリート」という使い分けを行っています。
普段、そしてマラソンでゼロドロップで歩くLEMS「Chillum(チラム)」
足本来の機能を呼び覚ます、ゼロドロップの日常靴

現代のシューズの多くは、つま先が細く、かかとが高い設計が一般的です。しかし、本来の足の形や歩行メカニズムに立ち返ったとき、ゼロドロップを履き続けて感じたのは疲れづらい歩行を手に入れることができると言う可能性です。僕はおしゃれとしてニューバランスのシューズを好んで履いていましたがLEMSのシューズを履くようになったら、ニューバランスのシューズを履いて歩くとふくらはぎが疲れて、それによって体のバランスが崩れているのか、腰や肩が痛くなるようになってしまいました。

Lems(レムス)の「チラム」は、足指の自由な動きと自然な姿勢を追求した、ミニマリスト設計のライフスタイルシューズです。その特徴は、単なるデザイン性にとどまらず、歩くことの本質的な心地よさに根ざしています。
自然な姿勢を支える「ゼロドロップ」と「ワイド設計」


チラムの設計思想の核となるのが「ゼロドロップ」デザインです。これは、つま先とかかとの地面からの高さを水平(0mm)に保つ構造を指します。かかとが上がっていないフラットな状態で立つことで、身体の重心が自然な位置に収まり、適切なアライメントをサポートします。
また、つま先部分には「WIDE Natural-Shape」ラストを採用しています。従来のシューズのように指先を圧迫するのではなく、足の形に合わせた広いスペースを確保。これにより、歩行時に足指が自然に広がり、地面をしっかりと捉えるという足本来の機能を妨げないよう配慮されています。
驚きの軽さを実現する「IBRアウトソール」

手に取った瞬間に実感できるのが、その軽さです。アウトソールには、空気を混ぜて射出成形されたLEMS独自の「インジェクション・ブローン・ラバー(IBR)」を使用しています。メンズUS10サイズで約226gという超軽量設計は、長時間の街歩きや移動においても足への負担を軽減します。


スタックハイト(ソールの厚み)は10.0mmと薄めに設定されており、適度なクッション性を保ちながらも、地面の感覚を足裏で感じ取ることができます。まるで靴を履いていないかのような、開放感のある歩行体験がチラムの持ち味です。
環境への配慮とカスタマイズ可能な履き心地


アッパー素材には、ヴィーガンマイクロファイバーとエアメッシュを組み合わせています。環境負荷を考慮した素材選びを行いながら、スタイリッシュな質感と通気性を両立させています。VANSなどのクラシックなデザインを彷彿とさせながらも、しっかりと機能性を両立している点が好みです。
履き心地の調整において重要な役割を担うのが、取り外し可能な「コルクフットベッド」です。0.8mm厚のコルク層を配したインソールは、吸湿性に優れ、履き込むほどに個々の足型に馴染んでいきます。
インソール使用時:コルクの自然な涼しさと、適度なクッション性を得られます。
インソール取り外し時:よりダイレクトな接地感(ベアフット感)を楽しむことができ、より自由な足の動きを優先したい時に有効です。
日常から旅先まで、探索心を支える一足


チラムは、単なるカジュアルシューズではありません。足の健康と自由な動きを重視する方にとって、日常の散歩から旅先での探索まで、あらゆるシーンに寄り添うパートナーとなります。
機能性を追求しながらも、街に馴染むミニマルなスタイルを維持しているため、本格的なベアフット(裸足)感覚を求める方はもちろん、初めてゼロドロップシューズを試す方にも適したモデルです。
どこにでも持ち歩ける軽量コンパクトなライトOLIGHT「iUltra」
摩耗に強いOAL™アルミニウムの採用 OLIGHT「iUltra」

このライトの最大の特徴は、ボディ素材に採用された「OAL™アルミニウム」にあります。一般的にアウトドア用品で多用される6061アルミニウムと比較して約1.7倍の硬度を持ち、金属同士が擦れ合う環境下でも傷がつきにくい特性を備えています。
鍵やマルチツールと共に長期間持ち歩くことを想定し、数千回に及ぶタンブリングテスト(回転研磨テスト)を実施。その結果、実用上の機能と外観を損なわない耐久性が確認されています。道具としての美しさを保ちながら、過酷な使用環境に耐えうる設計です。
迷いのない「引き出し式」の操作性


暗所での使用を想定し、操作スイッチを排除した直感的なアクティベーションを採用しています。ライト本体をマグネットキャップから引き抜くだけで点灯し、元の位置に戻せば消灯します。
この仕組みにより、手袋を着用している際や、暗闇でスイッチの場所を探す手間が省けます。最大80ルーメンの明るさは、夜間のテント場周辺の物探しや、トイレに行く時の足元の安全確保といった用途において、必要十分な視認性を提供します。
内蔵プラグによるUSB-C充電

充電の利便性についても、効率的な設計がなされています。本体にUSB-Cプラグが直接内蔵されているため、充電用のケーブルを別途用意する必要がありません。
ノートPCやモバイルバッテリー、車のUSBポートなどに直接差し込むことで、場所を選ばず充電できます。
20gの軽量設計と携行性

本体重量は約20gと非常に軽く、サイズも極小です。キーチェーンやバックパックのジッパー、ファーストエイドポーチのジップタブ変わりにと、邪魔にならないボリュームに抑えられています。

軽量でありながら、合金製のボディが落下などの衝撃から内部を保護します。「常に持ち歩くこと」を前提とした場合、この軽さと堅牢さのバランスは、日常の備えとして実用的です。1つ難を言えばコンパクトなので落として見つけにくいことです。
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