バックパック、ザックの背負い方ですが、まずは自分にあったサイズのザックを選ぶことが大事で、それについてはグレゴリーのザックについての記事を参照頂くとして、こちらではサイズのあったザックをどのように背負うのが正しいのかというのをお伝えしていきます。
バックパックが持つショルダーのテンション
まずはじめにショルダーのテンションのかかり方にはショルダースタビライザーの最適な角度というのがあって、それがザックによって違います。グレゴリーのバルトロであれば、45度ぐらいが一番最適な角度ですが、歩きながら確かめるのが一番です。
スロットを使って背面長の長さを調整
この手の大型で機能が多く備わっているザックは背負い慣れるまで2,3日かかります。2015年にバルトロがリニューアルした後、3泊4日でアメリカを歩いたときが、新しいバルトロを初めて使った時なんですが、やっぱり最初だから、スロットで背面長の長さを1回上にして半日歩いてみて、「やっぱり下かな」って感じて試してみたり、ストラップの位置がしっくりこないなあと感じては、細かく調整して歩き続けてると、ほんと3日目ぐらいに「あっ、最適ポイントここだ」って慣れてきてわかってくるんです。購入してからフィールドで3日経ってわかって、そのあとはロックして使い続ければ問題ないです。
※バックパックの調整には半年から1年かかるという意見もあるようです。ロングトレイルや縦走で長期間歩くと気持ちが変わるなどで再度調整を行う事もあるようで、難しいという意見を頂戴しました。(山旅々編集部より)
チェストストラップの正しい位置
チェストストラップの位置が上過ぎる
山を歩いているとチェストストラップの位置がおかしな人をよくみかけます。大抵のメーカーさんは動かせるんで「このあたりかな?」っていう感覚で背負ってる人が多く、知らない人が多いんだなという印象を感じます。
脇の下と同じラインにチェストベルトを持ってくる
正しい位置は脇の下と同じラインにチェストを持ってくることです。人間の性(さが)なのか、締めれば締めるほどフィットしたって感じてる人が多くて、このチェストベルトをものすごく引いて、凄く強く締めている人も多くみかけますが、これによってフィットするというのは誤ってます。
胸のあたりのベルトなので、登るときは緩めちゃった方がいいです。呼吸が「ハアハア」と苦しくなっている人は、チェストベルトを引っ張り過ぎちゃってる事が原因な事もあるので確認してみてください。重さが乗っていて更にチェストベルトを締めていると、圧迫されて苦しくなるんですね。高度のせいかな?なんて思う人もいると思うけど、ベルトの締めすぎが多いと思います。
登りの時はチェストベルトを開放
安全な歩行を確保する為にベルトを締める
登りのときはチェストベルトは開けちゃうといった使い方でもいいと思います。逆に降りの時でスピードを出して歩いている時に、ゆっさゆっさとザックが揺れて、体にバンバン当たるといった事がある場合は、チェストベルト含めて色々なベルトを締めるといいです。そうすることで、リュックの重量で身体を引っ張られず、安全な歩行を確保することができます。
ウエストベルトの使い方
ウエストベルトはギュッと強く締めるのは間違いないんですが、山を歩いていると疲れるポイントが変わってきます。
肩とショルダーベルトに隙間をつくる
肩が痛いからウエスト位置を上げて肩を休ませようとしたり。
ウエストベルトを外して腰周りを休憩
逆にウエストが疲れたから、ウエストベルトをはずして肩だけで背負ってみようとしたり、正解がないと思います。だから状況に応じてウエストベルトを緩めたり、締めたりして疲れを軽減させ自分の快適なポジションを導き出しながら、歩いていけばいいのかなあと思います。
まずはじめにウエストベルトを締める
グレゴリーの場合は腰ベルトがしっかりしていて、腰に加重をかけられる。これを上手に活用する為に、ベルトを締める順番にも気を配ってもらえるといいと思います。腰骨がザックの真ん中にくるように、まずは全体を固めずに、腰のポジションを固めます。その為にはじめにウエストベルトを締める。その後にショルダーベルトを引いて、疲れない最適なポジションを探す。その後に上部のリフトストラップを締めて、最後にチェストベルトという順番で締めていくといいです。
2番目にショルダーベルトを締める
3番目にリフトストラップを締める
最後にチェストベルトを締める
コンプレッションストラップの役割
締め付ける事で重心を背中に寄せる
コンプレッションストラップは無駄に付いているわけではなくて、しっかりとした役割があります。このコンプレッションベルトをしっかりと締め付けることでザックが背中側にぐぐっと寄ってきます。これを締め付けずに背負うと、背中とは反対側、いわゆる外側に重量がいってしまって、重く感じるし、揺れに弱くなってバランスが取りづらくなります。
バックパックの中身は日々変わる
時の経過と共にザックの中身が減っていく
食事をして食料が減った、服を取り出して減った。というようにマックス容量から絶対にザックの中身は減ってくるんです。また大は小を兼ねるで、一番大きいザックを買って1泊でも使っていて中身ががらがら。そういう状態でコンプレッションベルトが緩いと、テコの原理で背中から離れて、重く感じちゃいます。だからコンプレッションを締めることは大事だし、同じ理由でパッキングの仕方も気を配る必要があります。
重いものは背中に近いところに全部まとまるように入れると軽く感じます。ザックの一番下には寝袋やテントなど、ちょっとふわっとした軽いかさばる系で、食料や燃料など重量があるものは、背中の近い場所に入れて、ウェアなど行動中に出し入れする可能性があるものは外側というように整理するといいです。
これらを守って山に入る事で、楽しく安全に過ごすことができると思います。