山の過酷な状況では、街で着るオシャレ着のフリースでは役に立ちません。登山におけるフリースは、溜まった熱や湿気を外に放出する『透湿性』や持ち運びのための『軽量性』などが重要になります。
フリースは、登山はもちろんタウンユースにも人気で、アウトドアコーナーに行くと様々なオシャレなフリースが売られています。しかし、登山のためのフリースを買いたい場合には、何を選んだらよいのか難しい部分も多いかと思います。そこで今回は、登山において本当に使えるフリースの種類とその使い分け、また種類別のおすすめのフリースを紹介します。
登山で本当に使えるフリースとは
登山に適したフリースとタウンユースのフリース
一般的に、フリースというと長い毛足のモコモコとした、いかにも暖かそうなフォルムをイメージされる方が多いのではないでしょうか。最近は、タウンユースのオシャレとしてのフリースも人気で、街中でこのような厚手のフリースをよく目にします。
しかし、登山で用いるのには少しかさばり、重く、もしかすると暖かすぎるかもしれません。登高中は体からの発熱が多く、あまりに暖かすぎるものを着用していると暑くて汗をかいてしまいます。また、登山においてコンパクトで軽量な点も重要になります。
スポーツ用品店やアウトドアショップに行くと、様々なフリースが販売されていますが、タウンユースやキャンプで活躍するものと、登山で本領を発揮するものと様々ありますので、その特徴を見極めて求める性能のフリースを選ぶようにしましょう。
一般的な3種類のフリース
①薄手~中厚手のマイクロフリース
一般的なフリースで細かな繊維が起毛しており暖かくかさばりにくいのが特徴です。登山に使用するフリースとしては最もオーソドックスで、とりあえず選んでおけば間違いのない安定の性能です。
②中厚手で保温性に優れたグリッドフリース
マイクロフリースよりもやや厚めのものが多く、グリッドのように裏地に凹凸があることで保温性を高めながら、湿気の通り道ができ透湿性にも優れています。特に、ポーラテックパワーグリッドという生地を使用しているものは、軽量で多機能性に優れたワンランク上のフリースと言えるでしょう。
③厚手のハイロフトフリース
厚手タイプは冬山登山におけるミドルレイヤー、春から秋の登山における休憩中の防寒着として活用するシーンが想定できます。ハイロフトとは長めの毛足のことを指しており、他のフリースとは別格の保温性を得られます。しかし、冬山とはいえ登高中は体が発熱しますので、一般的には薄手~中厚手までのフリースの保温性で十分でしょう。
※横スクロールで表がスクロールできます。
種類 | ①マイクロフリース | ②グリッドフリース | ③ハイロフトフリース | |
厚手 | 薄手~中厚手 | 中厚手 | 厚手 | |
季節 | 夏山の保温着 | 夏山の保温着 | 春、秋、冬山の保温着 | |
標高 | 低山~高山 | 低山~高山 | 高山 | |
特徴 | 軽量化 | 汎用性が高い | 保温力特化 | |
性能 | 保温性 | ○ | ◎ | ☆ |
透湿性 | ○ | ◎ | △ | |
吸汗速乾性 | △ | ○ | × | |
伸縮性 | ○ | ○ | △ |
さらに上位互換!特別な機能をもつポーラテックのフリース
④ドライで着心地の良いポーラテックパワードライ
吸湿拡散性能に優れており、汗を素早く吸い上げ常に肌をドライに保つ性能に長けています。また、熱がこもりにくく、そもそも汗をかきにくいのも特徴的です。
ベースレイヤーとしても使用され、ドライで心地よい肌触りを実現しています。厚めのパワードライを用いれば、秋冬のベースレイヤーやミドルレイヤーとしても使用でき、あらゆるアクティビティで活躍するでしょう。
⑤伸縮性に長けたポーラテックパワーストレッチ
しなやかでストレッチ性に優れた素材で、通常2方向へ伸縮する生地が多いものの、4方向への伸縮性を確保しており、次元の違う動きやすさが得られます。
着用時にだぼつかず、裏地の起毛素材でデッドエアを確保し、ほどよく保温し、温めた空気をしっかりとフリース内に留めてくれる保温性もあり、動きの激しいアイスクライミングやバックカントリーなどでも活躍するでしょう。
種類 | ④パワードライ | ⑤パワーストレッチ | |
厚さ | 薄手~中厚手 | 薄手~中厚手 | |
季節 | 夏山の保温着 冬山のベースレイヤー | 夏山の保温着 冬山のベースレイヤー | |
標高 | 低山~高山 | 低山~高山 | |
特徴 | 透湿性、速乾性に優れる | 伸縮性に優れる | |
性能 | 保温性 | ○ | ○ |
透湿性 | ☆ | ◎ | |
吸汗速乾性 | ☆ | ◎ | |
伸縮性 | ◎ | ☆ |
この他にもポーラテックには様々な素材があり、それぞれ特徴が異なります。ポーラテックについてもっと詳しく知りたい方へこちらの記事もおすすめです。
種類ごとのフリースの使い分け
それぞれ季節と標高を目安にして使い分けるとよいでしょう。目的は防寒対策のための保温性で、気にする点はフリースを着用しても汗をかかないようにするための通気性です。
一般的には、マイクロフリースやグリッドフリースなどの薄手~中厚手のフリースが汎用性が高くおすすめです。ハイロフトフリースは、抜群の保温性能で寒がりの方にはおすすめですが、透湿性が低く注意しないと発汗によって蒸れてしまう危険性があります。休憩中の保温着にするのなら、軽くてかさばらないダウンの方が適しているでしょう。
また、この時考えなくてはいけないのがコンパクト性と重量です。ベースレイヤーの上でも脱ぎ着がしやすいか、ハードシェルなどのアウターの中に着ても動きやすいかなど、他のレイヤーとのバランスも考えて最適な一枚を選ぶように考察を重ねましょう。
本当に使える!登山におススメのフリース11選
①オールマイティに使えるマイクロフリース
【高コスパフリース】Mont-bell シャミースジャケット薄手ながら暖かく、心地よい肌触りが人気のフリースジャケットです。ストレッチ性や通気性、透湿性も申し分なく、いつでもどこでも重宝するオールラウンドに使用できます。6,600円と高コスパ商品で、とりあえず登山用にフリースを1枚買っておこうという時におすすめの一枚です。
特に、これから登山道具をそろえようとしている方にとっては、どの用具もウェアも値段が高く手を出しにくい面もあるでしょう。そんな方には、まずこちらのフリースを使用してみて、自分に必要な性能を確認してから高性能フリースを購入するのがお勧めです。
商品名 | シャミースジャケット |
重量 | 245g |
特徴 | オールラウンドに使用できる高コスパフリース |
価格 | ¥6,600 |
【安定の品質】THE NORTH FACE マウンテンバーサマイクロジャケット
軽量で優れた保温性を兼ね備えたマイクロフリースを採用したジャケットです。フリースは着脱時に静電気が起きやすいのですが、静電ケア設計を採用した点も特徴です。テクニカルすぎない見た目からシーンを問わず幅広く活用できるフリースです。
商品名 | マウンテンバーサマイクロジャケット |
重量 | 245g |
特徴 | 軽量で優れた保温性を持つマイクロフリース |
価格 | ¥13,750 |
【軽量なオールシーズンフリース】 MAMMUT Innominata Light ML Jacket
一年を通じて着用できる着心地の良い軽いフリースジャケットです。少し肌寒い夏の夜からあたたかなミッドレイヤーとして冬場にも活躍します。このジャケットはリサイクルポリエステルでできており、環境にも配慮した製品となっています。
商品名 | Innominata Light ML Jacket |
重量 | 330g |
特徴 | 軽量でオールシーズン使用できる着心地と保温性 |
価格 | ¥14,300 |
【フリースの王道】Patagonia R1デイリージャケット
表面が滑らかで肌触りがソフトな伸縮性素材を使用したレイヤリングがしやすいのがR1デイリーです。R1の中で中間的な位置づけで汎用性の高さが魅力です。デイリーと商品名につきますが日常使い専用というわけではなく、さまざまなアクティビティで使用ができるフリースと考えると良いでしょう。
商品名 | R1 デイリー・ジャケット |
重量 | 337g |
特徴 | 表面が滑らかで肌触りがソフト |
価格 | ¥20,900 |
②高性能なグリッドフリース
【軽量で保温性抜群】THE NORTH FACE エクスペディショングリッドフリース
エクスペディショングリッドフリースフルジップフーディは、柔らかな毛足の「フューチャーグリッドフリース」を使用したフルジップパーカーです。このフリースは通常のポリエステル繊維に比べて1/2の軽量性を持つリサイクル中空繊維で構成されており、適度な保温性と通気性を兼ね備えています。1ランク上のフリース性能を実感できるでしょう。
商品名 | エクスペディショングリッドフリース |
重量 | 225g |
特徴 | 軽量で保温性と通気性が両立しているフリース |
価格 | ¥19,800 |
【動きやすく性能抜群】Patagonia R1テックフェイス
③保温性特化のハイロフトフリース
【究極の保温性能】Mountain Hardwear ポーラテックハイロフトジャケット
超高性能生地であるポーラテックのハイロフト繊維構造を活用して、軽量でありながら高い保温性を実現したフリースジャケットです。柔らかな生地はコンパクトに収納でき、寒い冬の山でも暖かく快適に使用できます。究極の保温性能を求める方に、おすすめの登山で使えるフリースです。
商品名 | ポーラテックハイロフトジャケット |
重量 | 512g |
特徴 | ポーラテックパワーグリッドによる究極の保温性能 |
価格 | ¥23,100 |
④透湿性や速乾性に優れたポーラテックパワードライ
【透湿性と吸汗速乾性◎】ARC"TERYX デルタ ジャケット
ポーラテックパワードライを用いた汎用性の高い機能性に優れたフリースジャケットです。通気性が抜群で、熱効率が良く肌触りが抜群に心地よく快適です。シンプルなデザインも相まって、夏山の朝夕や冬のミッドレイヤーなど幅広く活用できるフリースになります。
商品名 | デルタ ジャケット |
重量 | 250g |
特徴 | 高い通気性と心地よい肌触り |
価格 | ¥22,000 |
【アルパインミッドレイヤーに】Black Diamond コエフィシエントフリースフーディ
保温性、ストレッチ性、通気性、軽量性を兼ね備えた、雪山やバックカントリーで求められる性能全てを兼ね備えたフリースです。ポーラーテックパワードライ素材を使用しており、保温性、通気性、速乾性に優れています。軽さと機能性を兼ね備えた一着であり、寒冷な山岳環境で頼りになる一着となるでしょう。
商品名 | コエフィシエントフリースフーディ |
重量 | 310g |
特徴 | アルパイン性能を満たしたフリース |
価格 | ¥28,050 |
⑤伸縮性に優れたポーラテックパワーストレッチ
【伸縮性に優れた快適フリース】ARC"TERYX カイヤナイト ライトウェイト
軽量で通気性に優れ、快適な着心地を誇るストレッチフリースのジャケットです。ポーラテックパワーストレッチの生地を用いられており、優れた伸縮性により動きやすさも抜群です。重さも280gとかなり軽量で、どこへ行く時も必ず荷物に忍ばせたい一着です。
商品名 | カイヤナイト ライトウェイト |
重量 | 280g |
特徴 | 快適な着心地と抜群の伸縮性 |
価格 | ¥24,200 |
【魔法のような着心地】houdini アウトライトフーディ
軽量で通気性に優れ、柔軟なストレッチが魅力のフリースジャケットです。ポーラテックパワーストレッチプロライト素材を使用しており、軽量で伸縮性に優れているのはもちろんのこと、保温力と透湿性にも優れています。また、シンプルなデザインに加えて、耐久性も兼ね備えています。薄手で軽やかな魔法のような着心地で、あらゆるシーンで活躍するでしょう。
商品名 | アウトライトフーディ |
重量 | 360g |
特徴 | 薄手で軽やかな着心地 |
価格 | ¥31,900 |