固形燃料には様々なものがあり代表的な固形燃料にはエスビット、ニイタカ(ニチネン)、ダイソーの固形燃料があります。それぞれに特徴があるので固形燃料を選ぶ際のヒントになればと思います。
比較する固形燃料
固形燃料の比較の方法には重量、大きさ、燃焼時間、コストパフォーマンスなどで判断することになります。
今回比較するのはひとつの固形燃料でお湯を沸かすことができるサイズの固形燃料という縛りで4種類の固形燃料をピックアップしました。
- ダイソー固形燃料
- ニイタカ(ニチネン)固形燃料25g(10~40gまで5g刻みで種類がある)
- エスビット固形燃料ミリタリー
- エスビット固形燃料27g
の4種類でいずれもコンパクトに持ち歩くことができる登山時に使用できる固形燃料です。
ちなみにニイタカとニチネンを1つにまとめた表現となっていますが、ニイタカはカエンやカエン ニューエースという名前の固形燃料を販売している大阪の会社の名前です。ニチネンはトップボックスという名前で固形燃料を販売している埼玉県の会社の名前で、パック燃料(パックに入ったジェル状燃料)なども販売しています。写真にある固形燃料はニイタカの固形燃料です。
固形燃料の重量
重量はどれだけ装備を軽量化したいか、というこだわり具合で選ぶと良いと思います。
エスビット固形燃料27gは一つ一つが袋詰めされています。袋は高バリアホイル包装で防水です。重量は一袋あたり28gです。
エスビット固形燃料ミリタリーは防湿ブリスターパックに一つの固形燃料が入っています。重量は一袋あたり14gと四つの中では一番軽量です。
ダイソー固形燃料はプラスチックのケースに透明テープが貼られた状態で固形燃料が入っています。防水力は見た感じしっかりしていそうです。重量は26gです。
ニイタカ(ニチネン)の固形燃料はホテルや旅館などでよく見る固形燃料ですがうすいビニールのようなものに包装されています。4つの中では防水性は低いように見えますが気になるほどではありません。重量は24gですが、4つの中では一番ゴミが出ません。ニイタカ(ニチネン)の固形燃料は10~40gまで5g刻みで種類があるのですが、今回はお湯を沸かす、炊飯を行うなどで汎用性の高い25gをピックアップしています。
固形燃料の大きさ
固形燃料の大きさはどのように持ち歩きたいかという点と、固形燃料用の五徳に何を使っているかという2点で大変重要な指標です。
固形燃料に適した五徳はさまざまありますが、今回紹介するのはエスビットのチタニウムストーブとポケットストーブです。
この2つの五徳の中心に固形燃料を置いてお湯を沸かしたり調理をすることになるのですが、五徳の上にクッカーを置いた際に、固形燃料とクッカーの底までの距離が短いと、しっかり熱がクッカーに伝わりません。
エスビットのチタニウムストーブとダイソー、ニイタカ(ニチネン)の固形燃料は相性が悪く、この二つの固形燃料を使用したい場合はポケットストーブなどの高さのある五徳の使用が必須となります。
もう一点は固形燃料をどのように持ち歩くかということですが、固形燃料をクッカーの中に入れてコンパクトに持ち歩きたい場合はエスビットの固形燃料は大変コンパクトなため便利です。例えば以下の写真はエバニューのチタンカップ400ですが、この中にエスビットのチタニウムストーブ(五徳)、ライター、風防、固形燃料を入れて持ち運ぶ際には、コンパクトなエスビットの固形燃料がベストです。
エスビットのポケットストーブは中に固形燃料を入れて持ち運ぶことができます。この際、エスビット固形燃料27g、エスビット固形燃料ミリタリーは高さが約1.5cmで、ちょうど蓋を締めて持ち運ぶことができます。
しかしニイタカ(ニチネン)の固形燃料やダイソー固形燃料は高さが2.5~3cmほどあるので、ポケットストーブの中に2個以上並べて持ち歩こうとすると蓋がしまらない。真ん中のくぼんだところへ1つ入れて持ち運ぶのであれば蓋はしまりますが、あまり現実的とはいえません。
4つ並べて無理やり蓋をしめると、ニイタカ(ニチネン)の固形燃料の場合は銀紙が剥がれてしまいました。
価格が安いニイタカ(ニチネン)の固形燃料やダイソー固形燃料は大きさのところでネックがあることがわかります。
燃焼時間
燃焼時間ですが、エスビット固形燃料27g、エスビット固形燃料ミリタリーはどちらも約12分燃焼します。しかしこの2つの固形燃料の違いは出力で14gのミリタリーが98kcal、27gが189kcalです。500mlのお湯を沸かす場合、14gのミリタリーが約7分30秒、27gが約5分と沸かすスピードに差があります。早くお湯を沸かしたい場合、また寒い季節に固形燃料を使う場合は出力の高い27gのほうが安心です。
ニイタカ(ニチネン)とダイソーの固形燃料は、ニイタカ(ニチネン)の固形燃料が約20分、ダイソーの固形燃料が約20~23分燃焼します。風の影響で燃焼時間に差が出やすいです。出力はエスビットの500mlの沸騰時間から推測すると、ダイソーの固形燃料は47kcal、ニイタカの固形燃料が72kcalと想定できます。
500mlのお湯を沸かす場合、ニイタカ(ニチネン)の固形燃料が約13分、ダイソーの固形燃料も約20分とメスティンの固形燃料に比べると出力が少ないことがわかります。風の強さ、寒さなどによっては500mlのお湯を沸かすことができないこともあります。
実際に標高の低い山で夜2度ほどの気温の中、メスティンの炊飯を試みたことがありますが、非常に時間がかかりました。ニイタカもダイソーの固形燃料も炊飯が出来ませんでした。これらの固形燃料は時間がかかる、もしくは寒さや風に影響によっては炊飯できないこともあることを念頭におく必要があります。
またお湯を沸かすことを念頭においた場合、クッカーは丸形のものを使用することになりますが、ニイタカ(ニチネン)の固形燃料を使用して五徳をポケットストーブにした場合、丸型のクッカーが上に置けないという意見もありますが、ポケットストーブは2段階調整ができるので、垂直ではなく、斜めにすることであらゆるクッカーを置くことができます。
コストパフォーマンス
価格はダイソーの固形燃料が3個で100円なので、1個あたり33.3円。ニイタカの固形燃料が20個で500円なので、1個あたり25円。エスビットミリタリーが6個で600円なので、1個あたり100円。エスビット27gが8個で1,600円なので、1個あたり200円です。出力の差に価格差があるように見えます。
固形燃料の比較表
各固形燃料の比較表は以下になります。上記で説明してきたスペックを表にまとめた形となりますので購入の際にチェックしてみてください。
- ダイソー固形燃料
- ニイタカ(ニチネン)固形燃料25g(10~40gまで5g刻みで種類がある)
- エスビット固形燃料ミリタリー
- エスビット固形燃料27g
商品名 | エスビット 27g | エスビット ミリタリー | ニイタカ | ダイソー |
---|---|---|---|---|
イメージ | ||||
重量 | 28g | 14g | 24g | 26g |
大きさ | 4.5✕4.5✕1.3cm | 4✕3✕1.5cm | Φ4.2✕2.2cm | Φ4.2✕2.2cm |
燃焼時間 | 約12分 | 約12分 | 約20分 | 約22分 |
500mlの沸騰時間 | 約5分 | 約7.5分 | 約13分 | 約20分 |
出力 | 189kcal | 98kcal | 72kcal(想定) | 47kcal(想定) |
1個あたり価格 | 200円 | 100円 | 25円 | 33.3円 |
五徳との相性 | ◯ | ◯ | △ | △ |
エスビットの固形燃料はミリタリー、27g以外にも様々な種類が存在します。状況に応じて使い分けると固形燃料の素晴らしさがよくわかると思います。