マウンテンカラ部、初回の管理釣り場での練習から、おおよそ1ヵ月間の個人練習期間を挟み、第2回となる今回は大自然に出てテンカラ実践。前回の記事では野営ギア、渓での気付きについてレポしたが、今回は野営についてのレポ。
1日目はグループに分かれて渓を釣りあがったわけで、だからこそ相手グループの安全無事と釣果が気になった。野営場所で落ち合うと、「いやあ~厳しかった」とナミネムくん。なんと一投目で釣竿が折れてしまったらしい。持っていたテーピングをぐるぐる巻きにして釣りを続けたという。凄いのはそれでも山女を釣り上げたということ。
以前RSR(リバーサイドランブラー)の河野辺さんから聞いた話をした。河野辺さんは釣り仲間の竿が折れてしまったとき、コンビニで貰った竹製の割りばしを、ロッドの内径に合わせナイフで削って、折れたロッドの中に刺してガムテープを巻きつけてその場を凌いだという。「竹のお箸とガムテープは、テンカラ向けエマージェンシーキットだね」と皆で感心した。そもそもガムテープは着火剤としては定番アイテムだから、竹のお箸を携帯しておけばいい訳だ。
雷太さんも山女を釣ったがサイズが小さくリリース。高橋くんは大もの岩魚を釣り上げ、お刺身に活かした状態で持ち帰ってきた!!
さあいよいよ晩食の準備に取り掛かる。岩魚は大小あれども人数分は持ち帰ることができた。塩焼きはもちろん、今回ははじめての試みのお刺身もある。いやがおうにも皆の心が躍る。そうして自然の恵みに感謝せずにはいられない。
明るいうちにある程度の準備はしておきたいということで、焚き木を集め火起こしの準備を進める。過去に焚き火をされた跡があったので、そこを丁寧に石などで囲い周りの草木にインパクトを与えないよう注意しながら火をおこす。
前日、雨が降っていたものの、当日の快晴で枯れ木や枯れ草は乾いていた。雨が降っていれば焚き火の上にはタープが必要だし、濡れた木々の火起こしもそれなりの技術が必要だろう。それにしても皆の素晴らしい動きであっという間に火が作れた。
一方でナミネムくんは刺身用岩魚の捌きにとりかかる。服部文祥さんもサバイバル登山家という書籍の表紙で体現している岩魚の皮むき。「おっ、荒々しい!」
切り分けられたお刺身。わさび、もしくは生姜と醤油で頂く。「くぅ~旨い!」歯ごたえがしっかりしていて甘みもある、なんともいえない旨さ。残った骨もカリカリになるまで焼いて骨せんべいとして頂く。これもうまい!なんだか1つ目的が達成された気分だ。持ってきたウイスキー片手に各々準備に取り掛かる。
本日の夜のメインディッシュはカレーライス。そもそも魚は釣れなかった事を前提に食料は準備。じゃがいも担当、にんじん担当、たまねぎ担当、ルー担当と、肉はソーセージをセレクトし担当分け。「米は1合みんな持ってこよう」というルールで今回に挑んだ。高橋くんはカレーの準備。ガスストーブで具材を炒め水とルゥを加えたのち、焚き火脇でグツグツ煮込む。
皆から持ってきた米を徴収し、浄水器ソーヤーで沢の水で炊き込む。これは僕の役割。美味しい米の炊き方は服部文祥さんの『サバイバル登山入門』で勉強済み。ちょっとした心がけておかずがいらないほどの旨い米が炊ける。
ここで雷太さんが美味しそうなソーセージと共に調理ギアを取り出す。なんだかミニマムでオシャレで、焚き火が楽しくなりそうなアイテムで準備に取り掛かりはじめた。皆から「お~すげえ!面白い!楽しい!美味しそう!」と感嘆の声が飛び交う。
切ったソーセージを不思議な串に刺して。
刺したソーセージを焚き火で焼きはじめる。これスイスアドバンスのグリルフォークっていう商品らしく、そこらへんに落ちてある枝に装着すれば、なんだかとっても焚き火料理が楽しくなるバーベキューツールなのだ。そうして雷太さんのサド魂にも火が付く。
雷太さんは言う「ほら、焼けたよ。熱いうちが美味しいんだよ。ほら、高橋くん、食べてよ。」と優しい言葉と共にグリルフォークとソーセージが口元に運ばれる。「あっちぃー!」と叫べば雷太さんニンマリ。
雷太さんは言う「ほら、焼けたよ。熱いうちが美味しいんだよ。ほら、ジローくん、食べてよ。」と優しい言葉と共にグリルフォークとソーセージが口元に運ばれる。「あっちぃー!」と叫べば雷太さんニンマリ。
ジローくんが「これ旨いんだよ!」と関さば水煮にマヨネーズを多めに絞り、火にかけてしばし待つ。これはヤバかった!これで一気に酒をあおった。米にも合うし是非試してもらいたい。
そうこうしているといい具合で岩魚も焼けた。多めのこだわりの塩にホクホクした身の濃い甘み。汗をかいた体になんともいえない刺激と感動を与えてくれる。「うんめぇ~、ありがてぇ~」と皆口々に感動がもれる。
焚き火缶中サイズにいっぱいになったカレー。ソーセージたっぷり、野菜もたっぷりのなんとも贅沢なカレーが出来上がった。
当たり前だが、抜群に旨かった。とにかく皆が静かになるくらいに旨かった。
「・・・・・」
お腹も満たされ、今日の反省や明日の展望。ナミネムくんの運の悪さに笑いもこぼれ、あたりは真っ暗。もし曇っていなければ満天の星空だったろう。それにしても雨が降らなかっただけでも大変ありがたい。
虫も少なく、思った以上に快適に寝れそうだと胸を撫で下ろし、明日の釣行に備え就寝する。
・マウンテンカラVol.2「1日目釣り編」
・マウンテンカラVol.2「野営編」
・マウンテンカラVol.2「2日目釣り編」