那須岳は栃木県北部に位置し福島県との県境となる那須連山の総称であり、茶臼岳、朝日岳、三本槍岳の三山を指し、さらに南月山、黒尾谷岳を含めた那須の山域を指すこともあります。主峰は今もなお火山活動を続ける標高1915mの茶臼岳で、茶臼岳周辺には数多くの登山コースがありまた登山口も様々です。今回は那須岳登山の中でも一番人気の茶臼岳をゴール地点とした登山ルートの中で、初心者でも楽しめる登山ルートを難易度別で紹介します。

那須岳の登山が人気の理由

那須岳の主峰である茶臼岳を筆頭に、茶臼岳の北にある朝日岳、三本槍岳、南に位置する南月山、黒尾谷岳などの連山の総称として那須岳と言われています。那須岳は日本百名山に選定されており、山頂周辺の火口跡や荒涼とした景色、そして秋には極彩色の景色が味わえる紅葉が特徴の山です。この那須岳が登山者に人気の理由を紹介していきます。

ファミリーや初心者登山者も雄大な景色を楽しめる。

9合目までロープウェイが通っており、容易に茶臼岳の山頂に立つことが出来る

茶臼岳の標高は1915m と低山と高山の中間的な山ですが、周辺に景色を遮る山がないため眺望が良く、峠の茶から登るメインの登山ルートでは片道約1時間半ほどで頂上に立つことができ、比較的整備された登山ルートは登山初心者の方たちにも人気です。また那須岳の9合目までロープウェイが通っており、片道40分と、さらに短いルートで茶臼岳の山頂に立つことも出来ます。比較的簡単に登れるにもかかわらず雄大な景色を眺めることが出来る那須岳は、ファミリーでも楽しむことができることから多くの登山客で賑わっています。

様々な登山ルートを組み立てることが出来る

茶臼岳、朝日岳、三本槍岳はそれぞれ特徴的な山歩きができる

那須岳は朝日岳(1896m)・三本槍岳(1917m)とあわせて那須三山と呼ばれ、さらに南月山(1776m)黒尾谷岳(1589m)を加えて、那須五岳とも呼ばれています。茶臼岳を中心として様々な登山ルートを組み立てることができるバリエーション豊かな山域としても親しまれています。

岩場を乗り越える急峻な登山ルートから、初心者でも安心の緩やかなコース、山岳信仰として使われていた歴史あるコースなど、それぞれ違った山歩きの楽しさが味わえることができ、茶臼岳周辺では木々のない茶系の火山特有の景色、そして朝日岳では急峻な岩場登りをはじめとする岩稜の山歩きが楽しめます。また三本槍岳までは高山植物を鑑賞しながらの尾根歩きとなる縦走ルートが人気で、様々な山の形相を味わいながら各山頂からは大眺望を楽しめることができるバリエーション豊かな登山ルートが魅力な山域となっています。

荒涼とした那須岳特有の景色を楽しめる活火山

荒涼とした那須岳特有の景色を楽しめる活火山

那須岳は白い噴煙を今もなを吹き上げる活火山です。那須火山は関東平野北端の成層火山群で、約50万年前と30万年前と20万年前に活動した形跡を堆積物などで知ることができます。

茶臼岳は東に大きな崩壊を見ることができる火山で、最近1万年の間は茶臼岳の活動が続いています。現在、那須岳は大変穏やかですが、過去の活動を見ると、100年に1回程度の水蒸気噴火と、千年に1回程度のマグマ噴火が推定されるようです。

美しいゴヨウツツジが約3万本群生する5月の那須岳中の大倉

美しいゴヨウツツジが約3万本群生する5月の那須岳

マウントジーンズ那須を始点とする那須ゴンドラで中の大倉付近を散策すると5月から6月にかけて山頂一帯に真っ白な花を咲かせるゴヨウツツジが約3万本群生します。この規模は国内最大級で花のトンネルを散策することができるとして多くの観光客が訪れます。

ゴヨウツツジは別名シロヤシオツツジとも呼ばれ、敬宮愛子(としのみやあいこ)内親王殿下のお印としても知らています。ゴヨウツツジという名前は枝先に5枚の葉が輪生状に付くさまを表しており、純白で可憐な花が満開となる時期はとても美しく他では見られない絶景スポットとして人気です。

登山終わりの観光スポットが多くある那須岳

登山終わりの観光スポットが多くある那須岳

那須岳のふもととなる那須高原には多くの観光スポットや日帰り温泉施設、グルメスポットがあり観光客で賑わう地域となっています。歴史ある温泉や、松尾芭蕉が訪れている国指定名勝の殺生石、山岳信仰の起点となる温泉神社など見所も多くあり、登山だけで帰るのがもったいない山旅スポットとして人気を集めています。

山の名前那須岳|茶臼岳(なすだけ|ちゃうすだけ)
都道府県栃木県・福島県
標高1,915m
天気・アクセスなど那須岳の詳細情報

那須岳登山のQ&A

那須岳の降雪は?

那須岳は11月頃より降雪が始まり山頂付近は白く染まります。そして、開山祭のある5月頃まで雪が残ります。もともと風の通り道として知られる茶臼岳周辺は立っていられないほど風の強くなる日が多く、冬となると凍った足場と伴ってとても危険となることもあるので、ピッケルとアイゼンといった冬山装備は必須です。

標高こそ2,000mを下回りますが、アルプスに劣らない厳しい環境となることもあり、那須岳山頂には厳しいが故の美しい眺望と達成感が待っています。

那須岳の水場は?

那須ロープウェイの山麓駅舎付近の水道と峠の茶屋駐車場の登山道入り口、マウントジーンズ那須の那須ゴンドラ駅に水道があります。登山道上には延命水と呼ばれる天然の水場が三斗小屋周辺のルート上にあり、その他いくつかの沢が流れる箇所もありますが、火山帯の特徴でもある白く濁った温泉が流れ込む沢もあるので、飲用には十分気をつけてください。

また、那須ロープウェイや那須ゴンドラにはドリンクの自販機もあります。水分の他行動食などが必要な場合は、那須ロープウェイ、峠の茶屋登山口、マウントジーンズ那須の那須ゴンドラに売店と食事のとれる箇所があります。登山口までマイカーアクセスなら、途中にコンビニが数件とスーパーマーケットがあるのでそちらもおすすめです。

那須岳の難易度別おすすめ登山コース

ロープウェイを使用しない登山で最も最短コース・初心者登山におすすめ

スタート地点峠の茶屋駐車場(県営駐車場)
ゴール地点那須岳頂上
地点間の片道距離約2.5km
累積標高約462m
片道コースタイム1時間25分
難易度★★☆☆☆
合計距離: 2551 m
最高点の標高: 1911 m
最低点の標高: 1473 m
累積標高(上り): 462 m
累積標高(下り): -24 m

峠の茶屋駐車場と呼ばれる県営駐車場からの登山口は那須岳へのアクセスとして一番多くの人が利用する登山口です。冬季は閉鎖されるため大丸駐車場からのアクセスとなります。

登山道入り口から鳥居をくぐり、はじめの15分ほどは樹林帯の中を歩きますがすぐに木々はなくなり活火山でもある茶臼岳特有の荒廃とした風景がはじまります。前方には峰の茶屋と呼ばれる小屋が見えてくるこの小屋までのルートは、茶臼岳一帯では一番風が強くなる箇所なので樹林帯を抜ける前にウェアリングを再度整えるのがおすすめです。また、夏場では木陰がないルートが続くため熱中症には十分気をつけてください。

緩やかな50分程の上りで峰の茶屋避難小屋まで登ることができます。峰の茶屋避難小屋まで来ると荒涼とした景色が広がり、遠くには福島側の山々が見渡せるポイントとなります。右へ歩けば朝日岳、左に行くと茶臼岳、峰から下ると三斗小屋方面という分岐点にもなる場所です。

峰の茶屋避難小屋を左に向かって進むとすぐに茶臼岳山頂と牛ヶ首方面への分岐となります。左の山頂方面へ約35分ほど歩けば茶臼岳頂上に到着します。

山頂までのルートは足場が不安定な箇所も多く短い距離ですが急登も出てきます。このあたりからは出来るだけゆっくりのペースで登ることをおすすめします。時折黄色い結晶を見つけることが出来ますが活火山でもある茶臼岳の特徴であり、噴気孔から出る硫黄が結晶化したものとなります。

山頂付近に差し掛かるとお釜を周遊できるルートがあり、山頂付近には鳥居が見えてきます。祠のある山頂付近は岩場となり広い休憩箇所がないため休憩をする場合は十分お気をつけください。

下山時にもしも登山に疲れてしまったら山頂から那須ロープウェイの山頂駅までのルートもあります。岩場を下るルートですが那須ロープウェイを使うと一気に山麓駅までおり、山麓駅から徒歩15分でスタート地点の峠の茶屋駐車場(県営駐車場)に戻ることもできます。

那須岳 峠の茶屋第1・第2駐車場について

峠の茶屋駐車場(県営駐車場)は、無料駐車場で167台の駐車スペースがあります。5月の新緑シーズン、高山植物が咲き乱れる夏山登山シーズン、紅葉シーズンの土日は朝6時ともなると駐車場が混雑し、特に紅葉時期となる9月下旬~10月中旬となるとロープウェイ乗り場付近から道路が渋滞することもあります。上段の第一駐車場には整備されたきれいなトイレ、展望台、売店があります。駐車場からの出口は入り口とは逆のトイレのある方が出口となります。一方通行となるため気をつけてください。

ファミリーでも楽しめる那須ロープウェイでラクラク登山・初心者登山におすすめ

スタート地点那須ロープウェイ山頂駅
ゴール地点那須岳頂上
地点間の片道距離約0.9km
累積標高約232m
片道コースタイム40分
難易度★☆☆☆☆
合計距離: 975 m
最高点の標高: 1911 m
最低点の標高: 1683 m
累積標高(上り): 232 m
累積標高(下り): -5 m

那須ロープウェイは気軽に茶臼岳頂上からの景色を楽しめるとして、登山者だけでなく多くの観光客が訪れ利用されます。3月中旬から12月中旬まで通常では8時半から20分間隔で運行されます。料金は大人往復1800円、片道1200円、子供はその半額です。

頂上から茶臼岳までは約40分歩くことで到着します。アクセスは簡単ですが山頂付近は岩場となり歩きやすい服装と靴の準備は必要です。しっかりと装備を整え登山を楽しんでください。

那須湯本温泉から高湯山信仰で使われた高雄口登山道

スタート地点那須湯本温泉
ゴール地点那須岳頂上
地点間の片道距離約7.5km
累積標高約1,190m
片道コースタイム3時間32分
難易度★★★☆☆
合計距離: 7687 m
最高点の標高: 1911 m
最低点の標高: 853 m
累積標高(上り): 1190 m
累積標高(下り): -132 m

上で紹介した登山道とは打って変わって人気の少なさが目立つ静かな登山を楽しめるのが那須湯本温泉からの登山です。このルートは高湯山(たかゆさん)信仰で使われたルートとしても知られ、各所に歴史が垣間見れるスポットが登場します。

まず那須湯本にある温泉神社からスタートするルートは登山道から一般車道へと出ますがまたすぐに未舗装の登山道へと繋がります。この辺りは笹が多く、クマ出没区域としても知られているため、クマ対策としてとるべき行動をしっかりと理解して登山を行いましょう。

しばらく進むとヤブ笹に遮られて目にすることは出来ませんがルートの下には高雄俣川が流れ、沢の音を聞きながらの登山となる気持ちのいいルートとなります。

そのままあるき続けると視界が開け、硫黄の匂いが漂う場所にたどり着きます。膳棚の湯と呼ばれるポイントで急なガレ場の下には実際に硫黄泉が湧き出る場所があります。湧き出るお湯は温度が低く足場の悪い箇所で斜面も崩れやすいため登山道から外れて湯が湧き出るポイントへ行くことはおすすめいたしません。

膳棚の湯をすぎるとすぐに木道が現れ石垣が出てきますが、ここは飯盛温泉跡と呼ばれる箇所で、大正9年から昭和15年まで実際に温泉宿のあった場所となります。また昭和天皇が行啓された際、「飯盛虻」を発見した地でもあります。

飯盛温泉跡から先は登山ルートが不明瞭となるため十分気をつけてください。2つのベンチを過ぎた後はすぐに右に進み細い沢のようになっている部分を進みます。雨のあとは靴が水に浸かるほどになるこもあります。しばらく苔むしたガレ場を直登気味に登るルートとなり、足場も滑る箇所が多いため一歩一歩ゆっくりと進むよう心がけてください。

急登がおわると一気に視界が晴れて目の前には茶臼岳の雄大な姿が現れます。この先は牛ヶ首とロープウェイ山頂駅の分岐となり、ロープウェイ山頂駅方面に進むと那須岳山頂へと続くルートとなります。ここからは多くの観光客や登山客で賑わうため、今までの静かな登山とはうってかわった景色となるでしょう。

中ノ大倉尾根を歩く朝日岳と那須岳の縦走登山

スタート地点ゴンドラ山頂駅
ゴール地点那須岳頂上
地点間の片道距離約6.6km
累積標高約810m
片道コースタイム3時間50分
難易度★★☆☆☆
合計距離: 7687 m
最高点の標高: 1911 m
最低点の標高: 853 m
累積標高(上り): 1190 m
累積標高(下り): -132 m

5月になるとゴヨウツツジが美しい那須ゴンドラ山頂付近です。ゴンドラ利用は往復で大人1700円、子供900円です。片道は大人1400円、子供700円です。

ゴンドラ山頂駅からは朝日岳付近から茶臼岳へと向かう登山コース以外にも登山未経験者でも気軽に楽しめる片道約20分のゴヨウツツジ展望台コースや、片道約3分の茶臼展望台コース、またそれぞれを組み合わせて楽しめるゴヨウツツジ遊歩道コースなど、簡単なトレッキングを楽しむことができるスポットです。

ゴンドラ山頂駅から約20分歩くとロープウェイ遊歩道北分岐に到着します。最初はゆったりとした上り坂が続く中ノ大倉尾根を歩き中ノ大倉尾根分岐まで約1時間畔登山をします。

この分岐から右に折れ約30分登山をすれば三本槍岳に到着します。360°の眺望が広がる素晴らしい景色を楽しめるので時間に余裕があれば是非立ち寄ってみてください。

左に向かうと清水平を経由し朝日岳分岐へ向かいます。ゆったりとした景色を、平坦な木道を歩きながら思う存分楽しめることができるポイントです。

朝日岳分岐からは約30分歩くことで峰ノ茶屋跡に到着します。ここから茶臼岳までは約30分です。

那須岳周辺の観光&温泉情報

①北温泉旅館

立寄入浴は8:30~16:30で700円です。映画テルマエロマエのロケ地としても利用され、歴史のある雰囲気と、素晴らしいお湯を堪能することができます。有名な温泉で混雑していることが多いです。

②殺生石

殺生石は那須湯本にある観光スポットで、九尾の狐が正体を見破られた際に那須へ逃げてきた後、九尾の姿から石へと姿を変えそれでもなお毒気を放ち続けたという九尾伝説が残る場所です。そして2022年3月にはその石が割れてしまったということで大きな話題となりました。またこの場所は松尾芭蕉が訪れて句を残した場所としても知られています。

③鹿の湯

殺生石の向かいには1300年の歴史を誇る温泉「鹿の湯」があります。辺り一帯から漂う硫黄臭でも分かる通り、白く濁った非常に強い匂いの硫黄泉となっています。伝統的な温泉はその入り方も通常の温泉とは異なります。入浴前にかぶり湯を200回、異なる温度の浴槽には腰まで1分、胸まで1分、首まで1分と短い時間だけ浸かる短熱湯が薦められています。登山の後に伝統的な温泉に入ってみてはいかがでしょうか。

④弁天吊橋

紅葉が楽しめる季節は多くの観光客で賑わう弁天吊橋は自然研究路の一部としてハイキングを楽しむことができます栃木では最も標高の高い吊り橋として知られ、全長65mあります。

⑤つつじ吊り橋

全長130m、高さ38mの吊り橋は八幡ツツジ群落地を結ぶ遊歩道の途中にあります。橋の上からは那須連山の景色が楽しめます。

⑥八幡ツツジ群落

出典:那須ガーデンアウトレット

上で紹介した吊り橋とセットで楽しめるのが八幡ツツジ群落です。5月から6月にかけては美しい花を咲かせ 一面ピンク色に染まる景色を楽しめます。

⑦那須高原ビジターセンター

那須岳の麓、那須湯本にある那須高原ビジターセンターでは日光国立公園の那須甲子地域の自然情報を紹介しています。館内は入場無料で自然、歴史するブースから企画展示ブースなど様々な展示を閲覧でき、リアルタイムな那須岳の情報等も紹介しています。また那須の観光情報やアウトドアアクティビティについての紹介もあり、日光国立公園でもある那須甲子地域の自然を楽しみたいという方はぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

関連タグ

関連記事

山旅旅30人隊

あなたにおすすめ記事

山旅軽量ギア

【返品無料】パタゴニア注目ウェア

アマゾン売れ筋商品

【2022年12月02日】今売れている登山装備

軽量・便利アイテムすべて見る

山旅の全ての軽量アイテムを見る

殿堂入りアイテム

人気のアウトドアアイテム