ザ・ウールマーク・カンパニーはイギリスの北極探検家3人(Alex Hibbert/アレックス・ヒバート、George Bullard/ジョージ・ブラード、James Wheeldon/ジェームズ・ホイールドン)による北極への自力探査プロジェクト『Dark Ice Project』の公式の技術パートナーとなることを発表した。

Dark Ice Projectについて

Dark Ice Projectについて

冬の北極海は地球の健康状態を示す重要なバロメーターであるにもかかわらず、月面よりも未知の多い場所といわれている。この史上初の探査は、マイクロプラスチックが冬の北極の深い水や雪、氷においてどのように作用するかを明らかにするものだ。3人の探検家は6か月もの単独探査を今年後半に開始する。

Dark Ice Projectについて

このプロジェクトには、ザ・ウールマーク・カンパニー、adidas Terrex、BYBORRE、GORE-TEXといった技術性能の先進企業のエキスパートが参加し、アスリートである彼らの肉体的そして環境的ニーズに応えられる装備をデザインし、作り上げる。

メリノウールに求められる機能

メリノウールに求められる機能


こうした衣服に求められる耐風性、耐水性、耐久性、吸放湿性、吸湿性や体温の快適性は探査成功の重要なカギとなる。人類最古の高機能繊維であるメリノウールは、100%天然かつ再生可能で土に還るエコクレデンシャルな素材であることから、探査メンバーの装備素材として選ばれた。

メリノウールに求められる機能

この装備は現在、ラボ試験及び最大限のパフォーマンスを実現するための過酷な試験を受けている。今回開発されたウールのシングルジャージー素材のベースレイヤーは、以前彼らが着用した同ベースレイヤーに比べてより優れた性能を発揮し、さらに18%の重量減、また熱抵抗性26%、吸放湿性3%、乾燥速度28%、乾燥度61%と全てを向上させた。

探査メンバーの一人であるジョージ・ブラード

探査メンバーの一人であるジョージ・ブラードはこう話す。「我々の衣服は、このプロジェクトの欠かせない一部分であり、北極海の厳しい冬において、まさに我々の命を守るものです。サステナブルであるだけでなく、オーストラリアの牧場から完成製品までのトレーサビリティを可能にする特別なベースレイヤーおよびミッドレイヤー衣服を作り上げることができることを嬉しく感じます。この精神は我々と継ぎ目なく直結するものです。」

またザ・ウールマーク・カンパニーのマネージング・ディレクターであるStuart McCullough(スチュアート・マカラック)はこう話す。「本プロジェクトは、繊維や工程、衣服等のイノベーションで優れているという弊社のコミットメントを強化するのみならず、環境への負荷を最小限にしながらベストプラクティスを促進するという我々の献身を強調しています。我々は、近い考えを持つグローバルリーダーのグループと共に、新しくユニークな形で挑戦し刺激を受けながら、性能と開発の面で協働できることを誇りに思います。」

ISPOのザ・ウールマーク・カンパニーのスタンド

この装備は現在開発段階だが、今年ミュンヘンで開催されたISPOのザ・ウールマーク・カンパニーのスタンド(Hall A2, Stand 326)において展示された。

パフォーマンスにおける衣服の技術的属性と構造、ウールが果たす役割とは

パフォーマンスにおける衣服の技術的属性と構造、ウールが果たす役割とは

今回の探査はボート、ドリフト、そしてスキーという3つの異なるフェーズに分かれている。常に暗闇の中であること以外にも、マイナス40度、風速35mphを超える非常に過酷な環境にアスリートは直面する。このような天候下では、肌表面の湿度がこもるのを抑えながら、適切に湿度をアウターレイヤーに移動させ、熱快適性を維持する必要がある。

パフォーマンスにおける衣服の技術的属性と構造、ウールが果たす役割とは

探査メンバーは常に雪や氷の上において過酷な条件に直面するため、肌に触れる部分のベースレイヤーは、そうした彼らの身体活動のレベルが高まる状況に反応し、適切に液体の汗の移動が行われるように設計されている。身体活動が活発になると体温を下げるために発汗するが、こうした極限の低温環境の条件において、発汗は、急速な体温の低下につながり、インナーレイヤー内で汗が凍結するリスクがある。

ウールは、肌表面よりも相対湿度が低い外部へ湿気の移動を促す

素材開発の目的としては、肌に触れる部分と隙間を作ることで、活動状態とクールダウン状態の落差を減らすことだ。ウールは、肌表面よりも相対湿度が低い外部へ湿気の移動を促しながら、内部の親水性によって、自重に対して最大約35%の湿度を吸収する事ができる。つまりこれは、ウールが液体の汗の発生を防ぐ機能を持つことを意味する。素材の通気性は、湿度の移動を妨げないようにするための重要な要素である。

液体の汗のコントロールが必要な場合は、吸水速乾力を助長するため、素材開発には、最適な組織、重さ、密度が選ばれる。またウールが吸湿・放湿する際には、発熱反応が起こるため、素材が熱をもち、寒さを防ぐ。つまりウールは身体と連携し、快適さを保つサポートをするのだ。

シングルジャージーのベースレイヤーとメリノウールのベースレイヤーを比較

素材開発時において、シングルジャージーのベースレイヤーとメリノウールのベースレイヤーを比較すると以下の結果になった。

  • 18%の軽量化、26%の断熱性の向上と40%のclo値の向上
    ※Clo値:衣類の熱抵抗を表す値で、衣服の暖かさの目安になる
  • 重量と密度を減らした結果、3%の湿度浸透性の向上、28%の乾燥速度と61%の乾燥度がそれぞれ向上
  • また摩耗耐性において、Betaスパン糸(サイロフィル糸)を使用すると、基準と比較しても75%の大きな改善。
ザ・ウールマーク・カンパニー

ミドル・レイヤーは悪天候時や活動レベルが比較的低いキャンプ用途のような補足アイテムとしてデザインされている。今後行われる出発前の着用トレイルからは、それぞれ異なる天候や生理的活動を行う三人の探検家の身体に活用されるこの装備に対して、より多くの見識を得ることができる。この製品は暖かさと耐風性を最大限に高めるよう設計されているが、同時にアウターレイヤーへの湿度の移動をサポートすることも重要だ。また、ダブルジャージとウールフィリング糸によって作り出された3層構造をしている。

3Dポケットを作り出すために、ウールフィリング糸と、表と裏面を接なぐ幾何学的なグリッド模様を組み合わせている。この3D構造は生地の表面の放湿性と速乾性をさらに高める。

製品開発はまだ続いていることをご留意ください。 1月の間、探査メンバーは装備のテストのためにカナダ北部への非常に重要な遠征に出かけました。

探査メンバーによるフィードバックを収集し、必要な変更やキットの最終調整を行います。この工程を通じ、装備アイテムの主観的及び客観的データは、その装備自体と全体的なシステムのパフォーマンスを検証するために収集されます。

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