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愉快な仲間と行く 奥武蔵 伊豆ヶ岳・温泉・秩父の山旅

愉快な仲間と行く 奥武蔵 伊豆ヶ岳・温泉・秩父の山旅

エスケープルートが多く、危険な箇所が少ないためか、子供からお年寄りまで幅広く登山スポットとして親しまれているのが奥武蔵だろう。高尾や奥多摩と並んでアクセスがしやすく気軽に登山を楽しめるスポットとして知られたエリアだ。

40代も半ばに差し掛かった大学からの友人仲間4人は、若い頃には想像だにしなかった登山に没頭している。そして今日は足腰に不安を抱えた仲間を気遣って、初級者コースといっても語弊はないだろう正丸駅から伊豆ヶ岳へのピストン登山を楽しむ。

登山を通じていままで知らなかった友人の性格や興味を垣間見れるのは面白い。植物や自然に造詣が深いD。計画なく買い物をして後悔の多いK。寂しがり屋で情に厚いT、みんなが喜ぶとドヤ顔をするY。それぞれがそれぞれに、相手に対して新しい発見をしては仲が深まる。登山というのはなかなかに面白い趣味なのかもしれない。

正丸駅~正丸峠~五輪山~伊豆ヶ岳と計画をたてた4人は、伊豆ヶ岳着、約2時間30分後を目安に移動を開始する。

早々にDが「これ楮だね。和紙の原料。クワ科の植物で実は甘みがあるんだよ。」とD以外見向きもしなかった木に興味を吹き込む。

YとTは奥武蔵はトレイルランを楽しむ場としての存在だったので、ここの山道は走るが普通だったのだが、歩くと新たな発見があるものだと気づく。「山仕事で暮らす人の多い地区では、いろいろおもしろい話が聞けます。」と締めの言葉に目を惹く。ここ奥武蔵に根をおろしている人々に急に興味が湧く。

正丸峠には奥村茶屋という休憩場がある。バイカーの人たちがここでステッカーを購入する様子は毎度目にする。ハイカー、バイカーと同じスポットを利用するものの楽しみ方は全く異なる。

正丸丼950円、ジンギスカン定食1800円がここ奥村茶屋の名物というのは有名だ。なぜ羊肉をここで食すことができるのか?秩父の羊山公園と関係があるのか?そんな思いを巡らせて調べてみると強ち全く関係のないことはなさそうだ。というのも戦前に県の綿羊種畜場があったことが羊山公園の名の由来で、ここ飯能では羊肉が多く食されていたという歴史があるのかもしれない。

伊豆ヶ岳までの道のりはハードなアップダウンもなく、和やかに歩くことができる。時期を選ぶと奥武蔵の緑は非常に綺麗だ。

五輪山ではDがクロモジをみつけ紹介をする。「クロモジは香料があり、高級楊枝として使われているんだよ」と、博学才穎なのに、忘れ物がめちゃくちゃ多いDが面白い。人間もまた表裏一体なのだ。

伊豆ヶ岳の手前には女坂と男坂がある。ここ奥武蔵では男坂というと急登の岩場、女坂と言うと緩やかな長い坂という場所が多い。

「落石危険」

これを見た4人は気が怯むも、YとKは男坂を、DとTは女坂を行く。岩場はなかなかの急登で登り応えがある。YとKは「おお!カッコいいぞ」なんて励まし合いながら岩場を登っていく。中年なんだけど中身は少年のようだ。因みに登りはいいが、下りは危ない。挑戦する際は気をつける必要がありそうだ。

伊豆ヶ岳はチャートでできている山で、秩父帯のなかでもとくに固く、浸食に対して強くゴツゴツした地形が形成される特色をもつ。この岩場は最たるものだ。伊豆ヶ岳以外にも、両神山、城峰山、武甲山の南側の浦山渓谷などは険しい地形を目にすることができるが、あれも全てチャートだ。

あれぇ~もうとうちゃくぅ~?なんて意気揚々のK。前回の塔ノ岳が相当に堪えたのだろう。満足感が全く違う。ちなみに下の写真は塔ノ岳到着時のK。違いがよく分かる。

※塔ノ岳の登山レポートは以下で確認が可能です。

伊豆ヶ岳851mを制覇した僕らは、辛いの大好きなTに先導されて古御岳まで足を伸ばす。

伊豆ヶ岳の山名は突起状の山容を現す「イズ」から出たものと言われているそうだが、地元では様々な話が伝えられているそうだ。それは快晴の日、山頂に登ると遠く伊豆まで見えるからという「伊豆ヶ岳説」。柚子の木が多くあったからという「柚子ヶ岳説」。麓の湯の沢で温泉が湧き出ていて、その前の山だからという「湯津ヶ岳説」という3種類があるそうな。

こんな伊豆ヶ岳の名前由来説を頭にいれて山の景色をみると面白い。

人がなすことの愉快さというか、そんな僕たちも同じ人なのだなあ、と思いながら楽しむ4人を見ると更に愉快に見える。

このあとはTに先導されて馬頭尊のある登山口へと下山する。(因みにDはここでスマホを落とす。後ろで拾ったKが時間差で驚かすというドラマがこの後に繰り広げられた。更に余談だが、Dは前回の塔ノ岳で財布を落としている。財布→スマホと落としたDが次に落とすものは何か!?それはまたレビューしよう。)

俺らが楽しんでいるのは登山じゃない、山旅なんだ。と言い合いながら向かったのは武甲温泉。外観こそ立派な温泉施設という出で立ちだが、中はローカル臭が素晴らしく、地元の施設にお邪魔している感が満載というのがポイント高い。

ノンアル、缶ビール、生ビールと協調性のない4人の乾杯で下山を祝う。(運転手のDのノンアルは主体的だ)

食事は抜群に旨いとは言い難いが、運動後の昼飯には最高だ。

温泉、ビール、地元メシを楽しんだ僕たちは道の駅秩父へ。食事はこちらの方が美味しそうだ。秩父そばの種類も豊富にあり、次回はこちらで食事を楽しむというのも良いかもしれない。

道の駅秩父は地元野菜、そばが豊富に販売されている。売り切れごめん!の「そば福」は三峰口にあるそば工房で、くるみダレに付けて食べるそばは人気がある。秩父は公共手段が整っているので山旅がしやすいエリアだ。

秩父駅まで足を伸ばして、Dとはここで別れる。他の3人は秩父駅内にあるショッピング施設でつまみとお酒を購入しラビューに乗って池袋へひとっ飛び。こうして奥武蔵の山旅は終了した。秩父錦旨し!

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