日本を代表するアウトドアブランド、モンベル。レインウェア、シュラフを始めとした代表するアイテムを始め、バックパックも同ブランドが展開する魅力ある登山道具の一つです。日帰りから長期縦走に至るまで、多くのバックパックを取り扱っており、初心者から上級者までおすすめしたいモデルが揃っています。今回は、モンベルのおすすめバックパックを日帰り・山小屋・テント泊別で紹介します。
モンベルのバックパックをおすすめする理由
登山用品店に行くと、壁一面を埋め尽くすようにバックパックがかけられています。「一体どれにしたら良いんだ・・」と茫然自失、立ち尽くし途方に暮れることは、誰しも経験したことがあると思います。沢山のブランドがある中でも、モンベルをおすすめする理由をここでご紹介します。
おすすめ①:特化した機能性
軽量・防水・耐久・汎用など、明確なコンセプトと豊富なラインナップを持っているのが、モンベルのバックパックの特徴です。
登山は登る山、登山方法、登山者自身の嗜好などで選ぶバックパックが変わります。荷物の少ないハイキングでは軽量なもの、岩場や藪が多い険しいでは耐久性重視、雨が降っても防水カバーを付けるのが面倒な人には防水性の高いものをなど、多くのモデルを持っている人も少なくありません。
モンベルのバックパックは超軽量モデルのバーサライトパック、優れた防水性を持つグラナイトパックなど、用途が明確で、その性能に特化したバックパックを豊富に取り揃えています。選ぶ時も、使う時も迷わない、そして抜群の機能性で安心して背負える。私がモンベルを使い続ける大きな理由です。
おすすめ②:安心のサポート
道具を使い続けていると、必ず頭を悩ませることがあります。「破損」「劣化」「紛失」など、登山を続けていてこれに遭遇しなかった人はおらず、メーカーからのサポートが薄いと、ちょっとした事で道具を手放すという、財布も心にも苦しくなる事態になります。
モンベルはこの頭を悩ませる事態に対し、とても充実したサポートを受けられます。修理からメンテナンスまで、迅速で確実、安心のメンテナンスにより、バックパックを永く使い続けられます。私はバックパック以外にもモンベルの道具を使っており、これまでストックやウェアなどをメンテナンスに出し、破損や劣化を適切に修理してもらいました。サポートを受けた道具は10年近く経ちますが、おかげさまで今でも現役で使い続けています。
またあまり知られていないかもしれませんが、カスタムプリントのサービスもあります。オリジナルデザインのロゴやテキストをプリントでき、道具自体にオリジナリティを出しにくい登山用品を、自分だけの1品として仕上げてもらえるのは、登山へのモチベーションを上げられ、何より持っていて嬉しくなりますよね。
おすすめ③:高いコストパフォーマンス
モンベルのバックパックは独自の素材や構造で作られ、その高品質なアイテムを適正な価格で購入することが出来ます。
モンベルのイメージで登山者からよく聞くのは「他のブランドと比べて安い」というコメントです。実際私も、登山を始めた当初はそうした理由でモンベルを使っていることもありました。ただ、それなりに多くの山に登り、道具を使い続けていくうちに、モンベルが展開する道具の質の高さを実感し、ブランドのネームバリューで価格が左右されない、機能に対して適正な価格を提供しているのだと感じたのです。
他のブランドと比較して、確かにコストパフォーマンスは高いように思いますが、それはその分質が低いのではなく、品質に見合う適正な価格を提供している結果であると思います。
使ってみて分かるモンベルバックパックの魅力
私が人生で初めて登山用として購入したのは、モンベルのストライダーパックというデイパックでした。山だけで背負う特別な道具として、今でも背負った時の感動を鮮明に覚えています。それからモンベルのバックパックを使い続け、里山からアルプスの高所まで、私の登山を支えてきてくれています。ここでは、背負ったからこそ分かるモンベルのバックパックの魅力をご紹介します。
魅力①:ロングセラーモデルの魅力
モンベルには高い人気を誇り、今もロングセラーモデルとして展開されるバックパックがあります。超軽量でファストハイクに秀でた性能を発揮するバーサライトパック、堅牢でシンプルな一気室タイプのグラナイトパック、快適な背負心地と豊富な機能を備えたチャチャパックなど、この他にも根強い人気を持つモデルがあります。明確なコンセプトのもと、優れた設計と独自素材によって作られることで、ロングセラーモデルは進化を続けながら長く登山者に愛されています。
私はグラナイトパックを好んで背負い、30Lと40Lの2つを使っていました。背負心地とどんな山でもガンガン歩ける頑丈な作りは、背負うことが誇らしく思えるほど多くの山に登りました。今では一線を退いていますが、北アルプスの沢を一緒に遡行したのは、無二の親友と登っている様な感覚で、良い思い出です。
コストパフォーマンスの高いバランスライトはゼロポイントロゴから続く2代目で、クラシカルバランスライト、バーサライトパックなど、私の部屋にはモンベルを代表するバックパックが並んでいます。
魅力②:独自の背面システム
モンベルには独自の背面システムを採用したモデルがあります。快適な背負心地と重い荷物でも安定した歩行が可能となり、背面の蒸れを軽減し、荷物の荷重を分散し優れたフィット感をもたらすという、正に至れり尽くせりな機能です。
私はモンベルのこのシステムと相性が良く、体格に合わせて調整を行える独自の構造は、その抜群の背負心地によって宿泊山行では特に助けられました。
初めて北アルプスに登る前、当時のアルパインパック50を購入した際、スタッフさんに私の背面に合わせて、バックパック内部にあるステーを調整してもらいました。調整されたバックパックが発揮する背負心地に山行中はただただ驚くばかりで、山行前のパッキングでは、「こんなに重くてまともに歩けるのか・・」と不安を抱いていましたが、背負ってみると想像より軽く感じ、当日もストレス無く歩けたのは、間違いなくこの背面システムがあったからです。
魅力③:クラシックからタウンユース、最先端まで、背負うことを楽しめる
私はモンベルのバックパックを背負っていると、山や歩くことが楽しくなります。
街に出るときはフレンチガイドパック、仕事では絶版のユティリティーデイパック(後継モデルは展開)を使い、山以外のシーンでもモンベルを選び続けるのは、バックパック本来の性能というのはもちろんありますが、シンプルだけどどこか惹かれるデザインにも魅力を感じているからです。
登山を始める前は、背負心地などあまり深く考えたり気にすることなど無く、適当にリュックを選んでいましたが、山に登り、道具の奥深さを知れば知るほど、背負うための道具の重要性も知っていきました。そして、道具は自分を表現、具現化するための大事な要素であることも感じるようになり、モンベルのバックパックが魅せるデザインは、私の理想的なイメージとも言えるものでした。
機能を徹底的に追求し、その中で生み出されたデザインはとても美しく、それを背負えることの嬉しさは、山でも街でも、歩くことを楽しくさせてくれます。
モンベルのおすすめ9モデル
これまでモンベルのバックパックの魅力をご紹介してきました。ここからは、日帰り、山小屋、テント泊でそれぞれおすすめの9モデルをご紹介します。
日帰り
おすすめ①:トップアクセスジッパーで出し入れ楽々-ディナリパック
モデル名 | ディナリ パック 25 |
重量 | 624g |
カラー | ブラック・ブルーグリーン・ネイビー |
価格 | 9,790 |
トップアクセスジッパー式の汎用性の高いバックパックです。デイパックとしての機能をバランス良く備え、降雨時のレインカバーも付属しています。特徴は大きく開く開口部で、荷物の出し入れも快適です。またデイジーチェーンを備え、一時的にカラビナで荷物をかけたり、バンジーコードを付けてカスタマイズするなど、実は汎用性に優れたモデルでもあります。
サイズは20Lと25Lを展開し、長距離や冬用の低山、荷物が多くなることが多い人など、条件に合わせて選べます。私は25Lを愛用しており、家族で登山に行く際は、子どもの荷物が増えても対応できるよう、このモデルを使っています。
おすすめ②:超軽量のファストモデル-バーサライトパック
モデル名 | バーサライト パック 20 |
重量 | 253g |
カラー | ブルーグリーン・ダークグレイ・グリーン |
価格 | 6,270 |
本体重量253gという脅威の軽さを誇るバックパックです。ショルダーハーネス、チェストハーネスなどの必要な機能を備えながら、トップリッドに本体を収納できるコンパクト性を持ち、日帰り登山から縦走時のアタックザックとしても重宝します。超軽量なモデルでありながらフロントポケットを備え、ウェアや移動中の小物の収納に役立ちます。
私は春から初秋頃までの日帰り登山でバーサライト パック 20を使っています。背面にウレタンパッドを追加し快適性を向上させた分重量は増えていますが、それでも余りある軽量性により、長距離、長時間の移動を可能にしてくれます。
おすすめ③:レインカバー要らず?!驚異の防水性-アルチプラノパック
モデル名 | アルチプラノ パック 20 |
重量 | 760g |
カラー | レッド・ダークグレイ・ネイビーネイビーホワイト・ホワイト |
価格 | 13,750 |
ロールアップシステムを採用したバックパックです。このモデル最大の特徴は、防水インナーバック内臓の二重構造により、非常に高い防水性を獲得している点にあります。ロールアップ式は防水という観点で親和性も高く、荷物が増減しても空スペースが減ることで荷物のブレが最小限になるなど、あらゆる面で本モデルの性能を際立たせています。
ボトルも収納できるチェストポケットを備え、高い機能性を持ちつつも重量は760gに抑えられるなど、高次元バックパックとして、初心者にも上級者にもおすすめしたい逸品です。
小屋泊
おすすめ①:多機能のロングセラーモデル-チャチャパック
モデル名 | チャチャパック 35 |
重量 | 1,320g |
カラー | ダークグリーン・ブルー・グレー |
価格 | 20,130 |
国後島最高峰である爺爺岳(ちゃちゃだけ)を由来に持つ機能性に優れたバックパックです。多数のポケットを備えた収納性と、それをストレス無く出し入れできる快適性を持ち、荷物の種類が多い人、バックパックに全ての荷物を収めたい人には特におすすめです。
背面は通気性に優れた部材が使われ、多彩な機能を持ちながらも重量バランスにも優れた設定は、荷物が増えながらも安心した歩行と疲労を最小限に抑えてくれます。レインカバーも標準装備しています。
おすすめ②:仕分けしやすい2気室モデル-キトラパック
モデル名 | キトラパック 45 |
重量 | 1,310g |
カラー | ネイビー・グレー |
価格 | 21,780 |
防水性を備えた2気室構造のバックパックで、多数のポケットを備えた機能性に優れたモデルです。
キトラパック最大の特徴である2気室構造は荷物の仕分けに非常に便利で、初日に着たウェアや使用済みのアイテムなどを分けたり、使用頻度の高いものや降雨時にレインウェアを素早く出せる位置に配置しておくといった、迅速な荷物の出し入れから衛生面を保つなどのメリットがあります。
別売りのトップリッドを追加することで容量を拡張することもでき、快適性、収納性、防水性と、正に死角のないオールラウンドモデルです。
私は以前、ゼロポイントロゴ時代のキトラパックを使用しており、レインウェアやツェルトなどの使用頻度が低く、緊急時に使うアイテムを下部に収納していました。荷物をどうしたら効率良く収納できるかと四苦八苦していた時でしたので、経験を通して収納のコツを沢山学べた、思い出深いバックパックです。
おすすめ③:高いコストパフォーマンスのシンプルモデル-バランスライト
モデル名 | バランスライト 40 |
重量 | 653g |
カラー | ブラック・ブルー |
価格 | 9,460 |
シンプルな構造と機能を有したコストパフォーマンスの高いモデルです。その名の通り機能性と軽量性のバランスに優れ、個人的にはモンベルが展開するバックパックの中では特に気に入っており、同モデルの20Lを持っています。
高性能な他のモデルと比較すると一歩劣り、使う人を選ぶモデルではありますが、余分なものを取り除き、必要な機能で絞ったバランスライトは「これが良いんだ」と思わせてくれる魅力的なバックパックであり、特徴が少ないことが最大の特徴です。
最小限に機能に留めている分、好みに合わせてウエストバッグやドリンクホルダー、レインカバーを追加するなど、カスタマイズの幅も広く持てるので、登る山に合わせてバランスライトをコーディネイトすることで、通年をバランスライトで登ることが可能です。
テント泊
おすすめ①:軽量なのに高強度のトップアクセスジッパーモデル-リッジラインパック
モデル名 | リッジライン パック 55 |
重量 | 1,410g |
カラー | ネイビー |
価格 | 29,700 |
モンベル独自の高強度素材、バリスティックウルトラを採用したトップアクセスジッパー式のバックパックです。一般的なナイロンの3倍の引き裂き強度を持ちながらも、本体重量は55Lの大型モデルでは軽量な1,410gを達成しています。
テントを背負いながらの長距離に及ぶ山行は、岩場や樹林帯など、様々な環境に遭遇します。強度が高ければどんな環境でも安心して移動でき、耐久性が高いことで寿命も長いなど、ハードな山行が多い人にはおすすめの機能が詰まっています。
フロントハンドルを備えることで操作性を高め、高さ調節可能なショルダーハーネスなど、高強度という特徴のほか、バックパックとしての使いやすさも重視されています。
おすすめ②:縦走中の雨にも安心-アルパインパック
モデル名 | アルパインパック 50 |
重量 | 1,620g |
カラー | ブラック・オレンジ・ブルー |
価格 | 21,780 |
ロールアップシステム採用の優れた防水性を有したバックパックです。アルパインパックの特徴であるシンプルでスッキリしたシルエットは、木の枝や狭い道で引っかかるといったトラブルを防止でき、それにより本体のダメージも軽減できるといったメリットがあります。
日数が経過するほど食糧が減少していき空きスペースが広がるテント泊山行に対し、荷物のブレを減らすロールアップ式は非常に高い効果を発揮します。
また冬山で使うアイゼン、スコップなどを装着できるギアホルダー、収納を拡張できるトップリッドといったオプションもあり、装備を追加することで冬期でも頼りになるバックパックです。
おすすめ③:高次元で多機能をまとめた-トレッキングパック
モデル名 | トレッキングパック 55 |
重量 | 2,180g |
カラー | ダークグレイ・ブルー |
価格 | 27,280 |
高い基本性能と充実した機能を纏ったバックパックです。豊富なポケット数と背面長を調節できるクイックアジャストシステム、フロントローディングパネルによる快適でスムーズな荷物の出し入れなど、大型バックパックに求められる基本的な機能をしっかり抑えた信頼性の高さが魅力です。
汎用性が高く、1年を通してテント泊を始めとした宿泊山行に向いているので、初めての大型バックパックとしておすすめです。
私の最近の宿泊山行はトレッキングパック 55を使っており、使っていて全く不満はなく、またこの55Lという、ユーザーの言葉に出来ない「50Lでも60Lでもないんだよな・・」というモヤモヤを解決してくれる絶妙なサイズ感も気に入っています。
おすすめ9モデル比較
※横スクロールで表がスクロールできます。モデル名 | ディナリ パック 25 | バーサライト パック 20 | アルチプラノ パック 20 | チャチャパック 35 | キトラパック 45 | バランスライト 40 | リッジライン パック 55 | アルパインパック 50 | トレッキングパック 55 |
重量 | 624g | 253g | 760g | 1,320g | 1,310g | 653g | 1,410g | 1,620g | 2,180g |
カラー | 3色 | 3色 | 3色 | 3色 | 2色 | 2色 | 1色 | 3色 | 2色 |
価格 | 9,790 | 6,270 | 13,750 | 20,130 | 21,780 | 9,460 | 29,700 | 21,780 | 27,280 |
特徴 | トップアクセスジッパー式の汎用性の高いバックパック | 超軽量で日帰り、アタックザックに活躍する | ロールアップ式で高い防水性を備える | 豊富なポケット数を備えた快適モデル | 2気室構造の防水モデル | 軽量性と機能性をバランス良く有する | 高強度の素材で脅威の耐久性を誇る | シンプルなシルエットと高い防水性 | 豊富な収納力を持つ万能モデル |
モンベルのバックパックで登山をもっと楽しく!
モンベルのバックパックは特化した機能、デザイン、コストパフォーマンスに優れ、初心者から上級者までおすすめしたいモデルが豊富に展開されています。進化し続ける往年のモデルから新たなものまで、求めるニーズに必ず合ったモデルが見つかるだけでなく、安心充実のサービスで、登山者にとって戦友とも言えるバックパックを末永く使い続けられるのも、モンベルの大きな魅力です。背負うと歩くことが楽しくなるモンベルのバックパック。是非背負ってみてください。