軽量化で楽しむ南アルプス縦走登山 装備編

    毎年お盆休みは長期縦走登山を楽しむイベント性の高い期間となる。今年挑戦するのは南アルプス核心部をつく縦走登山。鳥倉(豊口山)登山口から赤石岳に向かい、聖岳、茶臼岳、光岳を巡り、最終畑薙第一ダムへ下山するという4泊5日の縦走登山だ。

    南アルプス縦走登山の前半地図
    スタートは 鳥倉(豊口山)登山口 。左上のオレンジのSというアイコンが地点。
    南アルプス縦走登山の後半地図
    畑薙第一ダムが今回の縦走のゴール。右下の青いGというアイコンが地点。

    南アルプスの核心部は山深く、アクセスが大変なことでも有名だ。行きは高速バスとタクシーを乗り継いで登山口まで向かい、帰りは静岡行きのバスで都会に出る。今回は僕含めて3人のパーティーでこの登山を楽しむ計画だ。

    登山を行う1週間前から登山の準備をスタートし始めるのが恒例だ。この記事を書いている最中も装備のことをあれこれ吟味しているのだが。ある程度まとまったので、まずは装備のことをしたためておきたい。

    おすすめポイント

    • オーバースペックになっていないか吟味する
    • 水を入れたら重量がどうなるかゴールの逆算を考えてバックパックを選ぶ
    • 事前に行く山の水場状況を細かに調べておく
    • 山小屋の情報、食事の内容を調べておく

    バックパック

    バックパックはサロモンの「OUT NIGHT 30+5」
    35リットルのザックで縦走をするためには、という逆算の考え方で装備を検討していく。フロントポケットは取り出しやすく設計されているので、ここには下で紹介するレインの上下を仕舞う。レインウェアをパッキングするための袋は省いて、直接ザックに入れる。

    今回活用するバックパックはサロモンの「OUT NIGHT 30+5」で、容量は商品名にもあるとおり35リッターとなっている。これにレインウェア、防寒着、クッカー、ストーブ、テント、テントマット、シュラフ、ファーストエイド、エマージェンシーキット、ガジェット、食料、行動食をパッキングする。

    バックパックの重量は756グラム。以前2キロほどのバックパックを使用していたことを考えると、かなりの軽量化だ。軽量化したからといって、背負い心地を損なわず、バックパックを背負った状態で、様々なものが取り出しやすいのが、このバックパックの好きなところ。

    レインウェア

    バックパックに仕舞う際には、袋から取り出しウェアのみをフロントポケットに突っ込む。レインウェアはウインドブレーカとしても活用するため、取り出しやすく仕舞いやすい場所にパッキングする。
    寒い場合はSOLのエスケープライトヴィヴィにズボズボと下半身を入れて凌ぐ
    156グラムという軽さなのに、多くの安心感を教授してくれる。寝る、停滞する、休憩する、滞在するといった様々なシチュエーションで大きな武器になる。

    レインウェアはTHE NORTH FACEのストライクトレイルフーディと、ストライクトレイルパンツ。両方ともパッキングして片手に収まるほど大きさ。晴天時でもレインウェアは大いに活躍させる予定。ジャケットはウインドブレーカー兼用と考え、行動時はショーツ着用なので、休憩時の防寒着としても活用する。ダウンパンツの持参に迷ったが、寒い場合はSOLのエスケープライトヴィヴィにズボズボと下半身を入れて凌ぐことにする。重量は2つ合わせて230グラム。驚くような軽さだ。

    防寒着

    パタゴニアのマイクロ・パフ・フーディ
    化繊ジャケットとしては圧倒的な軽さを誇るマイクロ・パフ・フーディ。綿抜けもなく気を使わずに使用できるのは登山中にはありがたい。

    台風の到来、長期縦走を考えると、ダウンよりも化繊が安心だ。セレクトしたのはパタゴニアのマイクロ・パフ・フーディで264グラム。ジャケットスタイルの軽量な化繊もあったのだけど、テント場で強い風に吹かれて、首周りと顔周りを覆いたいシチュエーションも想像できるなあ、と考えこちらをセレクト。

    防寒着はTHE NORTH FACEのハイブリッドアルファベスト
    ベストってちょっと玄人なイメージがあるのは僕だけだろうか?背中はポーラテックアルファを使用しているので、行動時の抜けも良い。必要な場所だけ効果的に外気を凌げるのもベストならでは。

    もう1つの防寒着はTHE NORTH FACEのハイブリッドアルファベスト。こちらは185グラム。こちらは休憩中の防寒着というより行動中の防寒着という位置づけ。マイクロ・パフ・フーディでの行動はオーバーヒートしてしまうだろうから、行動時に適した防寒着としてセレクト。体幹を中心に暖めるためのベストというのも個人的には好きなセレクト。

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    テント

    ビッグアグネスのフライクリーク HV1カーボンwithダイニーマ
    見た目も格好良ければ、持ったときの軽さも格好良い。

    軽量化、コンパクトに最大のインパクトを及ぼすのがテントだろう。今回は僕が知り尽くす限りの最軽量なテント、ビッグアグネスのフライクリーク HV1カーボンwithダイニーマをセレクト。ビッグアグネスのクレイジーライトというカテゴリの中でも、最もクレイジーな重量の限界に挑戦したテント。ポールにはカーボンとアルミニウムを使用しており、僕の周りでは剛性が高くカーボンだけれども安心感が高いと評判がある。フライシート、フロア素材はダイニーマで、重量はなんと595グラムという軽量っぷり。詳しいレビューは後半の記事で行う。

    ビッグアグネス(BIG AGNES) フライクリーク HV UL 1EX (テント 1人用) TEXHVFLYG118

    テントマット

    最初手に取ったときは「何だこれ?」っていうくらいに小さく、軽く驚く。今回の装備の中でもマット収納時のサイズ感、軽さには、技術の進歩を感じずにはいられない。

    テントの次に軽量化、コンパクトにインパクトを及ぼすのがテントマットとシュラフじゃないだろうか。テントマットは、これも僕が知る尽くす限り最軽量なサーマレストのネオエアーウーバーライトSをセレクト。重量は170グラム。

    足にマットが必要なシーンというのは、地面からの冷気を遮断するということが大きな役割なんだと感じる。夏場の暖かな時期での使用にはハーフサイズで十分だ。

    サイズはSサイズで119センチという長さ。頭からお尻ぐらいまでの長さだ。足元はザックやウェア類などを置いて就寝する。183センチの長さのネオエアーウーバーライトが250グラムで、その差は80グラム。80グラムを削っても寝心地はさほど変わらないので、軽量化に舵をきった。

    シュラフ

    ウェアを上手に活用することで、夏場であればちょっとの寒さでも、就寝を妨げることはないだろう。

    シュラフはシートゥサミットのスパークSpIをセレクト。350グラムという驚きの軽さで、パッキングすると手の平に収まってしまう。コンフォート温度で9度。更には撥水ダウンのため水にも強い。もしも寒ければ防寒着とSOLのエスケープライトヴィヴィを併用して難を凌ぐ。

    ファーストエイド・エマージェンシー

    ファーストエイド・エマージェンシー
    雨の心配が強い山行なため、防水フィルムは必須。また前回の縦走で、隣のテントから聞こえる賑やかな宴会の声によって、寝ることが困難だったために耳栓を追加。

    毎回の登山で使用しているものを今回も使用する。小さな怪我、大きな怪我、虫よけ、虫刺されを気にしたファーストエイド類。ギアの故障、シューズやウェア、装備類の穴あきや破損に適したエマージェンシー。これらを100均で購入したファスナーケースに入れている。これらを全部収めて、重量は361グラムだ。

    ガジェット類

    ガジェット類
    ガジェット類は水に濡らさないようにとジップロックにしまった。完全防水ではないので、防寒着をしまう防水パックと一緒に仕舞う。

    最近ではスマホの活用領域が広い。地図を閲覧しての位置確認や、カメラの性能もよくなり撮影機器としてもスマホは非常に役に立つ。スマホで主に使用するアプリは、「山と高原地図ホーダイ」をメインに、写真を撮影しては家族に安心を伝えるためにLINEで山の写真を送っている。

    山と高原地図ホーダイでみる南アルプスの地図。右上の「計画作成」で簡単にプランを作ることができる。縦走中は左下の「現在地」ボタンをタップで、地図上でアイコンがプロットされ、居る場所を把握できる。登山道から外れても居場所の把握ができるので、遭難対策にもなる。

    スマホの充電を極力使用しないように事前にバッテリーセーバーの設定方法と、バッテリーセーバーがオンになると何が変わるかを知っておく。僕のスマホはgoogleのpixel 3aだが、画面がオフのときに位置情報サービスを使用しなくなるので、山と高原地図アプリを使用する際の位置情報確認時に注意をしている。

    またスマホそのものを軽量化できないものなのかも、お金に余裕があれば是非検討してみたい。世の中には手の平サイズの面白いスマホが多くあるようだ。

    ガジェット類としてまとめたのはモバイル充電器とケーブル類、予備電池。これらをジップロックに入れて、全て含めて重量は286グラムだ。

    クッカー&ストーブ

    クッカーはエバニューのマルチディッシュとチタンカップ400で合計63グラム
    クッカーの蓋が開かないようにするためのパッキング方法を試行錯誤したが、ヘアゴムが良かった。ヘアゴムがゆるくなって取れやすくなってしまったら、ダクトテープで蓋をとめても良いかもしれない。

    今回の食事は、全てお湯を使用して作ることのできるものにした。炒める、茹でる、蒸すなどの調理はいっさい行わない。また1回の食事で使用するお湯の量は420mlだ。今回はお湯を作るのに固形燃料を使うことにした。

    調理に必要な水量

    ├フリーズドライの汁もの:160ml
    ├フリーズドライの丼もの:100ml
    ├アルファ米:160ml~(アルファ米にオートブランで嵩増しするので水量はちょい大目)
    合計:420ml

    クッカーセット
    固形燃料、五徳、マグ、スプーン、ライター、風防を入れてギリギリ蓋が閉まる。1日目で固形燃料が1つ減るので、パッキングは楽になるだろう。余計な袋などは一切取り除いている。

    固形燃料は14グラムのタブレットが、完全防湿ブリスターパックに3タブレット入ったミリタリーを選択。合計ブリスターパック2個で6タブレットを持っていく。お湯を使用するのは夜4回、お昼1回に使用する予定だ。1タブレットは予備として持っていく。

    朝食はアルファ米に水を入れて作るためお湯を沸かす必要はない。お昼は小屋食をメインにして行動するため、燃料、食料ともに軽量化となる。食事プランを箇条書きにすると以下の通り。

    縦走1日目

    朝 コンビニおにぎり
    昼 小屋飯(小河内岳避難小屋)
    夜 アルファ白米・スープ・丼

    縦走2日目

    朝 アルファ米
    昼 小屋飯(荒川小屋)
    夜 アルファ白米・スープ・カレー

    縦走3日目

    朝 アルファ米
    昼 小屋飯(聖平小屋カレー)
    夜 アルファ白米・スープ・丼

    縦走4日目

    朝 アルファ米
    昼 アルファ米
    夜 アルファ白米・スープ・丼

    縦走5日目

    朝 アルファ米
    昼 アルファ米(予備)

    ストーブ類はエスビットのチタニウムストーブと固形燃料、着火の為のbicミニライター、手作りのアルミ製風防で、合計242グラムだ。Bicのミニライターが壊れてしまったことを考えてUCOのサバイバルマッチをエマージェンシーキットに追加した。

    使用するクッカーはエバニューの マルチディッシュ とチタンカップ400で合計63グラムだ。このチタンカップに、シートゥサミットのX-マグがスポッと入る。またアマゾンで安く購入したチタン製の折りたたみスポークもチタンカップに収まりがいい。これら2つで78グラムが追加される。

    チタンカップ400を使い続けていると、変形でX-マグが入らなくなると聞いたことがある。火のかけ方を注意するなどが必要かもしれないが、これは別途使用後レビューできたらと思う。

    その他装備類

    グローブは通常使用するものの他に、念のための予備グローブと、レイングローブにテムレスを選んだ。テムレスは中にグローブをすることを考えてLLをセレクト。Lで丁度良い大きさで、Mは女性、子供のサイズ感。ヘッドライトにはレッドレンザーのMH5で、朝4時からの行動が多いため、明るさを重視しつつ、軽量にも長けたモデルを選択した。

    テント場でくつろぐ為に持っていくのは、fitkicksという折りたためてコンパクト且つ軽量なシューズと、座布団を持っていく。足を開放させること、仲間と食事を楽しむための座布団というセレクト。座布団はUltralight Adventure Equipment(ULA)というメーカーのザックに使われている背面パットを活用する。

    水について

    水分補給には500mlのソフトフラスコに自家製エネルギードリンクを作って持ち歩くほか、プラティパスのビッグジップをザックに入れて水分補給を行う。プラティパスのビッグジップは2リットルの容量なので、水は2.5リットルを持ち歩くとして最大2.5キロ。ビックジップが170g、ソフトフラスコが30gなので、2,700グラムが最大値となる。水って重い。

    装備のまとめ

    装備の全体像

    装備の全体像を以下でまとめてみた。食料編は別の記事で紹介したいと思う。以下で紹介した装備の合計は約5キロ。食料で約3キロ。水抜き、酒抜きで8キロだから合計で11キロほど。

    ●バックパック
    ├サロモン/OUT NIGHT 30+5:756g

    ●テント
    ├ビッグアグネス/フライクリーク HV1カーボン:595g

    ●寝具
    ├サーマレスト/ネオエアーウーバーライトS:170g
    ├シートゥサミット/スパークSpI:350g
    ├サーマレスト/エアヘッドライトピロー:75g
    ├SOL/エスケープライトヴィヴィ:156g

    ●レイン&防寒着
    ├THE NORTH FACE/ストライクトレイルフーディ:110g
    ├THE NORTH FACE/ストライクトレイルパンツ:120g
    ├THE NORTH FACE/ホワイトランニングジャケット:125g
    ├パタゴニア/キャプリーンサーマルウェイトジップネック:218g

    ●クッカー周辺:合計242グラム
    ├エバニュー/マルチディッシュ:13g
    ├エバニュー/チタンカップ400:50g
    ├エスビット/チタニウムストーブ:13g
    ├エスビット/固形燃料ミリタリー6個:84g(14g/1タブレット)
    ├bic/ミニライター:20g
    ├手作り/風防:9g
    ├シートゥサミット/xマグ:42g
    ├チタンの折り畳みスポーク:17g

    ●ファーストエイド・エマージェンシー:合計361g
    ├歯ブラシ
    ├オーラルピース
    ├プラスモイスト/大2・小2
    ├ヘモスタパッド・ハイドロコロイド包帯
    ├ステロイド外用剤
    ├てぬぐい
    ├軟膏
    ├綿棒
    ├防水フィルム
    ├耳栓
    ├テーピング類
    ├ビクトリノックス/クラシック
    ├ダクトテープ
    ├虫よけスプレー
    ├ペツル/イーライト
    ├靴ヒモ
    ├アグレッシブデザイン/UVケア
    ├UCO/サバイバルマッチ

    ●ガジェット:合計286g
    ├モバイル充電器
    ├ケーブル
    ├予備電池

    ●着替え(ビニールに入れる)
    ├パタゴニア/バギーズライト:145g
    ├パタゴニア/キャプリーンデイリー:128g

    ●その他
    ├グローブ:47g
    ├予備グローブ(ジップロックで防水):23g
    ├レイングローブ/テムレス:53g
    ├レッドレンザー/MH5:179g
    ├fitkicks/メンズエディションM:200g
    ├ソフトフラスク:30g
    ├ロールペーパー:80g
    ├プラティパスのビッグジップ:170g
    ├背面パッド(座布団):27g
    ├ザックカバー:85g

    実際に行って必要のなかった装備

    • 防寒着は化繊ジャケット、ダウンジャケットいづれか1つで良い。ベストはいらない。パタゴニアのマイクロ・パフ・フーディで264グラムは、違うアイテムでもっと軽くならないか検討。
    • 1日の行動量が多いと山小屋でビールを飲んだら眠くなる。ウイスキーはもっと少なくても良い。
    • 固形燃料は途中ガスでお湯を作ってくれたことで3つ余った。
    • SOLのエスケープライトヴィヴィはお盆中の暑さには必要がなかった。天気と睨めっこして検討。
    • 一緒に登山を楽しんだ仲間に頂いたMOMAゴム。これは非常に役立つ!

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