ジャパン・スカイランニング・アソシエーション(JSA)が、2016年、日本各地の美しい山岳を舞台にスカイランニングの国内シリーズ戦『スカイランナー・ジャパン・シリーズ』を開催します。コースの難易度や運営面でISF(国際スカイランニング連盟)が定めたルールを満たし、かつ、森林限界を抜けた爽快さを体験できるレースが選ばれています。
スカイランニング・ジャパンシリーズ2016年の日程は以下より確認頂けます。
2016 Skyrunner Japan Series & Japan Championships
過去のシリーズでは、アスリートのみならず、幅広い登山者やランナーの方が参加しています。大会への申し込み方法は、大会ごとに異なります。ジャパン・スカイランニング・アソシエーション(JSA)のフェイスブックでも案内しています。
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スカイランニングとは
スカイランニングとは、標高2000m以上の急峻な山岳などを駆けるスポーツのことです。スピード登山が進化したスポーツであり、日本ではおよそ100年前から「登山競走」といわれてきました。フィールドの多くはテクニカルな岩場であり、時には雪上や氷河の上もコースとなります。標高2000m未満であっても、森林限界を超えた場所でのスピード登山はスカイランニングとも言われています。
日本では2006年の「OSJおんたけスカイレース」の開催によって、「スカイランニング」や「スカイランナー」といった言葉が認知され始めました。登山ブームやトレイルランニングブームもあって、標高2000m以上の山岳を駆ける登山者は増加しています。
世界的にみて、スカイランニングの競技人口や大会数は欧州を中心に急速に拡大しています。イタリアにはISF(国際スカイランニング連盟)の本部があり、2015年現在、40の国や地域に加盟組織があります。ISFによって、2003年より世界各国でスカイランナー・ワールド・シリーズ(SWS)が開催されています。2016年には、スカイランニングの最高峰の大会である世界選手権がスペインで開催されます。
スカイランニングの魅力とは
スカイランニングの舞台は標高2000m以上の高地です。ランニングをしている人たちにとっては“過酷な場所”というイメージがあるかもしれませんが、登山者にとっては“景観が美しい場所”だといえます。“景観が美しい場所に誰よりも手っ取り早く行けること”が、スカイランニングの大きな魅力だといえるでしょう。
スカイランニングといっても、心臓と肺をフル稼働させながら登山道を走り続けているわけではありません。それぞれの体力に応じて走れるところだけを走ればいいのです。時にはゆっくり歩きながら、自分が辿ってきたルートを振り返り、雄大な景色に胸を打たれます。
時には立ち止まって、可憐な高山植物に心を和ませます。山頂では、同じ山を登った者同士の会話が弾みます。山を楽しむという点では、一般的な登山者となんら変わりありません。
ただ違う点は、進むスピードが断然速いということです。普通の登山では数日かかるような行程でも、スカイランニングであれば日帰りすることが可能です。例えば、上高地から槍ヶ岳・穂高連峰を登ってその日のうちに上高地に戻ってくるという“異次元の登山”をすることができるのです。
スカイランニングの舞台は、里山の何倍も大きな山である場合が多いです。その多くは急峻な岩場やガレ場でしょう。登山経験の浅いランナーは初めのうちは、急な登り坂には苦しさを、テクニカルな下り坂には恐怖心を覚えるでしょう。
しかし、スカイランニングに慣れてくれば、アスレチックに挑むワクワク感やジェットコースターに乗った時のようなスリル感を何十分も何時間も楽しむことができます。これほど長大なアップダウンは里山の低山では体験することができません。
さらに、スカイランニングで鍛えたバランス感覚によって、どのようなフィールドでも快適に走ることのできる能力を獲得することができます。“アクロバティックなランニング”ができるようになることで、ランニングを楽しむ幅が大きく広がるといえます。
スカイランニングによって、新しい登山の世界、新しいランニングの世界が見つかるでしょう。雄大な景色に溶け込み透明な風になったような爽快感を、多くの人に体感してほしいと思います。