登山において帽子はとても重要な装備の1つです。登山で使う帽子としてキャップとハットで迷う方は多いと思います。今回は登山における帽子を選ぶときのポイント、キャップとハットの必要性とメリット&デメリットを紹介します。自分の登山スタイルにあった帽子を見つけてください。
登山における帽子の必要性
登山で帽子があることで登山で帽子を被ることは紫外線による日焼け対策、強い日差しによる熱中症対策、汗止め対策、目や顔の保護など帽子があることで快適な登山を実行できるだけでなく様々なリスクを回避することができます。具体的に登山と帽子の関係について見ていきましょう。
頭と顔周辺の日焼け予防
標高が高いと紫外線量が多くなります。快晴時に紫外線の強さを観測した数値では、1000mあたり約15%紫外線が強くなる結果が報告されています。帽子があることで2つのメリットがあります。
- 頭皮を紫外線から守る
- ツバが陰になって顔と首を紫外線から守る
帽子を被らずに登山をすると、頭皮が日焼けをしヒリヒリとした痛みを伴うと同時に、皮がめくれ、フケのように剥がれます。これによって毛根がダメージを受けて抜け毛などのトラブルに繋がります。特に髪の分け目やつむじなど地肌が露出している部分は注意が必要です。
頭を冷たい空気や風から守る
標高100m上げると気温は0.6℃下がると言われています。山の上では寒くなることを想定することはとても大事です。帽子があることで2つのメリットがあります。
- 頭全体を寒さから守り集中力低下を防ぐ
- 耳を冷たい風から守り凍傷を防ぐ
寒い季節にはニット帽やビーニーがあると頭全体を温めることができます。頭が冷えると集中力が低下するため登山では頭を冷やさないように注意する必要があります。また耳を覆うこともできるので肌寒いことが予想される高所登山では帽子の役割は重要です。
怪我の防止
登山道は木の枝や幹などが密集しており歩きに集中力が欠けると頭をケガすることが想定できます。帽子があることで2つのメリットがあります。
- 下を向いていて枝に頭をぶつけたときに帽子がクッションになる
- ツバがあることで鋭い枝などから顔全体を守る
下を向きながら登山をしていると気づかずに太い枝に頭をぶつけたり細い枝が弓のように顔に飛んできたり小石などが落石するなど、怪我をするシーンが登山では多くあります。キャップやハットであればツバによって顔を守り、ニット帽であればある程度のクッション性能があるので頭全体を守ります。
雨天時に顔に雨が当たりづらい
登山では天気が変わりやすく小雨から強い雨まで様々です。帽子があることで天候変化時に2つのメリットがあります。
- 上からの雨に対して顔が濡れづらい
- 小雨程度であればキャップやハットで頭を濡れから防ぐ
雨が降った際ツバがあることで上から降ってきた雨によって顔面に雨が当たりづらくなります。大雨の場合はレインウェアのフードを被る必要がありますが、小雨程度であれば帽子で雨を防ぐことができます。キャップやハットによっては撥水加工がされているモデルがあるので雨を弾く能力に優れています。
汗が顔に流れてきづらい
登山は樹林帯や稜線など高度を上げることで環境が様々です。これによって汗をかきやすいのが登山ですが汗をかいた時にそのまま頭の汗が顔に流れて目に入るようなことがあると目が痛くなって危険なので汗止めとして帽子が役立ちます。
キャップとハットどちらが登山に適しているか
キャップとハットはどちらも汗に濡れても乾きが早く、通気性に優れた素材を採用しています。大きな違いはツバの形状とあごひものありなしが挙げられます。以下の表はキャップとハットのメリットとデメリットを比較したものです。
※横スクロールで表がスクロールできます。タイプ | キャップ | ハット |
---|---|---|
日焼け防止 | 顔のみ日焼け防止 ※サンスクリーンを使用すれば日焼け防止はハットより高い |
耳や首の日焼け防止 |
フードを被る | 可能 | 不可能 |
ヘルメットを被る | 可能 ※天ボタンなしが良い |
不可能 |
風の影響 | 飛ばされづらい | 飛ばされやすい ※あご紐が付いているモデルは飛ばされない |
サイズ調整 | 後頭部で調整可能なモデルが多い | 調整できないモデルが多い |
コンパクト性 | 小さく畳めるタイプあり | 嵩張りやすい |
汎用性 | 普段使いも可能 | 普段使いがしづらい |
7つの項目についてキャップとハットの違いを整理してみました。この7つの項目について詳しく見ていきましょう。
サンスクリーンとキャップのセットが日焼け防止に最強
キャップは日焼け防止の点でハットに劣るという紹介をしているサイトが多いですが、実は逆で、キャップに装着できるサンスクリーンを利用すると耳も首も覆い隠すことができるので、ハットよりも紫外線防止に優れています。
レインフード&ヘルメットをする機会が多い登山にはキャップがおすすめ
レインフードやヘルメットを被るときハットの場合はツバが邪魔になります。キャップは上からレインフードもヘルメットも被ることができるので便利です。
風の影響を受けやすいハット
ハットはツバが360度ついているため風の影響を受けやすいデメリットがあります。そのため登山用ハットの多くがあご紐がついていて飛ばされないように作られています。
キャップはハットと比較すると風の影響を受けにくいです。またキャップ用ストラップを活用すれば飛ばされても紛失してしまうことを防ぐことができます。
サイズ調整がしやすいタイプがベスト
頭にフィットする帽子は風に飛ばされづらく安心して登山ができます。後頭部でフィット調整ができるタイプの帽子がおすすめです。
嵩張らずに持ち歩けるコンパクト性も重要
上の写真は山旅のキャップとSUNDAYafternoonの最も軽量なハットをコンパクトにした時のものです。手のひらに収まるほどコンパクトにすることができるタイプを選ぶことで、フードをかぶる時、ヘルメットをかぶる時にキャップやハットを外す時にポケットに入れやすく便利です。
登山におすすめのキャップ
今回登山におすすめのキャップとして選んだのは
- UVカットの素材を使用している
- 汗を吸って乾きが早い
- 軽量で持ち歩くときに邪魔になりづらい
この3点を絶対条件としました。メッシュ素材のありなし、ツバの形状や長さ、コンパクトにして持ち歩くことができる点はそれぞれの好みがあると思うので、デザインを見て好みのモデルを探してみてください。
山旅『ライトウェイトコンパクトキャップ』
深くかぶれて風に飛ばされづらく、視界確保に優れ日本人の顔に合う短く広めのツバを採用した、かぶっていることを忘れるような37gという軽さを実現したキャップです。
11個のセールスポイント全て備えたキャップは珍しく登山、トレイルラン、普段使いにもおすすめのキャップです。
- 日本人の顔の形に合うデザイン
- 羽のような軽さ
- コンパクトにできる素材
- 頭を日焼けしない素材とデザイン
- 速乾性と通気性
- 吸水性に優れた汗止め素材
- 5パネルによる立体構造
- ヘルメットの上から被ることができる
- シンプルなサイズ調整機構
- ワンサイズ展開で男女兼用
- 細引にぶら下げて乾かせる
ザ・ノース・フェイス『テックロゴキャップ』
ストレッチ性も備えたフィット感のあるロゴキャップです。サイドと後頭部にはメッシュ素材が使用されているため通気性に優れています。このメッシュ素材はレーザーホール技術で非常に目が細かい特徴を備えています。
- 重量:約95g
- 素材:ポリエステル97%、ポリウレタン3%
- サイズ:ユニセックス
- メッシュ:あり
- ツバ:7㎝
- 天ボタン:あり
ザ・ノース・フェイス『プロンプトキャップ』
トレイルランニングやランニングシーン向けのキャップで、素早くコンパクトにまとめることができます。ツバは厚みのあるメッシュ素材で形状をキープします。メインの素材は撥水機能があり雨を弾きます。
- 重量:不明
- 素材:PERTEXQUANTUM40D、ポリエステル
- サイズ:ユニセックス
- メッシュ:あり
- ツバ:6㎝
- 天ボタン:なし
ザ・ノース・フェイス『スワローテイルキャップ』
さらさらとした質感のランニング向けキャップです。メインの素材は撥水機能があり雨を弾きます。側頭部には滑り止め加工を施したサングラスホールが設けられています。サイドパネルのパンチングベンチレーションにより通気性を確保しています。
- 重量:不明
- 素材:ナイロン100%
- サイズ:ユニセックス
- メッシュ:あり
- ツバ:6.7cm
- 天ボタン:なし
パタゴニア『ダックビル・ショーティ・トラッカー・ハット』
短めのツバに浅めの頭頂部で様々なスタイルに合わせやすいデザインで、パタゴニアで人気のキャップです。ツバは水に浮く3ミリ厚EVAフォームを使用しており、形状をキープします。メッシュ部分が多いので通気性に優れています。
- 重量:62g
- 素材:4.2オンス・ナイロン95%(リサイクル・ナイロン65%)/ポリウレタン5%。DWR(耐久性撥水)加工済み。後頭部:5オンス・リサイクル・ポリエステル・メッシュ100%
- サイズ:ユニセックス
- メッシュ:あり
- ツバ:短め
- 天ボタン:あり
パタゴニア『ダックビル・キャップ』
ダックビル・ショーティ・トラッカー・ハットよりさらにメッシュ部分を多くし、ツバを短くして丸めて収納することができるミニマムなデザインのキャップです。
- 重量:43g
- 素材:4.2オンス・ナイロン95%(リサイクル・ナイロン65%)/ポリウレタン5%。DWR(耐久性撥水)加工済み。頭頂部とバックパネル:5オンス・リサイクル・ポリエステル・メッシュ100%
- サイズ:ユニセックス
- メッシュ:あり
- ツバ:短め
- 天ボタン:なし
アークテリクス『カリダム5パネルハット』
耐久性が高く通気性に優れ、素材が頭に沿うようにストレッチする5パネルのキャップです。スポーティー過ぎない普段使いにもフィットするデザインです。
- 重量:52g
- 素材:Burly™ダブルウィーブ
- サイズ:ユニセックス
- メッシュ:なし
- ツバ:普通
- 天ボタン:なし
アークテリクス『ノーバンキャップ』
非常に軽量で夏のトレイルランニングや登山で快適な被り心地を提供するキャップです。速乾性に優れた素材と伸縮性のあるエアシェルは汗をかいてもすぐに乾き、通気性が高いため涼しく快適です。表素材には撥水加工が施され雨が降っても保水しません。
- 重量:28g
- 素材:100%ナイロンSPACERMESH™
- サイズ:ユニセックス
- メッシュ:あり
- ツバ:普通
- 天ボタン:なし
アークテリクス『ロゴトラッカーキャップ』
ツバがフラットでクラシックな見た目のトラッカーキャップです。透湿性と速乾性のある素材とモノフィラメントメッシュを採用したキャップで頭の中が蒸れにくく快適です。
- 重量:65g
- 素材:Circuit™
- サイズ:ユニセックス
- メッシュ:あり
- ツバ:普通
- 天ボタン:あり
milestone『オリジナルキャップ』
帽子のつばにワイヤーが組み込まれているため視界を確保することができます。ツバが大きく様々な顔の形の人でも合わせやすいように考えられたデザインを採用しています。メインで使用されているナイロン素材はハリがあります。
- 重量:不明
- 素材:NYLON100% / MESH:POLYESTER100%
- サイズ:ユニセックス
- メッシュ:あり
- ツバ:短め
- 天ボタン:なし
エルドレッソ『スリラーキャップ』
奇抜なデザインが多いためトレイルランナーに人気のメーカーです。メッシュ素材はパタゴニアのトラッカーハットとほぼ一緒で目が粗いため通気性に優れています。紫外線が強い場所では頭の日焼けに注意が必要です。
- 重量:不明
- 素材:100%ナイロン
- サイズ:ユニセックス
- メッシュ:あり
- ツバ:短め
- 天ボタン:あり
マウンテンハードウェア『MHWトレイルシーカートラッカー』
広いメッシュ素材とプロントの生地にもサンドウィッチメッシュポリエステルを使用した通気性に優れたキャップです。また乾きが早いため発汗量の多いトレイルランニングやファストパッキングなどのアクティビティに快適です。
- 重量:65g
- 素材:ポリエステル100%
- サイズ:ユニセックス
- メッシュ:あり
- ツバ:短め
- 天ボタン:なし
モンベル『O.D.クラッシャブルキャップ』
柔らかい唾を備えたコンパクトにして持ち歩くことができるシンプルなキャップです。紹介するキャップの中でも3000円以内で購入できるコストパフォーマンスの良さで最初に購入するキャップとしてもおすすめです。
- 重量:37g
- 素材:70デニール・フルダル・スパンライク・ナイロン・タッサー
- サイズ:ユニセックス
- メッシュ:なし
- ツバ:普通
- 天ボタン:なし
モンベル『3Dメッシュキャップ』
頭皮に直接紫外線が当たらないように3層構造のメッシュ生地を使用したキャップです。メッシュが重なっているため吸水拡散性に優れており汗をかいた時に早く乾き通気性にも優れているため登山中頭を涼しくしてくれます。
- 重量:65g
- 素材:3Dメッシュ:ポリエステル
- サイズ:ユニセックス
- メッシュ:あり
- ツバ:普通
- 天ボタン:なし
キャップと一緒に活用するのに便利なサンスクリーン
キャップをしていると気になるのが首の日焼けです。日焼け止めを塗っていても汗で流れてしまってうっかり塗り忘れてすごい日焼けをしてしまったということがないようにサンスクリーンの利用をおすすめします。
サンデーアフタヌーンズ『ソーラーカーテン』
非常に軽量で頭へのヒットはドローコードなど一切なくゴムバンドのみのシンプルな作りです。キャップの上から被るだけで耳と首の日焼け対策となります。サングラスを取り付けることができるサングラスロックが付いているのもソーラーカーテンの特徴です。
モンベル『サンブロックスクリーン』
ナイロン100%のスタンダードなサンスクリーンです。夏山登山だけでなく3シーズンでの使用、雪山登山での使用にも適したオールシーズン使えるモデルです。